戸籍法 第120条の5
クイックジャンプ
- 二箇所以上の市役所又は町村役場で戸籍の記載をすべき場合において、届出又は申請を受理した市町村長が指定市町村長であり、かつ、当該届出又は申請により戸籍の記載をすべき市町村長(当該届出又は申請を受理した市町村長を除く。)のうち指定市町村長であるもの(以下この項において「戸籍記載指定市町村長」という。)があるときは、法務大臣は、戸籍記載指定市町村長に対し、前条第一項の提供を受けた旨を通知するものとする。
- 2.前項の場合においては、第三十六条第一項及び第二項(これらの規定を第百十七条において準用する場合を含む。)の規定にかかわらず、提出すべき届書又は申請書の数は、戸籍の記載をすべき市町村長の数から当該市町村長のうち指定市町村長であるものの数を減じた数に一を加えた数とする。
- 3.本籍地外で届出又は申請をする場合(二箇所以上の市役所又は町村役場で戸籍の記載をすべき場合を除く。)であつて、届出又は申請を受理した市町村長及び当該届出又は申請により戸籍の記載をすべき市町村長がいずれも指定市町村長であるときは、法務大臣は、当該戸籍の記載をすべき指定市町村長に対し、前条第一項の提供を受けた旨を通知するものとする。
- 4.前項の場合においては、第三十六条第二項(第百十七条において準用する場合を含む。)の規定は、適用しない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 戸籍法第120条の5は、日本の戸籍法に含まれる条文です。
- 戸籍法第120条の5の条文原文は「二箇所以上の市役所又は町村役場で戸籍の記載をすべき場合において、届出又は申請を受理した市町村長が指定市町村長であり、かつ、当該届出又は申請により戸籍の記載をすべ…」で始まります。
- 戸籍法第120条の5は第六章 電子情報処理組織による戸籍事務の取扱いに関する特例等に置かれています。
- 戸籍法の公布日は昭和22年12月22日です。
- 戸籍法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 戸籍法第120条の5の前の条は戸籍法第120条の4です。
- 戸籍法第120条の5の次の条は戸籍法第120条の6です。
- 戸籍法第120条の5には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
戸籍法(昭和二十二年法律第二百二十四号)第120条の5 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000224 - 本サイト収録
戸籍法(昭和二十二年法律第二百二十四号)第120条の5(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000224/120_5
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点戸籍法120条の5は、受理地と記載地がいずれも指定市町村の場合に、法務大臣が届書等情報の受領を記載地へ通知し、届書の提出通数を減らす特例を定める。
Q · 本籍地が別々の二人が婚姻届を出すとき、届書は何通必要なの?
関係する役所が全部指定市町村なら1通で足りる
戸籍法120条の5第2項により、記載先が二か所以上ある場合の提出通数は「記載をすべき市町村長の数 − そのうち指定市町村長の数 + 1」となります。受理地と記載地がすべて指定市町村であれば1通です。本籍地外で届け出る場合も、受理地と記載地が指定市町村なら同条4項により36条2項の1通追加は適用されません。指定市町村でない記載地が残る場合、その分の紙の届書が必要です。
解説
婚姻届を旅行先の役所で出すなら、紙は何枚要るのか。この単純な質問に対する答えが、令和の戸籍法で静かに書き換わった。旧来のルール(36条)では、戸籍を書き換える役所ごとに届書が1通ずつ必要だった。さらに本籍地以外で出すと1通追加になる。夫の本籍が大阪、妻の本籍が札幌、新しい本籍を東京に置き、旅先の那覇で提出したとする。条文上は3通に1通を足して4通だ。本条はこの紙の枚数を計算し直す。受理した役所も記載する側の役所も「指定市町村長」(法務大臣の指定を受け、戸籍をコンピュータで扱う市区町村長)であれば、届書の内容はデータとして法務大臣へ送られる(前条120条の4)。そのうえで法務大臣が各役所に「届いた」と通知する。紙の運搬役が郵便から国のシステムに代わったのである。提出する枚数は「記載する役所の数 − そのうち指定市町村の数 + 1」。全部が指定市町村なら1通で済む。窓口で「念のため複数通」と言われたら、根拠を聞き返せる側に回れる。
法的な位置づけ
戸籍法120条の5は、届書等情報の通知と届書の提出通数の特例を定める規定である。受理した市町村長と戸籍の記載をすべき市町村長が指定市町村長である場合、法務大臣が記載地の指定市町村長に届書等情報の提供を受けた旨を通知し、36条が定める通数の原則を修正する。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.戸籍の記載をする役所を書き出す 届出によって戸籍の記載が必要になる役所(夫の本籍地、妻の本籍地、新しい本籍地など)と、届書を提出する役所を一覧にする。受理地が記載地を兼ねるかどうかも確認する
- 2.各役所が指定市町村かを確認する 受理予定の役所の戸籍担当窓口に電話し、受理地と各記載地が指定市町村に当たるかを確認する。自治体サイトの案内は改正前の情報が残っていることがあるため、電話で確かめるのが確実
- 3.本条の計算式で通数を出す 記載地が二か所以上なら「記載地の数 − そのうち指定市町村の数 + 1」で通数を計算する(2項)。記載地が本籍地一か所で本籍地外で届け出る場合、受理地と記載地がいずれも指定市町村なら36条2項の1通追加は不要(4項)
- 4.必要通数の届書を作成して期限内に提出する 計算した通数の届書を作成し、署名や証人欄を整えて提出する。出生届は14日以内(49条)、死亡届は死亡の事実を知った日から7日以内(86条)の期限に注意する
- 5.窓口と通数の説明が食い違ったら法務局に確認する 窓口で旧来の通数を求められた場合は本条2項・4項を示して確認を依頼する。それでも解決しない場合は、その市区町村を管轄する法務局の戸籍課に問い合わせる
よくある質問 AI による整理
Q1指定市町村長とは何ですか?
戸籍事務を電子情報処理組織(コンピュータ)で取り扱う市区町村長として、法務大臣の指定を受けた者です。指定の根拠は戸籍法118条にあります。
Q2届書等情報とは何ですか?
受理した届書や申請書の内容を画像やデータにしたものです。指定市町村長が作成して法務大臣に提供し(120条の4)、それを前提に本条の通知が行われます。
Q3転籍届は何通必要ですか?
記載先が二か所以上あれば、本条2項の計算式「記載地の数 − 指定市町村の数 + 1」で決まります。記載地がすべて指定市町村なら1通です。
Q4出生届を里帰り先で出すと何通必要ですか?
本籍地外で届け出る場合でも、受理地と本籍地がいずれも指定市町村なら、本条4項により36条2項の1通追加は適用されず、1通で足ります。
Q5届書の通数が足りないと受理されませんか?
指定市町村でない記載地がある場合、その分の紙の届書が必要です。不足していれば追加を求められるため、事前に受理予定の役所へ通数を確認すると確実です。
Q6戸籍法120条の5はいつから施行されていますか?
令和元年(2019年)の戸籍法改正で設けられ、令和6年(2024年)3月1日に施行されたとされます。正確な施行日は e-Gov の改正履歴で確認してください。
Q7婚姻届はどこの役所でも出せますか?
本籍地、所在地のほか、夫婦の住所地など戸籍法の規定する役所で届け出ることができます。本籍地外で届け出る場合の通数は本条3項・4項で調整されます。
Q8届出の内容は役所間でどう伝わりますか?
受理地が届書等情報を法務大臣に提供し、法務大臣が記載地の指定市町村長に提供を受けた旨を通知します。紙の郵送に代わる仕組みです。
この条文についての質問 AI による整理
Q1本籍地じゃない市役所で婚姻届を出すと、2通要るって聞いたんですけど?
36条2項ではそうなっています。ただし受理する役所と記載する役所がすべて指定市町村であれば、本条2項または4項によって届書は1通で足ります。実務のポイント:自治体のウェブサイトやまとめ記事には、改正前の「本籍地外は2通」という案内が残っていることがあります。印刷の前に受理予定の役所へ電話で通数を確認すれば、証人の署名を二度集める手間を避けられます
Q2紙が1通しかないなら、遠くの本籍地の役所はどうやって婚姻を知るんですか?
受理した役所が届書の内容をデータ化して法務大臣に送り(120条の4)、法務大臣が記載先の指定市町村長に「受け取った」と通知します(本条1項・3項)。これが紙の郵送に代わる仕組みです。実務のポイント:記載先に指定市町村でない役所が一つでもあれば、その分だけ紙の届書が必要になります。通数の計算式が「全体の数 − 指定市町村の数 + 1」なのはそのためです
間違えやすい点 AI による整理
- 「本籍地以外で出すと届書が1通多く要る」という知識は間違いではない。36条2項はいまも条文に残っている。ただ、受理地と記載地がいずれも指定市町村であれば、本条4項によってその規定は適用されない。古いルールは廃止されたのではなく、条件付きで脇に置かれている。この二層構造を知らないと、窓口とかみ合わない
- 問題は届書を何通書くかだと思われがちだが、本当に変わったのは、届書の内容がどの経路で他の役所へ届くかである。紙の郵送からデータ提供と法務大臣の通知に移ったので、届書の枚数が減ったのはその結果にすぎない。記載先に指定市町村でない役所が残れば、その分の紙は今も必要になる
- 届出人から見れば「書類が1枚減った」程度の話でも、法律から見れば届書の情報を法務大臣が一元的に受け取る体制への移行である。自分の婚姻や出生の届書情報が、紙の束だけでなく国のシステムにも記録として残る。そう理解しておくと、後日の証明請求や記載ミスを正すときの問い合わせ先を見誤らない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律内容 | 120条の5:法務大臣による通知と、指定市町村間の提出通数の特例 | 36条:届書の提出通数の原則(記載地ごとに1通、本籍地外は1通追加) 120条の4:指定市町村長による届書等情報の作成と法務大臣への提供 |
| 適用場面 | 受理地と記載地がいずれも指定市町村である場合 | すべての届出・申請の原則 指定市町村長が届出・申請を受理した場合 |
| 役所間の伝達手段 | 法務大臣からの通知(データ連携) | 紙の届書の送付 受理地から法務大臣へのデータ提供 |
| 届出人への影響 | 通数が「記載地数 − 指定数 + 1」に減り、全部指定なら1通 | 記載地の数に応じて複数通を用意 届出人の負担に直接の定めなし(本条の前提) |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾では戸政事務所が全国連線システムでつながり、戸籍地以外の戸政事務所でも多くの登記を申請できる(跨区申辦)。紙の通数を計算する日本の二層構造とは異なり、一元的なシステム管理が前提となっている
韓国は2008年に戸主制中心の戸籍制度を廃止し、個人単位の家族関係登録簿を電算で管理している。申告地を問わず電算で処理される点で、日本の指定市町村間連携より集中化が進んでいる
ドイツは身分登録簿を電子で管理し、登記所(Standesamt)間の通知も電子的に行う。家単位の戸籍という概念はない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 本籍が別々の二人が、新居のある市役所で婚姻届を出そうとしている。窓口の案内サイトには古い情報のまま「本籍地以外は2通」と書いてある。記載先がすべて指定市町村であれば、本条2項の計算式で必要なのは1通だけ。印刷と署名押印をやり直す手間を一つ減らせる
- 出生届の提出期限(49条、14日)まで残り3日。里帰り出産先で届けたいが、本籍地は遠方で、届書の通数も戸籍謄本の要否も分からない。本籍地外の届出で受理地と本籍地の両方が指定市町村なら、本条3項により36条2項の「1通追加」ルールは適用されない。紙の準備で期限を落とす理由は一つ減る
- 役所の戸籍担当として、あなたは本籍地外の転籍届を受理した。記載先の町が万一まだ指定市町村でなかったらどうするか? その役所の分だけ紙の届書が必要になる(2項の計算式)。システム通知だけで済ませると、記載漏れの原因を自分でつくることになる
取るべき行動
被害を受けた側:窓口で必要以上の通数や書類を求められて困っている場合。1. 戸籍の記載をする役所(元の本籍地、新しい本籍地など)を書き出す2. 受理地と記載先が指定市町村かどうかを役所に確認する3. すべて指定市町村なら、本条2項または4項で届書は1通で足りると伝え、根拠を確認してもらう4. それでも話がかみ合わない場合は、その市区町村を管轄する法務局の戸籍課に問い合わせる
訴えられた側:受理した役所の担当者として届出人から指摘を受けた場合。1. 受理地と記載先それぞれが指定市町村かどうかを確認する2. 指定市町村でない記載先があるなら、その分の届書は紙で送るよう手配する(2項の計算式) 3. 120条の4のデータ提供が済んでいるか、法務大臣の通知の対象になっているかを確かめる4. 窓口の案内文やウェブサイトに旧ルールが残っていないか点検し、更新する
時効(請求できる期限):本条そのものに期限の定めはない。ただし届出には期間が決まっているものがある。出生届は出生の日から14日以内(49条)、死亡届は死亡の事実を知った日から7日以内(86条)。正当な理由なく期間内に届け出ないと5万円以下の過料となる(137条。最新の改正状況をご確認ください)。婚姻届のように届出によって効力が生じる届出には、届出期間がない
改正沿革 AI による整理
- 令和元年(2019年)戸籍法改正 戸籍情報連携の整備に伴い、届書等情報の提供(120条の4)とあわせて本条が設けられたとみられる。施行時期(令和6年(2024年)3月1日とされる)やその後の改正の有無は人による確認が必要
改正の年表
- 1.令和元年(2019年) 新設:戸籍法の一部を改正する法律により、届書等情報の作成・提供(120条の4)とあわせて新設。施行は令和6年(2024年)3月1日とされるが、正確な施行日は改正履歴で要確認
ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。
ログインして共同ノートを始める出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。