要点刑法 36 条は、急迫不正の侵害に対し自己または他人の権利を守るためやむを得ずにした行為を正当防衛として罰しない。ただし防衛の程度を超えると過剰防衛となり、刑が減免されるにとどまる。
Q · 殴られて殴り返したら、正当防衛で無罪になりますか?
状況次第。四要件を欠くと過剰防衛になります
刑法 36 条の正当防衛が成立するには、急迫不正の侵害が現に存在し、防衛の意思があり、やむを得ずにした行為で、かつ防衛手段が侵害の程度に釣り合っていることが必要です。一つでも欠けると 2 項の過剰防衛となり、刑の減軽や免除はあっても有罪・前科は残りえます。さらに殴り合いの喧嘩は双方が侵害者とみなされ、原則として正当防衛は認められません。
深夜の駅前で絡まれ、胸を突き飛ばされた。とっさに殴り返したら相手が転んで頭を打ち、今度はあなたが傷害罪で取り調べを受ける。多くの人は「やられたから、やり返した。正当防衛だ」と信じている。だが刑法36条が「罰しない」とする正当防衛は、想像よりはるかに狭い扉だ。条文が課す関門は四つ。急迫不正の侵害が現に存在すること、自己または他人の権利を守る目的であること、やむを得ずにした行為であること、そして防衛手段が侵害の程度に釣り合っていること。一つでも外れると2項の過剰防衛に落ち、刑が減軽される可能性はあっても前科は残りうる。さらに殴り合いの喧嘩は、互いに侵害し合っているとして原則的に正当防衛が認められない。あなたが知っておくべきは、反撃した瞬間にあなた自身が被告人席へ回りうるという、この紙一重の構造だ。
刑法 36 条は正当防衛を定める違法性阻却事由であり、急迫不正の侵害に対して自己または他人の権利を防衛するため、やむを得ずにした行為を罰しない旨を規定する。防衛の程度を超えた過剰防衛は 2 項により、情状によって刑を減軽し、または免除できるにとどまる。
AI 輔助整理,以條文原文為準
急迫不正の侵害に対し、自己または他人の権利を守るためやむを得ずにした反撃を罰しないとする制度です。刑法 36 条が根拠で、急迫性・防衛の意思・必要性・相当性の四要件を満たす必要があります。
①急迫不正の侵害が現に存在、②自己または他人の権利を守る防衛の意思、③やむを得ずにした行為(必要性)、④侵害の程度との釣り合い(相当性)の四つです。一つでも欠けると過剰防衛になります。
原則として認められにくいです。殴り合いの喧嘩は双方が互いに侵害し合っているとみなされ、裁判所は『急迫性なし』として正当防衛を否定することが多く、双方が傷害罪に問われえます。
侵害の程度に釣り合う範囲までです。素手の相手に凶器で反撃する、逃げた相手を追って殴るなどは相当性を超え、過剰防衛として刑の対象になります。
四要件をすべて満たせば、結果が死亡でも罰しない余地はあります。ただし相当性が否定されやすく、過剰防衛として傷害致死罪に問われ、刑が減免されるにとどまる場合が多いです。
逮捕されないとは限りません。捜査機関はまず双方の暴行事件として身柄を確保し、急迫性・相当性を後から判断します。主張が通る前に被疑者として取り調べを受ける現実があります。
正当防衛が成立すれば、民法 720 条により相手に与えた損害の賠償義務も原則として消えます。逆に過剰防衛なら刑事で軽くなっても民事の賠償は別途請求されえます。
正当防衛(36 条)は人の急迫不正の侵害に対する反撃。緊急避難(37 条)は自然災害・動物なども含む現在の危難を避ける行為で、無関係な第三者の法益を犠牲にしうる点が異なります。
なる場合があります。刑法36条の急迫不正の侵害は、攻撃がまさに切迫していれば、現実に殴られる前でも認められます。ただし「相手が殴りそうな気がした」程度では足りず、客観的に侵害が間近に迫っていることが必要です。業界裏話ヒント:実務では先制攻撃はほぼ過剰防衛か喧嘩と評価されやすく、純粋な正当防衛が認められるのは相手が凶器を構えた等の明白な切迫状況に限られます。先に手を出すなら、その切迫を裏づける証拠が要る
36条2項により、刑の減軽または免除が「できる」にとどまります。免除されれば実質無罪に近いですが、減軽どまりなら有罪で前科がつきます。減免するかは裁判所の裁量です。業界裏話ヒント:過剰防衛でも、恐怖や驚愕で我を忘れた状況が認められると刑が免除されやすくなります。弁護では「どれだけ怖かったか」「興奮状態だったか」を具体的に立証することが、減軽と免除の分かれ目になる
あります。36条は他人の権利の防衛も正当防衛に含めますが、加勢した相手が実は加害者側だった、防衛の程度を超えた、というケースでは過剰防衛や傷害罪に問われます。業界裏話ヒント:誤想防衛といって、本当は正当防衛の状況でないのにそうだと誤信して加勢した場合、故意が否定され処罰を免れる余地があります(刑法38条との関係)。ただし不注意なら過失犯が残ることがあるので、飛び込む前の見極めが要る
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 根拠条文と性質 | 刑法 36 条:正当防衛(違法性阻却) | — |
| 対処の対象 | 人の急迫不正の侵害(違法な攻撃) | — |
| 第三者への影響 | 原則として攻撃者本人へ反撃 | — |
| 程度を超えた場合 | 過剰防衛(2 項)として刑の減軽・免除にとどまる | — |
ログインすると、他の読者と一緒にこの条文へメモを残せます。
ログインして共同ノートを始める以下は各文が単独で意味の通る客観的事実です。引用は e-Gov法令検索を基準としてください。