電気事業法 第27条の3(償却等)
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経済産業大臣は、一般送配電事業の適確な遂行を図るため特に必要があると認めるときは、一般送配電事業者に対し、一般送配電事業の用に供する固定資産に関する相当の償却につき方法若しくは額を定めてこれを行うべきこと又は方法若しくは額を定めて積立金若しくは引当金を積み立てるべきことを命ずることができる。
この条文の基本情報
償却等とは何ですか?
定義償却等とは、電気事業法第27条の3に定められた規定で、「経済産業大臣は、一般送配電事業の適確な遂行を図るため特に必要があると認めるときは、一般送配電事業者に対し、一般送配電事業の用に供する固定資産に関する相当の償却に…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 電気事業法第27条の3(償却等)は、日本の電気事業法に含まれる条文です。
- 電気事業法第27条の3の条文原文は「経済産業大臣は、一般送配電事業の適確な遂行を図るため特に必要があると認めるときは、一般送配電事業者に対し、一般送配電事業の用に供する固定資産に関する相当の償却に…」で始まります。
- 電気事業法第27条の3は第三款 会計及び財務に置かれています。
- 電気事業法の公布日は昭和39年7月11日です。
- 電気事業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 電気事業法第27条の3の前の条は電気事業法第27条の2です。
- 電気事業法第27条の3の次の条は電気事業法第27条の4です。
- 電気事業法第27条の3には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第27条の3 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/339AC0000000170 - 本サイト収録
電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第27条の3(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/339AC0000000170/27_3
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点電気事業法第27条の3は、経済産業大臣が一般送配電事業者に対し、固定資産の償却や積立金・引当金の積立てを命ずることができると定める。発動は特に必要があると認めるときに限られる。
Q · 国は送電会社の減価償却のやり方まで決められるの?
特に必要と認めれば、償却や引当金の額まで国が命じられる
電気事業法第27条の3により、経済産業大臣は一般送配電事業の適確な遂行を図るため特に必要があると認めるとき、一般送配電事業者に対し、事業用固定資産の償却の方法または額を定めて実施させること、及び積立金・引当金の積立てを命ずることができます。会計方針は本来会社が決めるものですが、送電網の維持と更新資金を確保するための例外として、国の介入が認められています。
解説
毎月の電気代には、電線や鉄塔を使う料金である「託送料金」が含まれている。割合は契約や地域によって違うが、一般に二割から四割程度とされる。その託送料金を回収している一般送配電事業者は、全国に10社ある(東京電力パワーグリッド、関西電力送配電など)。これらの会社が設備の老朽化をどう帳簿に載せるかについて、経済産業大臣は直接口を出すことができる。それが本条である。 大臣ができることは二つある。一つは、減価償却(設備が古くなって価値が下がる分を、毎年の費用として計上する会計処理)の方法や額を指定して実行させること。もう一つは、積立金(将来の支出に備えて利益から取り分けておくお金)や引当金(将来の費用を見積もって、前もって当期に計上しておく会計上の枠)を、方法や額を決めて積み立てさせることである。 本来、会計方針は会社が自分で決めるものだ。それでも国が介入できるのは、償却を少なく見せれば利益が膨らんで配当として外に流れ、高度成長期に建てた送電網を更新する時期に資金が足りなくなるからである。発動の条件は「特に必要があると認めるとき」であり、送電網を将来にわたって維持できるかどうかが判断の軸になる。
法的な位置づけ
電気事業法第27条の3は、一般送配電事業者の会計処理に対する経済産業大臣の命令権を定める規定である。一般送配電事業の用に供する固定資産について、償却の方法または額を定めて実施させること、及び方法または額を定めて積立金・引当金を積み立てさせることを、特に必要があると認める場合に命ずることができる。
よくある質問 AI による整理
Q1電気事業法27条の3とは何ですか?
経済産業大臣が一般送配電事業者に対し、固定資産の償却方法・額や積立金・引当金の積立てを命じられる規定です。送電網の維持のための例外的な介入権です。
Q2一般送配電事業者とはどの会社ですか?
地域ごとに送配電網を運営する会社で、全国に10社あります。東京電力パワーグリッドや関西電力送配電などが該当します。
Q3償却等の命令はどんなときに出される?
一般送配電事業の適確な遂行を図るため「特に必要がある」と大臣が認めるときに限られます。平時は事業者の会計判断に委ねられています。
Q4引当金と積立金の違いは?
引当金は将来の費用を見積もって当期に計上する会計上の枠、積立金は利益から将来の支出に備えて取り分けるお金です。本条はどちらも命令対象にしています。
Q5託送料金と減価償却は関係ある?
あります。送配電設備の償却費は託送料金の原価に算入され、託送料金は小売電気料金を通じて利用者が負担しています。
Q6償却等の命令に不服がある場合は?
処分を知った日の翌日から3か月以内に審査請求、または処分を知った日から6か月以内に取消訴訟を検討します。最新の改正状況の確認が必要です。
Q7会社法の会計ルールと矛盾しない?
会社法431条は公正妥当な会計慣行に従うことを求めますが、電気事業法は公益事業の特則として、送配電事業者の会計に国の命令権を上乗せしています。
Q8法人税の減価償却とは同じもの?
別物です。法人税法31条は課税所得計算上の償却限度額を定めるもので、本条は送電網維持の観点から会計上の償却そのものを指定する規定です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1国が電力会社の減価償却にまで口を出すって、本当にあるんですか?
制度としてはある。電気事業法27条の3は、送電網の適確な維持に「特に必要がある」場合に、償却の方法や額、積立金や引当金の積み立てを経済産業大臣が命じられると定めている。実務のポイント:公表情報で発動例はほとんど見当たらない。しかし命令権があること自体が、料金審査の場で事業者に慎重な会計処理を促している。抜かないこと自体に効き目がある規定である
Q2送電会社の償却が増えたら、うちの電気代も上がるんですか?
償却費は託送料金の原価に入るため、中長期的には電気代に反映されうる。ただし現在は、レベニューキャップ制度で一定期間の収入上限が審査・承認されており、償却の変更がすぐに値上げにつながるわけではない(最新の改正状況をご確認ください)。実務のポイント:本当に見るべきなのは単年の償却額ではない。設備更新計画と償却ペースのずれである。ずれが大きいほど、後年の値上げ圧力は強まる
Q3命令に従わなかったら、送配電会社はどうなるんですか?
命令違反は監督上の重大な問題になる。電気事業法の罰則規定や、さらに強い監督措置の対象になりうる(具体的な罰則条項は現行条文で要確認)。実務のポイント:実務で本当に痛いのは罰則よりも、料金審査で信用を失うことである。命令を受けた事実が残れば、次の収入見通しの審査で一つひとつの数字を厳しく問われることになる
間違えやすい点 AI による整理
- 会計方針は会社が決めるもので、国は口を出せないと考えがちだ。しかし一般送配電事業者については、経済産業大臣が償却の方法と額、積立金や引当金の積み立てまで具体的に命じられる。上場企業の会計原則を定める会社法431条の世界とは、別のルールが重ねてかけられている
- 「償却を多くすれば電気代が上がる、少なくすれば下がる」というのは、短期だけを見た理解である。償却を少なくすれば当面の費用は減るが、更新投資の資金が積み上がらず、老朽設備の事故や後年の一括値上げとして跳ね返る。本条は、負担を将来の利用者に先送りすることを防ぐ装置として読むべきだ
- 電力会社の財務の話は投資家や役人のものだと思うかもしれない。しかし利用者から見れば、償却費は託送料金を通じて毎月の電気代に入っている。帳簿上の一行が、あなたの家計の一行につながっている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の性質 | 電気事業法27条の3:償却・積立金・引当金の積立命令 | 電気事業法106条:報告徴収 電気事業法107条:立入検査 |
| 国の関与の強さ | 会計処理の方法・額そのものを指定して実行させる | 業務・経理の状況について報告を求める 事業所に立ち入り帳簿書類等を検査する |
| 発動の要件 | 一般送配電事業の適確な遂行のため特に必要があると認めるとき | 法の施行に必要な限度 法の施行に必要な限度 |
| 実務上の位置づけ | 是正の最終段階として想定される命令 | 命令前の事実把握の入口 報告内容を現場で確認する手段 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾は発電・輸配電・販売の分業化を進め、輸配電業を主管機関の監督下に置く。会計分離による監督が中心で、償却額の直接指定に相当する規定の有無は要確認
ドイツは網事業者に会計分離を義務付け、インセンティブ規制により認められる費用(償却を含む)を規制当局が算定する。料金審査を通じた間接的な関与が中心
米国では連邦エネルギー規制委員会(FERC)が公益事業者に適正な減価償却勘定を維持させ、償却率を定めることができる。日本の本条と発想が近い
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 電力会社グループの株を持っていて、送配電子会社の利益が急に増えた決算を見たとしよう。中身が償却方法の変更による見かけ上の増益なら、その状態は本条による是正命令の対象になりうる。利益の質を見抜けるかどうかで、配当への期待が当たるか外れるかが分かれる
- 大規模な台風で鉄塔が倒れ、復旧費が数百億円規模になったら、そのお金は誰が、どの帳簿から出すのか。災害に備えた引当金を積んでいたかどうかで、託送料金の値上げを申請するまでの道筋が変わる。本条は、その備えを国が事前に命じられる根拠になる
- あなたは送配電会社の経理部にいる。経済産業省から報告徴収(電気事業法106条)の文書が届き、設備の償却状況を詳しく説明するよう求められた。回答期限は二週間後だ。この報告が、本条の命令につながる最初の一手である可能性を経営陣に伝えなければならない
- 新電力の担当者が、託送料金の算定根拠に不満を持っている。償却費が過大なのか、過小なのか。本条と託送料金の審査は表裏一体なので、帳簿上の数字が最終的に自社の仕入れコストになる
取るべき行動
被害を受けた側:消費者や新電力が、託送料金の算定や送配電会社の財務処理に疑問を持った場合の手順である。1. 各社が公表している託送供給等約款と収支状況の資料を入手する。2. 電力・ガス取引監視等委員会の料金審査資料で、償却費の扱いを確かめる。3. 料金審査のパブリックコメントに具体的な数字で意見を出す。4. 個別の取引で不当な扱いがあれば、監視等委員会の相談窓口に申し出る
訴えられた側:一般送配電事業者が命令を受ける、または受けそうな場合の手順である。1. 報告徴収(電気事業法106条)の段階で、償却方針の合理性を数値で説明する資料を整える。2. 不利益処分に当たると解される場合、弁明の機会(行政手続法13条)で反論する。3. 命令内容に不服があれば、審査請求または取消訴訟を検討する。4. 並行して監査法人と協議し、命令に従った場合の財務への影響と開示方法を準備する
時効(請求できる期限):本条自体に特定の期限はない。命令に不服がある場合、審査請求は処分を知った日の翌日から3か月以内(行政不服審査法18条)、取消訴訟は処分を知った日から6か月以内(行政事件訴訟法14条)に行う(最新の改正状況をご確認ください)
- 電気事業法 第17条託送供給義務、送電網維持の前提(現行効力を要確認)
- 電気事業法 第17条の2収入の見通しの承認(現行効力を要確認)
- 電気事業法 第18条託送供給等約款、償却費の料金転嫁
- 電気事業法 第106条報告徴収、命令前の事実把握
- 電気事業法 第107条立入検査による帳簿確認
- 会社法 第431条一般の会計慣行原則に対する業法上の特則
- 法人税法 第31条税務上の償却限度額との区別
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