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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年9月5日読了 8 分8 分8 分

刑事訴訟法 第350条の7

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  1. 検察官は、被疑者との間でした第三百五十条の二第一項の合意がある場合において、当該合意に係る被疑者の事件について公訴を提起したときは、第二百九十一条の手続が終わつた後(事件が公判前整理手続に付された場合にあつては、その時後)遅滞なく、証拠として第三百五十条の三第二項の書面(以下「合意内容書面」という。)の取調べを請求しなければならない。被告事件について、公訴の提起後に被告人との間で第三百五十条の二第一項の合意をしたときも、同様とする。
  2. 2.前項の規定により合意内容書面の取調べを請求する場合において、当該合意の当事者が第三百五十条の十第二項の規定により当該合意から離脱する旨の告知をしているときは、検察官は、あわせて、同項の書面の取調べを請求しなければならない。
  3. 3.第一項の規定により合意内容書面の取調べを請求した後に、当該合意の当事者が第三百五十条の十第二項の規定により当該合意から離脱する旨の告知をしたときは、検察官は、遅滞なく、同項の書面の取調べを請求しなければならない。

この条文の基本情報

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 刑事訴訟法第350条の7は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
  2. 刑事訴訟法第350条の7の条文原文は「検察官は、被疑者との間でした第三百五十条の二第一項の合意がある場合において、当該合意に係る被疑者の事件について公訴を提起したときは、第二百九十一条の手続が終わつ…」で始まります。
  3. 刑事訴訟法第350条の7は第二節 公判手続の特例に置かれています。
  4. 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
  5. 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
  6. 刑事訴訟法第350条の7の前の条は刑事訴訟法第350条の6です。
  7. 刑事訴訟法第350条の7の次の条は刑事訴訟法第350条の8です。
  8. 刑事訴訟法第350条の7には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第350条の7
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131
  • 本サイト収録刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第350条の7(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/350_7

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点刑事訴訟法350条の7は、検察官に対し、被疑者・被告人と司法取引(協議・合意)をした事件を起訴した場合、合意内容書面を証拠として取調べ請求するよう義務付ける規定である。

Q · 共犯者が検察と司法取引をして自分に不利な証言をしたら、その「取引の中身」は裁判で分かるの?

必ず分かります。合意内容書面の取調べ請求は検察官の義務です。

刑事訴訟法350条の7により、検察官は協議・合意制度(日本版司法取引)で協力者と合意した場合、その事件を起訴したら、冒頭手続が終わった後(公判前整理手続に付された事件はその後)遅滞なく、合意内容書面を証拠として取調べ請求しなければなりません。つまり共犯者が「何と引き換えに証言したか」は必ず法廷に開示されます。弁護人はその見返りの大きさを使って証言の信用性を弾劾できます。協力者が虚偽を述べれば350条の15で新たに処罰されます。

解説

会社の不正会計やカルテルで捜査が入ったとき、最初に検察と「取引」した役員が、残りの全員を主犯に仕立てる。これが日本版司法取引、協議・合意制度の影の構図だ。350条の7は、その取引の中身を法廷に強制的に引きずり出す条文である。検察官は、合意した相手の事件を起訴したら、冒頭手続(291条の手続)が終わった後、公判前整理手続に付された場合はその後、遅滞なく、合意内容書面を証拠として取調べ請求しなければならない。つまり、あなたに不利な証言をした共犯者が、その見返りに自分の刑を軽くしてもらっていた事実は、必ず開示される。あなたが握っておくべきは、その証言には「見返り」という値札がついており、弁護人はその値札の大きさを使って証言の信用性を崩せるという点だ。協力者の供述が虚偽なら、喋った当人が新たな罪に問われる(350条の15)。

法的な位置づけ

刑事訴訟法350条の7は、協議・合意制度(捜査・公判協力型の司法取引)における合意内容書面の取調べ請求義務を定める規定である。検察官は、協力者との合意に係る事件を起訴したとき、冒頭手続終了後(公判前整理手続に付された場合はその後)遅滞なく、合意内容書面を証拠として取調べ請求する義務を負う。買われた証言の透明化と引っ張り込み防止のための手続的安全弁として機能する。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.協力者の存在と司法取引の兆候を察知する 共犯者・関係者が捜査の途中で急に協力的になった、供述が起訴状の柱になっているなどの兆候があれば、協議・合意制度の利用を疑い、弁護人に共有する
  2. 2.合意内容書面の証拠開示を早期に請求する 公判前整理手続の段階で、弁護人を通じて合意内容書面の証拠開示を早期に請求する。350条の7により検察官は取調べ請求義務を負うため、争点整理の前に取引の全容を握っておく
  3. 3.協力者が得た見返りの大きさを精査する 開示された合意内容書面から、協力者が不起訴か求刑の軽減か、どれだけ大きな見返りを得たかを読み取る。見返りが大きいほど虚偽供述の動機も大きいという論法を組み立てる
  4. 4.見返りを軸に証人の信用性を弾劾する反対尋問を設計する 証人尋問では「取引の見返り欲しさの虚偽供述ではないか」を軸に反対尋問を組む。虚偽の疑いが濃ければ350条の15の虚偽供述罪の存在を踏まえて追及する

よくある質問 AI による整理

Q1合意内容書面とは何ですか?

協議・合意制度で検察官と協力者が結んだ合意の内容を記した書面です。350条の3で作成され、350条の7により検察官が法廷で取調べ請求する義務を負います。

Q2日本の司法取引はいつから始まりましたか?

平成28年(2016年)改正で協議・合意制度が新設され、平成30年(2018年)6月1日に施行されました。経済犯罪や薬物・銃器・組織犯罪などの特定犯罪が対象です。

Q3司法取引の対象になる犯罪は何ですか?

財政経済犯罪(脱税・談合・粉飾など)、薬物・銃器犯罪、組織的犯罪などの特定犯罪に限られます。殺人や性犯罪などの一般刑事事件には使えません。

Q4合意内容書面はいつ法廷に出されますか?

起訴後、冒頭手続(291条の手続)が終わった後、公判前整理手続に付された事件はその後、遅滞なく検察官が取調べ請求します(350条の7)。

Q5協力者が嘘の証言をしたらどうなりますか?

350条の15の虚偽供述等の罪で新たに処罰されます。協力者には嘘をつけない法的圧力がかかり、これが証言の信用性を一定担保します。

Q6司法取引から後で抜けることはできますか?

350条の10により合意から離脱できます。ただし離脱の告知は書面で行われ、350条の7第2項・第3項によりその書面も法廷で取調べ請求されます。

Q7日本版司法取引と米国型はどう違いますか?

日本版は他人の犯罪への協力が条件の捜査・公判協力型です。自分の罪だけを認めて減刑を得る米国型の自己負罪型は採用されていません。

Q8合意内容書面の開示は被告人にどう役立ちますか?

協力者が得た見返りの大きさが書面で明らかになり、弁護人はその利益に比例して証言の信用性を弾劾できます。反対尋問の最大の武器になります。

この条文についての質問 AI による整理

Q1司法取引って、自分の罪を認めれば刑を軽くしてもらえる制度ですよね?

違う。日本版は「他人の犯罪」への協力が条件の捜査・公判協力型(350条の2)で、自分の罪だけを認める米国型の自己負罪型は採用されていない。だから上司や共犯者の犯罪を語らない限り取引はできない。実務のポイント:日本版司法取引の対象は特定犯罪、経済犯罪・薬物・銃器・組織犯罪などに限られ、殺人や性犯罪などの一般刑事事件には使えない。ニュースで見た司法取引が自分の事件で使えるとは限らない、まず対象犯罪かを確認する

Q2共犯者が取引で自分に不利な証言をしたら、もう詰みですか?

詰みではない。350条の7で合意内容書面が必ず開示されるので、その証言が「取引の産物」だと法廷で明示される。さらに虚偽供述は350条の15で処罰され、協力者にも嘘をつけない圧力がかかる。実務のポイント:弁護人は合意内容書面から「協力者がどれだけ大きな見返りを得たか」を読み取り、その利益の大きさに比例して証言の信用性を弾劾する。見返りが大きいほど、嘘をつく動機も大きいという論法。開示された書面を精読する弁護人かどうかで結果が変わる

間違えやすい点 AI による整理

  • 「自分の罪を認めて刑を軽くしてもらおう」という発想で司法取引を考える人が多いが、その問いの立て方自体が日本では誤り。日本版は他人の犯罪への協力が条件の捜査・公判協力型(350条の2)であり、自分の罪だけを差し出す米国型の自己負罪型は採用されていない
  • 合意内容書面が開示されることは知っていても、その書面が「反撃の武器」になると気付いていない人が多い。協力者が得た見返りの大きさは、そのまま証言の信用性を削る弾薬になる。開示は単なる手続ではなく、巻き込まれた側の最大の反撃材料だ
  • あなたから見れば、不利な証言をした共犯者はただの「証人」だ。だが法律から見れば、その人は刑の軽減という対価を受け取った「利害関係者」であり、証言には値札がついている。この落差を理解しないまま反対尋問に臨むと、相手の供述を額面どおり受け止めて潰される
比較の観点この条文ほかの条文
条文の役割350条の7:合意内容書面の取調べ請求義務(開示の強制)350条の2:協議・合意制度の根幹・合意の定義
350条の15:協力者の虚偽供述等の罪(信用性担保)
誰に向けた規律か検察官の開示義務(被告人の防御を保障)検察官と被疑者・被告人の合意の枠組み
協力者本人への刑事制裁
タイミング起訴後・冒頭手続終了後に遅滞なく取調べ請求捜査・公判段階で合意
虚偽供述が判明した時点で立件

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
證人保護法第14條・刑事訴訟法第455條之2以下

台湾は污點證人(証人保護法14条)による減免と認罪協商を分けて規定する。協力者への便宜の開示は日本ほど条文上明確な取調べ請求義務として制度化されていない

中国
中華人民共和国刑事訴訟法 第15条(認罪認罰従寛制度)

中国は2018年改正で認罪認罰従寛制度を導入。自己負罪型を中心とし、日本の捜査・公判協力型とは設計思想が異なる

ドイツ
StPO § 257c(Verständigung)

ドイツは量刑に関する裁判所・当事者間の合意(Verständigung)を認めるが、他人の犯罪への協力を条件とする日本型とは構造が異なり、公開法廷での透明性が要件とされる

アメリカ
Giglio v. United States, 405 U.S. 150 (1972)

米国は判例法上、検察官に協力者への便宜(不起訴・減刑の約束等)を弁護側へ開示する義務を課す。350条の7の開示強制と機能的に最も近い

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • もし、あなたの共同経営者が先に検察と司法取引をして、粉飾の全責任をあなたに押し付ける供述をしたら? その供述は法廷に出るが、同時に「彼が何と引き換えに喋ったか」を記した合意内容書面も必ず出る。あなたの弁護人は、その見返りの大きさを突いて信用性を崩しにいく
  • あなた自身が末端の担当者で、上司の指示で違法行為に関わった。検察から「上を語れば不起訴にする」と打診された。これが協議・合意。ただし弁護人の同意が必須で、虚偽を語れば350条の15で新たに罪に問われる。取引は救済にも罠にもなる
  • 公判前整理手続に付された事件で、あと数週間で争点整理が締め切られる。共犯者の合意内容書面がいつ開示されるかで、あなたの防御方針が根本から変わる。開示のタイミングを見誤ると、反証の準備が間に合わない
  • 捜査の途中で共犯者が一人、急に取調べに協力的になった。数か月後、その供述があなたの起訴状の柱になっていた。法廷で初めて、彼が司法取引をしていたと知る

取るべき行動

被害を受けた側:1. 共犯者・関係者が司法取引をした兆候があれば、弁護人を通じて合意内容書面の証拠開示を早期に請求する。350条の7で検察に取調べ請求義務がある2. 開示されたら、協力者が得た見返り、不起訴や求刑軽減の中身と大きさを精査、これが信用性弾劾の核になる3. 証人尋問では「取引の見返り欲しさの虚偽供述ではないか」を軸に反対尋問を組む4. 供述に虚偽の疑いが濃ければ、350条の15の虚偽供述罪の存在を踏まえて追及する

訴えられた側:1. 検察から協力の打診を受けたら、弁護人の同意なしに合意はできない(350条の3)、必ず弁護人と戦略を詰める2. 語る内容が虚偽だと350条の15で新たに刑に問われる(最新の改正状況をご確認ください)、記憶にないことを盛らない3. 合意後に不利と判断すれば350条の10で離脱できるが、離脱の告知も書面で法廷に開示される4. 取引で得る利益と、共犯者から裏切り者として社会的・民事的報復を受けるリスクを天秤にかける

時効(請求できる期限):検察官の合意内容書面の取調べ請求は、冒頭手続(291条の手続)が終わった後、事件が公判前整理手続に付された場合はその後、遅滞なく行われる。協力者側の合意自体は起訴の前後を問わず可能。合意からの離脱(350条の10)に固有の期限はないが、離脱すれば直ちに告知書面が開示される

学説

立法時の通説的理解:協議・合意制度は、組織的・企業犯罪など内部協力者なしには真相解明が困難な事件で捜査の壁を破るために導入された一方、引っ張り込みの危険を内包する。350条の7の開示強制と350条の15の虚偽供述罪は、その危険を抑制する二重の安全弁と理解される。

改正沿革 AI による整理

  • 平成28年(2016年)新設、平成30年(2018年)6月1日施行 協議・合意制度(日本版司法取引)の導入に伴い新設。合意内容書面の取調べを検察官に義務付け、買われた証言の透明化と引っ張り込み防止の安全弁を制度化した

改正の年表

  1. 1.平成28年(2016年) 新設:刑事訴訟法等の一部改正により協議・合意制度(日本版司法取引)を導入。合意内容書面の取調べを検察官に義務付ける350条の7を新設し、買われた証言の透明化と引っ張り込み防止を制度化した。
  2. 2.平成30年(2018年) 改正:平成28年改正のうち協議・合意制度部分が同年6月1日に施行され、本条が実務上運用可能となった。

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刑事訴訟法の全文を見る所属する編章節を開く:第二節 公判手続の特例

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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