電気事業法 第28条の44(推進機関の指示)
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- 推進機関は、小売電気事業者である会員が営む小売電気事業、一般送配電事業者である会員が営む一般送配電事業、配電事業者である会員が営む配電事業又は特定送配電事業者である会員が営む特定送配電事業に係る電気の需給の状況が悪化し、又は悪化するおそれがある場合において、当該電気の需給の状況を改善する必要があると認めるときは、業務規程で定めるところにより、会員に対し、次に掲げる事項を指示することができる。ただし、第一号に掲げる事項は送電事業者である会員に対して、第二号に掲げる事項は小売電気事業者である会員、発電事業者である会員及び特定卸供給事業者である会員に対して、第三号に掲げる事項は送電事業者である会員、発電事業者である会員及び特定卸供給事業者である会員に対しては、指示することができない。
- 一当該電気の需給の状況の悪化に係る会員に電気を供給すること。
- 二小売電気事業者である会員、一般送配電事業者である会員、配電事業者である会員又は特定送配電事業者である会員に振替供給を行うこと。
- 三会員から電気の供給を受けること。
- 四会員に電気工作物を貸し渡し、若しくは会員から電気工作物を借り受け、又は会員と電気工作物を共用すること。
- 五前各号に掲げるもののほか、当該電気の需給の状況を改善するために必要な措置をとること。
- 2.推進機関は、前項の規定による指示をしたときは、直ちに、その指示の内容その他の経済産業省令で定める事項を経済産業大臣に報告しなければならない。
- 3.推進機関は、第一項の規定による指示を受けた会員が正当な理由がなくてその指示に係る措置をとつていないと認めるときは、直ちに、その旨を経済産業大臣に報告しなければならない。
この条文の基本情報
推進機関の指示とは何ですか?
定義推進機関の指示とは、電気事業法第28条の44に定められた規定で、「推進機関は、小売電気事業者である会員が営む小売電気事業、一般送配電事業者である会員が営む一般送配電事業、配電事業者である会員が営む配電事業又は特定送配電事業者で…」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 電気事業法第28条の44(推進機関の指示)は、日本の電気事業法に含まれる条文です。
- 電気事業法第28条の44の条文原文は「推進機関は、小売電気事業者である会員が営む小売電気事業、一般送配電事業者である会員が営む一般送配電事業、配電事業者である会員が営む配電事業又は特定送配電事業者で…」で始まります。
- 電気事業法第28条の44は第六目 業務に置かれています。
- 電気事業法の公布日は昭和39年7月11日です。
- 電気事業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 電気事業法第28条の44の前の条は電気事業法第28条の43です。
- 電気事業法第28条の44の次の条は電気事業法第28条の45です。
- 電気事業法第28条の44には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第28条の44 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/339AC0000000170 - 本サイト収録
電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第28条の44(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/339AC0000000170/28_44
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点電気事業法28条の44は、電気の需給状況が悪化し又は悪化するおそれがある場合に、電力広域的運営推進機関が会員へ電気の供給や設備の貸借等を指示できると定める。
Q · 電気が足りなくなりそうなとき、電力会社どうしで電気を融通させる法律の根拠は?
電気事業法28条の44に基づく推進機関の指示です
電気事業法28条の44により、電力広域的運営推進機関(OCCTO)は、会員の事業に係る電気の需給状況が悪化し又は悪化するおそれがあるとき、業務規程に従い、会員に電気の供給、振替供給、受電、電気工作物の貸借・共用その他必要な措置を指示できます。ただし事業類型ごとに出せない指示があります。指示をしたときや、会員が正当な理由なく従わないときは、推進機関が直ちに経済産業大臣へ報告します。
解説
2021年1月の寒波で、日本の電気は止まる寸前まで追い込まれた。JEPX(日本卸電力取引所)のスポット価格は一時1kWh あたり251円まで跳ね上がり、その裏で電力広域的運営推進機関(通称 OCCTO、全国の電力需給を監視する認可法人)は、各地の一般送配電事業者に「余力のあるエリアから足りないエリアへ電気を送れ」という指示を、連日くり返し出していた。その指示の根拠が本条である。推進機関は、需給が悪化した場合や悪化するおそれがある場合に、会員事業者に対して、電気の供給、振替供給(他社の電気を自社の送電網で運ぶこと)、受電、設備の貸し借りや共用、その他必要な措置を指示できる。ただし、指示できる相手は事業類型ごとに細かく切り分けられている。あなたが新電力の経営者でも、工場の電力担当でも、一般家庭の契約者でも、停電が起きずに済んだ夜の背後には、この条文による調整がある。そして、指示に従わない会員がいると、推進機関は直ちに経済産業大臣へ報告しなければならない。それは、民間の調整が国の強制へ切り替わる入口になる
法的な位置づけ
電気事業法28条の44は、電力広域的運営推進機関による需給ひっ迫時の指示を定める規定である。会員の事業に係る電気の需給状況が悪化し又は悪化するおそれがある場合に、推進機関は業務規程に基づき、電気の供給、振替供給、受電、電気工作物の貸借・共用その他の措置を会員に指示できる。事業類型ごとに指示できない事項があり、指示の内容と正当な理由のない不履行は経済産業大臣へ報告される。
手順
- 1.指示の宛先と号を照合する 推進機関から指示が届いたら、まず自社の事業類型(小売・一般送配電・配電・送電・発電・特定卸供給など)と、指示が第何号に基づくかを確認し、本条1項ただし書で禁止された組み合わせでないかを照合する
- 2.措置の可否を社内で即時判断する 設備制約・安全上の理由・既存契約など、措置をとれない具体的事情があるかを系統運用部門と確認する。コストの増加だけでは正当な理由と認められない可能性が高い前提で判断する
- 3.従えない場合は理由を文書で伝える 措置をとれない場合は、設備上・安全上の理由を数値とともに文書で推進機関へ伝え、送信時刻を記録する。後の大臣報告や経済産業省からの照会に備えた証拠となる
- 4.実施記録を残し精算に備える 措置を実施した場合は、開始・終了時刻、供給量・受電量、貸借した電気工作物の内容を自社の計量データと同じ時間単位で保存し、業務規程に沿った精算に備える
よくある質問 AI による整理
Q1電力広域的運営推進機関とは?
全国の電力需給と送電網の広域運用を担う認可法人で、通称 OCCTO です。需給ひっ迫時には電気事業法28条の44に基づき会員へ融通を指示します。
Q2融通指示とは何ですか?
需給が悪化したエリアへ、他の会員から電気を送らせるなどの指示です。電気事業法28条の44が根拠で、供給・振替供給・受電・設備の貸借などが対象です。
Q3電力需給ひっ迫 なぜ停電しない?
推進機関が会社やエリアの垣根を越えて電気の融通を指示し、余力のある地域から不足地域へ電気を送るためです。本条がその法的根拠の一つです。
Q4推進機関の指示に従わないとどうなる?
正当な理由なく措置をとらないと、推進機関が直ちに経済産業大臣へ報告します(本条3項)。本条自体に罰則はありませんが、国の監督につながります。
Q5新電力も融通指示を受ける?
受けます。小売電気事業者である会員も指示の対象です。ただし振替供給の指示は小売電気事業者には出せないと本条ただし書が定めています。
Q6発電事業者に振替供給を指示できる?
できません。本条1項ただし書は、振替供給の指示を小売電気事業者・発電事業者・特定卸供給事業者である会員には出せないと明記しています。
Q7融通した電気の代金はもらえる?
指示に基づく供給等も無償が前提ではなく、精算は推進機関の業務規程や関係ルールに沿って行われます。自社の計量記録を残すことが重要です。
Q8推進機関の指示は大臣に報告される?
されます。推進機関は指示をしたとき、指示の内容など経済産業省令で定める事項を直ちに経済産業大臣へ報告しなければなりません(本条2項)。
この条文についての質問 AI による整理
Q1推進機関の指示って、断ったら罰金になるんですか?
本条には直接の罰則はありません。正当な理由なく措置をとらない会員について、推進機関が経済産業大臣へ直ちに報告する仕組みです(電気事業法28条の44第3項)。報告を受けた大臣が、別の条文に基づく命令などを検討する流れになります。実務のポイント:実務で問題になるのは罰金より、大臣報告の記録が残ること自体です。事業者の監督記録に残るため、後の審査や対外的な信用に影響しうる。拒否する場合は、理由を文書で残すことが最低ラインです
Q2うちは発電事業者だけど、振替供給しろって言われたら従わなきゃいけない?
法律上、推進機関は発電事業者である会員に振替供給を指示できません(本条第1項ただし書)。受電の指示も、発電事業者・特定卸供給事業者・送電事業者である会員には出せないと定められています。実務のポイント:現場の連絡は電話やシステム通知で短く届くため、どの号に基づく指示かが曖昧なまま動いてしまうことがあります。根拠となる号を確認する一言が、後の紛争で自社を守る
Q3融通した電気の代金って、ちゃんと払ってもらえるんですか?
指示に基づく電気の供給や設備の貸し借りの対価・精算は、推進機関の業務規程や関係ルールに沿って処理されるのが基本です(電気事業法28条の44第1項、業務規程)。指示があっても無償提供が前提ではありません。実務のポイント:精算の争点になりやすいのは、指示時刻と実際の供給量の突き合わせです。系統側のデータだけに頼らず、自社の計量記録と運転日誌を同じ時間単位で保存しておくと、交渉の主導権を握れる
間違えやすい点 AI による整理
- 「推進機関は全国の電力会社に何でも命令できる」と考えがちだが、本条の指示は会員に対するもので、宛先ごとに出せない指示が明記されている。送電事業者に電気の供給を指示することはできず、発電事業者・特定卸供給事業者に振替供給や受電を指示することもできない。万能な指揮権ではなく、事業類型ごとに切り分けられた権限である
- 需給がひっ迫して困るのは大手電力だけで、新電力や需要家は見ているだけでよいと思われやすい。だが法律から見れば、小売電気事業者も会員として指示を受ける側に並んでいる。指示に従わなければ大臣報告の対象になり、行政処分につながりうる立場に、自社が組み込まれている
- 「指示は推進機関の内部調整にすぎず、拘束力はない」と軽く見る人もいる。本条の指示が抗告訴訟の対象になる行政処分にあたるかは、実務上、解釈が分かれている。ただ、少なくとも正当な理由なく従わない場合は大臣へ直ちに報告される仕組みがあり、事実上の拘束力は強い。法的性質の議論より先に、報告の連鎖がどう進むかを理解しておくべきである
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 誰が動かすか | 28条の44:電力広域的運営推進機関が会員に指示 | 31条:経済産業大臣による供給命令等(現行条番号は要確認) 27条:経済産業大臣による電気の使用制限(現行条番号は要確認) |
| 対象 | 推進機関の会員である電気事業者 | 電気事業者 電気の使用者(需要家) |
| 従わない場合 | 推進機関が直ちに大臣へ報告(本条に罰則なし) | 大臣命令として行政上の強制力を伴う 大臣による使用制限として行政上の強制力を伴う |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では輸配電業(台湾電力)が電力調度を担い、需給の調整は国営系統運用者の調度権限に集約されている。日本のような独立した会員制の広域調整機関とは構造が異なる
韓国では電力取引所(KPX)が電力系統の運営と給電指令を担う。発電と系統運用が単一の機関に集中しており、会員制の指示権限という日本の構造とは異なる
ドイツでは送電系統運用者(ÜNB)自身が系統の安定に責任を負い、緊急時には発電・需要の調整措置をとる。調整主体が系統運用者である点で、第三者機関が指示する日本と異なる
米国では緊急時にエネルギー省長官が発電・送電に関する一時的な命令を出せる。日本では推進機関の指示と経済産業大臣の命令が段階的に分かれている
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- あなたは地方の新電力で需給管理を担当している。冬の夕方、予備率が急低下し、推進機関から自社の電源を他エリアの会員へ供給せよという指示が届いた。社内では「自社顧客を優先すべきだ」という声が上がる。だが「正当な理由」なく措置をとらなければ、推進機関は直ちに経済産業大臣へ報告する。迷っている時間は数十分しかない
- 発電事業者に「この会員に振替供給を行え」という指示が来た。法律上、その指示はできるのか? 答えは否である。振替供給の指示は、小売電気事業者・発電事業者・特定卸供給事業者である会員には出せないと、本条ただし書が明記している。指示の宛先と内容の組み合わせを確認するだけで、対応は大きく変わる
- 一般送配電事業者の系統運用部門。隣接エリアの設備故障をきっかけに、推進機関から変圧器などの電気工作物を貸し渡すよう指示された。貸与条件、費用負担、返還時期をその場で記録しておかないと、需給ひっ迫が収まったあとに精算でもめる
- 契約していた新電力が撤退通知を送ってきた。家庭の電気は本当に止まらないのか? 個々の需要家を直接救済する制度は本条とは別にあるが、エリア全体の電気が足りなくなる事態を防いでいるのは、本条の指示を含む広域融通の仕組みである
- 需給ひっ迫警報が出た朝。あと数時間で需要のピークが来る。推進機関の指示に応じれば、自社の調達コストが一時的に膨らむ。それでも拒否する「正当な理由」になるかどうかは、コストの大小ではなく、設備上・安全上・契約上の具体的事情で判断されると考えたほうが安全である
取るべき行動
被害を受けた側:(需給ひっ迫で影響を受ける会員・需要家の場合)1. 推進機関や国が出す需給見通しと予備率を毎日確認し、ひっ迫の兆候を早めにつかむ2. 自社エリアの供給力が不足しそうなら、推進機関への状況報告と連絡体制を前もって確認する3. 融通を受けた場合は、受電量・時間帯・精算条件を記録し、事後の費用精算に備える4. 需要家であれば、契約先の新電力の撤退時に備え、切替先や最終保障供給の条件を確認しておく
訴えられた側:(指示を受けた会員の場合)1. 指示の宛先と内容が本条ただし書で禁止された組み合わせでないか即時確認する2. 従えない事情がある場合は、設備の制約や安全上の理由など「正当な理由」を具体的な数値とともに文書で推進機関に伝える3. 措置をとった場合は実施時刻と数量を記録し、精算に備える4. 大臣への報告が見込まれる場合は、経済産業省から問われる前に弁明資料を準備しておく
時効(請求できる期限):本条自体に時効の定めはない。推進機関の大臣報告は指示後および不履行の判明後「直ちに」行うものとされ、会員側も実務上は即時対応が求められる。融通の精算などで金銭債権が生じる場合は、一般の消滅時効(民法166条、権利を行使できることを知った時から5年、行使できる時から10年)が適用される(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成25年(2013年) 改正:電力システム改革の第一段階として電気事業法を改正し、電力広域的運営推進機関の制度を創設。需給ひっ迫時に推進機関が会員へ融通を指示する仕組みが整備された(推進機関は2015年に業務開始)
- 2.平成26年(2014年) 改正:電力小売全面自由化に向けた第二段階の改正で、事業類型が小売電気事業・一般送配電事業・送電事業・発電事業などに再編され、指示の宛先区分もこれに対応した
- 3.令和2年(2020年) 改正:エネルギー供給強靱化法による改正で配電事業・特定卸供給事業が創設され、本条の対象に配電事業者・特定卸供給事業者である会員が加わった
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