第八十一条又は第八十二条の罪の予備又は陰謀をした者は、一年以上十年以下の拘禁刑に処する。
要点刑法 88 条は、外患誘致罪(81 条)・外患援助罪(82 条)の予備または陰謀をした者を一年以上十年以下の拘禁刑に処する。実行前の準備・合意段階で処罰される点が特徴である。
Q · まだ何も実行していなくても、準備や相談だけで外患罪に問われるの?
準備や二人以上の相談だけでも、最長十年の拘禁刑になりえます
刑法 88 条は、外患誘致罪(81 条)または外患援助罪(82 条)の予備または陰謀をした者を、一年以上十年以下の拘禁刑に処します。普通の犯罪と違い、実行に着手していなくても、武器や資金の調達などの準備行為、または二人以上が具体的・現実的に実行を合意した陰謀の段階で成立しえます。対象の外患誘致罪は法定刑が死刑のみという日本で唯一の重罪であり、その重大性ゆえに準備・合意段階から処罰の網がかけられています。
刑法 81 条の外患誘致罪は、日本の刑法で唯一、法定刑が死刑だけしか用意されていない犯罪だ。無期も有期もない、有罪なら死刑。その重さの裏返しとして、まだ何も起きていない『準備』や『二人以上での話し合い(陰謀)』の段階で、すでに 88 条が一年以上十年以下の拘禁刑を構えている。普通の犯罪は実行に着手して初めて罰せられ、準備行為は原則として不可罰だ。だが国家の対外的な存立を脅かす罪については、法は実行のはるか手前、人が集まって計画を口にした地点で介入する。武器の調達、資金の手配、外国勢力との連絡、それらがすべて『予備』になりうる。あなたがこの条文を遠い世界の話だと感じているなら、それはこの罪がほぼ起訴されない『眠っている条文』だからにすぎない。眠っているだけで、消えてはいない。
刑法 88 条は外患予備・陰謀罪を定める規定であり、外患誘致罪(81 条)または外患援助罪(82 条)の予備行為または陰謀をした者を一年以上十年以下の拘禁刑に処する。実行の着手前の準備段階・合意段階を処罰対象とする点で、準備行為を原則不可罰とする刑法の一般原則の例外をなす規定である。
外患誘致罪(81 条)・外患援助罪(82 条)の予備または陰謀をした者を罰する罪です。実行に着手していなくても、準備行為や二人以上の現実的合意の段階で成立しえます。
外患誘致罪(81 条)は法定刑が死刑のみで、無期も有期もありません。日本の刑法で唯一、死刑だけが用意された犯罪です。その予備・陰謀を罰するのが 88 条です。
予備は武器・資金の調達など客観的な準備行為、陰謀は二人以上が具体的・現実的に実行を合意することです。陰謀は物理的行為がゼロでも成立しえます。
長期 10 年の拘禁刑にあたる罪のため公訴時効は 7 年とされます(刑訴 250 条)。対象犯罪である外患誘致本体は時効 25 年で、別に進む点と混同しないでください。
外国勢力との連絡役・資金の手配役・情報の中継役も予備の関与者になりえます。手を汚していなくても、線の内側に立てば処罰の射程に入ります。
外患誘致・援助(刑法 81・82 条)とその予備・陰謀(88 条)のほか、特定秘密保護法など個別法が状況に応じて適用されます。事案により射程が重なります。
任意聴取の段階でも弁護人を入れ、黙秘権を行使することが重要です。どこからが予備か、合意は陰謀かの線引きが争点で、初期供述が決定的になります。
内乱罪には自首免除(刑法 80 条)がありますが、外患罪には対応する明文がありません。使えるのは一般の自首減軽(刑法 42 条)にとどまります。
条文は現に有効で、外患誘致(刑法 81 条)と外患援助(刑法 82 条)の予備・陰謀を 88 条が罰する。戦後ほとんど起訴例がないだけで、機密漏洩やサイバー領域を含めて適用の射程は生きている。業界裏話ヒント:『死文化』と『起訴例が少ない』は別物だ。検察が伝家の宝刀として温存している条文ほど、いざ使われると前例がなく量刑も読めない。古い、使われないと侮る人ほど、現実の捜査が始まったとき足元をすくわれる
純粋な内心や意見表明は罰せられない。陰謀罪が成立するには、二人以上が具体的・現実的に実行を合意したことが必要で、抽象的な不満や冗談は除外される(刑法 88 条)。とはいえ憲法 19 条の思想・良心の自由との緊張は学説でも激しく争われている。業界裏話ヒント:『合意』と『単なる意見交換』に確たる線はなく、最終的には資金・連絡・役割分担といった客観的状況で推認される。だから捜査では『何を話したか』以上に『何を準備したか』が決め手になる
外患予備・陰謀には、内乱罪のような自首による刑の免除規定(刑法 80 条)が存在しない。途中でやめても罪自体は消えず、使えるのは一般の自首減軽(刑法 42 条、任意的減軽)にとどまる。業界裏話ヒント:この内乱と外患の非対称を知る実務家は少ない。内乱予備で自首すれば刑が免除されうるのに、外患予備では同じことをしても減軽どまり。同じ『国家への罪』でも、降りたときの安全網の有無がまるで違う
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 処罰される段階 | 外患誘致・援助の予備または陰謀(実行前) | — |
| 法定刑 | 一年以上十年以下の拘禁刑 | — |
| 自首による刑の免除 | 明文なし(一般の自首減軽 42 条のみ) | — |
| 保護法益 | 国家の対外的存立 | — |
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