この編の規定は、他の法令の罪についても、適用する。
要点刑法8条は、刑法総則の規定が他の法令の罪にも適用されると定める。特別刑法の犯罪にも故意や正当防衛の原則が及ぶが、その法令に特別の規定があればそちらが優先される。
Q · ○○法違反で逮捕されたら、刑法の正当防衛や故意のルールは使えないの?
原則使える。ただし特別の規定があればそちらが優先
刑法8条本文により、刑法総則の規定は他の法令の罪にも適用されます。道交法や税法などの特別刑法で起訴されても、故意がなければ原則として処罰されず(刑法38条1項)、正当防衛(36条)や責任能力(39条)の規定も盾になります。ただし但書により、その法令に両罰規定や過失犯処罰の特則など『特別の規定』があるときは、総則の原則が修正・排除されます。法人にも罰金が科される両罰規定は、その典型例です。
「刑法」と聞いて思い浮かべるのは殺人や窃盗かもしれないが、あなたが現実に巻き込まれる犯罪の大半は、刑法典の外にある。道路交通法違反、覚醒剤取締法違反、税法の脱税罪、会社法や金融商品取引法の罰則。これらは「特別刑法」と呼ばれ、条文は刑法典ではなく各法律の中に散らばっている。では、これらの犯罪に故意、過失、正当防衛、心神喪失、共犯といった刑法の基本原則は適用されるのか。その答えを一行で決めているのが8条だ。「この編の規定(刑法総則)は、他の法令の罪についても適用する」。つまり、あなたが道交法で起訴されても、刑法総則の正当防衛や故意の規定はそのまま盾になる。ただし但書が肝で、その特別法に独自のルール(両罰規定や過失犯処罰の特則)があれば、そちらが優先される。総則という土台の上に各特別法が独自の例外を積む、その関係を定めた一本の梁である。
刑法第8条は、刑法総則の適用範囲を定める規定である。同条本文は、刑法第1編の総則が他の法令に定める罪についても適用される旨を規定し、特別刑法の犯罪にも故意・過失・違法性阻却・責任・共犯などの一般原則が及ぶ根拠となる。ただし書は、当該法令に特別の規定があるときは総則の適用が排除または修正されることを示す。
刑法典の外にある罰則規定の総称で、道路交通法・覚醒剤取締法・税法・会社法の罰則などを指します。条文は各法律の中に散らばっていますが、刑法8条により総則が適用されます。
刑法8条本文により、故意・過失・正当防衛・責任能力・共犯などの総則規定が、他の法令に定める罪にもそのまま及びます。特別法に排除する特別の規定がない限り適用されます。
その法令に両罰規定や過失犯処罰の特則など『特別の規定』があるときは、総則の原則が修正・排除されるという意味です。本文だけ覚えて但書を読み飛ばすと読み違えます。
適用されます。行政取締目的の罰則であっても、刑罰を科す以上『他の法令の罪』にあたり、刑法8条本文を通じて故意・責任能力などの総則が及びます。
刑法38条1項が8条経由で適用され、故意がなければ原則として処罰されません。過失にとどまるなら不可罰を主張できる余地があります。
刑法典は総則と各則を体系化した一般法、特別法は道交法や税法など特定分野の罰則です。総則という土台は8条によって両者に共通して及びます。
なります。心神喪失・心神耗弱(刑法39条)の規定は8条経由で特別法犯罪にも適用され、責任能力の有無は量刑や起訴判断に影響します。
共犯(刑法60条以下)の規定は8条本文により特別法犯罪にも適用されます。未遂は各則に未遂処罰の明文がある罪についてのみ処罰されます。
関係あります。8条本文により、刑法総則(故意、正当防衛、責任能力など)は道交法のような他の法令の罪にも適用されます。だから道交法違反でも、故意がなければ原則不可罰(刑法38条1項)です。業界裏話ヒント:道交法には過失も罰する明文を持つ罪と、持たない罪が混在しています。起訴された条文が過失犯処罰を含むかどうかで、防御の組み立てが正反対になる。弁護人はまずそこを見る
それが8条但書の『特別の規定』である両罰規定です。独占禁止法95条や金融商品取引法207条のように、特別法が行為者だけでなく法人も処罰すると定めている場合、総則の原則を修正して法人にも罰金が科されます。業界裏話ヒント:両罰規定でも、法人が従業員の選任・監督に相当の注意をしていたと立証できれば免責される、という判例の流れがある。コンプライアンス体制の証拠が、そのまま法人の防御材料になる
できます。8条本文により、正当防衛(刑法36条)も心神喪失・心神耗弱(同39条)も、特別法の犯罪に総則経由でそのまま適用されます。特別法側に排除する特別の規定がない限り、これらの盾は外れません。業界裏話ヒント:特別法事件だと、検察も弁護人も構成要件の有無に集中しがちで、総則の責任能力や違法性阻却の検討が後回しになりやすい。総則の論点を早い段階で立てられるかが、結果を分けることがある
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