電気事業法 第55条(定期安全管理検査)
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- 次に掲げる電気工作物(以下この条において「特定電気工作物」という。)を設置する者は、主務省令で定めるところにより、定期に、当該特定電気工作物について自主検査を行い、その結果を記録し、これを保存しなければならない。
- 一発電用のボイラー、タービンその他の主務省令で定める電気工作物であつて前条で定める圧力以上の圧力を加えられる部分があるもの
- 二電気工作物のうち、屋外に設置される機械、器具その他の設備であつて主務省令で定めるもの(前号に掲げるものを除く。)
- 三発電用原子炉及びその附属設備であつて主務省令で定めるもの(前二号に掲げるものを除く。)
- 2.前項の自主検査(以下「定期自主検査」という。)においては、その特定電気工作物が第三十九条第一項の主務省令で定める技術基準に適合していることを確認しなければならない。
- 3.定期自主検査を行う特定電気工作物を設置する者は、当該定期自主検査の際、原子力を原動力とする発電用の特定電気工作物であつて主務省令で定めるものに関し、一定の期間が経過した後に第三十九条第一項の主務省令で定める技術基準に適合しなくなるおそれがある部分があると認めるときは、当該部分が同項の主務省令で定める技術基準に適合しなくなると見込まれる時期その他の主務省令で定める事項について、主務省令で定めるところにより、評価を行い、その結果を記録し、これを保存するとともに、主務省令で定める事項については、これを主務大臣に報告しなければならない。
- 4.定期自主検査を行う特定電気工作物を設置する者は、定期自主検査の実施に係る体制について、主務省令で定める時期(第六項において準用する第五十一条第七項の通知を受けている場合にあつては、当該通知に係る定期自主検査の過去の評定の結果に応じ、主務省令で定める時期)に、特定電気工作物(原子力を原動力とする発電用のものを除く。)であつて経済産業省令で定めるものを設置する者にあつては経済産業大臣の登録を受けた者が、その他の者にあつては経済産業大臣が行う審査を受けなければならない。
- 5.前項の審査は、特定電気工作物の安全管理を旨として、定期自主検査の実施に係る組織、検査の方法、工程管理その他主務省令で定める事項について行う。
- 6.第五十一条第五項から第七項までの規定は、第四項の審査に準用する。この場合において、同条第五項中「第三項」とあるのは「第四項」と、同条第六項中「当該事業用電気工作物」とあるのは「当該特定電気工作物」と、「使用前自主検査」とあるのは「定期自主検査」と読み替えるものとする。
この条文の基本情報
定期安全管理検査とは何ですか?
定義定期安全管理検査とは、電気事業法第55条に定められた規定で、「次に掲げる電気工作物(以下この条において「特定電気工作物」という。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 電気事業法第55条(定期安全管理検査)は、日本の電気事業法に含まれる条文です。
- 電気事業法第55条の条文原文は「次に掲げる電気工作物(以下この条において「特定電気工作物」という。」で始まります。
- 電気事業法第55条は第四款 工事計画及び検査に置かれています。
- 電気事業法の公布日は昭和39年7月11日です。
- 電気事業法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年9月5日時点では廃止情報はありません。
- 電気事業法第55条の前の条は電気事業法第54条です。
- 電気事業法第55条の次の条は電気事業法第55条の2です。
- 電気事業法第55条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第55条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/339AC0000000170 - 本サイト収録
電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第55条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年9月5日)https://lawplayer.com/jp/article/339AC0000000170/55
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点電気事業法55条は、ボイラー・タービン等の特定電気工作物の設置者に定期自主検査と記録保存を義務づけ、その実施体制について定期安全管理審査を受けることを求める規定である。
Q · 発電所のボイラーやタービンの定期検査は、国がやるの?会社がやるの?
設置者自身が行い、国は検査体制を審査する
電気事業法55条により、ボイラー・タービンなどの特定電気工作物の設置者は、主務省令に従って定期に自主検査を行い、39条1項の技術基準に適合しているか確認し、結果を記録・保存しなければなりません。国(または経済産業大臣の登録を受けた審査機関)は設備そのものを検査するのではありません。組織・検査方法・工程管理といった検査体制を定期安全管理審査で確かめ、評定を付けます。評定に応じて次回の審査時期が変わります。
解説
発電所のボイラーやタービンを国の検査官が毎回叩いて回る、という光景は四半世紀前にほぼ消えた。いまボイラー、タービン、一定の屋外設備を検査するのは設置者自身である。電気事業法55条は、こうした「特定電気工作物」の設置者に三つを義務づける。定期的に自主検査を行うこと、その結果を記録すること、記録を保存すること。検査で確認すべき内容は「39条の技術基準に今も合っているか」である。では国は何をしているのか。国が見るのは設備そのものではなく、「検査のやり方」である。組織、検査方法、工程管理といった検査体制について、登録を受けた審査機関か経済産業大臣が審査し(定期安全管理審査)、51条を準用して評定を付ける。評定がよければ次の審査までの間隔が延び、悪ければ短くなる。工場の自家発電、ごみ焼却施設の発電、地域の風力発電に関わる人にとって、ここで問われるのは「機械が壊れていないか」だけではない。「壊れていないと証明できる記録と体制があるか」まで問われる。事故が起きたとき最初に開かれるのは、設備のカバーではなく記録の綴りである。
法的な位置づけ
電気事業法55条は、特定電気工作物(発電用ボイラー・タービン等、主務省令で定める屋外設備、発電用原子炉及び附属設備)の設置者に定期自主検査の実施、技術基準適合の確認、結果の記録・保存を義務づける規定である。あわせて、定期自主検査の実施体制について、登録審査機関または経済産業大臣が行う定期安全管理審査の受審を義務づけている。
手順
- 1.対象設備と適用条項を棚卸しする 自社の発電設備のうち、55条1項各号(ボイラー・タービン等、屋外設備、原子炉等)に該当するものを電気事業法施行規則で特定し、設備台帳に「定期自主検査対象」と明記する
- 2.検査手順書と体制を文書化する 39条1項の技術基準への適合確認項目、検査方法、実施者・承認者、工程管理の方法を手順書に落とし込み、外注している場合は生データの引渡しと立会い権限を委託契約に明記する
- 3.定期自主検査を実施し記録する 主務省令で定める時期に検査を実施し、技術基準への適合を確認した結果を、測定値・判定・実施者・日時が追跡できる形で記録する。数値の丸めや事後修正は行わない
- 4.記録を省令の期間どおり保存する 検査記録を主務省令で定める期間保存し、廃棄前には最新の保存期間を省令で確認する。担当者の異動時には保存場所と保存期限を引継ぎ書に記載する
- 5.定期安全管理審査を受審する 審査時期の半年前に社内模擬審査で手順書と記録の不整合を洗い出し、登録審査機関または経済産業大臣の審査を受ける。通知された評定を次回審査時期の管理に反映する
よくある質問 AI による整理
Q1定期安全管理検査とは何ですか?
電気事業法55条に基づき、設置者が行う定期自主検査と、その実施体制を国や登録審査機関が審査する定期安全管理審査を合わせた制度の通称です。
Q2定期自主検査の対象設備はどれですか?
一定圧力以上の部分がある発電用ボイラー・タービン等、主務省令で定める屋外設備、発電用原子炉と附属設備です。具体的な範囲は電気事業法施行規則で確認が必要です。
Q3定期自主検査の記録の保存期間はいつまで?
保存期間は55条1項を受けた主務省令(電気事業法施行規則)で定められています。改正で変わることがあるため、廃棄する前に必ず最新の省令を確認してください。
Q4定期安全管理審査は誰が行うのですか?
経済産業省令で定める特定電気工作物の設置者は、経済産業大臣の登録を受けた審査機関の審査を受けます。それ以外の設置者は経済産業大臣の審査を受けます(55条4項)。
Q5定期安全管理審査では何を見られますか?
定期自主検査の実施に係る組織、検査の方法、工程管理、その他主務省令で定める事項です(55条5項)。個々の測定値よりも検査体制の質が問われます。
Q6定期自主検査の記録をしないと違法?
違法です。検査の実施、結果の記録、保存のいずれも55条1項の法律上の義務であり、怠った場合は罰則の対象になり得ます。罰則の内容は最新の条文で確認してください。
Q7風力発電も定期安全管理検査の対象?
55条1項2号の「屋外に設置される設備」として、主務省令で定める一定の風力発電設備が対象に含まれています。規模要件は省令で確認が必要です。
Q8定期安全管理審査の評定で審査時期は変わる?
変わります。51条7項の準用により評定が通知され、過去の評定結果に応じて主務省令で定める時期に次回審査を受けることになります(55条4項・6項)。
この条文についての質問 AI による整理
Q1定期自主検査と、現場でよく聞く「定期事業者検査」って別物ですか?
実質的には同じものを指す場面が多いです。法律上の名称は55条の「定期自主検査」ですが、実務や国の解釈文書では「定期事業者検査」という言い方が広く使われています。実務のポイント:社内文書で呼び名が混在していると、審査のときに対象範囲の説明で手間取ります。手順書の冒頭で「本手順でいう定期事業者検査は電気事業法55条の定期自主検査をいう」と一行定義しておくだけで、審査対応がかなり楽になります
Q2審査で評定が良いと何か得するんですか?
得します。55条6項が51条7項を準用しているため、審査結果に基づいて評定が通知され、その評定に応じて次回審査の時期が主務省令で定められます(55条4項かっこ書き)。実務のポイント:評定は「設備の状態」より「体制の自律性」で決まりやすい。ベテラン一人の勘に頼る現場は、設備が良好でも評価が伸びません。手順書の改訂履歴と内部監査の記録を残している会社ほど、審査の間隔を延ばしやすくなります
Q3検査は外注しているので、記録の責任も業者にあるんじゃないですか?
ありません。55条1項の義務を負うのは「特定電気工作物を設置する者」であり、検査作業を外注しても、検査の実施、記録、保存の義務は設置者に残ります。実務のポイント:委託契約書に生データの引き渡し義務と設置者側の立会い権限が書かれていないと、業者が撤退した時点で過去の記録が手元から消えます。契約更新のたびに、記録の帰属条項を必ず確認すること
間違えやすい点 AI による整理
- 「自主検査」という言葉から、やってもやらなくても自由な任意の点検だと受け取られやすい。実際には定期に行い、記録し、保存することまでが法律上の義務であり、記録をしない、虚偽の記録をする、保存しないといった行為は罰則の対象になる(罰則規定と金額は最新の改正状況をご確認ください)。「自主」が意味するのは実施主体であって、任意かどうかではない
- 検査で異常が見つからなければ合格、と多くの担当者は考える。だが定期安全管理審査が見るのは個々の測定結果よりも、検査を回す組織、検査方法、工程管理の質である。結果が良くても、体制が属人的で手順が文書化されていなければ評定は下がり、その後の審査頻度とコストに跳ね返る
- 現場から見れば、検査記録は事務作業の後始末にすぎない。しかし事故が起きたとき、規制当局や裁判所は「技術基準に適合していることを確認したか」を記録で判断する。現場の手応えと法律の判断材料とのあいだにあるこの落差が、事故後の責任追及で設置者を追い詰める
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 検査の時期 | 電気事業法55条:運転開始後、定期に行う定期自主検査 | 電気事業法51条:使用開始前に行う使用前自主検査 電気事業法42条:保安規程による日常的な自主保安体制 |
| 確認する基準 | 39条1項の技術基準への適合を確認 | 工事計画への適合と技術基準への適合を確認 保安規程に定めた保安の方法の遵守 |
| 国の関与 | 検査体制を定期安全管理審査で審査し評定(51条5〜7項を準用) | 使用前安全管理審査と評定(51条5〜7項の本則) 保安規程の届出と、必要に応じた変更命令 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾ではボイラー等の危険性機械・設備について検査機関による検査合格を使用条件とする仕組みが中心で、日本のように検査体制そのものを評定する方式とは発想が異なる
ドイツは監視を要する設備について定期検査を義務づけ、認定検査機関(ZÜS)が検査を担う。第三者検査機関の関与が強い点が特徴
米国では連邦の統一法ではなく、各州が ASME 規格を採用してボイラー検査を規律する。電力系統の保守は NERC 基準も関わる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 工場の設備管理課に異動して三日目。前任者の机の下から、自家発電ボイラーの定期自主検査記録が年度順に詰まった段ボールが出てきた。その中身があなたの会社の安全を証明する唯一の材料になる。廃棄リストに載せる前に、保存期間を省令で確認すること
- 定期安全管理審査で評定が下がったら、どうなる? 次回審査までの間隔が短くなり、審査対応の人件費と外部コストが前倒しでかさむ。評定は「検査の点数」ではなく「会社の体制の通信簿」として扱われる
- 協力会社の検査員から「測定値が基準ぎりぎりなので、少し丸めておきましょうか」と言われた。善意の提案に見えても、それにうなずいた瞬間、あなたの会社は虚偽記録の当事者になる。2002年に発覚した電力会社の自主点検記録の不正問題は、業界全体の検査制度を見直すきっかけになった
- 審査機関による定期安全管理審査まで、あと30日。ところが定期自主検査を請け負っていた外注業者が事業を畳み、手順書の最新版が手元にない。審査が見るのは組織、検査方法、工程管理である。今から手順書を作り直すのか、審査時期の調整を相談するのか、今週中に決めなければならない
- 町内会で出資した風力発電所の管理を引き受けた。屋外に設置される一定規模の風力設備は、定期安全管理検査の対象に組み込まれている(対象範囲は最新の改正状況をご確認ください)。「再エネだから点検は軽い」という感覚のままでは、記録義務を見落とす
取るべき行動
被害を受けた側:1. 近隣の発電設備の事故で被害を受けたら、まず被害状況を写真や日時の記録で残す2. 設置者に対して、定期自主検査の実施状況と技術基準への適合確認の有無を書面で照会する3. 所管の産業保安監督部に事故情報や関連資料を確認し、行政側の調査の有無を把握する4. 損害賠償は民法709条や717条(工作物責任)で組み立てる。検査記録の欠落は過失を立証する有力な材料になる
訴えられた側:1. 記録の不備や虚偽記録を指摘されたら、事実関係を社内で即時に凍結保全し、記録を追記や修正で取り繕わない2. 検査を行った者、承認した者、記録を保管した者を時系列で特定する3. 手順書と実際の運用の差分を洗い出し、是正計画を自分から当局に示す4. 外注先の不正であっても設置者の義務は消えないため、委託契約の検査条項と監査権限を見直す
時効(請求できる期限):特定の時効はないが、一般消滅時効(民法166条、債権5年または10年)が適用される。事故による人身被害の不法行為請求は知った時から5年(民法724条の2)。本条の定期自主検査の実施時期と記録保存期間、定期安全管理審査を受ける時期は主務省令で定められ、過去の評定結果によって審査時期が変わる(最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 平成11年(1999年)改正(要人的検証) 国による定期検査中心の制度から、設置者による定期自主検査と、その体制を審査する安全管理審査制度へと移行したとされる。改正の正確な範囲と施行日は要確認
改正の年表
- 1.昭和39年(1964年) 新設:電気事業法(昭和39年法律第170号)制定。電気工作物の保安規制の体系が整備された
- 2.平成11年(1999年) 改正:国による定期検査中心の制度から、設置者による定期自主検査とその体制を審査する安全管理審査制度へ移行したとされる。正確な改正範囲と施行日は要確認
- 電気事業法 第39条定期自主検査で確認すべき技術基準の根拠
- 電気事業法 第40条技術基準不適合時の改善・使用制限命令
- 電気事業法 第51条使用前検査の審査・評定規定を準用
- 電気事業法 第42条保安規程による自主保安体制の整備
- 電気事業法 第107条立入検査による検査記録の確認
- 労働安全衛生法 第45条事業場機械の定期自主検査との関係(適用関係要確認)
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