戸籍法 第133条
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戸籍に関する事務に従事する市町村の職員若しくは職員であつた者又は市町村長の委託(二以上の段階にわたる委託を含む。)を受けて行う戸籍に関する事務の処理に従事している者若しくは従事していた者が、その事務に関して知り得た事項を自己若しくは第三者の不正な利益を図る目的で提供し、又は盗用したときは、一年以下の拘禁刑又は五十万円以下の罰金に処する。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 戸籍法第133条は、日本の戸籍法に含まれる条文です。
- 戸籍法第133条の条文原文は「戸籍に関する事務に従事する市町村の職員若しくは職員であつた者又は市町村長の委託(二以上の段階にわたる委託を含む。」で始まります。
- 戸籍法第133条は第九章 罰則に置かれています。
- 戸籍法の公布日は昭和22年12月22日です。
- 戸籍法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 戸籍法第133条の前の条は戸籍法第132条です。
- 戸籍法第133条の次の条は戸籍法第134条です。
- 戸籍法第133条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
戸籍法(昭和二十二年法律第二百二十四号)第133条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000224 - 本サイト収録
戸籍法(昭和二十二年法律第二百二十四号)第133条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000224/133
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点戸籍法133条は、戸籍事務に従事する市町村職員や委託先の者(退職者を含む)が、職務上知った事項を不正な利益目的で提供・盗用すると、1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金に処すと定める。
Q · 役所の委託先の社員が戸籍の情報を外に売ったら、罪になるの?
利益目的の漏洩なら、委託先社員も元職員も処罰される
戸籍法133条により、戸籍事務に従事する市町村職員だけでなく、市町村長から委託(二以上の段階にわたる再委託を含む)を受けて戸籍事務を処理する民間の従事者も、職務上知った事項を自己または第三者の不正な利益を図る目的で提供・盗用すれば、1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金の対象となります。退職後も対象です。ただし目的犯のため、利益目的のない噂話程度の漏洩は、地方公務員法34条・60条など別の法律で扱われます。
解説
戸籍の一枚には、あなたの出生、父母、婚姻と離婚、認知、養子縁組、子の親権まで、人生の分岐点が並んでいる。この情報を日々扱う人間は、市役所の窓口職員だけではない。戸籍事務を市町村長から委託された民間会社の社員、さらにその再委託先のスタッフまで含まれる。戸籍法133条は、こうした人々が職務で知った事項を「自己若しくは第三者の不正な利益を図る目的」で外に出したり、自分で盗用したりした場合、1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金を科す。退職した後も対象から外れない。ここで押さえるべき点は、本条が「うっかり漏らした」ケースではなく、利益目的をもった持ち出しを狙った規定だということである。目的が立証できない漏洩は、地方公務員法の守秘義務違反や個人情報の保護に関する法律で扱われる。あなたの過去を覗かれたと感じたとき、どの法律で誰を追うのか。その地図を持っているかどうかで、泣き寝入りか反撃かが分かれる
法的な位置づけ
戸籍法133条は、戸籍情報の不正提供・盗用を処罰する罰則規定である。主体は戸籍事務に従事する市町村の職員・元職員と、市町村長の委託(再委託を含む)を受けて戸籍事務を処理する者・処理していた者であり、職務上知り得た事項を自己または第三者の不正な利益を図る目的で提供・盗用した場合に刑罰を科す目的犯である。
よくある質問 AI による整理
Q1戸籍法133条とは何ですか?
戸籍事務に従事する職員や委託先の者が、職務上知った情報を不正な利益目的で提供・盗用した場合を処罰する規定です。退職者も対象です。
Q2戸籍情報の不正提供罪の罰則はどれくらい?
1年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金です。2025年6月1日の刑法改正施行に伴い「懲役」から「拘禁刑」に改められました。
Q3戸籍事務の委託先社員も処罰される?
処罰されます。市町村長の委託を受けて戸籍事務を処理する者が対象で、二以上の段階にわたる再委託先の従事者まで含まれます。
Q4市役所を退職した後に戸籍情報を漏らしたら違法?
違法です。本条は「職員であつた者」「従事していた者」も対象としており、在職中に知った事項を退職後に利益目的で提供しても処罰されます。
Q5戸籍情報漏洩の公訴時効は何年?
3年です(刑事訴訟法250条2項6号)。提供・盗用行為が終わった時から進行するため、疑いを持ったら早めの証拠確保が必要です。
Q6戸籍の盗用とはどういう意味?
職務上知り得た事項を、他人に渡すのではなく自分自身の不正な利益のために使うことです。提供と並んで本条の処罰対象行為です。
Q7戸籍情報を漏らされたら慰謝料を請求できる?
民法709条の不法行為で請求を検討できます。公務員が職務として行った場合は国家賠償法1条により自治体への請求が基本になります。
Q8戸籍情報の漏洩はどこに相談すればいい?
漏洩元と疑われる市区町村、戸籍事務を監督する法務局、刑事告訴なら警察、損害賠償や告訴の方針は弁護士への相談が考えられます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1探偵が役所の知り合いに頼んで情報を聞き出したら、探偵も罪になるんですか?
職員側が本条の罪に当たる場合、依頼した探偵は教唆犯(刑法61条)または共同正犯として処罰されうる。第三者に利益を得させる目的も本条の目的に含まれる。実務のポイント:探偵業の業務の適正化に関する法律に基づき、違法な手段での調査は探偵業者の営業停止などの行政処分にもつながる。依頼者側も、調査手段を確認しなかったこと自体がリスクになる
Q2市役所の人が近所で私の離婚のことを話していたみたい。これって犯罪ですか?
噂話程度で利益目的がなければ、戸籍法133条の罪にはなりにくい。ただし地方公務員法34条の守秘義務違反として、同法60条の刑事罰や懲戒処分の対象になりうる。実務のポイント:刑事告訴よりも、まず自治体の人事・監察部門に日時と内容を具体的に書いた書面で申し入れる方が、内部調査が早く動くことが多い
Q3自分の戸籍を誰が取ったか、調べる方法はありますか?
本籍地の市区町村に対し、あなたの戸籍謄本等の交付請求書について個人情報の保護に関する法律に基づく開示請求ができる場合がある。第三者請求には戸籍法10条の2の要件が課されている。実務のポイント:請求書類には保存期間があり、期間を過ぎると廃棄される。疑いを持った時点ですぐ請求し、同時に本人通知制度にも登録しておくのが定石である(最新の運用は各自治体でご確認ください)
間違えやすい点 AI による整理
- 「役所の人が個人情報を漏らせば全部この条文で処罰される」と思われがちだが、本条は目的犯である。自己または第三者の不正な利益を図る目的が必要で、世間話でぽろっと話した程度なら本条ではなく、地方公務員法の守秘義務違反(34条、罰則は60条)や懲戒処分の問題になる。追及する法律を間違えると、告訴は空振りに終わる
- 現住所を知られた場合、問題は戸籍そのものではないことが多い。戸籍には現住所が載っておらず、住所の履歴は戸籍の附票(住民基本台帳法上の帳簿)に記録されている。附票や住民票からの流出は住民基本台帳法の世界で扱われ、ここを取り違えると、請求記録の開示先も責任追及の相手も的外れになる
- 処罰は1年以下と軽く見えるかもしれない。だが公務員なら有罪判決で懲戒免職と退職金不支給の可能性があり、委託先企業は自治体との契約解除や指名停止を受けうる。刑罰の数字の何倍もの代償が、キャリアと会社の両方に降りかかる
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾には戸籍事務従事者に特化した同種の目的犯規定は確認できず、不法利益目的の個人資料違法利用は個資法41条、公務員の秘密漏洩は刑法132条で処理される構造
韓国は業務上知った個人情報の漏洩・無権限提供を一般的に禁止し処罰する。日本のように戸籍事務に限定した個別罰則ではなく一般法で規律する点が異なる
ドイツは公務員等が職務上知った他人の秘密を無権限で漏示する行為を処罰し、報酬・利得目的の場合は加重される。目的を加重要素とする点で本条の発想に近い
米国は連邦機関職員による記録の故意の開示を軽罪とする。目的要件は課さない一方、対象は連邦機関の記録に限られる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 婚約者の親が、あなたの本籍地や親の離婚歴を知っていた。あなたは誰にも話していない。相手の親戚が市役所に勤めていると後で知った。偶然で片付けてよいのか?
- あなたは戸籍システムの入力業務を請け負う会社の派遣社員。知人の探偵から「ある人の元夫の名前と本籍だけ教えてくれ、謝礼は出す」と頼まれた。一回きりのつもりでも、「二以上の段階にわたる委託」を受けた者として本条の射程に入る。謝礼を受け取った時点で、不正な利益の目的は否定しにくい
- 三年前に退職した元市職員が、在職中に見た同級生の養子縁組の事実を、ネタとしてネット掲示板で売ろうとしている。退職した者も処罰対象である
- DV から逃れて別の市に移った友人が「元夫が私の新しい本籍地を知っていた」と青ざめて相談してきた。公訴時効は3年。いつ、誰が、どの窓口で請求したのか。記録の保存期間が切れる前に動かなければ、流出経路は二度とたどれない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 誰がいつ何を知っていたかを日時付きでメモし、メッセージや録音を保存2. 本籍地の市区町村に、あなたの戸籍謄本等の交付請求の記録について個人情報の保護に関する法律に基づく開示請求を行う(保存期間があるため早めに) 3. 本人通知制度の有無を確認し登録4. 職員や委託先の関与が疑われれば、市区町村と監督する法務局に申し入れ、警察へ告訴を相談5. 損害は民法709条、公務員なら国家賠償法1条で請求を検討
訴えられた側:1. 事情聴取の前に弁護人に相談し、供述は慎重にする2. 本条は目的犯であり、提供が「不正な利益を図る目的」によるものかが最大の争点となる。謝礼の有無、依頼の経緯、相手との関係を弁護人と整理する3. 目的が否定されても、公務員なら地方公務員法34条違反や懲戒の問題は残る4. 被害者への謝罪と示談は、起訴猶予や量刑に影響しうる
時効(請求できる期限):公訴時効は3年(法定刑が長期5年未満の拘禁刑又は罰金のため、刑事訴訟法250条2項6号)。起算点は提供・盗用行為の終了時。民事の損害賠償は、損害および加害者を知った時から3年、行為時から20年(民法724条)
改正沿革 AI による整理
- 令和4年(2022年)公布、令和7年(2025年6月1日)施行 刑法改正に伴う関係法律の整理により、法定刑の「懲役」が「拘禁刑」に改められた
- 新設・委託者追加の時期(要人的検証) 本条の新設時期、および「二以上の段階にわたる委託」を含む委託先従事者への対象拡大の改正時期は、確認が取れていないため人的検証が必要
改正の年表
- 1.令和4年(2022年) 改正:刑法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整理により、法定刑の「懲役」が「拘禁刑」に改められた(2025年6月1日施行)
- 戸籍法 第3条法務局長による戸籍事務の監督
- 戸籍法 第10条本人等による戸籍謄本等の交付請求
- 戸籍法 第10条の2第三者請求の要件、正規ルートの制限
- 戸籍法 第10条の3請求者の本人確認義務
- 地方公務員法 第34条職員の守秘義務、目的を問わない漏洩の禁止
- 地方公務員法 第60条守秘義務違反の罰則
- 個人情報の保護に関する法律 第180条行政機関等職員の不正目的提供罪(現行効力を要確認)
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