外国に対して私的に戦闘行為をする目的で、その予備又は陰謀をした者は、三月以上五年以下の拘禁刑に処する。
要点刑法 93 条は、外国に対して私的に戦闘行為をする目的での予備または陰謀を、3 月以上 5 年以下の拘禁刑で処罰する。ただし自首した者は刑を必ず免除される。
Q · 海外の紛争に戦闘員として加わろうと準備したら、実際に戦う前でも罪になるの?
なる。予備や陰謀の段階で刑法 93 条が成立する
刑法 93 条は、外国に対して私的に戦闘行為をする目的での『予備』または『陰謀』を処罰します。装備や資金を整える準備段階(予備)や、仲間と計画を練る段階(陰謀)で、実際の戦闘に着手していなくても犯罪が成立します。法定刑は 3 月以上 5 年以下の拘禁刑。2014 年にはイスラム国への渡航を企てた北海道大学の学生に本条の容疑で家宅捜索が行われました(起訴には至らず)。ただし但書により、逮捕・発覚の前に自首すれば刑は必ず免除されます。
刑法には、100年以上ほとんど誰にも適用されなかった条文がいくつかある。93条はその筆頭だった。明治40年(1907年)の制定以来、長く眠っていたこの条文が、2014年に一度だけ目を覚ます。シリア内戦の「イスラム国」に戦闘員として渡ろうとした北海道大学の学生に対し、警視庁公安部が本条の容疑で関係先を家宅捜索したのだ(その後起訴には至っていない)。罰せられるのは「外国に対して私的に戦闘行為をする目的」での「予備」または「陰謀」。つまり実際に戦う前の、装備や資金を整える段階(予備)や仲間と計画を練る段階(陰謀)で、すでに犯罪が成立する。日本国家の許可なく私人が勝手に外国と戦端を開けば、日本全体が望まぬ国際紛争に巻き込まれかねない、その芽を準備段階で摘むための条文だ。そして但書には非常口がある。実行前に自首すれば、刑は必ず免除される。
刑法 93 条は私戦予備及び陰謀を定める規定であり、外国に対して私的に戦闘行為をする目的で、その予備または陰謀を行う行為を処罰の対象とする。国家の権限によらず私人が外国と戦端を開く事態を準備段階で阻止することを目的とし、自首した者については刑の必要的免除を認める但書を備える。
外国に対して私的に戦闘行為をする目的で、その準備(予備)や計画(陰謀)をした者を罰する刑法 93 条の罪です。実際の戦闘に着手する前でも成立します。
3 月以上 5 年以下の拘禁刑です。ただし但書により、逮捕・発覚の前に自首した者はその刑が必ず免除されます。
国家の許可なく私的に外国へ戦闘を仕掛ける目的なら、準備段階で刑法 93 条に触れうります。外国の正規軍への正式入隊は通常区別されると解されています。
明治 40 年の制定以来ほぼ適用例がなく、2014 年のイスラム国渡航事件で容疑として用いられたのが知られる例です(起訴には至っていません)。
予備は装備・資金の調達など一人でも行える準備行為、陰謀は二人以上が実行を具体的に計画・合意することです。本条はどちらの段階でも成立します。
公訴時効は 5 年です(刑事訴訟法 250 条 2 項。法定刑上限が拘禁刑 5 年のため)。予備・陰謀の行為が終わった時から起算されます。
単なる渡航や思想の表明だけでは『戦闘行為をする目的』の立証は容易でありません。ただし装備・資金の準備や計画の相談が伴えば射程に入ります。
まず弁護人を呼び黙秘権を行使します。最大の防御は但書の自首で、逮捕・発覚の前に出頭すれば刑は必ず免除されます。
「死文化」は2014年で過去形になりました。北海道大学の学生がイスラム国に渡ろうとした事件で、警察は実際に刑法93条の私戦予備容疑で家宅捜索しています(その後起訴には至っていません)。条文は廃止されない限り生きており、必要なときに使われます。業界裏話ヒント:検察や警察は、社会的注目度の高い事案でふだん使わない条文を突然「抜く」ことがある。死文だから安全という発想は危うい
一般には区別されます。本条の「私的に戦闘行為をする」とは、国家の権限によらず私人が独自に外国へ戦いを仕掛けることを指し、外国の正規軍に正式に入隊して戦う行為は通常これに当たらないと解されています。一方、イスラム国のような非国家武装組織に戦闘員として加わる目的は、私戦にあたりうる。業界裏話ヒント:この線引きは条文に明記されておらず、実務上も解釈が分かれる余地がある。正規軍か非国家組織かの境界事例は、最終的に裁判所の判断次第になる
正確には「無罪」ではなく「刑の免除」です(本条但書)。犯罪自体は成立しますが、刑罰は科されません。重要なのは、これが必要的免除である点。一般的な自首(刑法42条)は減軽が裁判官の裁量(任意的)ですが、本条の自首は要件を満たせば免除が確定します。業界裏話ヒント:必要的免除は刑法の中でも例外的に手厚い。立法者が『処罰より紛争の阻止』を優先した証拠で、踏みとどまった者に確実な出口を用意している
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|---|---|---|
| 保護法益 | 刑法 93 条:国家の外交権独占と紛争回避(私人の対外戦闘の防止) | — |
| 処罰される段階 | 予備または陰謀(実際の戦闘行為に着手する前) | — |
| 向けられる相手・方向 | 外国(私人が独自に仕掛ける対外戦闘) | — |
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