信託法 第232条(限定責任信託の定めの登記)
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- 信託行為において第二百十六条第一項の定めがされたときは、限定責任信託の定めの登記は、二週間以内に、次に掲げる事項を登記してしなければならない。
- 一限定責任信託の目的
- 二限定責任信託の名称
- 三受託者の氏名又は名称及び住所
- 四限定責任信託の事務処理地
- 五第六十四条第一項(第七十四条第六項において準用する場合を含む。)の規定により信託財産管理者又は信託財産法人管理人が選任されたときは、その氏名又は名称及び住所
- 六第百六十三条第九号の規定による信託の終了についての信託行為の定めがあるときは、その定め
- 七会計監査人設置信託(第二百四十八条第三項に規定する会計監査人設置信託をいう。第二百四十条第三号において同じ。)であるときは、その旨及び会計監査人の氏名又は名称
この条文の基本情報
限定責任信託の定めの登記とは何ですか?
定義限定責任信託の定めの登記とは、信託法第232条に定められた規定で、「信託行為において第二百十六条第一項の定めがされたときは、限定責任信託の定めの登記は、二週間以内に、次に掲げる事項を登記してしなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 信託法第232条(限定責任信託の定めの登記)は、日本の信託法に含まれる条文です。
- 信託法第232条の条文原文は「信託行為において第二百十六条第一項の定めがされたときは、限定責任信託の定めの登記は、二週間以内に、次に掲げる事項を登記してしなければならない。」で始まります。
- 信託法第232条は第三節 限定責任信託の登記に置かれています。
- 信託法の公布日は平成18年12月15日です。
- 信託法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 信託法第232条の前の条は信託法第231条です。
- 信託法第232条の次の条は信託法第233条です。
- 信託法第232条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
信託法(平成十八年法律第百八号)第232条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/418AC0000000108 - 本サイト収録
信託法(平成十八年法律第百八号)第232条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/418AC0000000108/232
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点信託法232条は、限定責任信託の定めをしたとき、二週間以内に目的・名称・受託者・事務処理地などを登記すべきことを定める。登記がなければ責任限定の効力は生じない。
Q · 限定責任信託にするには、契約書に書くだけでなく登記も必要なの?
必要。二週間以内に登記しないと責任限定は効かない
信託法216条1項により、限定責任信託は登記をして初めて効力を生じます。信託法232条は、その登記を二週間以内に行い、目的、名称、受託者の氏名・住所、事務処理地、信託財産管理者等が選任されていればその氏名・住所、終了事由の定め、会計監査人設置信託ならその旨と会計監査人の氏名を登記すべきと定めます。登記がなければ、受託者は原則どおり個人財産でも責任を負います。
解説
契約書に「受託者は信託財産の範囲でしか責任を負わない」と書いただけでは、限定責任信託にはならない。信託法216条1項によれば、この定めは登記をして初めて効力を持つ。本条はその登記で何を書くかを決めている。目的、名称、受託者の氏名と住所、事務処理地(信託の事務を実際に処理する拠点)、信託財産管理者などが選ばれていればその氏名、信託行為で決めた終了事由、会計監査人を置く信託ならその旨と会計監査人の名前である。期限は二週間以内とされている。あなたが受託者なら、登記が済むまでの間に結んだ取引の債権者から、自宅や預金といった自分個人の財産まで狙われるおそれがある。取引相手の立場なら、登記事項証明書を一枚取るだけで、相手の責任が本当に限定されているのか、誰が管理しているのか、いつ終わる約束なのかを確かめられる。登記簿には、契約書だけでは分からない情報が載っている。
法的な位置づけ
信託法232条は、信託行為において受託者が信託財産のみをもって信託財産責任負担債務の履行責任を負う旨の定め(216条1項)がされた場合に、二週間以内に、限定責任信託の目的、名称、受託者の氏名又は名称及び住所、事務処理地、信託財産管理者等、終了事由の定め、会計監査人に関する事項を登記すべきことを定める規定である。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.信託行為に216条1項の定めを入れる 信託契約等に、すべての信託財産責任負担債務について受託者が信託財産に属する財産のみで履行責任を負う旨を明記する。名称には「限定責任信託」の文字を用いる(217条)
- 2.登記事項を確定する 目的、名称、受託者の氏名又は名称及び住所、事務処理地、信託財産管理者等の有無、163条9号の終了事由の定め、会計監査人設置の有無を一覧にして確定する
- 3.事務処理地の法務局に登記申請する 216条1項の定めがされたときから二週間以内に、事務処理地を管轄する法務局へ限定責任信託の定めの登記を申請する。司法書士への依頼は契約締結と同じ週に組む
- 4.登記事項証明書を取得し取引で明示する 登記完了後に登記事項証明書を取得し、取引のたびに限定責任信託の受託者として取引することを相手方に示す(219条)。契約書の名義欄にも明記する
よくある質問 AI による整理
Q1限定責任信託とは何ですか?
受託者が信託事務で負った債務について、信託財産だけで責任を負い、個人財産では責任を負わない信託です。信託法216条1項の定めと登記で効力が生じます。
Q2限定責任信託の登記はいつまでにすればいい?
信託法232条により、信託行為で216条1項の定めがされたときから二週間以内です。起算点の扱いは事前に司法書士へ確認するのが安全です。
Q3限定責任信託の登記事項は何ですか?
目的、名称、受託者の氏名又は名称及び住所、事務処理地、信託財産管理者等の氏名・住所、終了事由の定め、会計監査人設置信託の旨と会計監査人の氏名です。
Q4限定責任信託の登記はどこに申請する?
限定責任信託の事務処理地を管轄する法務局(登記所)に申請します。登記事項証明書も同じく法務局で取得でき、取引相手の確認に使えます。
Q5限定責任信託の登記をしないとどうなる?
限定責任信託としての効力が生じず、受託者は原則どおり個人財産でも信託事務の債務を負います。登記懈怠は過料の対象にもなりえます。
Q6家族信託でも限定責任信託にできる?
信託行為で216条1項の定めをし、232条の登記をすれば可能です。ただし一般的な家族信託契約は普通の信託として作られることが多く、別途検討が必要です。
Q7限定責任信託の名称に決まりはある?
名称中に「限定責任信託」という文字を用いなければなりません(信託法217条)。登記事項証明書の名称欄で確認できます。
Q8登記後に受託者が変わったらどうする?
登記事項に変更が生じた場合は変更の登記が必要です。変更登記を怠ると、変更内容を善意の第三者に主張できないおそれがあります(220条)。
この条文についての質問 AI による整理
Q1家族信託で受託者を頼まれたんですが、借金を背負わされることってあります?
普通の信託では、受託者は信託事務で生じた債務について個人財産でも責任を負うのが原則である。限定責任信託にして本条の登記をすれば、責任は信託財産の範囲に限られる(216条1項、221条)。実務のポイント:家族信託の契約書の多くは普通の信託として作られており、限定責任信託の登記まで提案されることはほとんどない。借入れや大規模修繕を予定しているなら、自分から選択肢として持ち出すこと
Q2限定責任信託かどうかって、外からどうやって調べるんですか?
事務処理地を管轄する法務局で登記事項証明書を取れば、本条が定める事項(名称、受託者、終了事由の定め、会計監査人など)を確認できる。名称には「限定責任信託」の文字を使わなければならない(217条)。実務のポイント:終了事由の定め(163条9号)が登記されていれば、信託がいつ終わる予定かが分かる。長期の取引なら、契約期間がその日付をまたがないかを必ず確認すること
間違えやすい点 AI による整理
- 「信託契約書に責任限定の条項さえ入れておけば守られる」と考えがちだが、216条1項は登記を効力発生の要件にしている。条項の文言をどれだけ工夫しても、登記がなければ責任は限定されない
- 登記が必要なことは知っていても、どこまで重い問題かは知られていない。登記事項は、登記の後でなければ善意の第三者(事情を知らない相手)に主張できない(220条)。さらに受託者は、取引のたびに限定責任信託の受託者として取引することを相手に示さなければ、責任の限定を主張できない(219条)。登記と取引時の明示がそろって、初めて防火壁が機能する
- 取引相手から見れば、「限定責任信託」という名称は安心材料に聞こえる。しかし法律から見れば、債権者が回収に充てられる財産は信託財産に限られるというシグナルである。この認識のずれが、回収の場面で債権者を苦しめる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定内容 | 信託法232条:登記の期限(二週間)と登記事項 | 信託法216条:登記により限定責任信託の効力が生じる 信託法220条:登記前は善意の第三者に対抗不可 |
| 受託者への効果 | 登記すべき義務を課す | 登記を経て初めて責任限定が効力を持つ 未登記事項は事情を知らない相手に主張できない |
| 債権者から見た意味 | 登記簿で目的・受託者・終了事由等を確認できる | 回収対象が信託財産に限られる前提が生まれる 登記前の取引なら受託者個人への請求余地が残る |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾には限定責任信託の制度はなく、登記は信託財産の対抗要件として機能するにとどまる
韓国は2011年の信託法全部改正で有限責任信託を導入し、登記により効力を生じる構造は日本と類似
フランスはfiducie契約で責任を信託財産に限定できるが、その条項は明示的に承諾した債権者にのみ対抗できる
米国デラウェア州ではcertificate of trustの届出により有限責任の制定法信託が成立する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 家業の不動産賃貸を限定責任信託に切り替えることになり、受託者に就いた長男が信託契約書に署名した。司法書士への依頼を後回しにしている間に、修繕業者との数百万円の工事契約が結ばれた。登記がなければ、業者の請求は長男個人の財産にまで及ぶおそれがある
- 取引先が「うちは限定責任信託なので」と言って、代表者の個人保証を断ってきたら、どう確かめればいい? 事務処理地を管轄する法務局で登記事項証明書を取り、名称、受託者、終了事由の定めを確認するのが先である
- 信託契約の締結から十日が過ぎたのに、登記の書類がまだ揃っていない。期限まであと四日しかない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 相手が限定責任信託を名乗るなら、事務処理地を管轄する法務局で登記事項証明書を取得し、名称、受託者、終了事由の定め、会計監査人の有無を確認する2. 取引の時点で登記がなかった、または取引の際に限定責任信託である旨を示されていなかった場合は、220条・219条を根拠に受託者個人への請求を検討する3. 契約書、メール、見積書の名義の書き方を証拠として保存する4. 回収が難しそうなら、受託者の悪意・重過失による第三者責任(224条)を主張できるか、弁護士に相談する
訴えられた側:1. 受託者として請求を受けたら、まず登記の完了日と問題の取引の日付を照合する2. 登記後の取引であれば、221条により責任は信託財産に限られると主張する。あわせて、取引の際に限定責任信託の受託者として取引していることを示した記録(契約書の名義欄など)を提出する3. 登記前の取引であれば、相手が事情を知っていたこと(悪意)を立証できるかを検討する4. 今後のために、登記事項に変更があれば遅滞なく変更の登記をする体制を整える
時効(請求できる期限):信託行為で216条1項の定めがされた時から二週間以内に登記する(本条。起算点の扱いは司法書士に確認すること)。登記を怠った場合は過料の対象となる(最新の改正状況をご確認ください)。登記前の取引は、善意の第三者に責任の限定を主張できない(220条)
改正沿革 AI による整理
- 平成18年(2006年)信託法全部改正 旧信託法(大正11年)を全面的に改めた現行信託法の制定に伴い、限定責任信託の制度とその登記事項を定める規定として設けられたとみられる。その後の改正の有無は人による確認が必要
改正の年表
- 1.平成18年(2006年) 新設:旧信託法(大正11年法律第62号)に代わる現行信託法の制定に伴い、限定責任信託制度とその登記事項を定める規定として設けられた。その後の改正の有無は要確認
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