戸籍法 第126条
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市町村長又は法務局若しくは地方法務局の長は、法務省令で定める基準及び手続により、統計の作成又は学術研究であつて、公益性が高く、かつ、その目的を達成するために戸籍若しくは除かれた戸籍に記載した事項又は届書その他市町村長の受理した書類に記載した事項に係る情報を利用する必要があると認められるもののため、その必要の限度において、これらの情報を提供することができる。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 戸籍法第126条は、日本の戸籍法に含まれる条文です。
- 戸籍法第126条の条文原文は「市町村長又は法務局若しくは地方法務局の長は、法務省令で定める基準及び手続により、統計の作成又は学術研究であつて、公益性が高く、かつ、その目的を達成するために戸籍…」で始まります。
- 戸籍法第126条は第八章 雑則に置かれています。
- 戸籍法の公布日は昭和22年12月22日です。
- 戸籍法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 戸籍法第126条の前の条は戸籍法第125条です。
- 戸籍法第126条の次の条は戸籍法第127条です。
- 戸籍法第126条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
戸籍法(昭和二十二年法律第二百二十四号)第126条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000224 - 本サイト収録
戸籍法(昭和二十二年法律第二百二十四号)第126条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000224/126
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点戸籍法126条は、公益性が高く戸籍情報の利用が必要と認められる統計作成・学術研究のため、市町村長等が法務省令の基準により必要な限度で情報を提供できると定める。
Q · 自分の戸籍の情報って、研究のために勝手に使われることがあるの?
公益性の高い統計・学術研究に限り、役所の判断で提供されうる
戸籍法126条により、市町村長や法務局・地方法務局の長は、公益性が高く、戸籍の情報を使わなければ目的を達成できないと認められる統計の作成や学術研究のために、法務省令の基準と手続に従い、必要の限度で情報を提供できます。本人の同意や通知は条文上の要件ではありません。一方で提供は役所の裁量で、研究者に請求権はなく、家系図作成や身元調査には使えません。
解説
戸籍は「本人か家族か、正当な理由のある人しか見られない書類」だと思われている。半分は正しい。第三者が謄本を取るには厳しい要件がある(戸籍法10条の2)。ところが126条には別の扉がある。統計の作成や学術研究のうち公益性が高く、戸籍の情報を使わなければ目的を達成できないと認められたものに限り、市町村長や法務局・地方法務局の長は、必要な限度でその情報を提供できる。つまり、あなたの出生・婚姻・離婚・死亡の記録は、あなたの同意がなくても研究データの一部になりうる。ただし門は狭い。提供するかどうかは役所が判断する(裁量)ことで、研究者に請求する権利があるわけではない。基準と手続は法務省令で縛られ、「必要の限度」を超える項目は出せない。家系図業者や興信所がこの条文を使って戸籍を取ることはできない。これを知っていれば、研究協力の依頼状や調査会社の売り文句が本物かどうか、自分で見分けられる。
法的な位置づけ
戸籍法126条は、市町村長または法務局・地方法務局の長が、法務省令で定める基準および手続に従い、公益性が高く、戸籍・除かれた戸籍・届書等に記載された情報を利用する必要があると認められる統計の作成または学術研究のために、必要の限度でこれらの情報を提供できる旨を定める規定である。提供は行政庁の裁量に属し、研究者に請求権を付与するものではない。
よくある質問 AI による整理
Q1戸籍法126条とは何ですか?
統計の作成や学術研究のために、市町村長や法務局長が戸籍の情報を提供できるとする規定です。公益性・必要性・必要の限度という三つの条件で絞られています。
Q2戸籍の情報を研究に提供できるのは誰ですか?
市町村長と、法務局・地方法務局の長です。戸籍の正本は市町村、副本は法務局に保管されているため、両方が提供の主体として定められています。
Q3戸籍情報の研究利用に本人の同意は必要?
条文上、本人の同意は要件になっていません。その代わりに、公益性の高さ、戸籍を使う必要性、必要の限度という審査で提供範囲が絞られます。
Q4戸籍の研究利用が認められる基準は?
統計の作成または学術研究であること、公益性が高いこと、戸籍情報を利用する必要があること、の三点です。詳細な基準と手続は法務省令で定められます。
Q5民間企業の市場調査で戸籍情報は使える?
公益性の高い統計・学術研究に当たらない限り使えません。販促目的の市場調査や顧客分析は、126条の対象外と考えるのが自然です。
Q6除籍や届書の情報も研究に提供される?
対象です。条文は戸籍だけでなく、除かれた戸籍、届書その他市町村長が受理した書類に記載した事項に係る情報まで含めています。
Q7研究目的の戸籍情報提供を断られたら争える?
126条は提供「できる」とする裁量規定で、研究者の請求権を定めたものではありません。不服申立てや訴訟で争えるかは解釈が分かれています。
Q8戸籍情報の提供と住民票の閲覧はどう違う?
住民基本台帳の研究目的閲覧は住民基本台帳法11条の2が根拠で、閲覧状況の公表制度があります。戸籍法126条にはその公表義務が条文上ありません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1家系図を作りたいんですけど、学術研究ってことにすれば昔の戸籍を取れますか?
取れない。126条の対象は公益性の高い統計や学術研究で、個人の家系図づくりは当たらない。ただし、あなた自身と直系の祖先の戸籍や除籍であれば、10条により本人等として請求できる。実務のポイント:令和6年(2024年)3月から始まった広域交付(戸籍法120条の2)を使えば、本籍地がばらばらでも最寄りの役所で直系の戸籍をまとめて請求できる。おじやおばなど傍系の家系は、この方法では取れない(最新の運用をご確認ください)
Q2自分の戸籍が研究に使われたら、本人に通知は来るんですか?
126条は、本人への通知も同意も要件にしていない。歯止めになっているのは、公益性・必要性・必要の限度という三つの審査である。実務のポイント:同じく研究目的で使われる住民基本台帳の閲覧は、市町村長が閲覧の状況を毎年公表する仕組みになっている(住民基本台帳法11条の2)。一方、126条の条文にはそうした公表義務が書かれていない。気になるなら、情報公開請求で提供決定の記録を確かめるしかない
間違えやすい点 AI による整理
- 「戸籍は本人と家族以外、誰にも見られない」と思われているが、実は違う。統計や学術研究のためなら、公益性と必要性の審査を通ったうえで、本人の同意なしに情報が提供されうる。戸籍の秘密は絶対ではなく、目的と範囲を絞ることで守られている
- 「研究者なら、申請すれば戸籍データをもらえるのか」という問いの立て方そのものがずれている。126条は役所に提供する「権限」を与えた規定で、研究者に請求権を与えた規定ではない。提供を断られたときに不服申立てや訴訟で争えるかどうかは、実務上、解釈が分かれている。取れるかどうかではなく、断られない研究計画をどう作るかという問題である
- 研究者から見れば、戸籍は数世代にわたって家族関係を追える貴重なデータにすぎない。法律から見れば、本籍や出自をめぐる差別に使われてきた歴史を持つ情報である。この見え方の差を軽く考えて項目を欲張ると、「必要の限度」の審査で計画ごと止まる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 利用できる人 | 戸籍法126条:公益性が認められた統計作成者・学術研究者(役所が提供) | 戸籍法10条:本人・配偶者・直系尊属・直系卑属 戸籍法10条の2:正当な理由のある第三者、弁護士等の士業 |
| 法的性質 | 行政の裁量による提供(請求権なし) | 本人等の交付請求権 要件を満たす第三者の交付請求 |
| 審査のポイント | 公益性・必要性・必要の限度、法務省令の基準と手続 | 請求者が本人等に当たるか 権利行使・義務履行等の正当な理由の具体的説明 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾は戸籍法に研究提供の個別規定を置かず、個人資料保護法の一般規定で、公益目的の統計・学術研究かつ本人識別不能な処理を条件に公務機関の目的外利用を認める
韓国は仮名処理を前提に、統計作成・科学的研究目的での本人同意なき処理を認める。家族関係登録簿の個別規定とは別の一般法の枠組み
ドイツは身分登録法に学術目的での利用規定を置き、目的の必要性と当事者保護の比較衡量を求める
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 大学から「長寿家系の追跡研究へのご協力のお願い」という手紙が届いたら、どうなる? 大学があなたの住所や続柄を知った経路は一つではない。126条による戸籍情報の提供、住民基本台帳の閲覧(住民基本台帳法11条の2)、あるいはただの名簿。経路を聞けば、きちんとした研究機関なら倫理審査を通った説明ができるはずだ
- あなたは大学の研究者で、研究費の申請締切まであと3週間。研究計画に「戸籍情報を用いた世代間分析」と書くなら、どの項目がなぜ戸籍でなければならないのかを今のうちに詰めておく必要がある。住民票や既存の統計で代わりが利くと判断されれば、126条の「利用する必要がある」という要件で止まる
- 興信所から「研究目的という形にすれば戸籍が取れますよ」と持ちかけられた。それは通らない。126条は身元調査に使える扉ではない
- 町役場の戸籍係として、研究者から「データを出してほしい」と直接頼まれた。担当者の判断だけで出してはならない。法務省令の基準と手続に沿った審査が前提であり、条文は「提供することができる」と書いているので、断るという結論もありうる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 研究機関から連絡が来たら、情報の入手経路と倫理審査の有無を書面で問い合わせる2. 研究への協力は任意なので、回答しないという選択肢もある3. 提供があったかどうかを確かめたいときは、法務局には行政機関の保有する情報の公開に関する法律、市区町村には情報公開条例に基づいて、提供決定の記録の開示を請求する道がある。ただし個人を特定できる部分は開示されないこともある4. 目的外の利用が疑われる場合は、民法709条による損害賠償を検討する
訴えられた側:1. 研究者の場合、申請前に「戸籍でなければならない理由」と必要最小限の項目を研究計画に書き込んでおく2. 提供を受けた後は、目的外の利用や第三者への提供をしない体制(アクセス制限、匿名化、保存期限の設定)を整える3. 役所の担当者の場合、法務省令の基準に照らした審査の記録を残す。担当者の判断だけで提供すると、守秘義務違反を問われうる4. 疑いをかけられたら、承認の文書と利用記録で必要の限度内だったことを示す
時効(請求できる期限):本条自体に特定の時効はないが、一般消滅時効(民法166条、債権5年または10年)が適用される。不正な提供や目的外の利用を不法行為として争う場合は、損害と加害者を知った時から3年、行為の時から20年(民法724条)。国や自治体の職員による違法な提供であれば国家賠償法1条による請求となり、期間は同法4条を通じて民法724条による
- 戸籍法 第8条正本・副本の保管、法務局が情報を保有する根拠
- 戸籍法 第10条本人等による戸籍謄本等の交付請求
- 戸籍法 第10条の2第三者請求の厳格な要件、正面の窓口
- 戸籍法 第48条届書の閲覧・記載事項証明の制限
- 戸籍法 第129条戸籍情報への個人情報保護法の開示等規定の適用除外(現行効力を要確認)
- 個人情報の保護に関する法律 第69条行政機関等による学術研究目的の提供制限
- 住民基本台帳法 第11条の2学術研究目的の住民基本台帳閲覧と公表制度
- 統計法 第33条調査票情報の研究目的提供、並行する制度
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