信託法 第221条(限定責任信託の定めを廃止する旨の信託の変更)
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第二百十六条第一項の定めを廃止する旨の信託の変更がされ、第二百三十五条の終了の登記がされたときは、その変更後の信託については、この章の規定は、適用しない。
この条文の基本情報
限定責任信託の定めを廃止する旨の信託の変更とは何ですか?
定義限定責任信託の定めを廃止する旨の信託の変更とは、信託法第221条に定められた規定で、「第二百十六条第一項の定めを廃止する旨の信託の変更がされ、第二百三十五条の終了の登記がされたときは、その変更後の信託については、この章の規定は、適用しない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 信託法第221条(限定責任信託の定めを廃止する旨の信託の変更)は、日本の信託法に含まれる条文です。
- 信託法第221条の条文原文は「第二百十六条第一項の定めを廃止する旨の信託の変更がされ、第二百三十五条の終了の登記がされたときは、その変更後の信託については、この章の規定は、適用しない。」で始まります。
- 信託法第221条は第一節 総則に置かれています。
- 信託法の公布日は平成18年12月15日です。
- 信託法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 信託法第221条の前の条は信託法第220条です。
- 信託法第221条の次の条は信託法第222条です。
- 信託法第221条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
信託法(平成十八年法律第百八号)第221条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/418AC0000000108 - 本サイト収録
信託法(平成十八年法律第百八号)第221条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/418AC0000000108/221
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点信託法221条は、限定責任信託の定めを廃止する信託の変更がされ、235条の終了の登記がされたときに、変更後の信託には第9章の規定を適用しないと定める。
Q · 限定責任信託をやめると決めたら、いつから受託者の財産も責任の対象になるの?
合意の日ではなく、終了の登記がされた時からです
信託法221条は、216条1項の定めを廃止する信託の変更に加えて、235条の限定責任信託の終了の登記がされたときに、第9章の規定を適用しないと定めます。したがって登記がされるまでは、固有財産への強制執行等の制限(217条)などの特則が引き続き適用されると読むのが素直です。廃止前に生じた債務の扱いには解釈の分かれる論点が残ります。
解説
「限定責任」の看板が外れるのは、外すと決めた日ではない。登記簿からその記載が消えた日である。限定責任信託とは、信託の取引で生じた債務について、受託者(信託財産を預かって管理する人)が信託財産の範囲でだけ責任を負う仕組みである。受託者自身の財産(固有財産)は差し押さえられない(216条、217条)。本条によると、この定めを信託の変更で廃止し、さらに235条の終了の登記まで済ませると、第9章の特則がまとめて外れる。受託者は普通の信託と同じように、信託のために負った債務を自分の財産でも返す立場に戻る。受託者であれば、廃止の合意書に押印した日ではなく、登記がされた日を境にして自分の財産が責任の対象になると考えておくべきである。取引先であれば、登記簿を一通取るだけで、相手の責任の深さが変わったかどうかを確かめられる。
法的な位置づけ
信託法221条は、限定責任信託の定め(216条1項)を廃止する信託の変更がされ、かつ235条に基づく限定責任信託の終了の登記がされたときに、変更後の信託について第9章(限定責任信託の特例)の規定を適用しない旨を定める規定である。特則の解除時点を登記に結び付け、取引の相手方の予見可能性を確保する。
よくある質問 AI による整理
Q1限定責任信託とは何ですか?
信託の取引で生じた債務について、受託者が信託財産の範囲でのみ責任を負う信託です。信託法216条の定めと登記によって成立し、固有財産への強制執行等が制限されます(217条)。
Q2限定責任信託はやめることができますか?
できます。216条1項の定めを廃止する信託の変更をし、235条の終了の登記をすると、信託法221条により第9章の特則が適用されなくなります。
Q3限定責任信託の終了の登記はいつまでに必要ですか?
235条により、定めを廃止する信託の変更から2週間以内に申請するとされています。最新の条文はe-Gov法令検索で確認してください。
Q4限定責任信託をやめると信託も終わりますか?
終わりません。外れるのは第9章の特則だけで、信託は普通の信託として続きます。信託の終了と清算は163条以下の別の手続です。
Q5限定責任信託の廃止は登記しないと効力がない?
信託法221条は、信託の変更と終了の登記の両方を要件にしています。登記がされるまでは、第9章の特則が引き続き適用されると読むのが素直です。
Q6限定責任信託の廃止前の債務はどうなる?
廃止前に生じた債務について固有財産への執行制限が続くかどうかは、解釈が分かれる論点です。個別の事案では弁護士に見通しを確認する必要があります。
Q7限定責任信託かどうかはどこで確認できる?
登記事項証明書(履歴事項証明書)で確認できます。限定責任信託の登記と終了の登記の有無や日付から、受託者の責任の範囲が変わったかを判断できます。
Q8責任財産限定特約は限定責任信託の廃止後も有効?
取引先と個別に結んだ責任財産限定特約は契約上の合意なので、法律の特則が外れた後も契約として効力を持ちうると考えられています。
この条文についての質問 AI による整理
Q1限定責任をやめる合意をしたら、その日からうちの会社の財産も差し押さえられるんですか?
本条の文言では、信託の変更に加えて235条の終了の登記がされたときに、第9章が適用されなくなる。したがって、登記されるまでは217条などの特則がまだ適用されると読むのが素直である。実務のポイント:合意から登記までの間は既存の取引を整理する期間として使える。登記の日付は意図して設計すべきものである。
Q2限定責任をやめたら、信託自体も清算しなきゃいけないんですか?
清算は不要である。本条が外すのは第9章(限定責任信託の特則)だけで、信託は普通の信託として続く。信託の終了と清算は163条以下の別の手続である。実務のポイント:登記の名前が「終了の登記」なので、社内の稟議で信託の清算と誤解されることがある。稟議書には「限定責任信託の定めの廃止」と正確に書いておく。
間違えやすい点 AI による整理
- 「限定責任信託の終了の登記」と聞くと、信託そのものが終わるように思える。しかし終わるのは限定責任という上乗せの仕組みだけで、信託は普通の信託としてそのまま続く。信託の終了は163条以下の別の話であり、名前のよく似た二つの「終了」を混同すると、清算が必要だと誤って判断することになる
- 限定責任をやめると受託者の負担が重くなることは、多くの人が分かっている。見落とされやすいのは、廃止前に生じた債務の扱いである。廃止後もその債務について固有財産への執行制限が続くのかについては、実務上も解釈が分かれている。また、取引先との契約に責任財産限定特約(返済の原資を信託財産に限る取り決め)を個別に入れていれば、法律の特則がなくなってもその特約は契約として効力を持ちうる。どちらの論点を見落としても、想定していない請求を受けることになる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の内容 | 信託法221条:定めの廃止+終了の登記で第9章を不適用 | 信託法216条:限定責任信託の定めと成立要件 信託法235条:定めの廃止による終了の登記 |
| 効果が生じる時点 | 信託の変更と終了の登記がそろった時 | 定めを置き、232条の登記をした時に限定責任信託として成立 登記の申請義務を課す(期間内の申請) |
| 受託者の固有財産 | 特則が外れ、普通の信託と同じく責任の対象になりうる | 成立により信託財産限りの責任となる 登記により責任範囲の変化が公示される |
| 取引先が確認すべき資料 | 履歴事項証明書の終了の登記の日付 | 限定責任信託の登記の有無 変更日から申請までの期間 |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾には限定責任信託の登記制度がなく、受益者に対する責任を信託財産の限度とする規定があるにとどまる。第三者に対する責任の限定は契約での特約に頼ることになる
韓国は2011年の信託法全面改正で有限責任信託を導入しており、登記を軸とする点で日本の制度と近い
米国では、受託者として適切に締結した契約について、受託者個人は原則として責任を負わないとされる。登記によって切り替える仕組みではない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 事業信託の受託者を務めている会社の取締役であるあなたは、大口の取引先から「限定責任をやめてくれれば取引額を三倍にする」と持ちかけられた。廃止すれば今後の取引債務は自社の財産にも及ぶ。営業部が喜んでいるあいだに、財務部は固有財産がどこまで追及されうるかを試算しておく必要がある
- 限定責任信託の定めを廃止する変更契約は先月終わったのに、終了の登記はまだ申請していない。その間に結んだ契約の債務は、どちらのルールで扱われるのだろうか? 本条の文言上、登記がされるまでは第9章の規定がまだ適用されている
- 信託の変更から235条の登記期限まで、残りは数日しかない。司法書士への依頼がまだなら、今日中に書類をそろえる必要がある
取るべき行動
被害を受けた側:限定責任信託の受託者と取引している債権者の場合の手順である。1. 履歴事項証明書を取り、限定責任信託の登記と終了の登記の有無と日付を確かめる2. 自分の債権がいつ発生したか(登記の前か後か)を契約書と請求書で整理する3. 契約に責任財産限定特約があるかを確認する4. 登記前に発生した債権で固有財産への執行を考える場合は解釈が分かれる論点なので、弁護士に見通しを確認してから請求の範囲を決める
訴えられた側:限定責任の廃止を求められた受託者の場合の手順である。1. 廃止前の信託財産責任負担債務(21条)を一覧にして、固有財産に及ぶおそれのある額を試算する2. 必要な取引先とは、責任財産限定特約を契約で個別に結んでおく3. 信託の変更の手続(149条)と235条の登記申請の日程を司法書士と一緒に決める4. 取締役会で廃止を決める際は、固有財産への影響を議事録に残しておく
時効(請求できる期限):本条自体には時効がない。限定責任信託の定めを廃止する信託の変更をした後は、235条に基づき決められた期間内(2週間以内とされる。最新の改正状況をご確認ください)に終了の登記を申請しなければならない。債権を請求できる期間は一般消滅時効(民法166条:権利を行使できると知った時から5年、行使できる時から10年)による
改正沿革 AI による整理
- 平成18年(2006年)信託法全部改正 限定責任信託制度の創設に伴い、第9章の一部として新設された(平成19年施行)。その後の改正の有無は要検証
改正の年表
- 1.平成18年(2006年) 新設:信託法の全部改正により限定責任信託制度が創設され、第9章の一部として本条が新設された(平成19年施行)。その後の改正の有無は要検証
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