受講中の講座ブックマーク無料で登録

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年9月5日読了 7 分7 分7 分

刑事訴訟法 第350条の25

クイックジャンプ
  1. 裁判所は、第三百五十条の二十二の決定があつた事件について、次の各号のいずれかに該当することとなつた場合には、当該決定を取り消さなければならない。
  2. 一判決の言渡し前に、被告人又は弁護人が即決裁判手続によることについての同意を撤回したとき。
  3. 二判決の言渡し前に、被告人が起訴状に記載された訴因について有罪である旨の陳述を撤回したとき。
  4. 三前二号に掲げるもののほか、当該事件が即決裁判手続によることができないものであると認めるとき。
  5. 四当該事件が即決裁判手続によることが相当でないものであると認めるとき。
  6. 2.前項の規定により第三百五十条の二十二の決定が取り消されたときは、公判手続を更新しなければならない。ただし、検察官及び被告人又は弁護人に異議がないときは、この限りでない。

この条文の基本情報

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 刑事訴訟法第350条の25は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
  2. 刑事訴訟法第350条の25の条文原文は「裁判所は、第三百五十条の二十二の決定があつた事件について、次の各号のいずれかに該当することとなつた場合には、当該決定を取り消さなければならない。」で始まります。
  3. 刑事訴訟法第350条の25は第二節 公判準備及び公判手続の特例に置かれています。
  4. 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
  5. 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
  6. 刑事訴訟法第350条の25の前の条は刑事訴訟法第350条の24です。
  7. 刑事訴訟法第350条の25の次の条は刑事訴訟法第350条の26です。
  8. 刑事訴訟法第350条の25には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第350条の25
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131
  • 本サイト収録刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第350条の25(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/350_25

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点刑事訴訟法350条の25は、判決の言渡し前に被告人や弁護人が即決裁判への同意を撤回した場合などに、裁判所が即決裁判の決定を取り消すと定める。取消し後は通常の公判手続に戻る。

Q · 即決裁判に同意したあと、判決が出る前なら取りやめて普通の裁判に戻せますか?

判決の言渡し前なら撤回でき、通常裁判に戻せます

刑事訴訟法350条の25により、判決が言い渡される前であれば、被告人または弁護人は即決裁判手続への同意を撤回でき、有罪である旨の陳述も撤回できます。撤回されると裁判所は即決裁判の決定(350条の22)を取り消さなければならず、事件は通常の公判手続に戻ります。即決裁判の判決には事実誤認を理由とする控訴の制限(403条の2)があるため、争う余地があるなら判決前の撤回が最後の分岐点になります。

解説

覚醒剤の自己使用や万引きで起訴され、弁護士から「即決裁判なら一日で終わるし、必ず執行猶予が付く」と勧められて同意した。だがその後、本当は身に覚えのない部分がある、あるいは執行猶予でも前科が残ることの重さに気付く。もう手遅れか。違う。刑訴法350条の25は、判決が言い渡される前なら、被告人や弁護人が即決裁判への同意を撤回でき、有罪である旨の陳述も撤回できると定める。撤回すれば裁判所は即決裁判の決定を取り消し、事件は通常の公判手続に戻る。これは被告人に握らされた最後の非常ブレーキだ。なぜそこまで重いか。即決裁判の判決には、事実誤認を理由とする控訴ができないという制限(403条の2)が付く。判決が出てしまえば「やっぱり違った」はもう言えない。撤回できるのは判決言渡しの前、その一瞬だけだ。

法的な位置づけ

刑事訴訟法350条の25は、即決裁判手続の取消しを定める規定である。判決の言渡し前に被告人または弁護人が同意を撤回したとき、有罪である旨の陳述を撤回したとき、または当該事件が即決裁判手続に適さないと認められるときに、裁判所は同法350条の22の決定を取り消さなければならない。取消し後は公判手続が更新される。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.同意を求められても即答しない 検察官の即決裁判申立てに対し同意を求められても、その場で即答せず、弁護人と『有罪を争う余地が本当にゼロか』を必ず検討する。執行猶予という利益だけで判断しない
  2. 2.利益と代償を天秤にかける 即決裁判の最大の利益は必要的執行猶予(350条の29)だが、代償は事実誤認控訴の制限(403条の2)。外国人の在留資格や各種資格制限など、有罪判決そのものの波及効果も確認する
  3. 3.撤回するなら判決言渡し前に明示 迷いがあるなら、判決が言い渡される前に同意の撤回または有罪陳述の撤回の意思を裁判所へ明確に表示する。即決裁判は同一期日で完結するため、決断は期日に臨む前夜までに固めておく
  4. 4.取消し後の公判更新で防御権を回復 撤回により決定が取り消されると公判手続が更新される(350条の25第2項)。簡略化されていた証拠調べをやり直し、検察の主張・証拠を正面から弾劾する

よくある質問 AI による整理

Q1即決裁判手続とは何ですか?

争いのない明白軽微な事件を簡略な審理で一日のうちに処理する刑事手続です。被告人の同意が前提で、判決には必要的に執行猶予が付きます(350条の29)。

Q2即決裁判のメリットとデメリットは?

メリットは短期で終わり執行猶予が付く点。デメリットは事実誤認を理由とする控訴ができない制限(403条の2)があり、後から争えなくなる点です。

Q3即決裁判はどんな事件で使われますか?

覚醒剤の自己使用、万引き、軽微な道路交通法違反など、事実関係に争いがなく証拠も明白な比較的軽い事件で用いられます。

Q4即決裁判の同意はいつまで撤回できますか?

判決の言渡し前までです(350条の25第1項1号・2号)。即決裁判は申立てから判決まで同一期日で進むため、実質的な猶予は極めて短いです。

Q5即決裁判で必ず執行猶予になりますか?

即決裁判で懲役・禁錮を言い渡す場合は刑の執行猶予が必要的とされます(350条の29)。ただし撤回して通常手続に戻ると、この保障は失われます。

Q6即決裁判の判決に控訴できますか?

量刑不当などは争えますが、事実誤認を理由とする控訴は制限されます(403条の2)。無罪を主張する余地は判決後ほぼ閉ざされます。

Q7外国人が即決裁判に同意するとどうなりますか?

執行猶予でも有罪判決そのものが在留資格の更新や退去強制(入管法24条)に影響しうるため、安易な同意は重大な波及効果を招くことがあります。

Q8即決裁判の決定が取り消されるとどうなりますか?

事件は通常の公判手続に戻り、公判手続が更新されます(350条の25第2項)。証拠を正面から争えるようになり、防御権が回復します。

この条文についての質問 AI による整理

Q1即決裁判に同意したあとで「やっぱり争いたい」と思ったら、もう無理ですか?

無理ではありません。判決が言い渡される前であれば、被告人または弁護人は同意を撤回でき、有罪の陳述も撤回できます(刑訴法350条の25第1項1号・2号)。撤回すれば裁判所は即決裁判の決定を取り消し、通常の公判手続に戻ります。実務のポイント:撤回できるのは判決言渡しの「前」だけ。即決裁判は申立てから判決まで一日で終わることが多いので、迷うなら期日に臨む前、できれば前夜までに弁護人へ伝えておくのが鉄則。法廷で判決を聞いてからでは遅い

Q2撤回したら、裁判官に「往生際が悪い」と思われて刑が重くなりませんか?

撤回は法律が明文で認めた被告人の権利であり、撤回したこと自体を理由に量刑を重くすることは許されません。むしろ即決裁判の判決には事実誤認を理由とする控訴ができない制限(刑訴法403条の2)があるため、争点があるなら撤回して通常手続で争う方が防御上は有利です。実務のポイント:弁護士の中には「即決裁判は楽だから」と安易に勧める人もいる。本当に争点がないか、執行猶予でも有罪判決が在留資格や資格制限に響かないかを確認せず同意するのは危険。セカンドオピニオンを取る価値がある

間違えやすい点 AI による整理

  • 同意したらもう撤回できないと思い込んでいる人が多い。撤回できること自体は知っていても、その期限が「判決言渡しの前」であり、即決裁判は申立てから判決まで同じ日に進むことを知らない。つまり撤回を考える時間は、現実には数十分しか残っていないこともある。タイミングの深刻さを甘く見ると、扉は静かに閉じる
  • 「即決裁判に同意すべきか」と悩む人がいるが、問いの立て方がずれている。本当の問いは「有罪を争う余地が本当にゼロか」だ。争う余地が少しでもあるなら、即決裁判の控訴制限(403条の2)を背負う前に、まず事実関係を固めるべきで、同意の可否はその後の話にすぎない
  • 撤回したら裁判官の心証が悪くなって不利になる、と恐れる人がいる。だが撤回は法律が明文で認めた被告人の権利であり、撤回したこと自体を量刑で不利に扱うことは許されない。むしろ無理に同意を維持して争点を潰す方が、本当の防御を失う
比較の観点この条文ほかの条文
条文の役割350条の25:即決裁判の決定を取り消す350条の22:即決裁判で審判する旨を決定する
403条の2:即決裁判判決への控訴を制限する
働くタイミング判決の言渡し前(同意・有罪陳述の撤回時など)公判期日の冒頭、審判方式を選ぶ段階
判決後、上訴審の審理範囲を画する段階
被告人への効果通常公判に戻り防御権が回復する簡略な審理と必要的執行猶予の枠組みに入る
事実誤認を理由とする控訴ができなくなる

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
中華民国刑事訴訟法第455条之3第2項

協商程序において、被告は法院が協商判決をする前であれば協商の合意を撤回できる点で、判決前の撤回を認める本条と発想が近い

韓国
대한민국 형사소송법 제286조의2

簡易公判手続(간이공판절차)も被告人の自白等を前提とする簡略審理であり、要件を欠く場合は通常手続へ戻す枠組みを持つ点が類似

ドイツ
StPO § 417 ff.(beschleunigtes Verfahren)

簡明な事件の迅速処理を図る手続で、要件を欠く場合は通常手続に移行する。被告人同意の撤回という明文より裁判所の相当性判断が中心

アメリカ
Federal Rules of Criminal Procedure Rule 11(d)

有罪答弁(guilty plea)は宣告刑の言渡し前であれば一定の事由により撤回できる点で、判決前の撤回を認める本条と機能的に近い

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 明日が即決裁判の期日。弁護士に勧められて同意したが、昨夜になって「本当に自分だけの責任なのか」と眠れなくなった。判決が出る前に撤回できるのか。答えは、できる。法廷で判決が言い渡されるその瞬間までが、引き返せる最後の境界線だ
  • 執行猶予が付くからと即決裁判に同意した外国人。だが在留資格の更新には、たとえ執行猶予でも有罪判決そのものが響く。無罪を争う余地があるなら、同意を撤回して通常裁判で徹底的に争う道が、350条の25によって残されている
  • 公判の途中、被告人が突然「やはり一部は身に覚えがない」と言い出した。裁判所はもはや即決裁判を続けられない。決定を取り消し、通常の手続に切り替える
  • 弁護人が法廷で証拠を見て、検察官の主張に重大な穴があると気付いた。被告人と相談し、即決裁判の同意を撤回。一日で終わるはずだった裁判が、本格的に争う場へと変わった瞬間だ

取るべき行動

被害を受けた側:1. 即決裁判に同意した後でも、判決が言い渡される前なら同意の撤回または有罪陳述の撤回ができる(本条1項1号・2号)。迷いがあるなら直ちに弁護人に伝える2. 撤回の意思は判決言渡し前に裁判所へ明確に表示する3. 撤回後は通常の公判手続に切り替わり、証拠を正面から争えるようになる(2項の公判手続更新で防御権が回復する) 4. 即決裁判は同一期日で完結することが多いため、撤回の決断は期日前夜までに固めておく

訴えられた側:1. 検察官から即決裁判の申立てがあり同意を求められたら、即答せず弁護人と「有罪を争う余地が本当にないか」を検討する2. 争う余地があるなら同意しない、または同意しても判決前に撤回する選択肢を念頭に置く3. 即決裁判の最大の利益は必要的な刑の執行猶予(350条の29)だが、代償は控訴制限(403条の2)。利益と代償を天秤にかける4. 外国人の在留資格・各種資格制限など、有罪判決そのものが持つ波及効果を必ず確認する

時効(請求できる期限):本条に固有の消滅時効はない。撤回権を行使できるのは「判決の言渡し前」に限られる(1項1号・2号)。即決裁判手続は申立てから結審・判決まで同一期日で完結することが多く、実質的な猶予は極めて短い。判決が言い渡された瞬間、撤回の道は閉ざされ、事実誤認を理由とする控訴も制限される(403条の2)

学説

通説:即決裁判手続は争いのない明白軽微な事件の迅速処理を目的とするが、被告人の防御権保障の観点から、判決言渡し前の同意・有罪陳述の撤回および手続不相当による取消しが認められ、取消し後は公判手続の更新により通常手続の防御権が回復すると解されている。

改正沿革 AI による整理

  • 平成16年(2004年) 即決裁判手続の新設に伴い、同意・有罪陳述の撤回や手続不相当を理由とする決定取消しの規定が創設された(施行は平成18年(2006年))。当時は別の条番号に置かれていた
  • 平成28年(2016年) 証拠収集等への協力及び訴追に関する合意制度(協議・合意制度)の新設で350条の2以下が挿入され、即決裁判手続の各条が繰り下げられた結果、本規定は現在の350条の25となった

改正の年表

  1. 1.平成16年(2004年) 新設:即決裁判手続の新設に伴い、同意・有罪陳述の撤回や手続不相当を理由とする決定取消しの規定が創設された(施行は平成18年(2006年))。当時は別の条番号に置かれていた
  2. 2.平成28年(2016年) 改正:協議・合意制度の新設で350条の2以下が挿入され、即決裁判手続の各条が繰り下げられた結果、本規定は現在の350条の25となった

ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。

刑事訴訟法の全文を見る所属する編章節を開く:第二節 公判準備及び公判手続の特例

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

次に調べる

判例を探す:条文単位の判例の紐づけは準備中です。上のカードから法令名で検索できます。裁判所「裁判例検索」で探す ›