戸籍法 第134条
クイックジャンプ
戸籍の記載又は記録を要しない事項について虚偽の届出をした者は、一年以下の拘禁刑又は二十万円以下の罰金に処する。外国人に関する事項について虚偽の届出をした者も、同様とする。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 戸籍法第134条は、日本の戸籍法に含まれる条文です。
- 戸籍法第134条の条文原文は「戸籍の記載又は記録を要しない事項について虚偽の届出をした者は、一年以下の拘禁刑又は二十万円以下の罰金に処する。」で始まります。
- 戸籍法第134条は第九章 罰則に置かれています。
- 戸籍法の公布日は昭和22年12月22日です。
- 戸籍法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 戸籍法第134条の前の条は戸籍法第133条です。
- 戸籍法第134条の次の条は戸籍法第135条です。
- 戸籍法第134条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
戸籍法(昭和二十二年法律第二百二十四号)第134条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000224 - 本サイト収録
戸籍法(昭和二十二年法律第二百二十四号)第134条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000224/134
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点戸籍法134条は、戸籍に記載されない事項や外国人に関する事項の虚偽届出を、1年以下の拘禁刑又は20万円以下の罰金で処罰する。故意がなければ成立しない。
Q · 外国人同士の婚姻届で嘘を書いても、戸籍に載らないなら罪にならないの?
罪になる。1年以下の拘禁刑又は20万円以下の罰金
戸籍法134条は、戸籍の記載又は記録を要しない事項と、外国人に関する事項についての虚偽の届出を処罰します。外国人同士の婚姻届は市区町村で受理されても戸籍には記載されないため、刑法157条の公正証書原本不実記載罪は適用しにくいものの、本条により1年以下の拘禁刑又は20万円以下の罰金の対象となります。本罪は故意犯であり、単なる記入ミスでは成立しません。
解説
戸籍に一文字も残らない届出でも、嘘を書けば刑事罰の対象になる。多くの人は「戸籍に載らないなら、ただの形式的な書類だろう」と考える。戸籍法134条は、まさにその油断が生む隙間を埋めるために置かれている。戸籍に記載される事項について虚偽の届出をすれば、刑法157条の公正証書原本不実記載罪(5年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金)で処罰される。では、日本国籍を持たない人同士の婚姻届や、外国籍の子の出生届はどうか。市区町村は受理するが、戸籍には記載されない。戸籍という「原本」に何も書かれない以上、刑法157条では捕まえにくい。そこで本条は、戸籍に記載しない事項の虚偽届出と外国人に関する虚偽届出について、1年以下の拘禁刑または20万円以下の罰金を用意した。受理された届書は役所に保存され、受理証明書として在留資格の審査などに使われる。外国人の知人の「書類を手伝うだけ」のつもりで署名した一枚でも、この条文の射程に入りうる。
法的な位置づけ
戸籍法134条の虚偽届出罪とは、戸籍の記載又は記録を要しない事項、又は外国人に関する事項について、故意に虚偽の届出をする行為を処罰する犯罪類型である。法定刑は1年以下の拘禁刑又は20万円以下の罰金であり、戸籍記載事項を対象とする刑法157条の公正証書原本不実記載罪を補完する位置付けにある。
よくある質問 AI による整理
Q1戸籍法134条とは?
戸籍に記載されない事項や外国人に関する事項について虚偽の届出をした者を、1年以下の拘禁刑又は20万円以下の罰金に処する規定です。
Q2虚偽届出罪 罰金 いくら?
戸籍法134条の罰金は20万円以下です。拘禁刑の場合は1年以下で、どちらか一方が科されます。罰金刑でも前科になります。
Q3外国人同士 偽装結婚 罪になる?
なります。戸籍に記載されない婚姻届でも、虚偽の内容で届け出れば戸籍法134条の虚偽届出罪に問われます。
Q4虚偽の届出 時効 いつまで?
戸籍法134条の罪の公訴時効は3年で、虚偽の届出をした時から起算します(刑事訴訟法250条2項6号、253条1項)。
Q5外国人の出生届に嘘を書いたらどうなる?
外国籍の子の出生届は戸籍に記載されませんが、虚偽の内容なら本条の対象です。在留資格の審査にも影響しうるため、早めの訂正が重要です。
Q6届書の記入ミス 違法?
単なる記入ミスは違法ではありません。本罪は故意犯であり、虚偽と知りながら届け出た場合に限り成立します。気付いた時点で窓口に訂正を申し出ましょう。
Q7外国人の死亡届 代理で出せる?
同居の親族など法定の届出義務者や届出資格者が提出できます。ただし内容を事実と違えて書けば、代わりに出した人も本条の処罰対象になりえます。
Q8虚偽届出で在留資格は取り消される?
虚偽の届出をもとに在留資格を得ていた場合、出入国管理及び難民認定法22条の4により取り消されうるため、刑事罰とは別の不利益が生じます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1外国人の友達の結婚届で、証人になっただけでも罪になるの?
証人になっただけで直ちに罪になるわけではない。問題になるのは、婚姻の実態がないと知りながら署名した場合である。そのときは、本条の虚偽届出を手助けしたとして共犯(刑法60条・62条)に問われる余地がある。実務のポイント:摘発事案では、証人や仲介者も事情聴取の対象になるのが通常である。「頼まれただけ」という説明は、頼まれた経緯や謝礼の有無を示す記録がないと通りにくい
Q2日本人と外国人の偽装結婚も、この戸籍法の罰則で裁かれるの?
裁かれない。日本人との婚姻は戸籍に記載されるため、刑法157条1項の公正証書原本不実記載罪(5年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金)が適用される。本条は戸籍に記載されない届出を受け持つ補完規定である。実務のポイント:実務では、虚偽の記載をさせた行為と、その記載を使った行為(同行使罪、刑法158条)がセットで起訴されることが多い。刑の重さは本条とは比べものにならない
Q3届書の職業欄とか、戸籍に載らない欄をなんとなく書いちゃったけど、それもアウト?
届書には戸籍に転記されない記入欄もある。ただ、そうした欄の不正確な記載がどこまで本条の「虚偽の届出」にあたるかは、実務上、解釈が分かれうる。少なくとも本罪は故意犯なので、うっかりしたミスは対象外である。実務のポイント:迷ったら届出先の窓口に訂正を申し出ればよい。窓口の関心は正しい記録を残すことにあり、自分から申し出た訂正が問題にされることはまずない
間違えやすい点 AI による整理
- 「戸籍に載らない書類で嘘をついても記録は残らないのだから、問題にならない」という考え方は、前提から間違っている。届書そのものは市区町村に保存され、受理証明書として外部で使われる。本条が守っているのは戸籍簿の記載ではなく、届出を受け付けて保存する手続きが信頼できることそのものである
- 偽装結婚が犯罪であることは誰でも知っている。しかし、日本人が関わらない偽装結婚にも刑罰があることまで知っている人は少ない。さらに、虚偽の届出をもとに得た在留資格は、出入国管理及び難民認定法22条の4によって取り消されうる。罰金を払えば終わりではなく、日本での生活基盤そのものが崩れる
- あなたにとって証人欄への署名は友人への親切にすぎない。だが法律から見れば、虚偽の届出に手を貸す行為(加功)になりうる。罰金20万円以下という数字の軽さに目を奪われると、罰金刑でも前科がつくという本当の重さを見落とす
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象となる行為 | 戸籍法134条:戸籍に記載しない事項・外国人に関する事項の虚偽届出 | 戸籍法137条:正当な理由なく期間内に届出をしない懈怠(現行条番号要確認) 刑法157条:戸籍に記載される事項の虚偽届出(公正証書原本不実記載) |
| 制裁の種類と重さ | 刑事罰:1年以下の拘禁刑又は20万円以下の罰金 | 行政上の秩序罰:過料(前科はつかない) 刑事罰:5年以下の拘禁刑又は50万円以下の罰金 |
| 主観的要件 | 故意が必要(うっかりの誤記は不成立) | 正当な理由の有無が問われる 故意が必要 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では戸籍の不実申請は行政上の過料で対応し、公務員に不実登載させた場合は刑法214条で処罰する二段構えである。
韓国は家族関係登録簿への虚偽申告を公正証書原本不実記載罪で処罰する。日本の刑法157条に近い構造である。
ドイツは公文書の間接的虚偽記載罪に加え、滞在法で虚偽申告による在留許可取得を別途処罰する。
米国は移民給付目的の婚姻詐欺を連邦犯罪として独立に処罰し、法定刑も日本より重い。
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 外国籍の同僚カップルから「ビザの都合で先に婚姻届だけ出したい。証人欄にサインしてほしい」と頼まれたら、どうなるのか。婚姻の実態がないと知りながら署名すれば、虚偽届出の共犯として本条の射程に入りうる。証人欄は、ただ立ち会っただけの人の欄ではない
- 外国人同士の偽装結婚を仲介していたブローカーが摘発された。日本人がひとりも関わらず戸籍に一行も載らない婚姻でも、届出が嘘なら刑事事件になる
- あなたは日本で亡くなった外国籍の親族の死亡届を代わりに出した。本国での相続手続に都合がよいように、死亡日時を少しずらして書いた。区役所から「届書の内容を確認したい」と電話があり、面談は3日後に迫っている。うっかりの誤記なのか意図的な書き換えなのか、どう説明するかで本条の故意が認定されるかどうかが変わる
- 日本人と外国人の偽装結婚は、本条ではなく刑法157条で裁かれ、法定刑の上限は5年になる。外国人同士なら本条で上限1年である。同じ偽装結婚でも、当事者の国籍の組み合わせで適用される条文と刑の重さが変わる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 自分の名前が見覚えのない届書の証人欄に使われていた、または家族の届出が虚偽の内容で出されていたと分かったら、届出先の市区町村に届書の記載事項証明を請求できるか確認する(利害関係人による請求、戸籍法48条)。2. 署名が偽造されていれば、有印私文書偽造罪(刑法159条)にあたる可能性も含めて警察に相談する。3. 在留資格が絡む場合は、地方出入国在留管理局に事実を申告する。4. 日本国籍の人は、自分の婚姻届などが勝手に出されないよう、不受理申出(戸籍法27条の2)の利用も検討する
訴えられた側:1. 役所や警察から照会が来たら、その場で記憶だけを頼りに答えず、届書の控えとそれまでの経緯を時系列で整理する。2. 本罪は故意犯であり、単なる誤記や勘違いなら成立しない。誤りに気付いた時期と、その後に訂正した経過を示す。3. 在留資格が絡む事案では、入管手続と刑事手続が同時に進むため、刑事弁護と入管実務の両方に詳しい弁護士へ早めに相談する。4. 取調べでは黙秘権がある。内容を確かめないまま供述調書に署名しない
時効(請求できる期限):公訴時効は3年(刑事訴訟法250条2項6号:長期5年未満の拘禁刑または罰金にあたる罪)。起算点は虚偽の届出をした時、つまり犯罪行為が終わった時である(同法253条1項)。一方、在留資格の取消しには、公訴時効に相当する期間制限の定めが見当たらない(最新の改正状況をご確認ください)
学説
補完規定説:本条は、戸籍簿という公正証書の原本に記載されない届出について、刑法157条の適用が困難となる部分を補う規定と理解される。保護法益は届出の受理・保存手続に対する公共の信頼にあるとされる。
改正沿革 AI による整理
- 令和4年(2022年)公布、令和7年(2025年)6月1日施行 刑法等の一部改正に伴う関係法律の整理により、法定刑の「懲役」が「拘禁刑」に改められた
- 令和元年(2019年)改正(要検証) 戸籍情報の連携に関する改正で罰則規定が追加され、本条は旧132条から現行の条番号に移動したとみられる。条番号の移動経緯と罰金額の改定時期については人による検証が必要
改正の年表
- 1.令和4年(2022年) 改正:刑法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整理により、法定刑の「懲役」が「拘禁刑」に改められた(令和7年6月1日施行)。
- 戸籍法 第25条外国人に関する届出の届出地
- 戸籍法 第27条の2届出時の本人確認と不受理申出
- 戸籍法 第48条届書の記載事項証明の請求
- 戸籍法 第137条届出懈怠に対する過料(現行効力を要確認)
- 刑法 第157条戸籍記載事項の虚偽届出を処罰する重い罪
- 刑法 第159条他人名義の署名偽造に適用
- 出入国管理及び難民認定法 第22条の4不正手段による在留資格の取消し
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める