道路交通法 第36条(交差点における他の車両等との関係等)
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- 車両等は、交通整理の行なわれていない交差点においては、次項の規定が適用される場合を除き、次の各号に掲げる区分に従い、当該各号に掲げる車両等の進行妨害をしてはならない。
- 一車両である場合その通行している道路と交差する道路(以下「交差道路」という。)を左方から進行してくる車両及び交差道路を通行する路面電車
- 二路面電車である場合交差道路を左方から進行してくる路面電車
- 2.車両等は、交通整理の行なわれていない交差点においては、その通行している道路が優先道路(道路標識等により優先道路として指定されているもの及び当該交差点において当該道路における車両の通行を規制する道路標識等による中央線又は車両通行帯が設けられている道路をいう。以下同じ。)である場合を除き、交差道路が優先道路であるとき、又はその通行している道路の幅員よりも交差道路の幅員が明らかに広いものであるときは、当該交差道路を通行する車両等の進行妨害をしてはならない。
- 3.車両等(優先道路を通行している車両等を除く。)は、交通整理の行なわれていない交差点に入ろうとする場合において、交差道路が優先道路であるとき、又はその通行している道路の幅員よりも交差道路の幅員が明らかに広いものであるときは、徐行しなければならない。
- 4.車両等は、交差点に入ろうとし、及び交差点内を通行するときは、当該交差点の状況に応じ、交差道路を通行する車両等、反対方向から進行してきて右折する車両等及び当該交差点又はその直近で道路を横断する歩行者に特に注意し、かつ、できる限り安全な速度と方法で進行しなければならない。
この条文の基本情報
交差点における他の車両等との関係等とは何ですか?
定義交差点における他の車両等との関係等とは、道路交通法第36条に定められた規定で、「車両等は、交通整理の行なわれていない交差点においては、次項の規定が適用される場合を除き、次の各号に掲げる区分に従い、当該各号に掲げる車両等の進行妨害をしてはなら…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 道路交通法第36条(交差点における他の車両等との関係等)は、日本の道路交通法に含まれる条文です。
- 道路交通法第36条の条文原文は「車両等は、交通整理の行なわれていない交差点においては、次項の規定が適用される場合を除き、次の各号に掲げる区分に従い、当該各号に掲げる車両等の進行妨害をしてはなら…」で始まります。
- 道路交通法第36条は第六節 交差点における通行方法等に置かれています。
- 道路交通法の公布日は昭和35年6月25日です。
- 道路交通法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 道路交通法第36条の前の条は道路交通法第35条の2です。
- 道路交通法第36条の次の条は道路交通法第37条です。
- 道路交通法第36条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)第36条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/335AC0000000105 - 本サイト収録
道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)第36条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/335AC0000000105/36
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点道路交通法36条は、信号のない交差点で左方から来る車両を優先させ、交差道路が優先道路または明らかに広い場合はそちらを優先し、非優先側に徐行を義務づける規定である。
Q · 信号のない交差点で出会い頭にぶつかったら、どっちが優先になるんですか?
原則は左方優先。相手の道が優先道路や明らかに広ければ逆転します
道路交通法36条1項により、交通整理の行われていない交差点では、同程度の道路どうしなら左方から進行してくる車両等が優先されます。ただし2項により、交差道路が優先道路であるとき、または交差道路の幅員が明らかに広いときは、左右を問わず交差道路側が優先し、3項により非優先側には徐行義務が生じます。さらに4項は全ての車両等に安全進行義務を課すため、優先側であっても前方不注意等があれば過失を負います。
解説
信号のない交差点で出会い頭に衝突した二台の車。運転手同士は路上で「そっちが飛び出してきた」と言い合う。だが警察も保険会社も、その口論をほとんど聞いていない。彼らが見ているのは、道路交通法36条が定める優先順位のはしごだ。第一に、同じ幅の道どうしなら、あなたから見て左から来た車が優先(1項、左方優先)。第二に、相手の道が優先道路であるか、相手の道の幅が明らかに広ければ、そちらが上位(2項)。第三に、その場合あなたは徐行しなければならない(3項)。そして4項は、交差点に入るすべての車に「特に注意し、できる限り安全な速度と方法で」進む義務を課す。つまり、あなたが「自分は悪くない」と感じても、左方優先の車を妨害していれば、法律上はあなたに大きな過失がつく。事故の勝ち負けは、ぶつかる前に、道路の形と進入方向で半分決まっている。
法的な位置づけ
道路交通法36条は、交通整理の行われていない交差点における車両等相互の優先関係を定める規定である。1項は交差道路を左方から進行する車両等および路面電車を優先させ、2項は交差道路が優先道路またはその幅員が明らかに広い場合に当該交差道路の車両等を優先させ、3項は非優先側に徐行義務を課す。4項は交差点に進入し通行する全ての車両等に安全進行義務を定める。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.現場で優先関係の証拠を確定させる 警察到着前に、信号がないことが分かる交差点の全景、双方の道路幅、優先道路の標識、交差点内を貫く中央線・車両通行帯、停止線の有無を撮影する。ドライブレコーダーの映像は即座に別媒体へ退避させる
- 2.自分の事故が該当する類型図を特定する 別冊判例タイムズ38などの過失相殺基準で、同幅員・左方優先か、優先道路か、幅員差ありかの類型を特定し、基本割合と修正要素を把握する。修正要素には徐行の有無、速度超過、著しい前方不注視が含まれる
- 3.実況見分調書・物件事故報告書を取り寄せる 人身事故なら実況見分調書を検察庁で謄写申請し、道路幅員や停止位置の記録を入手する。この客観記録が2項の幅員差や3項の徐行義務の適用を裏づける
- 4.保険会社の提示に対し修正要素で再協議する 提示された過失割合をその場で承諾せず、類型図番号、現場写真、実況見分調書を根拠に修正を求める。示談書に署名した瞬間に割合は確定するため、署名前が唯一の交渉期間となる
よくある質問 AI による整理
Q1左方優先とは何ですか?
信号のない交差点で、同程度の幅の道路が交差する場合に、自車から見て左側の交差道路から進行してくる車両等を先に行かせる原則です。道路交通法36条1項が根拠で、路面電車にも及びます。
Q2優先道路の見分け方は?
道路標識で優先道路に指定されている道路か、交差点内を貫いて中央線または車両通行帯が引かれている道路です。交差点の中まで白線が途切れず続いていれば優先道路と判断できます(36条2項)。
Q3徐行とは時速何キロですか?
道路交通法上の徐行は、直ちに停止できる速度を指し、速度の数値そのものは条文に定められていません。実務では概ね時速10km以下が目安とされ、停止までの距離で判断されます。
Q4道路交通法36条違反の罰則は?
交差点安全進行義務違反・優先道路通行車妨害等として、反則点数と反則金の対象になるのが実務の扱いです。具体的な点数・金額および罰則規定は最新の運用をご確認ください。
Q5明らかに広い道路とはどのくらいの差ですか?
条文に数値基準はなく、運転者が交差点手前で一見して幅員差を認識できる程度かで判断されます。実務では概ね2倍前後が目安とされますが、確定した基準ではありません。
Q6自転車も36条の対象になりますか?
対象です。自転車は道路交通法上の軽車両であり「車両等」に含まれます。信号のない交差点では左方優先や徐行義務が及び、違反があれば事故時の過失割合に反映されます。
Q7一時停止標識がある場合は左方優先より優先されますか?
一時停止標識がある側は道路交通法43条により停止線で必ず止まる義務を負い、左方であっても先に進めません。標識による規制が36条の優先順位に優先します。
Q8交差点で右折車とぶつかった場合も36条ですか?
右折車と対向直進車の関係は道路交通法37条が規律します。36条は交差道路から進行してくる車両等との関係を定める規定で、適用場面が異なります。
この条文についての質問 AI による整理
Q1信号のない交差点で相手が飛び出してきたのに、なんで私の方が過失が大きいって言われるんですか?
36条1項の左方優先が効いているからです。同じ幅の道どうしなら、あなたから見て左から来た車が優先で、それを妨害した側に大きな過失がつきます。飛び出してきたという感覚と、法律の優先順位は別物です。実務のポイント:保険会社の数字は別冊判例タイムズ38の事故類型図から引かれています。自分の事故が何番の図に当たるかを確認すると、提示された割合が妥当か自分で検証できる。
Q2優先道路を走っていれば、交差点でぶつかっても私は悪くないですよね?
完全な無過失にはなりにくいです。36条4項が優先道路の車にも、特に注意し安全な速度と方法で進む義務を課しているため、前をよく見ていなかった等があれば1〜2割の過失がつくことがあります。実務のポイント:保険会社は優先側にも、相手を発見できたはずと過失を乗せてきます。ドライブレコーダーで前方不注意がなかったことを示せると、この上乗せを削れる。
Q3過失割合って保険会社が勝手に決めるんですか?もう変えられないんですか?
提示は交渉の出発点で、確定ではありません。36条の優先ルールを類型化した判例基準に照らし、道幅・徐行の有無・優先標識などの事実で修正を求められます。署名するまでは動かせます。実務のポイント:担当者は割合を修正する権限を持っていますが、自分からは動かしません。根拠となる類型図と現場写真を示して初めて、7:3が6:4に動く。
間違えやすい点 AI による整理
- あなたから見れば「相手が飛び出してきた」でも、法律から見れば「あなたが左方優先車の進行を妨害した」。この視点の落差が、過失割合であなたを不利に押し込む。路上でどれだけ相手を責めても、優先順位のはしごの上では順位が先に決まっている
- 「左方優先は知っている」人は多い。だが、それが優先道路ルールと道幅ルール(2項)に負けることを知らない人は多い。左方優先ははしごの最下段で、相手の道が優先道路だったり明らかに広かったりすれば、左から来ようが右から来ようが関係なく上書きされる。知っているつもりの原則が、実は一番弱い
- 「優先道路を走っていれば無過失」と思われがちだが、4項の安全進行義務が優先側にもかかる。前方不注意や速度超過があれば、優先側でも1〜2割の過失を負う。優先は「免罪符」ではなく「有利なスタート位置」にすぎない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 適用場面 | 36条:交通整理のない交差点で交差道路から来る車両等との関係 | 37条:交差点での右折車と対向直進車の関係 43条:標識により一時停止が指定された場所 |
| 優先の決まり方 | 左方優先(1項)>優先道路・明らかに広い幅員(2項)で上書き | 直進車・左折車が右折車に優先 標識のある側が無条件に譲る |
| 課される義務 | 進行妨害の禁止+非優先側の徐行(3項)+全車の安全進行(4項) | 右折車の進行妨害禁止 停止線直前での一時停止と安全確認 |
| 過失割合への効き方 | 道路の形と進入方向で基本割合が決まる | 右折・直進の別で基本割合が決まる 一時停止無視は重い加算要素になる |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は右側通行のため、同級道路どうしでは右方車優先(左方車が譲る)で日本と鏡像。支線道が幹線道に譲る点は日本の優先道路ルールに対応する
韓国も右側通行で、交通整理のない交差点では右側道路から進入する車に進路を譲る。広い道路優先の考え方は日本の2項に近い
ドイツは rechts vor links(右方優先)を原則とし、標識による優先道路指定で上書きされる構造。順位ルール+標識優先という二層構造は日本の36条と同型
米国も同時到達時は右方車優先。ただし多くの州で four-way stop(全方向一時停止)の運用が広く、到達順序による処理が実務上の中心となる点で日本と異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 住宅街の同じ幅の十字路。あなたは直進、左の路地から出てきた車と側面衝突。感覚では「相手が突っ込んできた」だが、36条1項では相手が左方優先車。妨害したのはあなたの側とされ、過失割合はあなたに重くつく。この一点で、賠償の向きが逆転する
- もし優先道路を走っていて、脇道から一時停止を無視した車が突っ込んできたら、あなたの過失はゼロか? ほぼゼロに近いが、4項の安全進行義務があるため、前方をよく見ていなかった等があれば1〜2割は残りうる。優先側でも「まったく無傷の言い分」は法律上は成立しにくい
- 幅の広い道を走るあなたの前に、狭い脇道から車が出てきて衝突。2項であなたが優先、相手に徐行義務違反(3項)。短い一場面だが、道幅の差が勝敗を決めた
- 事故から数日、保険会社が過失割合7:3を提示してきた。示談書に署名するまでが勝負で、残された猶予は交渉次第。現場の道幅・優先標識・徐行の有無を今夜のうちに整理しないと、提示された数字がそのまま確定する
- あなたが狭い道から広い道へ、徐行せずに進入して出会い頭。3項の徐行義務違反が過失に上乗せされ、たとえ相手にも落ち度があっても、あなたの割合が跳ね上がる。行為者の側から見ると、徐行の二秒を惜しんだ代償は数十万円になりうる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 現場でまず証拠:両方の道幅、優先道路の標識・中央線・車両通行帯の有無、停止線、信号のないことが分かる全景を撮る。ドライブレコーダーは即バックアップ2. 自分の事故が別冊判例タイムズの何番の類型図に当たるか確認、基本割合を把握3. 保険会社の提示は交渉の出発点と心得て、その場で署名しない4. 道幅・徐行・優先標識という事実で修正を求め、必要なら弁護士費用特約を使って交渉を代行させる
訴えられた側:1. 自分に過失がついた理由が、左方優先(1項)・優先道路や幅員(2項)・徐行義務(3項)のどれなのかを特定する2. 相手側の一時停止無視、速度超過、徐行義務違反、4項の前方不注意など、割合を戻せる事実を洗い出す3. 現場写真とドラレコで、相手の道が本当に優先・広路だったかを検証、標識が実は自分側優先だった例は珍しくない4. 修正の根拠を類型図の番号ごと示し、割合の再協議を求める
時効(請求できる期限):過失割合そのものに特定の時効はないが、事故に基づく損害賠償請求権は民法724条・724条の2により、損害と加害者を知った時から人身5年・物損3年、不法行為時から20年で消滅する(最新の改正状況をご確認ください)。実務上の本当の締切は示談書への署名で、署名すれば割合はその瞬間に確定するため、署名前が唯一の勝負どころ
学説
通説(二層構造理解):36条1項から3項は左方優先・優先道路・幅員という明確な順位ルールを置き、瞬時の判断を要する運転者に予測可能性を与える。これに対し4項は優先・非優先を問わない一般的注意義務であり、順位ルールが漫然運転の免罪符となることを防ぐ補完規範と解される。
信頼の原則の適用範囲をめぐる理解:優先側は交差道路の車両が譲ることを信頼してよいが、相手の異常な進入を現に認識できた場合や見通しが著しく悪い交差点では信頼が相当性を欠き、4項の安全進行義務が前面に出るとされる。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.昭和35年(1960年) 新設:道路交通取締法に代わる道路交通法(昭和35年法律第105号)の制定に伴い、交通整理の行われていない交差点における優先関係を定める規定として設けられた。
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