第百九十九条の罪を犯す目的で、その予備をした者は、二年以下の拘禁刑に処する。
要点刑法 201 条は、殺人を犯す目的で予備をした者を二年以下の拘禁刑に処すると定める。被害者が無傷でも準備行為自体が処罰対象となるが、情状により刑が免除されることもある。
Q · 包丁を買って下見をしただけで、まだ誰も傷つけていなくても犯罪になるの?
殺す目的での準備なら、無傷でも殺人予備罪が成立する
刑法 201 条により、殺人を犯す目的で予備をした者は二年以下の拘禁刑に処されます。凶器の調達や現場の下見などの準備行為が「殺人の目的」と結びつけば、被害者が無傷でも犯罪が成立します。ただし、成立の核心は目的の立証にあり、殺意が証明できなければ凶器を持っていても成立しません。また、ただし書により、思いとどまった等の情状があれば裁判所は刑を免除できます。
包丁を買った。下見をした。相手の生活パターンをメモした。まだ誰も傷つけていない。それでも、あなたが「人を殺す目的」でその準備をしていたなら、刑法 201 条はもう発動している。「第百九十九条の罪を犯す目的で、その予備をした者は、二年以下の拘禁刑に処する」。多くの人は「実際にやってなければ犯罪じゃない」と思い込んでいる。だがこの国の刑法は、殺人という最高法益の侵害については、実行に着手する前の「準備段階」そのものを独立した犯罪として切り出している。ただし、条文の後半を見落としてはいけない。「情状により、その刑を免除することができる」。つまり、準備したが思いとどまった、計画が稚拙で危険性が低かった、そういう事情があれば裁判所は刑を免除できる。あなたが握っておくべきは、この条文が「目的」を立証の核心に据えているという点だ。客観的に凶器を持っていても、殺人の目的が証明できなければ、201 条は成立しない。検察官にとっての山は、いつもそこにある。
刑法 201 条は殺人予備罪を定める規定であり、同法 199 条の殺人罪を犯す目的をもって、凶器の調達や現場の下見などの準備行為をした者を処罰の対象とする。実行の着手前の準備段階を独立の犯罪とする点に特徴があり、ただし書は情状による刑の免除を認める。成立には殺人の目的の立証が不可欠である。
殺人を犯す目的で凶器の調達や下見などの準備行為をした段階で成立する犯罪です。刑法 201 条が根拠で、実行の着手前でも処罰され、法定刑は二年以下の拘禁刑です。
公訴時効は 3 年です(刑事訴訟法 250 条 2 項)。時効が廃止された殺人既遂罪とは異なり、予備罪には時効がある点に注意が必要です。
二年以下の拘禁刑です。令和 4 年改正で懲役・禁錮が拘禁刑に統合されました。ただし書により、情状に応じて刑が免除されることもあります。
予備罪は実行の着手前の準備段階、未遂罪は実行に着手して既遂に至らなかった段階です。境界は「実行の着手」があったか否かで分かれます。
逮捕後の身柄拘束は最大 23 日で、その間に検察官が起訴・不起訴を判断します。核心は殺意の立証なので、目的についての供述が結論を左右します。
有罪が確定すれば前科がつきます。被害者が無傷でも、殺人の目的を伴う準備行為が認定されれば前科となります。刑の免除でも有罪自体は残ります。
正犯に殺意があり、凶器の入手などに協力すれば、殺人予備の共犯に問われ得ます。「自分は手を下していない」は免責理由になりません。
凶器の所持、対象者のメモ、下見の痕跡、SNS や LINE の殺害をうかがわせる発言などです。これらが殺人の目的と時間的・内容的に結びつくと立証されます。
包丁の購入それ自体は日常行為で、それだけでは犯罪になりません。201 条が成立するには「殺人の目的」が必要で、購入が殺意と結びつく客観的事情(特定の相手のメモ、下見、脅迫的な発言など)が揃って初めて予備と評価されます。業界裏話ヒント:捜査機関にとって最大の壁は常に「目的」の立証です。同じ凶器でも、目的が証明できなければ不起訴。逆に SNS の書き込みや LINE 履歴が殺意の証拠として決定打になることが多いので、感情的な発言と道具の調達が時間的に近いと一気に立件リスクが上がる
理論上は予備罪が成立した後にやめても、いったん成立した予備罪は消えません。ただし 201 条ただし書は「情状により、その刑を免除することができる」と定めており、思いとどまった事情があれば裁判所は刑を免除できます。業界裏話ヒント:判例は予備罪への中止犯規定(刑法 43 条但書)の準用を否定する立場ですが、実務上はこのただし書の刑免除が事実上の救済として機能します。やめた事実を客観的に残す、たとえば凶器を処分した記録や相談した相手の存在が、免除を引き出す決め手になる
なりません。心の中で考えただけの段階(意思の形成)は処罰されず、外部に現れた「予備」という行為が必要です。凶器の調達や現場の下見など、客観的な準備行為があって初めて 201 条の射程に入ります。業界裏話ヒント:「考えただけ」と「準備した」の間に明確な処罰の壁がある一方、複数人で「殺そう」と合意する陰謀は、内乱や外患のような一部の重大犯罪でしか処罰されません。殺人については陰謀罪がなく、予備が処罰の最前線。どの行為からが予備かの線引きは事案ごとに微妙で、実務上、評価が分かれることがある
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 処罰の段階 | 刑法 201 条(予備):実行の着手前の準備段階 | — |
| 法定刑 | 二年以下の拘禁刑 | — |
| 中止した場合 | ただし書による刑の免除(中止犯規定は判例上不準用) | — |
| 成立の核心 | 殺人の目的 + 客観的な予備行為 | — |
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