併合罪のうちの二個以上の罪について有期拘禁刑に処するときは、その最も重い罪について定めた刑の長期にその二分の一を加えたものを長期とする。
要点刑法 47 条は、併合罪で二個以上の罪を有期拘禁刑で処断するとき、最も重い罪の上限刑期にその二分の一を加えた期間を上限と定める。ただし各罪の上限の合計と三十年の天井を超えられない。
Q · 詐欺や窃盗を何件も重ねたら、刑期はその件数分だけ足し算で増えるの?
いいえ。件数加算ではなく最も重い罪の上限+その半分が天井です
刑法 47 条により、併合罪で二個以上の罪を有期拘禁刑で処断するときは、最も重い罪の上限刑期にその二分の一を加えた期間が全体の上限になります。窃盗(上限十年)と詐欺(上限十年)でも、十年+五年の十五年が上限で、二十年にはなりません。さらに各罪の上限の合計を超えられず、刑法 14 条が有期拘禁刑の天井を三十年と定めます。何件問われても有期刑である限り三十年が絶対の壁で、米国型の「懲役百五十年」は日本では発生しません。
ニュースで「余罪十数件」と聞くと、刑が雪だるま式に膨れ上がる印象を受ける。だが現実は逆だ。複数の罪をまとめて裁くとき(併合罪、複数の確定前の罪を一括処理すること)、刑法 47 条は単純な足し算を禁じている。計算式はこうだ。最も重い罪の上限刑期に、その二分の一を加える。これが全体の上限になる。窃盗(上限十年)と詐欺(上限十年)を犯しても、十年に五年を足した十五年が上限で、二十年にはならない。さらにブレーキが二重にかかる。各罪の上限を合計した数字(この例なら二十年)を超えてはならず、加えて刑法 14 条が有期拘禁刑の天井を三十年と定める。つまりあなたが何件の罪に問われていても、有期刑である限り三十年が絶対の壁だ。米国の「懲役百五十年」が日本で起きない理由が、この一条にある。
刑法 47 条は併合罪の加重を定める規定であり、二個以上の罪について有期拘禁刑に処する場合に、最も重い罪につき定めた刑の長期にその二分の一を加えた期間を全体の長期とする。ただし各罪の長期の合計を超えることはできず、刑法 14 条が定める有期拘禁刑三十年の上限も併せて適用される。
確定裁判を経ていない二個以上の罪をいいます(刑法 45 条)。これらを一括して裁くとき、47 条の加重ルールが適用され、最も重い罪を基準に上限が決まります。
一個の行為が複数の罪名に触れるのが観念的競合(刑法 54 条)で、最も重い罪一つの刑だけで処断され 47 条は適用されません。別個の行為が重なるのが併合罪です。
犯罪の手段や結果が別の罪に当たる関係(刑法 54 条 1 項後段)で、科刑上一罪として最も重い罪一つの刑で処断されます。併合罪の加重は使われません。
最も重い罪の上限刑期にその二分の一を加えます。上限十年の罪が最重なら十五年が上限です。ただし各罪の上限合計と刑法 14 条の三十年を超えられません。
ある罪で判決が確定すると、その前に犯した罪との併合関係はそこで区切られます(刑法 45 条)。確定後に犯した罪は別個に裁かれ、刑がもう一本積み増されます。
令和 4 年(2022 年)公布の改正で懲役・禁錮が拘禁刑に統合され、令和 7 年(2025 年 6 月 1 日)施行です。47 条も「有期拘禁刑」に表現が改められました。
刑事訴訟法 313 条により弁論の併合審理を求められます。一つの手続で量れば 47 条の上限が働き、別々の法廷で裁かれるより総刑期が抑えられる場合があります。
いいえ。死刑や無期拘禁刑が含まれる場合は刑法 46 条が適用され、原則として他の刑を科しません。47 条は有期拘禁刑どうしの併合に限られます。
なりません。刑法 47 条は「最も重い罪の上限刑期+その二分の一」を併合罪全体の上限とします。各罪の上限が十年なら、十件あっても上限は十五年で、しかも刑法 14 条で有期拘禁刑は最長三十年と決まっています。業界裏話ヒント:弁護人は早い段階で「最重罪は何か」を見極めます。その一罪の法定刑が計算の出発点になるため、評価を一段軽い罪へ動かせるかどうかで、上限そのものが変わってくる
単純には重くなりません。確定裁判前の余罪なら併合罪として刑法 47 条の枠内で一括処理され、上限は最重罪を基準に抑えられます。むしろ自白は反省の情状として量刑を下げる材料にもなります。業界裏話ヒント:ただし自白した余罪が現に裁かれている罪より重ければ、計算の基準となる最重罪が入れ替わり、上限が上がることがある。損得は罪の軽重次第なので、弁護人と相談してから話すのが鉄則
なりません。刑法 14 条 2 項は、刑を加重する場合でも有期拘禁刑の上限を三十年と定めています。併合罪で 47 条の加重を行っても、この三十年の天井は破れません。米国は罪ごとに刑期を積み上げる方式ですが、日本は加重と天井で総量を抑える設計です。業界裏話ヒント:報道の「求刑懲役○十年」が三十年を超える数字なら、それ自体が法的にあり得ない。求刑の数字を額面通り恐れる必要はない
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 罪の束ね方 | 刑法 47 条:併合罪の加重(最も重い罪の上限+その二分の一) | — |
| 適用前提 | 確定裁判を経ていない二個以上の罪(刑法 45 条)が有期拘禁刑 | — |
| 上限の決まり方 | 最重罪の長期×1.5、かつ各罪の長期合計と 30 年を超えない | — |
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