信託法 第231条(清算からの除斥)
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- 清算中の限定責任信託の信託債権者(知れているものを除く。)であって第二百二十九条第一項の期間内にその債権の申出をしなかったものは、清算から除斥される。
- 2.前項の規定により清算から除斥された信託債権者は、給付がされていない残余財産に対してのみ、弁済を請求することができる。
- 3.二人以上の受益者がある場合において、清算中の限定責任信託の残余財産の給付を受益者の一部に対してしたときは、当該受益者の受けた給付と同一の割合の給付を当該受益者以外の受益者に対してするために必要な財産は、前項の残余財産から控除する。
この条文の基本情報
清算からの除斥とは何ですか?
定義清算からの除斥とは、信託法第231条に定められた規定で、「清算中の限定責任信託の信託債権者(知れているものを除く。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 信託法第231条(清算からの除斥)は、日本の信託法に含まれる条文です。
- 信託法第231条の条文原文は「清算中の限定責任信託の信託債権者(知れているものを除く。」で始まります。
- 信託法第231条は第二節 計算等の特例に置かれています。
- 信託法の公布日は平成18年12月15日です。
- 信託法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 信託法第231条の前の条は信託法第230条です。
- 信託法第231条の次の条は信託法第232条です。
- 信託法第231条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
信託法(平成十八年法律第百八号)第231条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/418AC0000000108 - 本サイト収録
信託法(平成十八年法律第百八号)第231条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/418AC0000000108/231
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点信託法231条は、清算中の限定責任信託で申出期間内に債権を申し出なかった債権者(知れている者を除く)を清算から除斥し、未給付の残余財産にのみ請求を認める。
Q · 限定責任信託の清算で債権の申出を忘れたら、債権は消えてしまう?
消えないが、未給付の残余財産にしか請求できない
信託法231条1項により、清算中の限定責任信託の申出期間内に債権を申し出なかった信託債権者は清算から除斥されます。ただし債権自体は消えず、2項により給付されていない残余財産に対してのみ弁済を請求できます。一部の受益者に給付済みであれば、他の受益者に同じ割合で給付する分が先に控除されます(3項)。また、清算受託者に知れている債権者は申出がなくても除斥されません。
解説
官報の片隅に載る数行の公告を見落としただけで、債権の取り立て方は大きく変わる。限定責任信託(受託者が信託財産の範囲でしか債務を負わない特殊な信託)が清算に入ると、清算受託者は官報で「二か月以上の期間内に債権を申し出よ」と公告する(信託法229条)。その期間内に申し出なかった債権者は、清算の分配から外される。これを「除斥」という。債権そのものは消えない。ただし請求できるのは、まだ受益者に配られていない残余財産だけになる。しかも一部の受益者にすでに配った分があれば、他の受益者にも同じ割合で配る分が先に差し引かれる。つまり、あなたの取り分は「残りの残り」になる。限定責任信託なので、受託者個人の財産にも原則として手は届かない。一方で、救いもある。受託者が把握していた「知れている債権者」は、申出をしなくても除斥されない。請求書を送ったことがある、取引記録が残っている、その事実が除斥を避ける盾になる。
法的な位置づけ
清算からの除斥とは、清算中の限定責任信託の信託債権者のうち、清算受託者に知れておらず、信託法229条1項の申出期間内に債権を申し出なかった者を清算手続の弁済対象から外す制度である。除斥された債権は消滅せず、給付されていない残余財産に限り弁済を請求できる。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.相手が限定責任信託かを確認する 取引先の名称に「限定責任信託」の文字があるか、限定責任信託の登記があるかを確認する。該当すれば受託者の固有財産に原則として請求できないため、清算時の申出管理が回収の生命線になる
- 2.官報で清算公告と申出期限を特定する インターネット版官報で信託の名称を検索し、清算公告の有無と債権申出の期限日を特定する。期限日を社内カレンダーに登録し、経理・法務で共有する
- 3.期限内に書面で債権を申し出る 金額が未確定でも、債権の発生原因・概算額・根拠資料を添えて清算受託者に書面で申し出る。配達記録の残る方法(内容証明郵便など)で送付し、送付記録を保管する
- 4.期限経過後は「知れている債権者」の証拠と未給付財産への請求 期限を過ぎた場合、過去の請求書・督促メール・見積書など受託者が債権を知っていた証拠を集め、除斥されていないと主張する。並行して未給付の残余財産に対し直ちに書面で弁済を請求する
よくある質問 AI による整理
Q1限定責任信託とは何ですか?
受託者が信託財産の範囲でのみ信託債務の履行責任を負う特殊な信託です。信託行為で定め、限定責任信託の登記をすることで成立します(信託法216条以下)。
Q2清算からの除斥とはどういう意味ですか?
申出期間内に債権を申し出なかった知れていない債権者を、清算の弁済対象から外すことです。債権は消えませんが、請求先は未給付の残余財産に限られます。
Q3信託の清算公告はどこで確認できますか?
官報に掲載されます。インターネット版官報で直近分を確認でき、債権の申出期間は二か月以上で定められます(信託法229条)。
Q4「知れている債権者」とは誰のことですか?
清算受託者が帳簿・契約書・請求書などから存在を認識している債権者です。申出をしなくても除斥されず、個別の催告を受ける対象になります。
Q5信託の債権申出期間はいつまでですか?
清算受託者が官報公告で定めた期間です。期間は二か月を下ることができません。公告日ではなく公告に記載された期限日を必ず確認してください。
Q6債権額が確定していなくても申出できますか?
できます。発生原因と概算額を示して書面で申し出ておけば、分配の対象に入れます。金額の確定を待って期限を過ぎるほうが危険です。
Q7除斥された債権は時効で消えますか?
除斥自体で債権は消滅しません。一般の消滅時効(民法166条)は別途進行しますが、実際には残余財産の給付完了で回収先がなくなる点が問題です。
Q8清算受託者が債権者を見落としたらどうなりますか?
その債権者が「知れている債権者」に当たれば除斥されず、弁済義務は残ります。悪意・重過失で損害を与えた場合は受託者個人の責任も問題になり得ます。
この条文についての質問 AI による整理
Q1申出期間を過ぎちゃったんですが、もう一円も取れないんですか?
取れる可能性は残っている。除斥された債権者でも、まだ給付されていない残余財産には請求できる(信託法231条2項)。さらに、受託者が債権を知っていた場合はそもそも除斥されない(同条1項かっこ書)。実務のポイント:争点はたいてい「知れていたか」である。過去の請求書、督促メール、見積書のやり取りが一通あるだけで、結論が変わることがある
Q2受益者が先に配当をもらってたら、それを取り返せますか?
231条は除斥された債権者の請求先を未給付の残余財産に限っている。そのため、適法に給付された分を受益者から取り戻すのは原則として難しい。実務のポイント:ただし、債務を弁済する前に給付制限に違反して配った場合は話が別である(181条参照)。受託者の手続違反を突けるかどうかを先に調べる価値がある
間違えやすい点 AI による整理
- 「申出期間を過ぎたら債権は消える」と思うのは誤りである。除斥されても債権は存続し、まだ配られていない残余財産には請求できる(231条2項)。ただし、すでに配られた財産を受益者から取り戻せるとは書かれていない。権利が消えるのではなく、取れる財布が縮むのである
- 債権者から見れば「相手は信託だから、最後は受託者が払ってくれる」と考えがちである。しかし法律から見れば、限定責任信託の受託者は信託財産だけで責任を負うのが原則である(217条)。この前提の違いがあるので、除斥された時点で回収の見込みは急に小さくなる
- 2項の「残余財産」は、手元に残っている額すべてではない。一部の受益者に給付済みであれば、他の受益者に同じ割合で給付するための財産を先に差し引く(3項)。受益者間の公平が、遅れてきた債権者より優先される構造である
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律内容 | 信託法231条:申出のない債権者の除斥と請求範囲の限定 | 信託法229条:官報公告と知れている債権者への個別催告 信託法230条:申出期間中の債務弁済の制限 |
| 対象 | 知れていない信託債権者で期間内に申し出なかった者 | 全信託債権者(公告)・知れている債権者(催告) 清算受託者による弁済行為 |
| 債権者への効果 | 未給付の残余財産にのみ請求可、給付済み分と同割合の給付分は控除 | 二か月以上の申出期間という参加の機会が与えられる 期間中は弁済を受けられず、債権者間の公平が保たれる |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は信託法に限定責任信託がない。会社清算では申報期間を過ぎた債権者を清算から外し、未分派の賸余財産にのみ請求を認める点で本条と同型。明知の債権者は除外される
韓国の会社清算でも、清算から除外された債権者は分配されていない残余財産にのみ弁済を請求できる。日本の会社法503条・信託法231条と同じ構造
ドイツは債権者への公告後、一定期間(Sperrjahr)は財産分配を禁じることで債権者を保護する方式で、除斥よりも分配の時期制限に重点を置く
米国デラウェア州法は解散法人が通知手続を踏めば期限内に請求しなかった債権者の請求を遮断できる仕組みを持つ。州ごとに扱いが異なる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 取引先の信託の名称に「限定責任信託」と入っていたのに気付かず、請求書を一度も出さないまま半年が過ぎた。気付いたときには申出期間は終わり、残余財産の大半は受益者に配られた後だった。残っていたのは数十万円、請求額の一割にも満たない
- あなたが清算受託者として残余財産を受益者に配り始めたとき、帳簿に載っていない古い修繕業者から請求が届いたら、どうなる? 業者が「知れている債権者」に当たるかどうかで、あなたの判断の正しさが問われる。過去のメールに請求の痕跡があれば、その業者は除斥されていない可能性がある
- 官報公告の申出期限まで残り五日。社内の経理が「うちに債権はあるのか」を確認できていない。金額が確定していなくても、まず申し出ておく。それだけで分配の列に並べる
取るべき行動
被害を受けた側:1. 相手の信託登記と官報を確認し、清算公告の有無と申出期限を特定する2. 期限内なら金額が未確定でも直ちに書面で申し出る3. 期限を過ぎていても、請求書やメールなど、受託者があなたの債権を知っていた証拠を集め、「知れている債権者」なので除斥されないと主張する4. 除斥が避けられない場合は、未給付の残余財産をすぐ書面で請求する。受託者に悪意または重大な過失があれば、受託者個人への責任追及(224条)も検討する
訴えられた側:清算受託者の立場では、まず229条の官報公告と、知れている債権者への個別の催告を漏れなく行う。帳簿、メール、契約書を洗い出して知れている債権者の範囲を広めに確定し、催告した記録を残す。残余財産を一部の受益者に給付するときは、3項の均等給付に必要な額を必ず留保する。個別の催告が漏れていた場合、除斥は主張できないと考えて対応する
時効(請求できる期限):申出期間は清算受託者の公告で定められ、二か月を下ることはできない(信託法229条)。除斥後も債権自体には一般消滅時効(民法166条、知った時から5年、権利を行使できる時から10年)が適用される。ただし、残余財産の給付が終わると実際の回収先はなくなる
改正沿革 AI による整理
- 平成18年(2006年)信託法全部改正 限定責任信託制度の創設に伴い、清算の特例として除斥規定が設けられた(平成19年施行)。その後の改正の有無は要確認
改正の年表
- 1.平成18年(2006年) 新設:信託法の全部改正(平成18年法律第108号)で、限定責任信託制度の創設に伴い清算の特例として新設。平成19年(2007年)9月30日施行。その後の改正の有無は要確認
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