戸籍法 第98条
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- 民法第七百九十一条第一項から第三項までの規定によつて父又は母の氏を称しようとする者は、その父又は母の氏名及び本籍を届書に記載して、その旨を届け出なければならない。
- 2.民法第七百九十一条第二項の規定によつて父母の氏を称しようとする者に配偶者がある場合には、配偶者とともに届け出なければならない。
この条文の基本情報
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 戸籍法第98条は、日本の戸籍法に含まれる条文です。
- 戸籍法第98条の条文原文は「民法第七百九十一条第一項から第三項までの規定によつて父又は母の氏を称しようとする者は、その父又は母の氏名及び本籍を届書に記載して、その旨を届け出なければならない…」で始まります。
- 戸籍法第98条は第十二節 入籍に置かれています。
- 戸籍法の公布日は昭和22年12月22日です。
- 戸籍法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 戸籍法第98条の前の条は戸籍法第97条です。
- 戸籍法第98条の次の条は戸籍法第99条です。
- 戸籍法第98条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
戸籍法(昭和二十二年法律第二百二十四号)第98条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000224 - 本サイト収録
戸籍法(昭和二十二年法律第二百二十四号)第98条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/322AC0000000224/98
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点戸籍法98条は、民法791条により父又は母の氏を称する子が、その父母の氏名と本籍を届書に記載して届け出る「入籍届」を定める。家裁の許可だけでは氏は変わらない。
Q · 家庭裁判所で子の氏の変更が許可されたら、それだけで子どもの苗字は変わるの?
許可だけでは変わらず、入籍届の受理で初めて変わる
変わりません。民法791条1項の家庭裁判所の許可は「氏を変えてもよい」という判断にとどまり、実際に子の氏が変わり親の戸籍に移るのは、戸籍法98条に基づく入籍届が市区町村役場に受理された時点です。届書には移る先の父又は母の氏名と本籍を記載します。届出に期限はないため、出さない限り子は元の戸籍に残り続けます。
解説
離婚届の親権者欄に自分の名前を書いた。これで子どもは自分の戸籍に入り、自分と同じ苗字になる。そう信じている親は驚くほど多いが、実際には何も変わっていない。子どもは元配偶者の戸籍に残り、氏もそのままである。親権、氏、戸籍は、法律上まったく別の三本のレールだ。子の氏を変えるには、原則として家庭裁判所で「子の氏の変更許可」(民法791条1項)を得てから、市区町村役場に本条の届出、いわゆる「入籍届」を出す。届書には、移る先の父または母の氏名と本籍を書く。押さえておくべきは、本条の届出が「創設的届出」(出すこと自体で法律上の変化が起きるタイプの届出)だという点である。期限はない。裏を返せば、誰かが出さない限り、子どもは何年でも別の戸籍に残り続ける。
法的な位置づけ
戸籍法98条は、子が民法791条1項から3項までの規定により父又は母の氏を称する場合の届出、いわゆる入籍届の方式を定める手続規定である。届書には父又は母の氏名及び本籍を記載し、同条2項による場合で届出人に配偶者があるときは配偶者と共同で届け出る。届出の受理によって氏の変更と戸籍の移動が生じる創設的届出である。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.親権・氏・戸籍の現状を確認する 親と子それぞれの戸籍謄本を取り寄せ、子がどの戸籍に入っているか、親が離婚後に実家の戸籍へ戻ったか新戸籍を作ったか、婚氏続称を選んだかを確認する。親が実家の戸籍にいる場合は、入籍届と同時に親を筆頭者とする新戸籍が作られるため、新しい本籍地も決めておく
- 2.家庭裁判所に子の氏の変更許可を申し立てる 子の住所地を管轄する家庭裁判所に申立書を提出する。15歳未満の子は親権者が代理し、15歳以上の子は本人が申立人になる。父母婚姻中に親の氏が変わった民法791条2項の場面では、この手続は不要
- 3.許可審判書謄本を受け取る 家庭裁判所から許可の審判書謄本を受け取る。審理期間は裁判所や事案によって異なるため、入学や進級の時期から逆算して申し立てておく
- 4.市区町村役場に入籍届を提出する 本籍地又は所在地の役所に入籍届を出す。届書には移る先の父又は母の氏名と本籍を記載する。民法791条2項による届出で届出人に配偶者がある場合は、配偶者とともに署名して届け出る
- 5.受理後に各種名義を変更する 戸籍への反映を確認した後、健康保険証、パスポート、銀行口座、学校・保育園の登録名などを順に変更する
よくある質問 AI による整理
Q1入籍届とは何ですか?
子が父又は母の氏を称して、その親の戸籍に入るための届出です。戸籍法98条が根拠で、届書に移る先の親の氏名と本籍を記載します。
Q2子の入籍届の必要書類は?
入籍届書、家庭裁判所の子の氏の変更許可審判書謄本、届出人の本人確認書類が基本です。戸籍証明書の要否は届出先の役所に事前確認すると確実です。
Q3入籍届はどこに出す?
届出人の本籍地か所在地の市区町村役場に出します(戸籍法25条)。移る先の親の本籍地の役所に出すと、戸籍への反映が早い傾向があります。
Q4入籍届に期限はある?
期限はありません。届け出ることで効力が生じる創設的届出だからです。ただし出さない限り子の氏と戸籍は変わらないため、許可後は早めの届出が安全です。
Q5入籍届は誰が出す?
15歳以上の子は本人が届出人になります。15歳未満の子は法定代理人(親権者)が代わって届け出ます(民法791条3項)。
Q6子の氏の変更許可の申立費用はいくら?
子1人につき収入印紙800円と、連絡用の郵便切手が必要です。切手の額は家庭裁判所ごとに異なるため、申立先に確認してください。
Q7結婚している子が親の氏に変えるには?
父母婚姻中に親の氏が変わった場合(民法791条2項)は家裁の許可は不要ですが、子に配偶者がいれば配偶者と連名で届け出る必要があります(戸籍法98条2項)。
Q8入籍届を出すと親子関係は変わる?
変わりません。入籍届が動かすのは氏と戸籍だけで、もう一方の親との親子関係、養育費、相続権、面会交流はそのまま残ります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1家裁の許可が出たら、自動で子どもの苗字って変わるんじゃないんですか?
変わらない。許可はあくまで「変えてもよい」という裁判所のお墨付きで、氏と戸籍が実際に動くのは、本条による入籍届が役所に受理された時点である(戸籍法98条1項)。実務のポイント:審判書謄本を持ったまま届出を忘れ、数年後にパスポートを申請して初めて気付く親は少なくない。本籍地以外の役所に出すと戸籍への反映に日数がかかることがあるので、急ぐなら本籍地の役所に出すのが確実である
Q2再婚相手の苗字に子どもを合わせたいんですけど、入籍届だけでいけますか?
母が再婚して夫の氏になっても、子の氏は自動では変わらない。方法は二つある。家裁の許可を得て母の氏(つまり再婚相手の氏)を称する入籍届を出すか(民法791条1項、戸籍法98条)、再婚相手と養子縁組をして養親の氏を称するか(民法810条)である。実務のポイント:養子縁組をすると扶養義務や相続権まで発生するが、入籍届は氏と戸籍しか動かさない。将来の相続関係まで考えずに縁組を選ぶ家庭は多い
間違えやすい点 AI による整理
- 「元夫が反対したら子の苗字は変えられないのか」と悩む人は多いが、そもそも問いの立て方がずれている。民法791条1項の許可は、家庭裁判所が子の利益を基準に判断するもので、もう一方の親の同意は法律上の要件ではない。子が15歳以上なら子ども自身が申立人になる(15歳未満の子の申立てと共同親権の関係は別途確認が必要)
- 離婚後も元夫の苗字を名乗り続ける婚氏続称(民法767条2項)を選べば、子と同じ苗字だから手続は要らない。そう考えるのは危うい。呼び名が同じでも、法律上は別の氏として扱われるため、子を自分の戸籍に入れるには家裁の許可と本条の届出がやはり必要になる。見た目が同じなので、放置されやすい
- 親から見れば「苗字をそろえる」だけの話でも、戸籍の側から見れば「子をどの戸籍に移すか」の話である。離婚時に母が実家の戸籍に戻っていた場合、三代が同じ戸籍に入ることは認められない(戸籍法17条)。そのため入籍届と同時に、母を筆頭者とする新しい戸籍が作られ、新しい本籍地をどこにするかをその場で決めることになる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 届出の目的 | 戸籍法98条:子が父又は母の氏を称し、その戸籍に入る | 戸籍法99条:親の都合で氏を改めた子が成年後に元の氏へ戻る 戸籍法77条の2:離婚した者が婚姻中の氏を称し続ける |
| 家庭裁判所の許可 | 原則必要(民法791条1項)。父母婚姻中の同条2項の場面では不要 | 不要(民法791条4項) 不要 |
| 期限 | なし(創設的届出) | 成年に達した時から1年以内 離婚の日から3か月以内 |
| 届出人 | 子本人(15歳未満は法定代理人)。791条2項で配偶者があれば配偶者と共同 | 子本人。配偶者がある場合は配偶者と共同 離婚した本人 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では子の姓は父母の書面約定で決まり、父母の離婚など一定の事由があれば子の利益のため裁判所に姓の変更を請求できる。変更後は戸政事務所で登記する二段階構造が日本と近い
韓国は子の福利のため必要な場合、家庭法院の許可を得て子の姓と本を変更でき、その後に家族関係登録上の申告を行う。裁判所許可と申告の二段階は日本と類似
ドイツでは再婚家庭で継親の氏を子に与えるEinbenennungを戸籍官への意思表示で行い、他方の親の同意が原則必要(家庭裁判所による代替可)。他方親の同意を要件としない日本とは異なる
米国では未成年者の氏名変更は州裁判所への申立てで行い、多くの州で他方の親への通知と子の最善の利益の審理が求められる。戸籍制度はない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 小学校入学まであと二か月。離婚後も子どもだけ元夫の苗字のままで、入学名簿に旧姓が載ったらどうなる? 家裁の許可が出るまでは数日から数週間(裁判所によって異なる)、役所への届出はその後になる。逆算すると、今週中に申立書を出さなければ間に合わない
- あなたは親権を手放した父親だ。久しぶりに自分の戸籍謄本を取ったら、子の欄に「除籍」の記載があった。元妻が入籍届を出していたのだ。あなたの同意は求められなかった。それでも養育費の支払義務も、子があなたを相続する権利も、一文字も変わっていない
- 父が他家の養子になり、両親の氏が変わった。結婚して自分の氏で戸籍を作っている息子が親と同じ氏に戻したいなら、家裁の許可は要らないが、妻と連名で届け出なければならない。妻の苗字も一緒に変わるからだ
取るべき行動
被害を受けた側:1. 子の住所地を管轄する家庭裁判所に「子の氏の変更許可」を申し立てる。子1人につき収入印紙800円と連絡用の郵便切手、子と親の戸籍謄本が基本(最新の改正状況をご確認ください) 2. 15歳未満の子は親権者が代理し、15歳以上の子は本人が申立人になる3. 許可の審判書謄本を受け取ったら、本籍地か所在地の役所に入籍届を出す4. 受理された後、パスポート、銀行口座、保険などの名義を順に変更する
訴えられた側:1. 家裁の許可には、もう一方の親の同意は要件になっていない。反対するなら、申立てを知った段階で事情と意見を書面にまとめて家裁に伝えるのが現実的な手段である2. 氏が変わっても、親子関係、面会交流、養育費、相続権は変わらない。氏をめぐる争いより、面会交流の取り決めを充実させるほうが子との関係を守りやすい3. 共同親権の下で子が15歳未満なら、共同代理が必要かどうかを確認する(最新の改正状況をご確認ください)
時効(請求できる期限):本条の届出そのものに期限はない(届け出ることで効力が生じる創設的届出)。ただし周辺の手続には期限がある。離婚の際に称していた氏を名乗り続ける届出は離婚の日から3か月以内(民法767条2項、戸籍法77条の2)、親の都合で氏を改めた子が元の氏に戻る届出は成年に達した時から1年以内(民法791条4項、戸籍法99条)
学説
通説:戸籍法98条の入籍届は創設的届出であり、民法791条1項の許可審判があっても、届出が受理されるまでは子の氏及び戸籍に変動は生じない。許可は氏の変更を可能にする前提要件にとどまる。
- 戸籍法 第99条成年到達後の元の氏への復氏届
- 戸籍法 第17条三代戸籍禁止による新戸籍編製
- 戸籍法 第77条の2離婚時の氏を称する届(婚氏続称)
- 戸籍法 第25条届出地(本籍地または所在地)
- 民法 第791条子の氏の変更の実体要件を定める
- 民法 第767条離婚による復氏と婚氏続称
- 民法 第790条出生時の子の氏の原則
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