内乱の予備又は陰謀をした者は、一年以上十年以下の拘禁刑に処する。
要点刑法 78 条は、内乱の予備又は陰謀をした者を一年以上十年以下の拘禁刑に処すると定める。実行前の計画・合意段階で処罰されるが、暴動前に自首すれば刑は免除される(80 条)。
Q · 国家転覆を計画しただけで、何も実行していなくても罪になるの?
なる。計画と合意だけで処罰される
刑法 78 条により、内乱の予備又は陰謀をした者は、一年以上十年以下の拘禁刑に処せられます。内乱罪本体(刑法 77 条)の実行や未遂に至っていなくても、具体的な暴動計画を立て、または実質的に合意した段階で犯罪が成立します。これは内乱が国家の存立そのものを脅かすため、芽の段階で摘む必要があるという考え方です。ただし暴動が始まる前に自首すれば、刑法 80 条により刑が免除されます。
国家を転覆させる計画を立て、仲間と役割まで決めて合意した。実際には一発の銃も撃たず、一人の負傷者も出していない。それでも刑法78条は、その「予備」と「陰謀」だけで、あなたを一年以上十年以下の拘禁刑に送ることができる。普通の犯罪は結果が出て初めて罰せられるが、内乱は国家そのものを壊す行為だから、法律は実行のはるか手前、計画と合意の段階で網をかける。ここで知っておくべきは二つ。第一に、処罰されるのは漠然とした思想や不満ではなく、具体的な計画への実質的な合意であること。第二に、暴動が始まる前に自首すれば、刑法80条によって刑は免除される。重く罰する一方で、引き返す者には完全な出口を残す。この異様な構造の中に、立法者の本音が隠れている。
内乱の予備・陰謀とは、刑法 77 条の内乱罪を実現するための準備行為(予備)および二人以上の者が内乱の実行について行う具体的な合意(陰謀)を指す。実行行為や未遂に至らない計画段階を独立した犯罪類型として処罰するもので、国家的法益に対する罪に特有の早期処罰構造をとる。
刑法 77 条の内乱を実現するための準備行為を独立して処罰する罪です。武器調達や役割分担など具体的準備に着手すれば、実行前でも成立します(刑法 78 条)。
本体の内乱罪は首魁が死刑又は無期拘禁刑(刑法 77 条)。予備・陰謀の段階は一年以上十年以下の拘禁刑(刑法 78 条)と、行為の段階で大きく分かれます。
内乱罪は国内勢力による統治秩序の破壊(刑法 77 条以下)、外患罪は外国と通じて国を危うくする罪(刑法 81 条以下)です。どちらも国家の存立を守る罪です。
公訴時効は長期十年未満の拘禁刑にあたる罪として 7 年です(刑事訴訟法 250 条)。ただし計画が現実の暴動に発展すれば内乱罪本体に切り替わります。
政治目的で内乱の予備・陰謀・せん動を行う団体は、破壊活動防止法による調査・規制の対象になりえます。刑法の内乱罪と地続きの枠組みです。
二人以上が内乱の実行について具体的に合意した段階を指します。抽象的な議論や決意表明では足りず、日時・役割・手段まで詰まった合意が必要です。
戦後の日本で内乱罪本体の適用例はほとんど確認されていません。極めて例外的な国家的緊急事態を想定した規定であるためです。
兵器・資金・場所の提供などで内乱を幇助した者も処罰されます(刑法 79 条)。実行行為者でなくても援助行為自体が独立して可罰的です。
なりません。デモや政府批判、体制変革を語ること自体は憲法21条の表現の自由の中核であり、78条の処罰対象外です。罪に問われるのは、暴動によって統治の基本秩序を壊すという具体的目的のもと、実質的な計画と合意に至った場合です(刑法77条、78条)。業界裏話ヒント:実務で線引きが争われるのは『抽象的な決意表明』か『具体的合意』かという一点で、捜査側は会合の議事録・役割分担・資金や武器の手当ての有無を集めにくる。逆に言えば、議論が具体に落ちていない記録こそが最大の防御材料になる。
されます。78条は内乱の『予備』『陰謀』を独立して処罰するため、未遂にすら至らず結果が一切出ていなくても成立します。これは内乱が国家の存立そのものを脅かすため、実行を待たずに芽を摘む必要があるという考え方です。業界裏話ヒント:通常の犯罪は『陰謀』を罰しないのが原則で、陰謀段階を処罰するのは内乱・外患など国家的法益に関わるごく一部だけ。だからこそ捜査機関は『合意の存在』の立証に最も力を注ぐ。ここが崩れれば立件自体が揺らぐ。
暴動が始まる前であれば、刑法80条により刑が免除されます。注意すべきは『無罪』ではなく『刑の免除』である点で、犯罪の成立自体は認められるが刑罰を科されない扱いです。業界裏話ヒント:この免除は集団犯罪を内側から崩すための立法政策で、早く名乗り出た者ほど確実に守られる。逆に暴動が一度始まれば内乱罪本体(77条、首魁は死刑又は無期)に変わり、この出口は閉じる。迷っている時間そのものがリスクになる。
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 行為の段階 | 刑法 78 条:予備・陰謀(計画・準備・合意) | — |
| 法定刑 | 一年以上十年以下の拘禁刑 | — |
| 引き返す余地 | 暴動前の自首で刑の免除(刑法 80 条) | — |
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