戸籍法 第10条の4
クイックジャンプ
市町村長は、第十条の二第一項から第五項までの請求がされた場合において、これらの規定により請求者が明らかにしなければならない事項が明らかにされていないと認めるときは、当該請求者に対し、必要な説明を求めることができる。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 戸籍法第10条の4は、日本の戸籍法に含まれる条文です。
- 戸籍法第10条の4の条文原文は「市町村長は、第十条の二第一項から第五項までの請求がされた場合において、これらの規定により請求者が明らかにしなければならない事項が明らかにされていないと認めるとき…」で始まります。
- 戸籍法第10条の4は第二章 戸籍簿に置かれています。
- 戸籍法の公布日は昭和22年12月22日です。
- 戸籍法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 戸籍法第10条の4の前の条は戸籍法第10条の3です。
- 戸籍法第10条の4の次の条は戸籍法第11条です。
- 戸籍法第10条の4には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
戸籍法(昭和二十二年法律第二百二十四号)第10条の4 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000224 - 本サイト収録
戸籍法(昭和二十二年法律第二百二十四号)第10条の4(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000224/10_4
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点戸籍法10条の4は、第三者や士業による戸籍謄本等の請求で利用目的などが明らかでないとき、市町村長が請求者に必要な説明を求めることができると定める。
Q · 他人の戸籍を請求したら、役所から理由を詳しく聞かれたのはなぜ?
理由が曖昧なら、市町村長は説明を求めることができるから
戸籍法10条の4により、第三者請求や士業の職務上請求(同法10条の2第1項〜第5項)で、利用目的・業務の種類・依頼者の氏名など明らかにすべき事項が明らかにされていないと市町村長が認めるときは、請求者に必要な説明を求めることができます。契約書や委任状など理由を裏付ける資料を最初から添えると、交付までのやり取りを減らせます。
解説
他人の戸籍は、「知りたい」というだけでは取れない。戸籍法10条の2は、本人や家族以外の第三者、国・自治体の機関、弁護士・司法書士などの士業が戸籍謄本等を請求するとき、利用目的や業務の種類、依頼者の氏名などを明らかにするよう求めている。10条の4はその関門を実際に機能させる条文で、書かれた理由が曖昧なとき、市町村長は請求者に「必要な説明」(窓口の職員が理由の具体化や裏付けを求めること)を求めることができる。この仕組みを知っていれば、あなたは立場によって二つの行動をとれる。請求する側なら、契約書や債務の資料など理由を裏付ける書類を最初から持って行く。「相続関係の確認のため」と一行書くだけでは窓口で止められることがある。請求される側なら、自分の戸籍を見知らぬ誰かが取ろうとしたとき、その前に窓口で説明を求める関門があることを知っておける。書き方の曖昧さを、法律はそのまま見逃してはくれない。
法的な位置づけ
戸籍法10条の4は、第三者請求または職務上請求(同法10条の2第1項から第5項)において、利用目的・業務の種類・依頼者の氏名等の明示事項が明らかにされていないと市町村長が認めるとき、当該請求者に対して必要な説明を求めることができる旨を定める規定である。戸籍謄本等の交付審査を実効化する権限規定として機能する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.請求の根拠となる権利・業務を特定する 第三者請求なら行使する権利の発生原因と内容を、職務上請求なら受任業務の種類と依頼者を、請求前に一文で説明できるよう整理する
- 2.請求書の利用目的欄を具体的に記載する 「債権回収のため」ではなく「○年○月締結の金銭消費貸借契約に基づく貸金返還請求の相手方となる相続人の特定のため」のように、対象者・権利・手続まで書く
- 3.裏付け資料を添えて窓口・郵送で請求する 請求書に権利関係を示す資料の写しを添付し、必要な範囲の戸籍に絞って請求する。範囲を広げすぎると説明を求められやすい
- 4.説明を求められたら事実のみで補足する 市町村長から説明を求められたら、権利・業務の内容を具体的に説明し、追加資料を提出する。事実と異なる説明は不正取得として罰則の対象になりうる
よくある質問 AI による整理
Q1戸籍法10条の4とは?
第三者請求や職務上請求で、明らかにすべき事項が不明確なときに、市町村長が請求者に必要な説明を求めることができると定めた規定です。
Q2戸籍謄本 第三者請求 利用目的 書き方
「誰に対する、何の権利を、どの手続で行使するか」まで具体的に書きます。「相続のため」の一言だけでは説明を求められることがあります。
Q3戸籍 第三者請求 必要書類は?
請求書と本人確認書類に加え、権利関係を裏付ける契約書・借用書・判決書などの写しを添えると、窓口での確認がスムーズになります。
Q4職務上請求 説明を求められたらどうする?
受任している業務の内容と依頼者を具体的に説明し、必要に応じて委任状の写しなどを示します。事実と異なる説明は絶対にしないことです。
Q5戸籍の交付を断られたら不服申立てできる?
市町村長の処分に不服がある場合は、家庭裁判所への不服申立てを検討できます。まず拒否理由を窓口で確認することが先決です。
Q6他人の戸籍 勝手に取られたか調べる方法は?
本籍地の自治体に交付請求書の開示を求める方法があります。本人通知制度に登録していれば、第三者取得の事実を通知で知ることもできます。
Q7戸籍 不正取得 罰則は?
偽りその他不正の手段で戸籍謄本等の交付を受けると、戸籍法上の罰則の対象になります。窓口での虚偽説明もこれに当たりえます。
Q8本人通知制度 登録 どこで?
住所地と本籍地それぞれの市区町村で登録します。制度の有無や対象範囲は自治体ごとに異なるため、事前に確認が必要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1お金を貸した相手が亡くなったんですが、相続人を調べるために戸籍って取れますか?
取れる可能性があります。戸籍法10条の2第1項の「自己の権利を行使するために必要がある場合」に当たりうるからです。ただし権利の発生原因や内容を明らかにする必要があり、曖昧なら10条の4で説明を求められます。実務のポイント:窓口で実際に効くのは口頭の説明より書類です。金銭消費貸借契約書や借用書の写しを最初から添えると、やり取りが一回で終わることが多い
Q2弁護士や司法書士なら、他人の戸籍を何でも取れるんじゃないんですか?
取れません。職務上請求でも、戸籍法10条の2第3項から第5項により資格、業務の種類、依頼者の氏名などを明らかにする必要があり、不十分なら10条の4で説明を求められます。実務のポイント:過去に職務上請求書の不正使用事件が起きたため、士業団体は請求書の管理を厳しくしています。自治体によっては、職務上請求を受けた場合も本人通知制度の対象に含めています。「士業経由なら気付かれない」は通用しなくなりつつある
間違えやすい点 AI による整理
- 「戸籍は公開情報だから誰でも取れる」と思われがちだが、平成19年(2007年)の改正以降、第三者による請求は正当な理由がある場合に限られ、理由を明らかにする義務がある。本条はその理由が曖昧なときに窓口が説明を求める根拠である
- 問題は「説明を求められたら答えればよい」かどうかではない。説明で偽りを述べて交付を受ければ、戸籍法上の罰則(偽りその他不正の手段による交付取得)の対象になる。窓口での一言が、そのまま刑事責任の入口になりうる
- 請求者から見れば、説明を求められるのは「役所の嫌がらせ」に映る。しかし戸籍を取られる側から見れば、それは本人の知らないところで家族の履歴が第三者の手に渡るのを止める、ほぼ唯一の関門である。立場によって同じ手続の意味がまるで変わる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 戸籍法10条の4:明示事項が不明確な請求への説明要求 | 戸籍法10条:本人・配偶者・直系親族による請求 戸籍法10条の2:第三者請求・職務上請求の要件と明示事項 |
| 請求者に求められること | 市町村長の求めに応じた必要な説明 | 原則として理由の明示は不要 利用目的・業務の種類・依頼者の氏名等の明示 |
| 条文の性質 | 市町村長の権限規定(「できる」規定) | 請求権者の範囲を定める規定 請求できる場合を限定する要件規定 |
| 関連する確認手続 | 明示事項の不足を補う説明 | 本人確認(10条の3) 本人確認(10条の3) |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾も戸籍謄本の請求を本人・利害関係人に限定し、利害関係の疎明を求める運用がある
韓国は2008年に戸主制を廃止し個人単位の家族関係登録簿へ移行。第三者の証明書請求は正当な理由がある場合に限定される
ドイツでは本人・近親者以外は法的利益(rechtliches Interesse)の疎明が必要で、日本の第三者請求制限と構造が近い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 亡くなった取引先の社長に売掛金が300万円残っている。相続人を調べようと区役所で戸籍謄本を請求し、請求書の利用目的欄に「債権回収のため」とだけ書いた。窓口から「どの債権ですか、契約書はありますか」と聞かれ、手ぶらのあなたは出直すことになる
- 元交際相手が弁護士や行政書士を通じてあなたの戸籍を取ろうとしたら、どうなる? 職務上請求であっても、業務の種類や依頼者を明らかにしなければならず、曖昧なら窓口で説明を求められる。ただし、その関門を嘘で通り抜けた過去の事件もある
- あなたは行政書士で、依頼者の相続手続のために職務上請求書を出した。窓口から「受任している業務の内容をもう少し具体的に」と電話が入った。今日中に遺産分割協議書を仕上げる予定で、残りは3時間。委任状の写しをすぐに送れるかどうかで、段取りが丸一日ずれる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 住所地と本籍地の自治体に本人通知制度があるか確認し、あれば登録する2. 第三者に戸籍を取られた疑いがあれば、本籍地の自治体に交付請求書の開示を求める(個人情報保護法に基づく開示請求) 3. DVやストーカー被害があれば、住民票や戸籍の附票について支援措置を申し出る4. 不正取得が判明したら、警察への相談と、民法709条に基づく損害賠償の検討を並行して進める
訴えられた側:1. 説明を求められたら、権利・義務の内容や業務の種類を具体的に述べ、契約書・判決書・委任状などの裏付け資料を出す2. 目的と関係のない範囲まで請求しない。必要な範囲に絞れば交付されやすい3. それでも交付を拒まれたら、市町村長の処分に対する家庭裁判所への不服申立てを検討する4. 説明で事実と異なることは絶対に言わない。不正取得は罰則の対象になる
時効(請求できる期限):本条自体に特定の期限はない。不正取得による損害賠償は、損害と加害者を知った時から3年、不法行為時から20年(民法724条)。交付請求書の保存期間は限られているため、疑いを持ったら早めに開示請求すること(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 平成19年(2007年)改正(平成20年(2008年)5月施行) 戸籍の公開原則を見直し、第三者請求の制限(10条の2)、本人確認(10条の3)とともに本条が設けられたとみられる。新設か改正か、その後の改正の有無は人的検証が必要
改正の年表
- 1.平成19年(2007年) 新設:戸籍法の一部改正により、第三者請求の制限(10条の2)、本人確認(10条の3)とともに設けられたとみられる。平成20年(2008年)5月施行。その後の改正の有無は要確認
- 戸籍法 第10条本人・配偶者・直系親族による請求
- 戸籍法 第10条の2第三者・職務上請求の要件と明示事項
- 戸籍法 第10条の3請求時の本人確認義務
- 戸籍法 第133条不正手段による交付取得の罰則(現行効力を要確認)
- 個人情報の保護に関する法律 第76条自治体保有個人情報の開示請求(現行効力を要確認)
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める