この章の罪については、電気は、財物とみなす。
要点刑法 245 条は、窃盗・強盗などの章の罪について電気を財物とみなす規定。無断の盗電は窃盗罪となるが、情報やデータは財物に含まれず複製しても窃盗罪は成立しない。
Q · 電気を盗んだら窃盗罪? データをコピーしたら窃盗罪?
電気は財物とみなされ盗電は窃盗罪。情報・データは対象外
刑法 245 条により、窃盗・強盗の章の罪については電気が財物とみなされます。したがって他人の電気を無断使用する盗電は、金額が少額でも理論上は窃盗罪(235 条)に当たります。これに対し、情報やデータは本条に名指しされていないため財物に含まれず、いくら複製しても窃盗罪は成立しません。会社の機密データ持ち出しが問題になるのは、窃盗罪ではなく不正競争防止法の営業秘密侵害罪や背任罪です。
会社の機密ファイルを USB にコピーして持ち出した。これは窃盗罪になると思うか。答えは、原則としてならない。日本の刑法で盗める対象は財物、つまり形のある物に限られる。その大原則に唯一の例外を開けるのが、この 245 条だ。「この章の罪については、電気は、財物とみなす」。たった一文だが、奥は深い。電気は目に見えず手で掴めない、だから本来は財物ではない。それでも盗電を罰するため、立法者はわざわざ「みなす」という擬制の一文を置いた。逆に言えば、ここに名指しされていない情報やデータは、いくらコピーしても窃盗罪の財物にはならない。あなたが日常で使う「盗む」と、刑法が定める「窃盗」の間には、この一文が引いた見えない境界線が走っている。
刑法 245 条は、第 36 章(窃盗及び強盗の罪)の各罪について、電気を財物とみなす旨を定める擬制規定である。電気は有体物ではなく本来は財物に当たらないが、本条により窃盗罪・強盗罪等の客体となる。名指しされない情報・データはこの擬制の対象外であり、財物としては扱われない。
窃盗・強盗の章の罪について、電気を財物とみなすと定める擬制規定です。本来は有体物でない電気を財物に含めることで、盗電に窃盗罪等の成立を認めます。
罪刑法定主義の下では条文にない電気を裁判官が類推で財物に含められません。明治期の電気窃盗事件をきっかけに、国会が明文で線を引いたためです。
条文は「電気」とだけ書きます。熱や動力など管理可能なエネルギー一般に及ぶかは解釈に委ねられ、実務上は対象範囲の細部に議論があります。
情報は財物とみなされず窃盗罪は成立しません。問われるのは不正競争防止法の営業秘密侵害罪、背任罪、不正アクセス禁止法違反などです。
ガソリンや水道水は有体物なので 245 条を待たず当然に財物で、無断取得は窃盗罪となり得ます。245 条は無体の電気を補うための規定です。
不正に使用された電気の料金相当額で算定します。継続的な盗電では使用期間と使用量を積み上げ、検針記録や配線状況が立証の基礎になります。
窃盗罪の公訴時効は 7 年です。継続的な盗電の場合、不正使用が終了した時から起算されます(最新の改正状況をご確認ください)。
245 条は窃盗・強盗の章に置かれ強盗罪の客体になります。詐欺・恐喝も 251 条の準用により、電気がその客体となり得ます。
電気窃盗として窃盗罪(刑法 235 条、245 条)が成立しうる。電気は 245 条で財物とみなされるため、無断で他人の電気を使えば「他人の財物を窃取した」ことになり、金額が少額でも理論上は罪が成り立つ。業界裏話ヒント:実務では一回限りの少額使用なら起訴猶予になることが多いが、メーター改ざんや継続的・組織的な盗電は別格。被害額が積み上がると本格的な捜査対象になり、少額だから大丈夫という感覚は通用しない
原則として窃盗罪にはならない。データや情報は 245 条の電気と違って財物とみなされないため、複製しただけでは財物の窃取に当たらない。問われるのは不正競争防止法の営業秘密侵害罪や背任罪だ。業界裏話ヒント:会社の USB メモリやノート PC そのものを持ち出せば、その物体について窃盗罪が成立する。中身の情報ではなく、容れ物の物理媒体を盗ったかどうかで罪名が変わる。データ流出事件で捜査側がまず物理媒体の持ち出しを確認するのはこのためだ
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 窃盗罪の客体になるか | 電気:245 条により財物とみなされる | — |
| 無断取得した場合の罪名 | 電気:窃盗罪(235 条)が成立し得る | — |
| 成立の根拠 | 電気:明文の擬制(245 条)が必要 | — |
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