信託法 第141条(受益者代理人の任務の終了)
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- 第五十六条の規定は、受益者代理人の任務の終了について準用する。この場合において、同条第一項第五号中「次条」とあるのは「第百四十一条第二項において準用する次条」と、同項第六号中「第五十八条」とあるのは「第百四十一条第二項において準用する第五十八条」と読み替えるものとする。
- 2.第五十七条の規定は受益者代理人の辞任について、第五十八条の規定は受益者代理人の解任について、それぞれ準用する。
この条文の基本情報
受益者代理人の任務の終了とは何ですか?
定義受益者代理人の任務の終了とは、信託法第141条に定められた規定で、「第五十六条の規定は、受益者代理人の任務の終了について準用する。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 信託法第141条(受益者代理人の任務の終了)は、日本の信託法に含まれる条文です。
- 信託法第141条の条文原文は「第五十六条の規定は、受益者代理人の任務の終了について準用する。」で始まります。
- 信託法第141条は第三款 受益者代理人に置かれています。
- 信託法の公布日は平成18年12月15日です。
- 信託法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 信託法第141条の前の条は信託法第140条です。
- 信託法第141条の次の条は信託法第142条です。
- 信託法第141条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
信託法(平成十八年法律第百八号)第141条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/418AC0000000108 - 本サイト収録
信託法(平成十八年法律第百八号)第141条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/418AC0000000108/141
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点信託法141条は、受益者代理人の任務終了・辞任・解任に受託者の規定(56条〜58条)を準用する。委託者が亡くなった後は、合意による辞任・解任は原則として使えない。
Q · 家族信託の受益者代理人って、途中で辞めたり辞めさせたりできるの?
原則、委託者と受益者の合意か裁判所の関与が必要
信託法141条は、受託者の規定(56条〜58条)を受益者代理人に準用しています。死亡や後見開始・保佐開始の審判などがあると、任務は当然に終了します。辞任には原則として委託者と受益者の同意が要り、やむを得ない事由があれば裁判所の許可を得て辞任できます。解任は委託者と受益者の合意で行えるほか、重要な事由があれば裁判所に申し立てられます。委託者が亡くなった後は、信託行為に別段の定めがない限り、合意による辞任・解任はできません。
解説
家族信託の契約書に「受益者代理人」という名前が一行あるだけで、受益者本人(信託から利益を受ける人)は多くの権利を自分では使えなくなる(信託法139条4項)。だからこそ、その代理人がいなくなる場面の設計が全体の要になる。本条は受託者についての規定を受益者代理人に借りてきている。56条で任務終了の事由(死亡、後見開始・保佐開始の審判、破産手続開始の決定、法人の解散、辞任、解任、信託行為で定めた事由)、57条で辞任、58条で解任を準用する。落とし穴は、辞任も合意解任も原則として「委託者と受益者」がそろって初めて動く仕組みだという点である。委託者が亡くなった後は、信託行為(信託契約や遺言)に別段の定めがない限り、合意による辞任も解任もできない(57条6項、58条8項)。残る道は、やむを得ない事由による辞任に必要な裁判所の許可か、重要な事由による裁判所の解任だけになる。契約書を作る段階で「辞めるとき」「辞めさせるとき」の条項を書いたかどうかで、10年後の家族の手間はまったく違ってくる。
法的な位置づけ
信託法141条は、受益者代理人の任務の終了・辞任・解任について、受託者に関する56条・57条・58条を準用する規定である。死亡、後見開始・保佐開始の審判、破産手続開始の決定などによる当然終了のほか、委託者及び受益者の同意による辞任、裁判所の許可による辞任、合意解任および裁判所による解任の各ルートを定める。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.信託行為の別段の定めを確認する 信託契約書や遺言を読み、受益者代理人の辞任・解任・後任指定・終了事由に関する条項があるかを確認する。別段の定めがあれば、57条・58条の準用より優先される
- 2.終了・離脱のルートを特定する 死亡や後見開始の審判による当然終了か、同意による辞任か、裁判所の許可による辞任か、合意解任か、裁判所による解任かを見分ける。委託者が存命かどうかで使えるルートが変わる
- 3.同意書の取得または裁判所への申立て 委託者が存命なら委託者・受益者の同意書または合意書を作成する。委託者が亡くなり別段の定めもない場合は、やむを得ない事由による辞任許可、または重要な事由による解任を裁判所に申し立てる
- 4.受託者への通知と後任選任 任務終了が生じたら速やかに受託者へ通知し、142条に基づく新受益者代理人の選任手続を進める。大きな取引の前に後任を立て、監視の空白期間を作らない
よくある質問 AI による整理
Q1受益者代理人とは何ですか?
信託の受益者に代わって、受益者の権利を行使する者です(信託法138条・139条)。置かれると、受益者本人は一部の権利を除き自分では権利を行使できなくなります。
Q2受益者代理人の任務が終わるのはどんなとき?
死亡、後見開始・保佐開始の審判、破産手続開始の決定、法人の解散、辞任、解任、信託行為で定めた事由です(141条1項で56条を準用)。
Q3受益者代理人は辞任できる?
原則は委託者と受益者の同意を得て辞任します。やむを得ない事由があれば、裁判所の許可を得て辞任することもできます(141条2項で57条を準用)。
Q4受益者代理人を解任する方法は?
委託者と受益者の合意で解任できます。任務違反で信託財産に著しい損害を与えたなど重要な事由があれば、裁判所に解任を申し立てられます。
Q5委託者が死亡したら受益者代理人は解任できない?
信託行為に別段の定めがなければ、合意による解任はできません(58条8項の準用)。残る手段は、重要な事由を示して裁判所に解任を申し立てることです。
Q6受益者代理人の地位は相続される?
相続されません。死亡によって任務は当然に終了し、後任は142条の手続によって選び直す必要があります。
Q7受益者代理人を不利な時期に解任すると損害賠償?
やむを得ない事由がない限り、委託者と受益者は受益者代理人の損害を賠償する必要があります(58条2項の準用)。信託行為で別の定めも置けます。
Q8家族信託の契約書に受益者代理人の辞任条項は必要?
必須ではありませんが、委託者の死亡後は合意による辞任・解任が使えなくなるため、別段の定めと後任の指定方法を書いておくと裁判所を通さずに済みます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1受益者代理人の兄が亡くなったら、その子どもが自動的に代理人を引き継ぐの?
引き継がない。受益者代理人の地位は相続されず、死亡によって任務は当然に終了する(141条1項で準用する56条1項1号)。後任は142条の手続で選び直す。実務のポイント:家族信託の契約書に「受益者代理人が欠けたときは○○を後任とする」という一行を入れておくと、裁判所への申立てなしで空白を埋められる。契約書の案にこの一行がなければ、署名前に追加を頼むべきである
Q2受託者と受益者代理人がグルっぽい。父はもう亡くなってるけど、代理人を外せる?
委託者がいないと合意による解任は原則として使えない(58条8項の準用)。ただし信託行為に別段の定めがあればそれに従う。なければ、任務違反で信託財産に著しい損害を与えたなど重要な事由を示し、裁判所に解任を申し立てる(58条4項の準用)。実務のポイント:裁判所が見るのは「疑わしい」ではなく記録である。帳簿の開示を求めた日時と拒否の経緯を、メールで残しておくこと
間違えやすい点 AI による整理
- 受益者代理人は嫌になったらいつでも辞められる、と思われがちである。実際には57条の準用により、原則は委託者と受益者の同意が要る。それがなければ、やむを得ない事由を示して裁判所の許可をもらうことになる。気軽に引き受けた親族ほど、この重さに後から気付く
- 「代理人が亡くなったら受益者本人が権利を取り戻すから大丈夫」という発想は、問いの立て方がずれている。そもそも受益者代理人を置いたのは、受益者が自分では権利を使いにくいからである。代理人が抜けたあと本人が権利を使えるかどうかではなく、本人に代わって誰がいつ使うのかを決めておく必要がある
- 家族の側から見れば、受益者代理人は信頼できる親族がなる名誉職に近い。しかし法律の側から見れば、受託者と同じ枠組みで終了事由・辞任・解任が管理される地位であり、不利な時期の解任には損害賠償の問題もついてくる(58条2項の準用)。この認識の差が、親族間の紛争を生む
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象者 | 信託法141条:受益者代理人 | 信託法56条〜58条:受託者 信託法142条:新受益者代理人の選任 |
| 終了事由 | 56条準用:死亡・後見開始等・破産・解散・辞任・解任・信託行為の定め | 56条:同左(受託者について直接適用) 終了後の後任をどう選ぶかを規律 |
| 辞任・解任の原則 | 57条・58条準用:委託者及び受益者の同意・合意、または裁判所の関与 | 57条・58条:同左 信託行為の定め、なければ選任手続へ |
| 委託者がいない場合 | 合意による辞任・解任は不可(57条6項・58条8項の準用) | 同左 後任選任の手続で空白を埋める |
他国ではどう定めているか 2 か国
台湾には受益者代理人の制度はないが、受益者保護の監視役である信託監察人について、正当な理由による辞任、怠慢や重大な事由による解任を定めており、機能面で対比できる
米国では trust protector など受託者以外の指図権者を信託条項で置く実務があり、その交代・解任も主に信託条項の設計に委ねられる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 認知症の母を受益者とする家族信託で、受益者代理人は長男。その長男が急死した。56条1項1号の準用で任務は当然に終了する。母は判断能力が衰えていて自分では権利を使えない。新しい受益者代理人が決まるまで、受託者の動きを誰がチェックするのか。空白期間がそのまま監視の穴になる。
- 受益者代理人を引き受けて5年、受託者である弟と方針が合わなくなった。委託者の父はすでに他界している。あなたは「もう降りたい」と思っても、信託契約に辞任条項がなければ、やむを得ない事由を示して裁判所の許可をもらうしかない(57条2項の準用)。
- 受益者代理人が受託者に頼まれるまま、帳簿の確認を何年もしていなかったらどうなる? 受益者側は、任務違反で信託財産に著しい損害を与えたなど重要な事由がある場合に、裁判所へ解任を申し立てられる(58条4項の準用)。
- あと2週間で不動産の売却決済。そこで受益者代理人に後見開始の審判が出た。任務は終了し、売却の同意は誰が出すのか。決済日までに新しい受益者代理人を立てられるかが勝負になる。
取るべき行動
被害を受けた側:1. 受益者側として代理人の怠慢や受託者との癒着を疑うなら、まず信託行為に解任条項があるか確認する2. 委託者が存命なら、委託者と受益者の合意による解任(58条1項の準用)が最短ルート3. 委託者が亡くなっていて条項もないなら、帳簿の確認拒否や損害の記録を集め、重要な事由として裁判所に解任を申し立てる(58条4項の準用) 4. 解任と同時に142条による後任選任の段取りも進め、空白期間を作らない
訴えられた側:1. 辞めたい、または解任を迫られている代理人は、まず信託行為の別段の定めを確認する2. 合意による辞任が使えないときは、健康悪化や利益相反など「やむを得ない事由」を書面で整理し、裁判所の許可を求める(57条2項の準用) 3. 不利な時期に一方的に解任されたなら、やむを得ない事由がない限り損害賠償を求める余地がある(58条2項の準用) 4. 任期中の判断の記録は必ず残し、後任に引き継げる形にしておく
時効(請求できる期限):本条に特定の期間制限はない。任務終了事由(死亡・後見開始等)は発生と同時に効力を生じる。不利な時期の解任による損害賠償請求には、一般消滅時効(民法166条:権利を行使できることを知った時から5年、行使できる時から10年)が適用される
改正沿革 AI による整理
- 平成18年(2006年)信託法制定 旧信託法の全面的な見直しに伴い、受益者代理人制度とあわせて任務終了に関する本条が新設された(平成19年(2007年)9月30日施行)
改正の年表
- 1.平成18年(2006年) 新設:信託法(平成18年法律第108号)の制定により、受益者代理人制度とともに本条が新設された。平成19年(2007年)9月30日施行
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