戸籍法 第58条
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前条第一項に規定する手続をする前に、棄児が死亡したときは、死亡の届出とともにその手続をしなければならない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 戸籍法第58条は、日本の戸籍法に含まれる条文です。
- 戸籍法第58条の条文原文は「前条第一項に規定する手続をする前に、棄児が死亡したときは、死亡の届出とともにその手続をしなければならない。」で始まります。
- 戸籍法第58条は第二節 出生に置かれています。
- 戸籍法の公布日は昭和22年12月22日です。
- 戸籍法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 戸籍法第58条の前の条は戸籍法第57条です。
- 戸籍法第58条の次の条は戸籍法第59条です。
- 戸籍法第58条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
戸籍法(昭和二十二年法律第二百二十四号)第58条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000224 - 本サイト収録
戸籍法(昭和二十二年法律第二百二十四号)第58条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000224/58
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点戸籍法58条は、棄児発見の申出(57条1項)をする前に棄児が死亡したとき、死亡の届出とともにその申出をしなければならないと定める。死亡しても手続は免除されない。
Q · 見つかった赤ちゃんが役所の手続の前に亡くなったら、棄児の手続はなくなるの?
なくならず、死亡届と同時に申出をする必要がある
戸籍法58条により、棄児発見の申出(57条1項)をする前に棄児が死亡した場合でも、その手続は免除されず、死亡の届出とともに行わなければなりません。申出を受けた市町村長は57条2項に基づき氏名を付け本籍を定めて調書を作成するため、その子は名前と本籍を持つ者として死亡が記録されます。なお、発見時点ですでに死亡していた場合は58条ではなく、警察官の死亡報告(92条)などの流れになります。
解説
戸籍のない赤ちゃんが亡くなると、書類の上では「誰も死ななかった」ことになりかねない。戸籍法58条は、それを許さない一文である。棄児(親が分からないまま置き去りにされた子)が見つかると、発見者または通報を受けた警察官は24時間以内に市町村長へ申し出る。市町村長はその子に氏名をつけ、本籍を定め、調書を作る(57条)。この手続が終わる前に子が亡くなっても、手続は打ち切りにならない。死亡の届出と同時に57条の手続を行い、名前と本籍を与えたうえで死亡を記録する。順番は「名前を与える、それから死を記録する」であって、名もない遺体として処理して終わりにはしない。発見者として関わったあなたが病院や警察で「この子の手続はどうなるのか」と尋ねたとき、答えはこの条文にある。数日しか生きられなかった命にも、法律は戸籍上の存在を与えるよう求めている。
法的な位置づけ
戸籍法58条は、棄児の発見に伴う申出手続(同法57条1項)が行われる前に当該棄児が死亡した場合について、死亡の届出と併せて当該申出手続を行うことを義務付ける規定である。これにより、市町村長による氏名・本籍の設定と調書作成を経たうえで、当該棄児の死亡が戸籍上に記録される。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.救命と110番を最優先する 棄児を発見したら直ちに110番・119番し、救命措置を優先する。発見の日時・場所・子の状態を記録しておく
- 2.警察官に発見状況と附属品を正確に伝える 発見の日時・場所、タオルや手紙などの附属品を警察官に伝える。これらは市町村長が作成する調書(57条2項)の材料になる
- 3.24時間以内の申出が済んでいるか確認する 発見者または申告を受けた警察官は24時間以内に市町村長へ申し出る義務がある(57条1項)。子の生存中に、警察官へ申出の進捗を確認しておく
- 4.死亡した場合は死亡届と申出を同時に進める 申出前に子が死亡した場合、死亡の届出とともに申出を行う(58条)。病院の死亡診断書、警察、市町村の戸籍担当の三者で処理状況を確認する
よくある質問 AI による整理
Q1棄児とは何ですか?
親が分からないまま置き去りにされ発見された子をいいます。戸籍法57条が発見時の申出と、市町村長による氏名・本籍の設定を定めています。
Q2捨て子の名前は誰が付けるのですか?
発見者または警察官の申出を受けた市町村長が、戸籍法57条2項に基づき氏名を付け、本籍を定めて調書に記載します。
Q3棄児の申出はいつまでにする必要がありますか?
発見者または発見の申告を受けた警察官が、発見から24時間以内に市町村長へ申し出る必要があります(戸籍法57条1項)。
Q4棄児が亡くなった場合の戸籍はどうなりますか?
申出前に死亡しても、戸籍法58条により死亡の届出とともに申出を行います。氏名・本籍を定めたうえで死亡が記録されます。
Q5赤ちゃんポストに預けられた子の戸籍はどうなりますか?
親が分からない場合、原則として棄児として扱われ、市町村長が氏名と本籍を定めます。預け入れ後に死亡した場合は58条が関わります。
Q6棄児の親が後から分かったらどうなりますか?
父または母が棄児を引き取ったときは、その日から1か月以内に出生の届出をし、戸籍の訂正を申請する必要があります(戸籍法59条)。
Q7子どもを置き去りにすると何の罪になりますか?
保護責任者遺棄罪(刑法218条)が問題となり、子が死亡した場合は遺棄等致死罪(刑法219条)が問題になりえます。早期の弁護士相談が重要です。
Q8棄児の死亡届は誰が出すのですか?
死亡届の義務者は戸籍法87条が定めます。実務上、棄児の事案では病院・警察・市町村が連携して処理し、通りがかりの発見者が書類を抱えることは通常ありません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1見つかってすぐ亡くなった赤ちゃんって、名前もないまま火葬されちゃうんですか?
されません。戸籍法58条により、57条の手続(市町村長が氏名を付け本籍を定める)を死亡届と同時に行う必要があります。そのため、その子は名前と本籍を持った一人の人として記録されます。実務のポイント:名付けは市町村長の権限で、職員が候補を考えることが多いとされます。発見場所や季節にちなんだ名前が付けられる例も報じられています
Q2発見した私が死亡届を出さなきゃいけないんですか?
死亡届の義務者は戸籍法87条で同居の親族や家主などと定められており、通りがかりの発見者は通常含まれません。発見者の義務は57条の申出で、警察に通報すれば警察官が申出を担うのが実務の流れです。実務のポイント:病院で亡くなった場合は医師の死亡診断書が必要なので、病院と警察と市町村の三者で処理が進みます。発見者が書類を抱え込む必要はありません
間違えやすい点 AI による整理
- 「亡くなった棄児はもう戸籍を作る意味がない」と考える人がいる。しかし問いの立て方が逆である。戸籍がなければ死亡を記録する場所がなく、埋火葬の許可、後で親が判明したときの戸籍訂正、事件の捜査記録との照合がすべて宙に浮く。記録するために先に存在を登録するのである
- 発見者として110番すれば役目は終わりだと思いがちである。それはおおむね正しいが、深刻さが見落とされている。発見者自身にも57条の申出義務があり、正当な理由なく期間内に届出をしない者は戸籍法135条の過料(5万円以下)の対象になりうる。実務上は警察経由で処理されることが多いが、発見したことを誰にも告げずに立ち去るのは法の想定外である(最新の改正状況をご確認ください)
- 発見時にすでに亡くなっていた子にも58条が適用される、というのは誤解である。58条は「57条の手続をする前に死亡した」場面、つまり生きて発見された後の死亡を想定している。発見時点で死亡していた場合は、身元不明の死者として警察官の報告(戸籍法92条)や死体遺棄事件の捜査の流れに入る
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 適用場面 | 58条:生きて発見された棄児が、申出手続の前に死亡した場合 | 57条:棄児を発見した場合の申出と市町村長の調書作成(通常の流れ) 92条:死亡者の本籍が不明または認識不能な場合(発見時すでに死亡等) |
| 手続の担い手 | 死亡の届出とあわせて、発見者・警察官が申出を行う | 発見者または発見の申告を受けた警察官が申出、市町村長が氏名・本籍を設定 警察官が検視調書を添えて死亡地の市町村長に報告 |
| 期限 | 死亡の届出と同時(申出の24時間の期限は死亡で消えない) | 発見から24時間以内 遅滞なく |
| 戸籍上の帰結 | 氏名・本籍を定めたうえで死亡を記録 | 氏名・本籍を定め、調書が届書とみなされる 身元不明の死亡者として報告・記録 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では棄嬰・無依兒童は社会福祉主管機関が保護し、出生登記の申請を担う。日本のように市町村長が直接氏名を付ける明文構造とは異なる
弃婴は収養人または育嬰機関が戸口登記機関に出生登記を申報する。死亡時の同時処理を明示する規定は確認されていない
ドイツも Findelkind について行政機関が名前と出生地・出生日を定める仕組みを持ち、日本の57条と同種の構造
フランスでも発見された新生児について身分吏が調書を作成し、名前を付ける規定がある
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 早朝のコンビニ裏で、タオルにくるまれた新生児を見つけた。すぐ110番し、救急搬送された。だが翌日、病院で亡くなった。警察から「手続はこちらで進めます」と言われたが、あの子には名前が付くのだろうか? 58条により、市町村長は死亡の届出と同時に氏名と本籍を定める。名もないまま終わることはない
- 病院のソーシャルワーカーとして、身元不明の乳児の看取りに立ち会った。医師は死亡診断書を書くが、氏名欄が空欄のままになる。警察と市町村の戸籍担当に、棄児の申出がすでに済んでいるかをすぐ確認しなければならない。発見から24時間という57条の期限は、子の死亡では止まらない
- 産後の混乱のなかで赤ちゃんを置いてきてしまい、その子が亡くなったとニュースで知った。戸籍上、その子には市町村長が付けた名前と本籍が記録される。あなたが親であると後から判明すれば、刑事責任(刑法219条の遺棄等致死など)の問題が生じ、戸籍訂正の手続も残る。弁護士に相談する時期は早いほど選択肢が多い
- 市役所の戸籍係に配属されて二年目。棄児の死亡事案が初めて回ってきた。57条の調書と死亡届を同時に処理する必要があり、どちらか片方だけでは受理を完結できない
取るべき行動
被害を受けた側:発見者・関係者の立場の場合:1. 発見したらすぐ110番し、救命を最優先する2. 警察官に発見の日時・場所・所持品(附属品)を正確に伝える。これが57条の調書の材料になる3. 子が亡くなった場合、警察と市町村に57条の手続と死亡届が同時に進んでいるかを確認する4. 埋葬や供養に関わりたい場合は、市町村の担当課に早めに申し出る
訴えられた側:子を置いてきた親の立場の場合:1. 刑法218条・219条(保護責任者遺棄、遺棄等致死)が問題になるため、まず弁護士に相談する。当番弁護士制度も利用できる2. 自首(刑法42条)は刑の減軽事由になりうるので、弁護士と時期を検討する3. 親子関係が判明した後は、戸籍訂正(戸籍法113条等)の手続が必要になる。家庭裁判所の許可を要する場合があるため、弁護士または司法書士に確認する
時効(請求できる期限):57条の申出は発見から24時間以内。死亡届は届出義務者が死亡の事実を知った日から7日以内(戸籍法86条、国外で死亡した場合は3か月以内)。58条はこの二つを同時に行うことを求める。期間内に届出をしない者は5万円以下の過料(戸籍法135条、最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和22年(1947年) 新設:現行戸籍法(昭和22年法律第224号)の制定。棄児の発見(57条)、棄児の死亡(58条)、父母による引取り(59条)が一連の規定として置かれた
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