要点刑法234条の2は、業務用の電子計算機や電磁的記録を損壊・誤作動させて業務を妨害する行為を、5年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金で処罰する。侵入は不要で、未遂も罰せられる。
Q · 他人のシステムに侵入していなくても、サーバーを止めたら犯罪になりますか?
侵入なし・未遂でも成立します
刑法234条の2は、業務用の電子計算機や電磁的記録を損壊し、虚偽情報や不正指令を与えて使用目的に反する動作をさせ業務を妨害する行為を、5年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金で処罰します。不正アクセス禁止法と異なり「侵入」は要件ではなく、正規のアクセス権を持つ社員でも成立します。さらに第2項が未遂を処罰するため、攻撃が失敗してサーバーが落ちなくても、妨害しようとした行為が立証できれば刑事責任を問われます。
通販サイトに大量アクセスを送りつけてサーバーをダウンさせる、退職前の従業員が基幹システムのデータを書き換える、ライバル店の予約システムに自動プログラムで偽予約を流し込んで満席に見せかける。手口はバラバラに見えるが、すべて刑法234条の2という同じ網にかかる。ここで知っておくべき急所が二つある。第一に、この罪は他人のパソコンに「侵入」する必要がない。正規のアクセス権を持つ社員でも、システムを使用目的に反する動きにさせて業務を止めれば成立する。不正アクセス禁止法とは別の入口だ。第二に、第2項で未遂も処罰される。攻撃が失敗してサーバーが落ちなくても、落とそうとした時点で犯罪は始まっている。逆にあなたが事業者側なら、サーバーログとアクセス記録こそが、この罪を立証する唯一の弾薬になる。記録を残していない事業者は、被害を受けても戦えない。
刑法234条の2(電子計算機損壊等業務妨害罪)は、業務に使用する電子計算機または電磁的記録を損壊し、もしくは虚偽の情報・不正な指令を与え、その他の方法により電子計算機に使用目的に沿う動作をさせず、または使用目的に反する動作をさせて人の業務を妨害する行為を処罰する規定である。威力業務妨害(234条)が人の意思を制圧する罪であるのに対し、本罪はコンピュータそのものを攻撃対象とする点に特徴がある。
刑法234条の2の罪で、業務用コンピュータや電磁的記録を損壊・誤作動させて業務を妨害する行為を処罰します。法定刑は5年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金です。
サーバーへ過負荷をかけて業務を止めるDDoS攻撃は、刑法234条の2の電子計算機損壊等業務妨害罪の典型例です。攻撃元IPやアクセスログの保全が立件の鍵になります。
データを暗号化して業務を止める行為は、電磁的記録の損壊として刑法234条の2に該当し得ます。身代金支払いの前に刑事事件として通報・告訴を検討できます。
公訴時効は5年です(刑訴250条2項、長期5年の拘禁刑のため)。起算点は犯罪行為が終わった時で、継続的攻撃中は進行しないと解されます。
不正アクセス禁止法は他人のIDでの不正な侵入そのものを罰します。234条の2は侵入の有無を問わず、業務妨害の結果を罰する別の入口です。
本罪は故意犯のため、業務を妨害する故意がない過失だけでは成立しません。ただし本番投入の経緯次第で故意の有無が激しく争われます。
業務用の電磁的記録を損壊した時点で刑法234条の2の射程に入ります。正規の管理権限があったことは免罪符になりません。
復旧より先に、攻撃時点のサーバーログ・アクセスログ・通信記録の保全が最優先です。慌てて再起動すると証拠が揮発し犯人特定が困難になります。
なります。234条の2は不正アクセスを要件としていないので、正規のアクセス権を持つ社員でも、システムを使用目的に反して動かし業務を妨害すれば成立します。5年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金です。業界裏話ヒント:内部犯行は外部攻撃より立証が難しいことが多い。誰がいつどの操作をしたかを示す操作ログと権限管理の記録がないと、刑事告訴しても『本人がやった証拠がない』で止まる。退職予定者がいる時点で、ログ取得と権限管理を先に固めておくことが事実上の勝負どころ
訴えられます。第2項が未遂を処罰するので、防御に成功して実害ゼロでも、業務を妨害しようとした行為が立証できれば刑事責任を問えます。業界裏話ヒント:実害がないケースほど、攻撃側の『故意』と『使用目的に反する動作をさせようとした事実』の立証が鍵になる。攻撃のパケットログやコマンド履歴を保全できているかどうかで、未遂事件として成立するかが決まる。弾いた直後にログを保存したかが、後で泣くか笑うかを分ける
標的が違います。威力業務妨害(刑法234条)は人の意思や身体を制圧して業務を妨げる罪、234条の2はコンピュータそのものを直接攻撃して業務を妨げる罪です。DDoSのようにサーバーへ過負荷をかける手口は234条の2の典型です。業界裏話ヒント:検察はどちらの条文で起訴するかを手口で選ぶ。電子計算機を介さない妨害(店頭での妨害行為など)は234条、システムを標的にしたものは234条の2。境界事例では両にらみで捜査されるため、被害事業者は『何が、どのシステムを、どう止めたか』を技術的に整理して提供できると立件が早い
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 攻撃対象 | 234条の2:電子計算機・電磁的記録そのもの | — |
| 典型的手口 | DDoS、データ削除、不正指令、ランサムウェア | — |
| 法定刑 | 5年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金 | — |
| 未遂処罰 | あり(234条の2第2項) | — |
ログインすると、他の読者と一緒にこの条文へメモを残せます。
ログインして共同ノートを始める以下は各文が単独で意味の通る客観的事実です。引用は e-Gov法令検索を基準としてください。