信託法 第172条(保全処分に関する資料の閲覧等)
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- 利害関係人は、裁判所書記官に対し、第百七十条第三項の報告又は計算に関する資料の閲覧を請求することができる。
- 2.利害関係人は、裁判所書記官に対し、前項の資料の謄写又はその正本、謄本若しくは抄本の交付を請求することができる。
- 3.前項の規定は、第一項の資料のうち録音テープ又はビデオテープ(これらに準ずる方法により一定の事項を記録した物を含む。)に関しては、適用しない。この場合において、これらの物について利害関係人の請求があるときは、裁判所書記官は、その複製を許さなければならない。
- 4.法務大臣は、裁判所書記官に対し、第一項の資料の閲覧を請求することができる。
- 5.民事訴訟法第九十一条第五項の規定は、第一項の資料について準用する。
この条文の基本情報
保全処分に関する資料の閲覧等とは何ですか?
定義保全処分に関する資料の閲覧等とは、信託法第172条に定められた規定で、「利害関係人は、裁判所書記官に対し、第百七十条第三項の報告又は計算に関する資料の閲覧を請求することができる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 信託法第172条(保全処分に関する資料の閲覧等)は、日本の信託法に含まれる条文です。
- 信託法第172条の条文原文は「利害関係人は、裁判所書記官に対し、第百七十条第三項の報告又は計算に関する資料の閲覧を請求することができる。」で始まります。
- 信託法第172条は第一節 信託の終了に置かれています。
- 信託法の公布日は平成18年12月15日です。
- 信託法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 信託法第172条の前の条は信託法第171条です。
- 信託法第172条の次の条は信託法第173条です。
- 信託法第172条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
信託法(平成十八年法律第百八号)第172条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/418AC0000000108 - 本サイト収録
信託法(平成十八年法律第百八号)第172条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/418AC0000000108/172
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点信託法172条は、信託終了命令事件の保全処分で管理人が出した報告・計算資料について、利害関係人が裁判所書記官に閲覧・謄写・謄本交付を請求できると定める。
Q · 信託に裁判所の管理人が付いたら、その財産報告を自分で見られるの?
利害関係人なら書記官に閲覧・謄写を請求できる
信託法172条により、受益者や信託債権者などの利害関係人は、保全処分で選任された管理人の報告・計算に関する資料について、裁判所書記官に閲覧、謄写、正本・謄本・抄本の交付を請求できます。録音テープ等は謄写の対象外ですが、書記官は複製を許さなければなりません。記録の保存や執務に支障があるときは拒まれることがあります(民事訴訟法91条5項準用)。
解説
信託が「公益に反する」として裁判所から終了を迫られる事件は、日本ではめったに起きない。だが一度起きると、裁判所は信託財産を受託者の手から切り離し、管理人に管理させることができる(信託法169条の保全処分)。このとき管理人が裁判所に出す財産状況の報告と管理の計算は、お金が今どこにいくら残っているかを示す一次資料である。受益者や信託債権者などの利害関係人は、裁判所書記官に請求すればこの資料を閲覧できる。さらにコピー(謄写)や、正本・謄本・抄本(裁判所が原本と同じ内容だと認めた写し)の交付まで求められる。録音テープやビデオテープは謄写の対象から外れるが、請求すれば書記官は複製を許さなければならない。受託者の口頭説明を待つ必要はない。裁判所が選んだ第三者の帳簿を、自分の目で確かめられる。ただし、記録の保存や裁判所の執務に支障があるときは拒まれることがある(民事訴訟法91条5項の準用)。法務大臣にも同じ資料の閲覧請求権がある。
法的な位置づけ
信託法172条は、信託終了命令の申立てに伴う保全処分において選任された管理人が提出した報告または計算に関する資料について、利害関係人に裁判所書記官への閲覧・謄写・正本等交付の請求権を、法務大臣に閲覧請求権を認める規定である。録音・映像記録については複製許可の特則を置き、民事訴訟法91条5項を準用して執務支障時の制限を設ける。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.管理人選任の有無と係属裁判所を確認 信託終了命令の申立てがされ、保全処分として管理人が選任されているか、どの裁判所のどの部に事件が係属しているかを確認する
- 2.利害関係を示す資料をそろえる 受益者なら信託契約書、信託債権者なら取引契約書や未払いの請求書など、信託財産との利害関係を客観的に示せる書類を準備する
- 3.書記官窓口で閲覧を請求 担当部の書記官に、管理人の報告・計算に関する資料の閲覧を請求する。録音・映像記録がある場合は複製の許可も求める
- 4.必要部分の謄本交付を受ける 後の交渉や解任申立て・損失てん補請求の証拠とするため、重要部分は謄写または謄本・抄本の交付を請求し、所定の手数料を納める
よくある質問 AI による整理
Q1信託法172条とは何ですか?
公益確保のための信託終了命令事件で、保全処分の管理人が裁判所に出した報告・計算資料を、利害関係人が書記官に閲覧・謄写請求できると定めた条文です。
Q2信託 管理人 報告書 どこで見られる?
事件が係属している裁判所の担当部の書記官窓口で請求します。裁判官に直接申し出るのではなく、書記官が請求の相手方です。
Q3信託の保全処分資料 謄本の取り方は?
書記官に謄本・抄本の交付を請求し、所定の手数料を納めます。閲覧だけでなく、裁判所が原本と同一と認めた写しを手元に残せます。
Q4信託債権者でも管理人の資料を閲覧できる?
利害関係人に当たれば請求できます。取引契約書や未払請求書など、信託財産との利害関係を示す資料を用意して窓口で示すのが実務です。
Q5録音テープの資料はコピーできる?
謄写の規定は適用されませんが、利害関係人が請求すれば書記官は複製を許さなければなりません(172条3項)。
Q6信託の資料閲覧を断られることはある?
記録の保存や裁判所の執務に支障があるときは制限されます(民事訴訟法91条5項の準用)。物理的・事務的な支障に限られる例外です。
Q7法務大臣が信託の資料を閲覧できるのはなぜ?
信託終了命令は公益を守るための制度で、法務大臣にも申立権があるため、国も管理人の財産管理を監視できるよう閲覧権が与えられています。
Q8信託終了命令の保全処分とは?
終了命令の申立てから裁判までの間、信託財産の散逸を防ぐため、裁判所が管理命令などで財産を受託者から切り離す処分です(信託法169条)。
この条文についての質問 AI による整理
Q1家族信託の受託者をしている兄が帳簿を見せてくれません。裁判所に行けば見られますか?
平時には見られない。本条で閲覧できるのは、終了命令事件の保全処分で選任された管理人の報告と計算の資料だけである。通常は、受益者として受託者に直接、帳簿等の閲覧・謄写を請求する(信託法38条)。実務のポイント:この請求は口頭ではなく内容証明郵便で行うこと。拒否された記録そのものが、後で解任を申し立てる(58条)ときの有力な証拠になる
Q2受益者ではなく、ただの取引先です。それでも資料を見られますか?
信託債権者であれば、利害関係人として請求できる余地がある(保全処分の申立権者にも信託債権者が明記されている。169条)。取引契約書や未払いの請求書で利害関係を示す。実務のポイント:閲覧だけで帰らず、必要なページは謄本の交付を請求しておくこと。手書きのメモは、後で相手に「そんな数字はなかった」と言われたときに対抗できない
間違えやすい点 AI による整理
- 「信託の帳簿は裁判所で見られるのか」という問いの立て方そのものがずれている。本条で閲覧できるのは、保全処分で選任された管理人の報告と計算に関する資料に限られる。平時の信託帳簿は裁判所にはない。受益者が受託者に直接、閲覧・謄写を請求するものである(信託法38条)
- 閲覧できることは知っていても、謄写や正本・謄本・抄本の交付まで請求できることの重みを分かっていない人が多い。窓口で取った手書きのメモと、裁判所が交付した謄本とでは、後の訴訟や交渉での信用性がまるで違う
- 録音テープや映像記録は見られないと思われがちだが、3項で外れるのは謄写等の規定だけである。利害関係人が請求すれば、書記官は複製を許さなければならない
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 閲覧の対象 | 172条:保全処分の管理人の報告・計算資料 | 38条:受託者が作成する信託帳簿等 170条:管理人の報告・計算義務そのもの |
| 請求の相手方 | 裁判所書記官 | 受託者 (管理人が裁判所に報告・計算する) |
| 請求できる者 | 利害関係人・法務大臣(閲覧) | 受益者(一定の場合は利害関係人) — |
| 使う場面 | 終了命令事件で財産が管理人の管理下にあるとき | 平時の家族信託・商事信託 保全処分の手続の中 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾では委託者・受益者が受託者に帳簿の閲覧・謄写を求める平時の規定が中心で、裁判所選任の管理人資料を書記官に請求する特則は確認できない
訴訟記録の閲覧・証明書交付の一般規定。信託終了命令に固有の閲覧特則の有無は要確認
非訟事件の記録閲覧は、正当な利益の疎明を前提に裁判所の判断で認める一般規定として整理される
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 「信託」をうたった投資スキームに出資していて、受託者が詐欺の疑いで摘発され、法務大臣が信託の終了を申し立てたらどうなるか。裁判所が管理人を選んだのであれば、管理人の財産報告を書記官窓口で閲覧すればよい。出資金がどれだけ残っているかは、受託者が開く説明会よりもそちらのほうが正確に分かる
- あなたが受託者で、他の受益者から信託の終了を申し立てられ、保全処分で管理人が付いたとする。管理人の報告書は相手方も閲覧・謄写できる。そこに書かれた数字とあなたの説明が食い違えば、受託者の解任(信託法58条)や損失てん補責任(同40条)を追及する材料にそのまま使われる
- 管理人との和解協議が来週に迫っている。今日のうちに計算書の謄本交付を請求すれば、相手と同じ数字を前にして交渉できる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 信託終了の申立てに伴い、管理人が選任されているかを裁判所に確認する。2. 受益者であることや債権を持っていることを示す書類(信託契約書、契約書、請求書など)をそろえて、利害関係を示せるようにしておく。3. 担当部の書記官に、管理人の報告と計算に関する資料の閲覧を請求する。必要な部分は謄本の交付も求める(所定の手数料がかかる)。4. 入手した数字と受託者の説明を突き合わせ、食い違いがあれば弁護士と解任や損失てん補請求を検討する。
訴えられた側:1. 受託者の立場であれば、管理人の報告書は相手方も見られる前提で動く。2. 自分で持っている帳簿や通帳の記録を管理人の計算と照合し、差異があれば理由を書面で整理しておく。3. 管理人に協力的に資料を提供する。説明しないまま放置すると不利な推認を招く。4. 閲覧が記録の保存や執務の支障を理由に制限されるのは例外にとどまるので、資料を隠す手段として期待しない。
時効(請求できる期限):閲覧請求権そのものに特定の時効はない。ただし対象は保全処分の手続で提出された資料なので、事件の進行や記録の保存期間によって閲覧の機会は限られる。早めに請求するのが原則である(令和5年の民事手続 IT 化関連改正による文言の変更の有無は、最新の改正状況をご確認ください)
改正沿革 AI による整理
- 平成18年(2006年) 信託法の全部改正(平成18年法律第108号)によって新設された。会社の解散命令に関する保全処分の資料閲覧規定と同じ構造をとっている
- 令和5年(2023年)前後 民事手続の IT 化に伴う関連法整備で、電磁的記録の閲覧等に関する文言が改められた可能性がある。改正の有無と内容は人による検証が必要
改正の年表
- 1.平成18年(2006年) 新設:信託法の全部改正(平成18年法律第108号)により新設。会社の解散命令に関する保全処分資料の閲覧規定と同型の構造をとる
- 信託法 第166条公益確保のための信託終了命令
- 信託法 第169条終了命令申立て時の保全処分
- 信託法 第170条閲覧対象となる報告・計算の根拠
- 信託法 第38条平時における受益者の帳簿閲覧請求
- 民事訴訟法 第91条5項準用、執務支障による閲覧制限
- 非訟事件手続法 第32条非訟記録閲覧の一般規律との対比
- 会社法 第906条解散命令保全処分の同型閲覧規定
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