第百九十九条及び前条の罪の未遂は、罰する。
要点刑法203条は、殺人罪と同意殺人・自殺関与罪の未遂を処罰する規定。未遂減軽は任意的にとどまり、自己の意思で犯行を中止した中止犯のみ、刑が必要的に減軽・免除される。
Q · 殺人未遂って、相手が死ななかったんだから刑は軽くなるんですよね?
未遂減軽は任意的で、自動的には軽くならない
刑法203条により殺人未遂は処罰され、法定刑の枠は殺人既遂と同じ「死刑又は無期若しくは5年以上の拘禁刑」です。未遂減軽(43条本文)は『減軽することができる』という任意的減軽にとどまり、裁判所が減軽しなければ既遂と同じ範囲で量刑されます。決定的なのは、自己の意思で犯行を中止し結果を防いだ中止犯(43条但書)に当たるかどうかで、これは必要的に刑が減軽または免除されます。
刺した、首を絞めた、毒を盛った。だが相手は死ななかった。その瞬間に立ち上がるのが刑法203条である。「第百九十九条及び前条の罪の未遂は、罰する」。たった一文だが、殺人(199条)と同意殺人・自殺関与(202条)が未遂に終わった場合も処罰の対象になると宣言している。あなたが知っておくべきは、未遂だからといって自動的に刑が軽くなるわけではない点だ。殺人未遂の法定刑は殺人既遂と同じ「死刑又は無期若しくは5年以上の拘禁刑」、ただし未遂減軽(刑法43条本文)が「できる」にとどまる。つまり減軽するかしないかは裁判所の裁量。さらに決定的なのが、あなたが自分の意思で犯行を止め、結果を防いだかどうか。その一点で「障害未遂」か「中止未遂」かが分かれ、刑が必要的に減軽・免除されるかが決まる。攻撃の後に救急車を呼んだかどうか、その行動一つがあなたの残りの人生を左右する。
殺人未遂罪は、刑法199条の殺人罪または202条の自殺関与・同意殺人罪に着手したが、結果である死亡を発生させなかった場合に、刑法203条を根拠として処罰される犯罪類型である。未遂には、外部的障害により遂げられなかった障害未遂と、自己の意思で中止した中止未遂があり、後者は刑の必要的減軽・免除の対象となる。
殺人や同意殺人に着手したが相手が死亡しなかった場合に、刑法203条を根拠に処罰される罪です。法定刑の枠は既遂と同じ「死刑・無期・5年以上の拘禁刑」です。
事案により大きく幅があります。殺意の強さ、傷害の程度、中止犯や示談の有無で、執行猶予から無期に近い実刑まで分かれます。未遂減軽は任意的なので軽くなる保証はありません。
自己の意思で犯行をやめたのが中止未遂で刑は必要的減軽・免除。発覚や抵抗など外部的障害でやめられなかったのが障害未遂で減軽は任意的にとどまります。
公訴時効は25年です(刑事訴訟法250条2項1号)。時効が廃止されたのは人を死亡させた既遂罪のみで、未遂は人が死亡していないため時効廃止の対象外です。
殺意があれば殺人未遂、なければ傷害罪です。凶器の種類、攻撃した部位、回数、傷の深さといった客観的事情から殺意の有無が認定されます。
可能性はあります。中止犯の成立、被害者との示談、初犯であることなどが揃えば、減軽を経て執行猶予が付く余地があります。ただし重大事案では実刑が原則です。
逮捕後の身柄拘束は最大23日(逮捕72時間+勾留10日+延長10日)で、その間に検察官が起訴・不起訴を判断します。起訴されれば裁判員裁判の対象です。
被告人の供述だけでなく、凶器・刺した部位・回数・力の程度などの客観的事情を総合して判断されます。心臓など枢要部を狙ったかが重要な手がかりになります。
そうとは限りません。刑法43条本文の未遂減軽は『減軽することができる』という任意的減軽で、裁判所が減軽しなければ殺人既遂と同じ刑の枠(死刑・無期・5年以上の拘禁刑)で量刑されます。業界裏話ヒント:弁護人が狙うのは43条但書の中止犯です。これは『必要的』減軽・免除なので、認められれば裁判所は必ず刑を下げるか免除しなければならない。同じ未遂でも、任意的減軽と必要的減軽・免除のどちらを取りに行くかで弁護方針がまるで変わる
なる可能性があります。自己の意思で犯行を中止し、結果発生(死亡)を現実に防いだと認められれば中止未遂(43条但書)です。ただし『自己の意思』が厳格に問われます。業界裏話ヒント:判例は『発覚を恐れて』『血を見て怖くなって』だけでは中止犯を認めにくく、外部の障害ではなく自律的にやめたかを見ます。一方、救命行為を自分から積極的に行った事実は中止の意思を裏づける強い材料になる。事件直後の自分の行動を時系列で正確に記録・供述できるかが分水嶺です
それは誤解です。2010年の改正で公訴時効が廃止されたのは『人を死亡させた罪』(刑事訴訟法250条1項)に限られ、殺人未遂は人が死亡していないため対象外です。殺人未遂の公訴時効は25年(同250条2項1号、死刑にあたる罪)です。業界裏話ヒント:既遂と未遂で時効の有無が分かれるため、長期間経過した事件では『被害者が死亡したか否か』が起訴できるかどうかを直接左右する。報道の『殺人は時効なし』という言葉に既遂・未遂の区別が抜けていることが多い(最新の改正状況をご確認ください)
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 行為段階 | 203条:実行に着手したが結果未発生(未遂) | — |
| 結果 | 被害者は死亡していない | — |
| 法定刑の枠 | 199条・202条と同一の枠(未遂減軽は任意的) | — |
| 中止犯・公訴時効 | 中止犯で必要的減免の余地/公訴時効25年 | — |
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