戸籍法 第92条
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- 死亡者の本籍が明かでない場合又は死亡者を認識することができない場合には、警察官は、検視調書を作り、これを添附して、遅滞なく死亡地の市町村長に死亡の報告をしなければならない。
- 2.死亡者の本籍が明かになり、又は死亡者を認識することができるに至つたときは、警察官は、遅滞なくその旨を報告しなければならない。
- 3.第一項の報告があつた後に、第八十七条第一項第一号又は第二号に掲げる者が、死亡者を認識したときは、その日から十日以内に、死亡の届出をしなければならない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 戸籍法第92条は、日本の戸籍法に含まれる条文です。
- 戸籍法第92条の条文原文は「死亡者の本籍が明かでない場合又は死亡者を認識することができない場合には、警察官は、検視調書を作り、これを添附して、遅滞なく死亡地の市町村長に死亡の報告をしなけれ…」で始まります。
- 戸籍法第92条は第九節 死亡及び失踪に置かれています。
- 戸籍法の公布日は昭和22年12月22日です。
- 戸籍法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 戸籍法第92条の前の条は戸籍法第91条です。
- 戸籍法第92条の次の条は戸籍法第93条です。
- 戸籍法第92条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
戸籍法(昭和二十二年法律第二百二十四号)第92条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000224 - 本サイト収録
戸籍法(昭和二十二年法律第二百二十四号)第92条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000224/92
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点戸籍法92条は、本籍不明または身元不明の死亡者について、警察官が検視調書を添えて死亡地の市町村長に報告する義務を定める。身元判明後は同居の親族等が10日以内に死亡届を出す。
Q · 何年も前に亡くなっていた家族の身元が今になって判明したら、死亡届の期限はいつまで?
本人と確認した日から10日以内。死亡日起算ではない
戸籍法92条3項により、警察官の報告(1項)があった後に同居の親族または同居者が死亡者を本人と認識したときは、その日から10日以内に死亡の届出をしなければなりません。起算点は死亡日ではなく認識した日なので、死亡から何年経っていても期限が過ぎたとは限りません。正当な理由なく期限を過ぎると、戸籍法137条により5万円以下の過料の対象となりえます。
解説
身元の分からない遺体が見つかっても、法律上その死は放置されない。戸籍法92条により、警察官は検視調書を作って、本籍地ではなく「死亡地」の市町村長に死亡の報告をする。遺体が見つかった時点で、行政の記録は動き始めているのである。問題はその先にある。本籍が分からないままでは、その人の戸籍に死亡は記載されず、書類の上では「生きている人」のままになる。身元が判明すれば、警察官はその旨を報告しなければならない(2項)。さらに、同居していた親族や同居者が死亡者を本人だと確認した場合、その日から10日以内に死亡届を出す義務を負う(3項)。行方不明の家族を探しているあなたにとって、警察からの一本の電話は、悲しみの知らせであると同時に、相続・年金・借金の期限が一斉に動き出す合図でもある。役所へ出す書類の順番を知っているかどうかで、その後の数か月の負担は大きく変わる。
法的な位置づけ
戸籍法92条は、本籍不明または身元不明の死亡者に関する死亡報告の特則である。警察官は検視調書を添えて死亡地の市町村長に死亡を報告し、本籍または身元が判明したときは遅滞なくその旨を報告する。その後に同居の親族またはその他の同居者が死亡者を認識したときは、その日から10日以内に死亡の届出義務を負う。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.身元確認の日付と担当者を記録する 警察で本人と確認したら、その日付・警察署名・担当者名をメモに残す。これが92条3項の10日の起算点であり、相続放棄の熟慮期間を争う際の証拠にもなる
- 2.死体検案書と死亡推定日を確認する 検視を担当した警察署で、死体検案書の発行元(監察医・警察嘱託医等)と入手方法、記載される死亡推定日を確認する。死亡届には検案書が必要になる
- 3.10日以内に死亡届を提出する 同居の親族または同居者は、確認した日から10日以内に、本籍地・届出人の所在地・死亡地のいずれかの市町村役場へ死亡届を提出する。同居していない親族も届出資格はある(87条2項)
- 4.年金・口座・債務を確認し相続方針を決める 年金事務所への死亡の連絡、金融機関口座の確認、借金の有無を調べる。債務超過が疑われる場合は、自分が相続人となったことを知った時から3か月以内に家庭裁判所へ相続放棄を検討する
よくある質問 AI による整理
Q1身元不明の遺体とは法律上どう扱われる?
戸籍法92条1項により、警察官が検視調書を作成・添付し、死亡地の市町村長に死亡を報告します。本籍と紐付かないため、戸籍への死亡記載は身元判明まで保留されます。
Q2行旅死亡人とは何ですか?
身元が判明せず引取人もいない死亡者のことで、行旅病人及行旅死亡人取扱法に基づき市町村が火葬等を行い、官報で公告します。家族が官報検索で行き着くこともあります。
Q3警察から身元判明の連絡が来たら何をすべき?
確認した日付・警察署名・担当者名を記録し、死体検案書の入手方法を確認します。同居の親族・同居者なら、その日から10日以内に死亡届を提出します。
Q4戸籍法92条の死亡届 いつまで?
同居の親族または同居者が死亡者を認識した日から10日以内です(92条3項)。通常の死亡届の7日(86条)とは期間も起算点も異なります。
Q5死亡届を期限内に出さないと罰則はある?
正当な理由なく期限を過ぎると、戸籍法137条により5万円以下の過料の対象となりえます。遅れても届出は受理されるため、判明したら直ちに提出することが大切です。
Q6身元不明者の死亡届はどこに出せる?
本籍地、届出人の所在地(戸籍法25条)のほか、死亡地の市町村(88条)にも提出できます。警察報告が死亡地に行っているため、死亡地での提出も実務上スムーズです。
Q7大家や管理人も死亡届を出す義務がある?
92条3項の義務者は87条1項1号・2号の同居の親族とその他の同居者に限られます。家主・地主・管理人(同項3号)はこの10日の義務者に含まれません。
Q8戸籍に記載される死亡日はいつになる?
検視や死体検案の結果に基づく推定日が記載され、「推定」と付されることもあります。年金の返還額や相続の基準日に影響するため、検案書の記載を必ず確認しましょう。
この条文についての質問 AI による整理
Q1兄が亡くなったのは2年前らしいんですが、確認したのは昨日です。死亡届の期限はもう過ぎてるんですか?
過ぎていない。戸籍法92条3項の10日は、死亡日ではなく同居の親族などが死亡者を認識した日から数える。昨日確認したのであれば、昨日から10日以内である。実務のポイント:戸籍に記載される死亡日は検視結果による推定日(「推定」と付くこともある)になる。これが年金の返還額や相続関係の基準日になるため、検案書の記載内容は受け取った時点で必ず確認しておきたい
Q2一緒に住んでなかった親戚でも、死亡届を出していいんですか?
出せる。3項が義務を課すのは同居の親族と同居者だけだが、戸籍法87条2項により、同居していない親族や後見人なども死亡届を出すことができる。義務はなくても資格はあるということである。実務のポイント:同居者がいない一人暮らしの人の場合、義務者がいないために届出が宙に浮きやすい。相続手続を早く始めたい親族が自ら届け出るほうが、結果的に全員の負担が軽くなる
間違えやすい点 AI による整理
- 「身元不明の遺体なら役所には何の記録も残らない」と思われがちだが、実際は逆である。警察官は検視調書を添えて死亡地の市町村長に報告する義務を負う。記録は残っており、欠けているのは本籍との紐付けだけである
- 死亡届の期限が7日(戸籍法86条)であることを知っている人は多い。しかし身元不明だった遺体の場合、同居の親族等の期限は「死亡日」からではなく「死亡者を認識した日」から10日で数えることは知られていない。亡くなってから何年経っていても、確認した日が起点になる。起算点を取り違えると、期限をまだ過ぎていないのに諦めたり、逆に過ぎたことに気付かなかったりする
- 「警察が身元を突き止めてくれたのだから、あとは警察と役所が全部やってくれる」という前提そのものが危うい。警察の2項報告は行政内部の連絡にすぎず、相続放棄、年金の停止、口座の凍結といった家族側の手続は、誰も代わりにやってくれない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 適用場面 | 戸籍法92条:本籍不明・身元不明の死亡者 | 戸籍法86条:通常の死亡 戸籍法89条:水難・火災等の事変による死亡 |
| 最初の報告・届出主体 | 警察官(検視調書を添付して報告) | 同居の親族等の届出義務者(87条) 取調べをした官庁または公署 |
| 期限と起算点 | 警察官は遅滞なく/同居の親族等は認識した日から10日 | 死亡の事実を知った日から7日(国外は3か月) 遅滞なく |
| 報告先 | 死亡地の市町村長 | 本籍地・所在地・死亡地の市町村 死亡地の市町村長(外国・本籍地等の特則あり) |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾では非病死の遺体は検察官が相驗を行い、死亡登記は戸政事務所で行う。身元判明後の届出期限の数え方は日本と構造が異なる
韓国には日本の92条とほぼ同型の規定があり、警察公務員による検視調書添付の通報と、判明後の届出を定める
フランスでは身元を特定できない死者についても死亡証書を作成し、できる限り詳細な身体的特徴を記載する方式をとる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 三年前に家を出たきり連絡のなかった兄について、警察から「DNA鑑定の結果、昨年秋に隣県で見つかったご遺体が兄と一致した」と電話が来た。兄と同居していたあなたには、確認した日から10日以内に死亡届を出す義務がある。葬儀の段取りより先に、この期限を手帳に書き込むべきである
- 身元不明のまま遺体が引き取られなかった場合、その後の扱いはどうなるのか? 多くは市町村が火葬し、行旅死亡人として官報で公告する。家族が官報を検索して初めて行き着くケースは実際にある
- あなたは亡くなった人とアパートで同居していた友人である。身元確認に呼ばれて本人だと認めたのに、忙しさにかまけて二週間が過ぎた。3項の届出義務者は同居の親族だけではなく「その他の同居者」も含む。期限を過ぎれば、過料の対象となりうる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 身元確認を行った日付、警察署名、担当者名を記録する。これが10日の起算点と相続の起算点の証拠になる2. 警察署で死体検案書(または検視結果に基づく書類)の入手方法を確認する3. 同居の親族・同居者であれば、確認した日から10日以内に死亡届を出す。提出先は本籍地・届出人の所在地・死亡地のいずれかの市町村(戸籍法25条・88条) 4. 年金事務所、金融機関、債権者を確認し、借金が多ければ家庭裁判所への相続放棄を検討する
訴えられた側:期限を過ぎた場合、市町村長から簡易裁判所に通知され、過料の決定が出ることがある(戸籍法137条、5万円以下)。遅れても届出の受理自体が拒まれるわけではないので、まずは直ちに提出する。遅れた理由(遠方に住んでいた、書類の発行待ち、入院など)を書面で残し、「正当な理由」として主張できるようにしておく。なお3項の義務者は87条1項1号・2号の同居の親族と同居者に限られ、家主や管理人は含まれない
時効(請求できる期限):同居の親族または同居者が死亡者を認識した日から10日以内(戸籍法92条3項)。怠った場合は5万円以下の過料(戸籍法137条。最新の改正状況をご確認ください)。警察官の報告(1項・2項)は「遅滞なく」とされ、日数の定めはない
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和22年(1947年) 新設:現行戸籍法の制定に伴い、本籍不明者・認識不能者の死亡について警察官の報告と同居者の届出義務を定める規定として置かれた
- 戸籍法 第86条通常の死亡届と7日の期限
- 戸籍法 第87条死亡届の届出義務者と届出資格者
- 戸籍法 第89条事変による死亡の官公署報告
- 戸籍法 第137条届出懈怠に対する過料(現行効力を要確認)
- 警察等が取り扱う死体の死因又は身元の調査等に関する法律 第8条身元を明らかにするための措置(現行効力を要確認)
- 行旅病人及行旅死亡人取扱法 第9条身元不明死亡人の公告(現行効力を要確認)
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