戸籍法 第139条
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- 次の場合には、市町村長を十万円以下の過料に処する。
- 一正当な理由がなくて届出又は申請を受理しないとき。
- 二戸籍の記載又は記録をすることを怠つたとき。
- 三正当な理由がなくて、届書その他受理した書類の閲覧を拒んだとき、又は第百二十条の六第一項の規定による請求を拒んだとき。
- 四正当な理由がなくて、戸籍謄本等、除籍謄本等、第四十八条第一項若しくは第二項(これらの規定を第百十七条において準用する場合を含む。)の証明書、戸籍証明書若しくは除籍証明書を交付しないとき、戸籍電子証明書提供用識別符号若しくは除籍電子証明書提供用識別符号の発行をしないとき、又は戸籍電子証明書若しくは除籍電子証明書を提供しないとき。
- 五その他戸籍事件について職務を怠つたとき。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 戸籍法第139条は、日本の戸籍法に含まれる条文です。
- 戸籍法第139条の条文原文は「次の場合には、市町村長を十万円以下の過料に処する。」で始まります。
- 戸籍法第139条は第九章 罰則に置かれています。
- 戸籍法の公布日は昭和22年12月22日です。
- 戸籍法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 戸籍法第139条の前の条は戸籍法第138条です。
- 戸籍法第139条の次の条は戸籍法第140条です。
- 戸籍法第139条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
戸籍法(昭和二十二年法律第二百二十四号)第139条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000224 - 本サイト収録
戸籍法(昭和二十二年法律第二百二十四号)第139条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000224/139
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点戸籍法139条は、正当な理由なく届出を受理しない、戸籍の記載を怠る、謄本の交付を拒むなど職務を怠った市町村長を、十万円以下の過料に処すと定める。
Q · 役所が正当な理由なく婚姻届を受理しなかったら、誰が責任を問われるの?
市町村長本人が十万円以下の過料の対象になる
戸籍法139条により、正当な理由なく届出を受理しない、戸籍の記載を怠る、謄本等の交付を拒むといった場合、市町村長が十万円以下の過料に処されます。過料は刑罰ではなく前科も付きません。ただし不受理申出(同法27条の2)がある場合や本人確認(同法10条の3)が取れない場合の拒否は正当な理由となりえます。届出を実際に通す手段としては、家庭裁判所への不服申立て(同法122条)が中心になります。
解説
役所の窓口で婚姻届を突き返されたとき、相手は「役所」という大きな壁に見える。しかし戸籍法の組み立てでは、戸籍事務の責任者は市町村長という一人の人間であり、本条はその市町村長本人に十万円以下の過料(刑罰ではない、行政上の金銭的制裁)を科す規定である。対象は五つある。正当な理由のない届出の不受理、戸籍の記載の怠り、届書の閲覧拒否、戸籍謄本や証明書の交付拒否、その他の職務の怠りである。押さえておくべきなのは、市町村長の審査が原則として「形式的審査」(書類の形式が整っているかだけを確認する審査)にとどまる点だ。「この結婚は怪しい」という印象だけで受理を拒むことは、法の想定する審査の範囲を超える。とはいえ、実務で本条の過料が科された例は多くない。あなたの本当の武器は、本条を背景に置いたうえで家庭裁判所へ不服を申し立てる戸籍法122条の手続である
法的な位置づけ
戸籍法139条は、戸籍事務を管掌する市町村長の職務懈怠に対する過料規定である。正当な理由のない届出・申請の不受理、戸籍の記載・記録の懈怠、届書等の閲覧拒否、戸籍謄本等・電子証明書等の交付や提供の拒否、その他の職務懈怠を対象とし、十万円以下の過料という秩序罰を定める。
よくある質問 AI による整理
Q1戸籍法139条とは何ですか?
戸籍事務を怠った市町村長に十万円以下の過料を科す規定です。不受理、記載の懈怠、閲覧拒否、謄本等の交付拒否などが対象になります。
Q2婚姻届 受理されない 理由は?
書類の形式不備、本人確認が取れない、不受理申出(戸籍法27条の2)が出ているなどが典型です。形式が整っていれば内容の印象だけで拒むことはできません。
Q3戸籍謄本 交付拒否 違法?
正当な理由のない交付拒否は戸籍法139条の過料対象です。ただし本人確認不足や請求資格がない場合の拒否は正当な理由になりえます。
Q4市町村長の過料は誰が決める?
過料は非訟事件手続法に基づき裁判所が決定します。刑事手続ではないため、検察官の起訴や刑事裁判は行われません。
Q5戸籍の記載漏れ 責任は誰?
戸籍事務の管掌者は市町村長であり、記載を怠った場合は戸籍法139条の過料対象になりえます。訂正は法務局の許可を得て職権で行われます。
Q6広域交付 断られた どうする?
対象外の証明書かどうかを窓口で確認し、拒否理由を書面で求めます。正当な理由なき拒否は本条の交付拒否に当たりえます。
Q7戸籍の届出 不受理 不服申立て 期限は?
戸籍法122条の家庭裁判所への不服申立てに法文上の期間制限はありません。ただし創設的届出は受理まで効力が生じないため早期申立てが重要です。
Q8役所の不受理で損害 賠償請求できる?
違法な不受理で損害が生じた場合、国家賠償法1条に基づく請求が考えられます。過料とは別の手続で、請求先は市町村等の公共団体です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1市役所で婚姻届を受け取ってもらえなかったんですが、罰金とかにできるんですか?
戸籍法139条では、正当な理由なく受理しない市町村長が十万円以下の過料の対象になります。ただ、あなたの目的は罰を与えることではなく婚姻を成立させることのはずです。そのための最短ルートは、家庭裁判所への不服申立て(戸籍法122条)です。実務のポイント:実務では、窓口が迷った届出は管轄法務局に「受理照会」をかけることになっています。「法務局に照会していただけますか」と一言添えるだけで、窓口の独断による拒否が止まることが少なくありません
Q2市長に過料が科されたら、前科がついたりニュースになったりしますか?
過料は刑罰ではない秩序罰なので、前科は付きません。手続は非訟事件手続法に基づいて裁判所が行います。実務のポイント:本条による過料が実際に科された例は、公刊物ではほとんど見当たりません。現場で効いているのは発動よりも抑止の力です。窓口の側も「正当な理由」を説明できるように記録を残す文化を持っています。そのため、請求者が理由の開示を求めることは、実はとても通りやすい要求なのです
Q3戸籍謄本を取りに行ったら、本人確認が足りないって断られました。これも違反ですか?
原則として違反ではありません。戸籍法10条の3は請求者の本人確認を市町村長の義務としており、確認が取れないことは交付を拒む正当な理由になります。実務のポイント:本人確認書類は運転免許証やマイナンバーカードなど「一点で足りる書類」と、健康保険証など「二点必要な書類」に分かれています。断られたらどの書類なら足りるかをその場で聞けば、二度手間を防げます(最新の改正状況をご確認ください)
間違えやすい点 AI による整理
- 「役所に断られたら終わり」と思いがちだが、戸籍事件の処分には行政不服審査法の審査請求ではなく、家庭裁判所への不服申立て(戸籍法122条)という専用ルートがある。役所と争う場所は役所の中ではなく裁判所である
- 過料と聞くと罰金と同じものだと思われやすい。深刻度の感じ方がそもそもずれている。過料は刑罰ではなく秩序罰なので前科は付かず、金額も十万円以下にとどまる。本条の実際の効き目は金額ではない。法律が「職務の懈怠」とはっきり書いたことで、窓口の拒否に正当な理由の説明責任が生まれる点にある
- 市民の側から見ると不受理は「役所の意地悪」に映る。法の側から見ると、不受理申出(戸籍法27条の2)が出ている場合や本人確認が取れない場合には、受理しないことこそが義務になる。この視点の落差を知らずに窓口で怒鳴ると、正当な拒否を相手にこちらの信用だけが削られていく
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 機能 | 戸籍法139条:市町村長の職務懈怠に対する過料(秩序罰) | 戸籍法122条:市町村長の処分に対する家庭裁判所への不服申立て 戸籍法27条の2:本人の意思に基づかない届出を防ぐ不受理申出 |
| 誰が動かすか | 裁判所が非訟事件手続で過料を決定 | 届出人・利害関係人が家庭裁判所に申し立てる 届出の対象となる本人が市町村長に申し出る |
| 届出人にとっての効果 | 市町村長への制裁であり、届出自体は受理されない | 家裁が相当な処分を命じれば受理につながる 申出がある間の不受理は正当な理由となる |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾では戸政事務所が戸籍登記を担い、職員の違法・失職は主として公務員懲戒の枠組みで扱われる
ドイツでは身分登録局が職務行為を拒んだ場合、関係者の申立てにより裁判所が職務遂行を命じる。日本の戸籍法122条に近い構造
フランスでは身分吏の規定違反に対し、民事裁判所が金銭制裁を科す。官吏個人への制裁という点で本条と発想が近い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 婚姻届を出した窓口で、職員に「書類に不備はないが、年齢差が大きいので上に確認する」と言われ、そのまま一週間なにも連絡がない。形式が整っている届出を中身の印象で留め置くことは、形式的審査の原則とぶつかる。まず不受理なのか審査中なのかを文書で確認する
- 相続手続の期限が迫るなか、本籍地ではない市役所の窓口で広域交付の戸籍謄本を請求したら「うちでは出せない」と断られた。本当に対象外の謄本なのか、単なる運用の誤りなのか。その場で根拠条文を尋ねるだけで対応が変わることがある
- あなたが市民課の係長だとしたら、どうする? 本人確認書類に疑義がある請求を断った翌日、請求者から「戸籍法139条で過料だ」と電話がかかってきた。本人確認(戸籍法10条の3)に基づく拒否は正当な理由になりうる。拒否理由と確認経過を当日中に記録しておけるかどうかが分かれ目になる
- 死亡届を受理したのに、担当者の入力漏れで三か月も戸籍に死亡の記載がなかった。そのあいだ遺族は相続登記も保険金請求も進められなかった。これは「記載を怠つたとき」に当たりうる
- 離婚後、家庭裁判所の審判に必要な届書の閲覧を利害関係人として請求したところ、理由も示されずに拒まれた。申立期日まで残り十日。拒否の理由を書面で求めることが次の一手の出発点になる
取るべき行動
被害を受けた側:1. その場で不受理なのか審査中なのかを確認し、日時、担当者名、言われた理由をメモする2. 不受理の理由と根拠条文を書面で求める3. 市町村の戸籍事務を監督している管轄法務局の戸籍課に相談する4. 不当な処分だと考えるなら、市役所の所在地を管轄する家庭裁判所に不服を申し立てる(戸籍法122条)。家裁が受理を命じれば、それで決着がつく。過料はあくまで副次的な圧力として考える
訴えられた側:1. 拒否した場合は、その根拠(形式不備、本人確認の不成立、不受理申出など)を当日中に記録する2. 受理してよいか迷う届出は、独断で留め置かずに管轄法務局へ受理照会をかける。照会の記録そのものが、職務を怠っていない証拠になる3. 記載漏れが見つかったら、すぐに法務局の許可を得て職権で訂正し、経緯を報告する4. 過料の手続が始まったら、非訟事件の手続で意見を述べる機会を活かし、正当な理由を立証する
時効(請求できる期限):本条の過料そのものについて特定の時効期間は定められていない。家庭裁判所への不服申立て(戸籍法122条)にも法文上の期間制限はない(最新の改正状況をご確認ください)。ただし創設的届出は受理されて初めて効力が生じるので、実務上は一日でも早く動くべきである。職員の違法な不受理によって損害が生じた場合の国家賠償請求は、国家賠償法4条により民法724条が適用され、損害と加害者を知った時から3年、不法行為の時から20年である
学説
通説:市町村長の審査は形式的審査にとどまり、形式要件を満たす届出の不受理は原則として正当な理由を欠く。ただし不受理申出や本人確認の不成立など、法が拒否を求める場面では不受理が義務となる。
改正沿革 AI による整理
- 令和元年(2019年)改正 戸籍事務のデジタル化に伴う改正。戸籍電子証明書・除籍電子証明書と提供用識別符号の発行拒否、第120条の6第1項に基づく届書等情報の閲覧請求の拒否が、過料の対象に加えられたと解される(改正の回数と施行日は人的検証が必要)
改正の年表
- 1.昭和22年(1947年) 新設:日本国憲法下の家族制度改革に伴い現行戸籍法が制定され、市町村長の職務懈怠に対する過料規定が置かれた
- 戸籍法 第122条市町村長の処分への家裁不服申立て
- 戸籍法 第27条の2不受理申出、正当な不受理の根拠
- 戸籍法 第10条の3請求者の本人確認義務
- 戸籍法 第120条の6届書等情報の閲覧請求権
- 戸籍法 第3条法務局長による戸籍事務の監督
- 非訟事件手続法 第119条過料事件の管轄と手続
- 国家賠償法 第1条違法な不受理による損害の賠償
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