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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年7月4日読了 7 分7 分7 分

信託法 第19条(信託財産と固有財産等とに属する共有物の分割)

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  1. 受託者に属する特定の財産について、その共有持分が信託財産と固有財産とに属する場合には、次に掲げる方法により、当該財産の分割をすることができる。
  2. 一信託行為において定めた方法
  3. 二受託者と受益者(信託管理人が現に存する場合にあっては、信託管理人)との協議による方法
  4. 三分割をすることが信託の目的の達成のために合理的に必要と認められる場合であって、受益者の利益を害しないことが明らかであるとき、又は当該分割の信託財産に与える影響、当該分割の目的及び態様、受託者の受益者との実質的な利害関係の状況その他の事情に照らして正当な理由があるときは、受託者が決する方法
  5. 2.前項に規定する場合において、同項第二号の協議が調わないときその他同項各号に掲げる方法による分割をすることができないときは、受託者又は受益者(信託管理人が現に存する場合にあっては、信託管理人)は、裁判所に対し、同項の共有物の分割を請求することができる。
  6. 3.受託者に属する特定の財産について、その共有持分が信託財産と他の信託の信託財産とに属する場合には、次に掲げる方法により、当該財産の分割をすることができる。
  7. 一各信託の信託行為において定めた方法
  8. 二各信託の受益者(信託管理人が現に存する場合にあっては、信託管理人)の協議による方法
  9. 三各信託について、分割をすることが信託の目的の達成のために合理的に必要と認められる場合であって、受益者の利益を害しないことが明らかであるとき、又は当該分割の信託財産に与える影響、当該分割の目的及び態様、受託者の受益者との実質的な利害関係の状況その他の事情に照らして正当な理由があるときは、各信託の受託者が決する方法
  10. 4.前項に規定する場合において、同項第二号の協議が調わないときその他同項各号に掲げる方法による分割をすることができないときは、各信託の受益者(信託管理人が現に存する場合にあっては、信託管理人)は、裁判所に対し、同項の共有物の分割を請求することができる。

この条文の基本情報

信託財産と固有財産等とに属する共有物の分割とは何ですか?

定義信託財産と固有財産等とに属する共有物の分割とは、信託法第19条に定められた規定で、「受託者に属する特定の財産について、その共有持分が信託財産と固有財産とに属する場合には、次に掲げる方法により、当該財産の分割をすることができる。」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 信託法第19条(信託財産と固有財産等とに属する共有物の分割)は、日本の信託法に含まれる条文です。
  2. 信託法第19条の条文原文は「受託者に属する特定の財産について、その共有持分が信託財産と固有財産とに属する場合には、次に掲げる方法により、当該財産の分割をすることができる。」で始まります。
  3. 信託法第19条は第二章 信託財産等に置かれています。
  4. 信託法の公布日は平成18年12月15日です。
  5. 信託法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
  6. 信託法第19条の前の条は信託法第18条です。
  7. 信託法第19条の次の条は信託法第20条です。
  8. 信託法第19条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式信託法(平成十八年法律第百八号)第19条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/418AC0000000108
  • 本サイト収録信託法(平成十八年法律第百八号)第19条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/418AC0000000108/19

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点信託法19条は、信託財産と受託者の固有財産が共有する財産の分割方法を、信託行為の定め・受益者との協議・要件付きの受託者決定に限定し、不能なときは裁判所への請求を認める。

Q · 家族信託の受託者は、自分と共有している信託の土地を自分の判断で分けられるの?

原則できない。分割方法は信託法19条の三つに限られる

信託法19条1項により、信託財産と受託者の固有財産が共有する財産の分割は、①信託行為で定めた方法、②受益者(信託管理人がいればその者)との協議、③信託目的達成に合理的に必要で受益者の利益を害しないことが明らかな場合か正当な理由がある場合の受託者の決定、のいずれかによります。いずれもできなければ、受託者または受益者が裁判所に分割を請求できます(同条2項)。

解説

一筆の土地の持分が、半分は「信託財産」、残り半分は受託者自身の「固有財産」になっている。家族信託で、もともと父と共有していた実家の土地を長男が受託者として引き受けると、こうした状態はよく起きる。普通の共有なら、共有者どうしで話し合えば分けられる。ここでは話し合う二人が同じ一人の人間だ。自分と自分で交渉すれば、条件の良い区画を自分の取り分に回すことも簡単にできてしまう。19条は、この抜け道をふさいでいる。分割に使える方法は三つしかない。信託契約で決めておいた方法、受益者(信託管理人がいるときはその者)との協議、そして厳しい要件を満たしたときに限り受託者が自分で決める方法だ。三つとも使えなければ、裁判所に分割を求めることになる。信託を組む段階で分割方法を一行書いておくかどうかで、将来の売却や建替えが数週間で済むか、裁判で数か月以上かかるかが決まる。

法的な位置づけ

信託法19条は、受託者に属する特定の財産の共有持分が信託財産と固有財産、または信託財産と他の信託の信託財産とに属する場合について、分割の方法を信託行為の定め、受益者との協議、一定の要件下での受託者の決定に限定し、これらによる分割ができないときは裁判所への分割請求を認める規定である。受託者の利益相反を抑止する趣旨を持つ。

手順

  1. 1.信託契約の分割方法の定めを確認 信託契約書(信託行為)に、固有財産または他の信託との共有物を分割する方法の定めがあるかを確認する。定めがあれば第1号の方法としてそれに従う
  2. 2.評価資料を準備し分割案を作成 不動産鑑定書などで各区画の価値を把握し、信託財産側と固有財産側の価値の均衡がとれた分割案を作る。分割の目的と必要性も書面で整理する
  3. 3.受益者(または信託管理人)と協議 分割案と評価根拠を示して受益者と協議し、合意内容を書面化する。受益者に判断能力がない場合は受益者代理人や成年後見人の有無を確認する
  4. 4.協議不調なら裁判所に分割を請求 協議が調わず、他の方法による分割もできない場合、受託者または受益者が裁判所に共有物の分割を請求する。他の信託との共有では受益者側が請求する

よくある質問 AI による整理

Q1信託財産と固有財産の共有とは?

一つの財産の持分の一部が信託財産、残りが受託者個人の財産に属する状態です。家族信託で受託者自身も持分を持つ実家の土地などで生じます。

Q2家族信託の土地を分筆する方法は?

受託者の固有財産との共有なら、信託契約の定め、受益者との協議、要件を満たす受託者の決定のいずれかで分割し、その後に分筆登記を行います。

Q3受託者が単独で共有物を分割できる条件は?

信託目的の達成に合理的に必要で受益者の利益を害しないことが明らかな場合、または諸事情に照らし正当な理由がある場合に限られます(信託法19条1項3号)。

Q4信託の共有物分割を裁判所に請求できるのは誰?

固有財産との共有では受託者と受益者(信託管理人がいればその者)。他の信託との共有では各信託の受益者側のみで、受託者は請求権者に含まれません。

Q5受益者が認知症だと分割協議はできる?

判断能力がなければ有効な協議は困難です。受益者代理人や成年後見人の手当てがなければ、信託契約の定めか裁判所への請求に頼ることになります。

Q6信託法19条に違反した分割はどうなる?

受託者は受益者から損失てん補や原状回復を求められる余地があります(信託法40条)。違反分割の効力自体については解釈が分かれています。

Q7信託契約に共有物の分割方法を書くべき?

書いておくのが実務上安全です。定めがあれば第1号の方法で分割でき、委託者・受益者の判断能力低下後も裁判所を経ずに進められます。

Q8信託銀行が二つの信託で共有するビルの分割は?

信託法19条3項が適用され、各信託の信託行為の定め、各信託の受益者の協議、要件付きの受託者決定のいずれかで分割します。

この条文についての質問 AI による整理

Q1父が認知症になっちゃって、信託してる土地を分けたいのに話し合いができません。どうすれば?

協議の相手は受益者なので、父に判断能力がなければ第2号の協議は使えない。選択肢は、信託契約の定め(第1号)、要件を満たす場合の受託者による決定(第3号)、裁判所への請求(2項)である。実務のポイント:信託管理人は受益者が存在しない場合の制度(123条)なので、この場面では使えない。組成時に受益者代理人(138条)を置いておくかどうかが分かれ目になる

Q2受託者の兄が勝手に土地を分けて、いい方を自分のものにした気がします。今から文句を言えますか?

言える。第3号の単独決定には、受益者の利益を害しないことが明らかであるか、正当な理由が必要である。満たしていなければ19条違反として、損失てん補(40条)を請求する余地がある。違反した分割の効力については、実務上解釈が分かれている。実務のポイント:兄が鑑定書などの評価資料を残していないなら、それ自体が「正当な理由」の立証不足を示す強い材料になる

Q3同じ信託銀行が二つの信託でビルを共有している場合、銀行が自分で裁判所に分割を申し立てられるんですか?

3項のケース、つまり他の信託との共有では、裁判所に請求できるのは各信託の受益者(信託管理人がいればその者)だけで、受託者は条文上の請求権者に入っていない(19条4項)。受託者自身の固有財産との共有(2項)では受託者も請求できる。実務のポイント:受託者が二つの信託の両側に立つので、どちらの側にも肩入れできない構造になっている。受益者として動かなければ、話が進まないこともある

間違えやすい点 AI による整理

  • 「登記名義人は受託者なのだから、分筆も分割も受託者の自由」と考えがちだが、実際は逆である。信託財産と固有財産が共有になっている場合、使える分割方法は19条の三つに限られる。受託者が単独で決められるのは、合理的必要性と受益者の利益を害しないことが明らかな場合、または正当な理由がある場合だけだ
  • 「どう分ければ公平か」から考え始めるのは順番が違う。先に問うべきなのは「誰がその分け方を決める権限を持つか」である。信託契約の定め、受益者との協議、受託者による決定、裁判所。決定ルートを間違えると、内容が公平でも手続違反として争われる余地が残る
  • 受益者の同意を得ればよい、という点は知られている。見落とされがちなのは、受益者が判断能力を失った時点で協議ルートが事実上止まることだ。しかも信託管理人は「受益者が現に存しない」場合の制度(信託法123条)なので、認知症の父の代わりには使えない。受益者代理人(同法138条)や成年後見人をあらかじめ手当てしておかないと、家族信託は詰む
比較の観点この条文ほかの条文
規律する場面信託法19条:信託財産と固有財産・他の信託財産との共有物の分割信託法31条:信託財産と固有財産間の取引など利益相反行為一般
信託法18条:信託財産と固有財産が識別不能になった場合の共有みなし
受託者が単独でできる要件合理的必要性+受益者の利益を害しないことが明らか、または正当な理由信託行為の許容、重要事実を開示した受益者の承認、または正当な理由等
単独行為の問題ではなく、混和の効果として共有が擬制される
最終的な出口裁判所への共有物分割請求(2項・4項)違反行為の無効・取消し、損失てん補責任
共有状態となった後、19条の分割手続へ

他国ではどう定めているか 3 か国

台湾
信託法第35条・民法第823条以下

台湾信託法は受託者が信託財産を自己財産とする行為を原則禁止する。共有物分割の個別規定は日本ほど明示的でなく、民法の共有物分割の一般規定との組合せで処理される

韓国
신탁법 제34조

韓国信託法は2011年の全面改正で利益相反行為の禁止を整理しており、日本の現行法と類似の構造を持つ

アメリカ
Uniform Trust Code § 802

米国は受託者の忠実義務を包括的に規定し、自己取引は受益者の同意や裁判所の承認がない限り取消し得るものとする

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 父が委託者兼受益者、長男が受託者の家族信託。長男自身も同じ土地の持分を持っている。父の認知症が進み、半分を分筆して売りたくても、協議の相手である父に判断能力がない。信託契約に分割方法の定めがなく、受託者単独で決める要件も立証できなければ、残る道は裁判所への分割請求になる
  • 受託者のあなたが分筆するとき、角地側を自分の固有財産、旗竿地側を信託財産に振り分けたらどうなる? 「正当な理由」を裏付ける評価資料がなければ19条違反を疑われ、受益者から損失てん補(信託法40条)を求められかねない
  • 信託銀行が、同じオフィスビルの持分を二つの別々の信託で持っている。受託者が同じ銀行でも、分割は各信託の受益者の協議を経るのが原則だ。銀行の都合だけでは決められない
  • 買主との決済日まであと30日。信託財産側の区画だけを売る予定だったが、受益者である三兄弟の一人が分割協議に判を押さない。裁判所に分割を請求すれば決着まで数か月以上かかることもある。協議不調のときの段取りを今週中に詰めなければ、売買そのものが流れる

取るべき行動

被害を受けた側:1. 信託契約に分割方法の定めがあるかを確認する2. 受託者に信託事務の報告(信託法36条)と帳簿等の閲覧(同38条)を求め、分割の目的と評価根拠を把握する3. 不利な分割案なら協議に応じず、裁判所への分割請求(19条2項)を検討する4. すでに不当な分割がされていれば、損失てん補または原状回復(同40条)の請求を弁護士と組み立てる

訴えられた側:1. 信託行為に分割方法の定めがないか最初に確認する2. 受益者(信託管理人がいればその者)と協議し、合意内容を書面に残す3. 自分で決めるなら、不動産鑑定書などで価値の均衡と必要性を記録し、正当な理由を立証できる状態にしておく4. 協議が調わなければ自ら裁判所に請求できる(2項)。ただし他の信託との共有(3項)では、請求権者は受益者側に限られる

時効(請求できる期限):19条自体に特定の期限はないが、一般消滅時効(民法166条、債権は知った時から5年または行使できる時から10年)が適用される。不当な分割に基づく受託者の損失てん補責任には、時効の起算等について信託法43条の特則がある(最新の改正状況をご確認ください)

学説

立法趣旨に関する一般的理解:受託者は分割の両当事者を一人で兼ねるため、自己に有利な分割をする構造的な誘惑がある。19条は利益相反規制(31条)の共有物分割版として、分割の決定権限を信託行為・受益者・裁判所といった外部の判断に委ねる趣旨と理解されている

改正沿革 AI による整理

  • 平成18年(2006年) 信託法の全部改正により現行信託法が制定され(平成19年(2007年)9月30日施行)、本条は現行法の規定として置かれた。旧法との対応関係とその後の改正の有無は、人による検証が必要

改正の年表

  1. 1.平成18年(2006年) 新設:信託法の全部改正により現行信託法が制定され(平成19年(2007年)9月30日施行)、本条が置かれた。その後の改正の有無は要確認

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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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