前二条の規定により刑の一部の執行猶予の言渡しを取り消したときは、執行猶予中の他の拘禁刑についても、その猶予の言渡しを取り消さなければならない。
要点刑法27条の6は、一部執行猶予が前二条により取り消されたとき、執行猶予中の他の拘禁刑の猶予も取り消さなければならないと定める。裁量の余地はなく連鎖的に取り消される。
Q · 一部執行猶予が取り消されたら、別件で猶予中だった刑はどうなる?
別件で猶予中の他の刑も必ず取り消されます
刑法27条の6により、前二条(27条の4・27条の5)で一部執行猶予の言渡しが取り消されたときは、執行猶予中の他の拘禁刑についても、その猶予の言渡しを取り消さなければなりません。これは「取り消さなければならない」という義務規定で、裁判所に別件の猶予を残す裁量はありません。結果として、目の前の一件分だと思っていた服役が、別件の刑まで連鎖して一気にのしかかります。連鎖を止めるには、引き金となる一部執行猶予の取消し自体を争うしかありません。
覚醒剤の使用で実刑と一部執行猶予の判決を受け、社会の中で更生に取り組んでいた。ところが猶予期間中に再びつまずき、一部執行猶予の取消しが決まった。ここで多くの人が見落とすのが、その瞬間に起きる連鎖だ。刑法27条の6は、前二条(27条の4の必要的取消し、27条の5の裁量的取消し)によって一部執行猶予の言渡しが取り消されたとき、別件で猶予されていた他の拘禁刑についても、裁判所は猶予の言渡しを取り消さなければならないと定める。「しなければならない」、つまり裁量の余地はない。あなたが頭の中で「収監されるのは今回の刑だけ」と計算していても、法は別件の猶予まで芋づる式に引き倒す。一枚目のドミノが倒れた瞬間、並んでいた他のドミノも連鎖して倒れる。実際に塀の中で過ごす期間は、あなたが想定した何倍にもなりうる。
刑法27条の6は、一部執行猶予の連鎖的取消しを定める規定である。前二条により刑の一部の執行猶予の言渡しが取り消された場合、執行猶予中の他の拘禁刑についても、その猶予の言渡しを必要的に取り消すべき旨を規定し、裁判所に別件の猶予を維持する裁量を認めない。
AI 輔助整理,以條文原文為準
必要的取消し(27条の4、猶予期間内の再犯で拘禁刑以上が確定等)と、裁量的取消し(27条の5、保護観察の遵守事項違反等)の二系統があります。事由により争える余地が変わります。
猶予期間内に新たな罪で拘禁刑以上の刑が確定すると、一部執行猶予は必要的に取り消されます(27条の4)。さらに27条の6で別件の猶予中の刑も連鎖して取り消されます。
必要的取消し(27条の4)は要件を満たせば必ず取り消されます。裁量的取消し(27条の5)は裁判所が更生状況等を考慮して判断するため、取消し自体を争う余地があります。
保護観察付きの場合、遵守事項に違反すると裁量的取消し(27条の5)の対象になりえます。取り消されれば27条の6で別件の猶予も連鎖します。
平成25年(2013年)公布、平成28年(2016年6月1日)施行の比較的新しい制度です。古い解説は全部執行猶予の話と混在していることが多いので注意が必要です。
27条の6に裁量はないため、連鎖自体は止められません。防ぐには引き金となる一部執行猶予の取消し自体を、裁量的取消し(27条の5)の段階で争うしかありません。
検察官が取消しを請求し、本人には意見を述べる機会の通知が届きます(刑事訴訟法349条以下)。期日前に弁護人を立てて対応することが重要です。
猶予期間が経過すれば取消しはできず、刑の言渡しは効力を失います(27条の7)。猶予期間の満了が事実上のタイムリミットになります。
刑の一部だけを実際に服役し、残りの一部を猶予する制度です(刑法27条の2)。例えば「2年の拘禁刑のうち1年6月を服役、残り6月を2年間猶予」のように刑を分割します。実刑と全部猶予の中間で、薬物事犯の社会内更生に多く使われます。業界裏話ヒント:一部執行猶予は2016年6月から始まった比較的新しい制度で、古い解説書や検索で出てくる情報は全部執行猶予の話と混在していることが多い。自分の判決がどちらの猶予なのか、判決主文の文言を弁護人と一字一句確認しておかないと、リスクの大きさを読み違える
27条の6は「取り消さなければならない」と定める義務規定で、別件の猶予を残す裁量はありません。連鎖を止めたいなら、引き金となる一部執行猶予の取消し自体を防ぐしかない、という構造です。業界裏話ヒント:だからこそ勝負は連鎖が起きた後ではなく、取消事由が裁量的取消し(27条の5)にとどまる段階にある。必要的取消し(27条の4、猶予期間内の再犯で拘禁刑以上の刑が確定など)に至ると連鎖は確定的になる。弁護活動の山場は、必要的取消しの要件を満たさせないところにある
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 役割 | 27条の6:取消しが別件の他の猶予中の刑に連鎖する効果 | — |
| 裁量の有無 | なし(取り消さなければならない) | — |
| 発動の起点 | 前二条による取消しが現実に起きたこと | — |
| 争う余地 | 連鎖自体は争えず、引き金の取消しを争うしかない | — |
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