要点刑法27条の7は、一部執行猶予の猶予期間を取り消されず経過すれば、拘禁刑を服役した部分まで減軽し執行を終えたものとみなすと定める。期間中の罪の起訴があれば減軽は留保される。
Q · 刑務所を出たら、一部執行猶予の刑はもう終わったってことですか?
いいえ。猶予期間を無事終えて初めて残りの刑が消えます
刑法27条の7第1項により、一部執行猶予の言渡しを取り消されることなく猶予期間を経過すると、拘禁刑は実際に服役した部分の期間まで減軽され、その部分の執行を終えた日にさかのぼって刑の執行を終えたものとみなされます。つまり猶予された残りの刑は法的に消えます。ただし猶予期間中に罰金以上にあたる罪を犯し起訴されていると、効力継続期間の間は減軽が留保され、拘禁刑なら必ず取り消されます(4項)。出所はゴールではなく、猶予期間の最終日が本当の終点です。
実刑3年のうち1年を執行猶予にする。これが刑の一部の執行猶予だ。あなたは2年を刑務所で務め、残り1年は保護観察を受けながら社会で過ごす。27条の7が効いてくるのは、その猶予期間を無事に走り切った瞬間だ。猶予を取り消されずに期間が経過すれば、あなたの刑は実際に服役した部分(この例なら2年)まで減軽され、非猶予部分の執行を終えた日にさかのぼって刑の執行を終えたものとみなされる。つまり残りの1年は法的に消える。これは罰ではなく、立ち直りへの報酬装置だ。だが2項以下が牙を剥く。猶予期間中にあなたが罰金以上にあたる罪を犯し、それが起訴されていると、減軽は「効力継続期間」の間ずっと留保される。その罪で拘禁刑を受ければ猶予は必ず取り消され(4項)、罰金でも取り消されうる(5項)。さらに取り消されれば、別に抱えていた執行猶予中の刑まで連鎖して取り消される(6項)。刑務所の門を出てもゴールではない。猶予期間の最後の一日まで、あなたの刑は宙づりのままだ。
刑法27条の7は、刑の一部の執行猶予における猶予期間経過の効果を定める規定である。猶予を取り消されずに期間が経過すると、拘禁刑は執行が猶予されなかった部分の期間まで減軽され、その部分の執行を終えた日にさかのぼり刑の執行を終えたものとみなされる。猶予期間中に犯した罪の起訴がある間は、この減軽は留保される。
AI 輔助整理,以條文原文為準
実刑の一部を服役させ、残りの部分の執行を一定期間猶予する制度です。例えば拘禁刑2年のうち6月を猶予し、1年6月服役後に保護観察を受けながら社会で過ごします。
全部執行猶予は刑の全部を服役させず猶予しますが、一部執行猶予は一部を実際に服役させ、残りだけを猶予します。社会内処遇と施設内処遇を組み合わせる点が特徴です。
罰金以上にあたる罪を犯さないことが最重要です。期間中に犯した罪が起訴されると減軽が留保され、拘禁刑なら必ず取り消されます(刑法27条の7第4項)。
犯した罪が起訴されれば残りの刑の減軽が留保され、その罪で拘禁刑を受ければ猶予は必ず取り消し、罰金でも取り消されうります(4項・5項)。
薬物使用等の罪では原則として保護観察が付されます。一般の一部執行猶予でも裁判所の判断で付されることがあり、付された場合は遵守事項を守る必要があります。
連鎖して取り消されます。刑法27条の7第6項により、取り消された場合は別に抱えている執行猶予中の他の拘禁刑についても猶予の言渡しが取り消されます。
覚醒剤使用などの薬物事犯では、専用の特別法(薬物使用等の罪を犯した者に対する刑の一部の執行猶予に関する法律)により、再犯防止と社会復帰を目的に活用されます。
検察官の請求に基づき裁判所が判断します。手続きは刑事訴訟法349条によります。取消決定が確定すると、猶予されていた残りの刑を服役することになります。
刑の執行は終わったとみなされますが(刑法27条の7第1項)、前科そのものが消えるわけではありません。資格制限などが消える『刑の消滅』は刑法34条の2が別に定めており、拘禁刑なら執行を終えてから10年間罰金以上の刑を受けなければ刑の言渡しが効力を失います。業界裏話ヒント:『執行を終えた』と『刑が消滅した』は別物です。就職や資格取得の場面で効いてくるのは34条の2のほう。出所イコールまっさらではなく、そこから10年のカウントがまた静かに走り始めている
逃げ切れません。2項は、猶予期間が経過するまでに犯した罪について起訴されていれば、期間を過ぎても減軽をストップさせます。経過後に起訴されたとしても、犯行が期間中であれば効力継続期間として宙づりが続きます。業界裏話ヒント:『期間が過ぎたから勝ち』という発想は通用しません。判断の基準は『いつ犯したか』であって、『いつ起訴されたか』『いつ期間が終わったか』ではない。ここを取り違えて安心してしまう人がとても多い
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 猶予期間経過の効果 | 27条の7:拘禁刑を服役した部分まで減軽し執行を終えたものとみなす | — |
| 服役の有無 | 非猶予部分を実際に服役したうえで残部を猶予 | — |
| 期間中再犯の効果 | 起訴で減軽留保、拘禁刑で必要的取消し(4項)・罰金で裁量的取消し(5項) | — |
| 他の刑への波及 | 取消し時は他の執行猶予中の拘禁刑も連鎖取消し(6項) | — |
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