受講中の講座ブックマーク無料で登録

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年9月5日読了 7 分7 分7 分

刑事訴訟法 第38条の2

クイックジャンプ

裁判官による弁護人の選任は、被疑者がその選任に係る事件について釈放されたときは、その効力を失う。ただし、その釈放が勾留の執行停止によるときは、この限りでない。

この条文の基本情報

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 刑事訴訟法第38条の2は、日本の刑事訴訟法に含まれる条文です。
  2. 刑事訴訟法第38条の2の条文原文は「裁判官による弁護人の選任は、被疑者がその選任に係る事件について釈放されたときは、その効力を失う。ただし、その釈放が勾留の執行停止によるときは、この限りでない。」で始まります。
  3. 刑事訴訟法第38条の2は第四章 弁護及び補佐に置かれています。
  4. 刑事訴訟法の公布日は昭和23年7月10日です。
  5. 刑事訴訟法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
  6. 刑事訴訟法第38条の2の前の条は刑事訴訟法第38条です。
  7. 刑事訴訟法第38条の2の次の条は刑事訴訟法第38条の3です。
  8. 刑事訴訟法第38条の2には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第38条の2
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000131
  • 本サイト収録刑事訴訟法(昭和二十三年法律第百三十一号)第38条の2(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/323AC0000000131/38_2

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点刑事訴訟法38条の2は、被疑者が事件について釈放されると国選弁護人の選任が効力を失うと定める。ただし勾留の執行停止による釈放のときは失効しない。

Q · 国選弁護人は、釈放されたらもう付いていてくれないの?

原則は釈放で失効。ただし執行停止の釈放なら残る

刑事訴訟法38条の2により、被疑者がその事件について釈放されると、裁判官が選任した国選弁護人の選任は当然に効力を失います。特別な手続を踏まなくても、外に出た瞬間に法律上の代理人ではなくなります。ただし例外が一つあり、その釈放が「勾留の執行停止」(同法95条)による場合は、勾留命令自体が残るため選任は維持されます。釈放の種類によって弁護人が消えるか残るかが決まる点が、本条の核心です。

解説

逮捕され勾留された被疑者には、お金がなくても裁判官が無料の弁護人をつけてくれる制度がある(被疑者国選弁護、刑事訴訟法37条の2以下)。問題はその先だ。あなたが勾留期間の満了や不起訴で釈放された瞬間、その国選弁護人の選任は自動的に効力を失う。38条の2が定めるのは、この「弁護人が消えるタイミング」である。自由になれて喜ぶその日、あなたは法的な後ろ盾を同時に失っている。捜査がまだ続いていても、後で在宅起訴される可能性があっても、その弁護士は法律上もうあなたの代理人ではない。ただし一つだけ例外がある。釈放が「勾留の執行停止」(刑事訴訟法95条、病気や家族の葬儀などで一時的に身体拘束を解く措置)による場合だ。このときは勾留命令自体が消えたわけではなく、再収容の可能性が残るため、国選弁護人はそのまま残る。釈放の「種類」によって、あなたの弁護人が消えるか残るかが決まる。

法的な位置づけ

刑事訴訟法38条の2は、被疑者国選弁護人の選任終了事由を定める規定である。裁判官が選任した弁護人の選任は、被疑者が当該事件について釈放された時点で当然に効力を失う。ただし、その釈放が勾留の執行停止(同法95条)による場合は、勾留命令自体が存続するため選任は維持される。

手順・フロー

AI による整理。効力は条文原文が基準です

手順

  1. 1.釈放の「種類」を弁護人に確認する 釈放が近いと感じたら、その釈放が「勾留の執行停止」か「期間満了・不起訴・勾留取消し」かを国選弁護人に確認する。執行停止なら弁護人は残り、それ以外なら釈放で失効するため、その後の対応が根本から変わる
  2. 2.釈放前に私選切り替えか連絡方法を取り決める 執行停止以外の釈放では国選弁護人が失効するので、私選契約への切り替えの可否、または今後の連絡方法を釈放の前に取り決めておく。失効してから探すと、捜査が続く最も不安定な時期を弁護士なしで過ごすことになる
  3. 3.釈放後の取調べ要請は応じる前に相談する 釈放後も任意の出頭・取調べ要請があり得る。黙秘権があることを前提に、応じる前に弁護士へ相談する。弁護人が法律上いない空白期間に独りで取調べを受けると一気に不利になりやすい
  4. 4.在宅起訴に備え被告人国選を申請し直す 数か月後に起訴状が届く在宅起訴に備える。起訴されたら速やかに被告人国選(刑訴36条)または私選を申請し、弁護の空白を作らない。供述メモや書類は手元に保管しておく

よくある質問 AI による整理

Q1被疑者国選弁護人とは何ですか?

資力がなくても、勾留された被疑者に国費で弁護人を付ける制度です(刑訴37条の2以下)。請求により裁判官が選任し、費用は原則として国が負担します。

Q2国選弁護人はいつ選任されますか?

被疑者が勾留され、一定の重い事件などで弁護人がないとき、本人の請求により裁判官が選任します。逮捕直後ではなく勾留段階で付くのが原則です。

Q3釈放されたら国選弁護の費用はどうなりますか?

被疑者国選は選任自体が釈放で失効します(刑訴38条の2)。失効後は国費の弁護はなくなり、続けて依頼するなら私選契約に切り替える必要があります。

Q4勾留の執行停止とは何ですか?

病気や家族の葬儀などで、勾留命令を残したまま身体拘束だけを一時的に解く措置です(刑訴95条)。再収容があり得るため国選弁護人は残ります。

Q5在宅起訴されたら弁護人はどうなりますか?

釈放で被疑者国選はすでに失効しているため、起訴後に改めて被告人国選(刑訴36条)を申請し直す必要があります。空白期間を作らないことが重要です。

Q6私選弁護人と国選弁護人の違いは何ですか?

私選は本人が選んで費用を負担し、国選は資力要件のもと国費で付く弁護人です。国選は事件や段階に制約があり、釈放や起訴で選任関係が変わります。

Q7国選弁護人を自分で選べますか?

原則として選べません。法テラスが候補を指名・通知し、裁判官が選任します(総合法律支援法30条)。特定の弁護士を希望するなら私選が必要です。

Q8起訴後の国選弁護はどう申請しますか?

起訴された被告人は、資力申告書を添えて裁判所に被告人国選(刑訴36条)を請求します。釈放後の在宅起訴でも、改めて申請すれば付けられます。

この条文についての質問 AI による整理

Q1国選弁護人って、釈放されたあとも相談に乗ってくれないんですか?

法律上の選任は釈放で効力を失います(刑事訴訟法38条の2)。国費でついた弁護人は、釈放と同時に正式な代理人ではなくなります。実務のポイント:多くの弁護士は釈放後も電話相談には応じますが、それは好意であって義務ではありません。釈放が見えてきた段階で「このまま私選でお願いできますか」と頼んでおけば、空白なく弁護を続けられます。出てから探すと手遅れになりがちです

Q2勾留の執行停止と勾留の取消しって、釈放されるのは同じなのに何が違うんですか?

執行停止(刑事訴訟法95条)は勾留命令を残したまま一時的に身体拘束だけを解く措置で、再収容があり得ます。取消し(同87条)は勾留命令そのものを消します。だから38条の2のただし書きで、執行停止のときだけ国選弁護人が残ります。実務のポイント:釈放時に渡される書面の「理由」欄を必ず見ること。執行停止か取消しかで、弁護人が残るか消えるかが決まります

Q3釈放されて何か月も経ってから起訴されることはあるんですか?

あります。身体拘束を伴わない「在宅起訴」です。釈放で被疑者国選は失効しているので(刑事訴訟法38条の2)、起訴されたら改めて被告人国選(同36条)を申請し直す必要があります。実務のポイント:釈放されても捜査が終わったとは限りません。在宅で取調べが続くこともあり、その間は弁護人が法律上いない状態です。不安なら自分で弁護士に依頼しておくのが安全です

間違えやすい点 AI による整理

  • 「釈放されても弁護人との関係はそのまま続く」と思っている人が多いが、実際は釈放と同時に選任が自動的に効力を失う。手続を踏まなくても、外に出た瞬間に法律上の代理人ではなくなる
  • 国選弁護人が消えること自体は何となく分かっていても、それが「捜査がまだ続いている最も不安定な時期」と重なる深刻さに気づいていない人がほとんどだ。釈放後の在宅取調べを弁護士不在で受けるリスクこそが本当の落とし穴
  • 「釈放=事件が終わった」という前提そのものが誤っている。釈放は身体拘束の終了であって、捜査や起訴の終了ではない。あなたから見れば一件落着でも、検察から見れば在宅捜査の継続中。この落差が、無防備なあなたを不利にする
比較の観点この条文ほかの条文
国選弁護人の選任38条の2:釈放で原則失効(執行停止は例外で維持)95条:勾留の執行停止(命令は残る → 選任維持)
87条:勾留の取消し(命令が消える → 選任失効)
勾留命令の存否釈放の種類により命令が残るか消えるかで判断命令は存続したまま身体拘束のみ一時解除
命令そのものが消滅
再収容の可能性執行停止なら再収容あり、その他は原則なしあり(執行停止はいつでも取消し可)
なし(取消しで終了)
起訴後の弁護失効後は被告人国選(36条)を申請し直す37条の2:被疑者国選の選任請求の基礎
36条:被告人国選(起訴後の申請)

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
中華民国刑事訴訟法第31条

台湾は重罪等につき強制弁護を定め、弁護人がない場合に指定弁護人を付す。捜査段階の国費弁護の射程は日本の被疑者国選と異なる。

韓国
대한민국 형사소송법 제33조

韓国も一定の事由で国選弁護人を必要的に選任するが、選任の終了事由の整理は日本ほど『釈放の種類』で細分化していない。

ドイツ
StPO § 140・§ 141

ドイツは必要的弁護(notwendige Verteidigung)の枠組みで Pflichtverteidiger を付す。選任は手続段階に紐づき、釈放のみを直接の終了事由とはしない。

アメリカ
Gideon v. Wainwright, 372 U.S. 335 (1972ではなく1963)

米国は連邦憲法修正6条に基づき重罪被告人へ無償弁護を保障。捜査段階の保障は別系統の判例法理で、釈放と選任失効を結びつける明文規定の構造とは異なる。

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 勾留期間の満了まであと2日。起訴されなければ釈放だが、その瞬間に国選弁護人の選任も切れる。釈放を喜ぶ前に、今後の連絡先と私選への切り替えの可否を弁護人に聞いておかないと、出た翌日から独りで捜査に向き合うことになる
  • もし家族が病気で「勾留の執行停止」により一時的に釈放されたら、ついていた国選弁護人はどうなる? 答えは「残る」。執行停止は勾留命令自体を消さないので、38条の2のただし書きにより選任は維持される
  • 不起訴で釈放された。事件は終わったと思った。だが国選弁護人はもういない
  • 勾留されていた家族が釈放されると連絡が来た。喜んで迎えに行く前に、それが執行停止による釈放か、勾留取消しや期間満了による釈放かを確認する。弁護人が残るかどうかが、その一語で決まる

取るべき行動

被害を受けた側:1. 釈放が近いと感じたら、その釈放が「勾留の執行停止」か「期間満了・不起訴・取消し」かを弁護人に確認する2. 執行停止以外なら国選弁護人は釈放で失効するので、私選契約への切り替えか今後の連絡方法を釈放前に取り決める3. 釈放後も取調べの呼び出しがあり得るので、応じる前に弁護士に相談する4. 数か月後の在宅起訴に備え、書類や供述メモを手元に保管しておく

訴えられた側:1. 執行停止での釈放なら国選弁護人は残るが、執行停止はいつでも取り消されて再収容され得ると理解しておく2. それ以外の釈放では弁護人が消えるため、起訴の可能性が残るなら早めに私選弁護人を確保する3. 任意同行・出頭要請には黙秘権があることを忘れない4. 起訴された場合は速やかに被告人国選(刑事訴訟法36条)または私選を申請し、弁護の空白期間を作らない

時効(請求できる期限):国選弁護人の選任は釈放の瞬間に効力を失う(執行停止による釈放を除く、刑事訴訟法38条の2)。被疑者の勾留は勾留請求から原則10日、延長で最大20日(刑事訴訟法208条)。この期間内に起訴されなければ釈放され、同時に国選弁護人も失効する。再度の弁護人が必要なら、起訴後に被告人国選(同36条)を申請し直す

学説

通説:38条の2の趣旨は、被疑者国選を身体拘束の継続を前提とする制度と捉え、釈放により前提が消える以上、選任も終了させる点にある。執行停止は勾留命令を存続させるため、防御の連続性と再収容リスクを重視して例外的に選任を維持する。

改正沿革 AI による整理

  • 平成16年(2004年)公布、平成18年(2006年)施行 被疑者国選弁護制度の創設に伴い新設。勾留された被疑者に国費で弁護人を付す制度(37条の2以下)の一部として、釈放による選任失効と執行停止の例外を定めた

改正の年表

  1. 1.平成16年(2004年)公布/平成18年(2006年)施行 新設:被疑者国選弁護制度(刑訴37条の2以下)の創設に伴い新設。勾留された被疑者に国費で弁護人を付す制度の一部として、釈放による選任失効と勾留の執行停止の例外を定めた。

ログインすると、この条文にメモを残して他の利用者と共有できます。

刑事訴訟法の全文を見る所属する編章節を開く:第四章 弁護及び補佐

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

次に調べる

判例を探す:条文単位の判例の紐づけは準備中です。上のカードから法令名で検索できます。裁判所「裁判例検索」で探す ›