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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年7月4日読了 6 分6 分6 分

信託法 第224条(受託者の第三者に対する責任)

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  1. 限定責任信託において、受託者が信託事務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該受託者は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。
  2. 2.限定責任信託の受託者が、次に掲げる行為をしたときも、前項と同様とする。ただし、受託者が当該行為をすることについて注意を怠らなかったことを証明したときは、この限りでない。
  3. 一貸借対照表等に記載し、又は記録すべき重要な事項についての虚偽の記載又は記録
  4. 二虚偽の登記
  5. 三虚偽の公告
  6. 3.前二項の場合において、当該損害を賠償する責任を負う他の受託者があるときは、これらの者は、連帯債務者とする。

この条文の基本情報

受託者の第三者に対する責任とは何ですか?

定義受託者の第三者に対する責任とは、信託法第224条に定められた規定で、「限定責任信託において、受託者が信託事務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該受託者は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 信託法第224条(受託者の第三者に対する責任)は、日本の信託法に含まれる条文です。
  2. 信託法第224条の条文原文は「限定責任信託において、受託者が信託事務を行うについて悪意又は重大な過失があったときは、当該受託者は、これによって第三者に生じた損害を賠償する責任を負う。」で始まります。
  3. 信託法第224条は第二節 計算等の特例に置かれています。
  4. 信託法の公布日は平成18年12月15日です。
  5. 信託法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
  6. 信託法第224条の前の条は信託法第223条です。
  7. 信託法第224条の次の条は信託法第225条です。
  8. 信託法第224条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式信託法(平成十八年法律第百八号)第224条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/418AC0000000108
  • 本サイト収録信託法(平成十八年法律第百八号)第224条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/418AC0000000108/224

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点信託法224条は、限定責任信託の受託者に悪意・重過失がある場合や、貸借対照表・登記・公告に虚偽がある場合、第三者の損害を受託者個人が賠償すると定める。

Q · 限定責任信託の受託者に、個人として損害賠償を請求できる?

悪意・重過失や虚偽記載があれば請求できる

信託法224条1項により、限定責任信託の受託者が信託事務について悪意または重大な過失があった場合、第三者に生じた損害を受託者自身が賠償します。2項では、貸借対照表等の虚偽記載、虚偽の登記、虚偽の公告があった場合、受託者が注意を怠らなかったことを証明しない限り責任を負うとされ、立証責任が受託者側に転換されています。責任を負う受託者が複数いれば連帯債務者となります(3項)。

解説

「限定責任信託」と登記された相手と取引すると、債権者が回収のために差し押さえられるのは原則として信託財産だけになる。受託者の自宅や預金には手が届かない(信託法217条)。取引先がこの点に気付くのは、たいてい信託財産が尽きて請求書が宙に浮いたときである。ただし、出口がまったくないわけではない。信託法224条は、有限責任の壁に例外として抜け道を用意している。受託者が信託事務(信託財産の管理や運用のための仕事)について悪意(違法や損害を知っていたこと)または重大な過失(プロとして到底ありえない不注意)によってあなたに損害を与えた場合、受託者は自分の財産で賠償しなければならない。さらに、貸借対照表(財産と負債の一覧表)、登記、公告のいずれかに嘘があった場合は、立証責任が逆になる。あなたが受託者の落ち度を証明するのではなく、受託者の側が「注意を怠らなかった」ことを証明しない限り責任を免れない。受託者が複数いる場合は全員が連帯して責任を負う。限定責任信託の有限責任は、受託者が誠実に仕事をすることを条件に与えられているのであって、無条件の保護ではない。

法的な位置づけ

信託法224条は、限定責任信託における受託者の第三者に対する損害賠償責任を定める規定である。信託財産に限定される債務の履行責任(217条)とは別に、信託事務についての悪意・重大な過失、または貸借対照表等・登記・公告の虚偽を要件として受託者個人の責任を認め、後者では受託者に無過失の証明責任を負わせ、複数の責任受託者を連帯債務者とする。

手順

  1. 1.相手が限定責任信託か、受託者は誰かを確認 登記事項証明書を取得し、限定責任信託の登記の有無と受託者の氏名・住所を確認する。受託者が複数いる場合は全員を特定しておく
  2. 2.虚偽記載・悪意を示す証拠を保全 公告された貸借対照表、登記事項証明書、取引時のメールや見積書を保存し、虚偽記載の有無や受託者が信託財産の状態を知っていたことを示す材料を整理する
  3. 3.受託者個人宛てに請求する 信託法224条を根拠と明記した内容証明郵便を受託者個人宛てに送付し、損害額と支払期限を示す。複数の受託者がいれば各人に送る
  4. 4.財産散逸のおそれがあれば仮差押え 信託の清算が迫っている、または受託者が個人資産を処分しようとしている場合は、弁護士と仮差押えの申立てを至急検討する

よくある質問 AI による整理

Q1限定責任信託とは何ですか?

信託財産に属する財産のみで債務を履行する責任を負う信託です。登記により効力が生じ、名称に「限定責任信託」の文字を用いる必要があります(信託法216条・218条)。

Q2信託法224条の責任が成立する要件は?

1項は信託事務についての悪意または重大な過失と、それによる第三者の損害です。2項は貸借対照表等の虚偽記載、虚偽の登記、虚偽の公告のいずれかがあることです。

Q3受託者の軽過失でも賠償責任はある?

1項の通常の信託事務では、軽過失だけでは責任を負いません。ただし2項の虚偽記載・登記・公告の場合は、受託者が無過失を証明しない限り責任を負います。

Q4虚偽の貸借対照表で損害を受けたら誰が証明する?

信託法224条2項により、受託者の側が「注意を怠らなかったこと」を証明する必要があります。債権者は虚偽の存在と損害、因果関係を示すことが中心になります。

Q5受託者が2人いる場合、どちらに請求できる?

責任を負う受託者が複数いる場合は連帯債務者となります(224条3項)。債権者は資力のある受託者を選んで全額を請求できます。

Q6信託法224条の損害賠償請求に時効はある?

本条固有の時効規定はありません。一般の消滅時効(民法166条)が適用されるとの理解が有力ですが、解釈は分かれるため、短い期間を基準に早めに動くのが安全です。

Q7信託法217条と224条の関係は?

217条は信託債務の履行責任を信託財産の範囲に限定する規定です。224条はそれとは別に、一定の場合に受託者個人の賠償責任を認める規定で、両者は併存します。

Q8限定責任信託かどうかを確認する方法は?

登記事項証明書で確認できます。名称には「限定責任信託」の文字が必要で(218条)、受託者は取引相手にその旨を明示する義務があります(219条)。

この条文についての質問 AI による整理

Q1信託の受託者に、個人として払ってもらえることってあるんですか?

ある。限定責任信託では原則として信託財産しか回収の対象にならないが(217条)、受託者に悪意・重過失があった場合や、決算書・登記・公告に虚偽があった場合は、224条により受託者が自分の財産で賠償する。実務のポイント:信託財産が空だと分かった時点で、受託者個人の不動産登記簿を確認する債権者はほとんどいない。この確認一つで回収の見込みが大きく変わる

Q2ちょっとしたミスでも受託者は責任を負うんですか?

1項の責任は悪意または重大な過失が要件なので、軽い過失では負わない。ただし2項の虚偽記載・虚偽登記・虚偽公告については、受託者が注意を怠らなかったことを自分で証明しない限り責任を負う。実務のポイント:争いになったとき勝敗を分けるのは、受託者が確認した過程を記録に残していたかどうかである。チェックリストやメールのやり取りが残っていない受託者は、この証明でほぼ確実に苦戦する

Q3相手が限定責任信託かどうか、どうやって見分けるんですか?

限定責任信託は、その名称に「限定責任信託」という文字を使わなければならず(218条)、受託者は取引の相手方にその旨を示す必要がある(219条)。登記事項証明書でも確認できる。実務のポイント:受託者がその旨を示さずに取引した場合、相手方に対して限定責任を主張できない。そのため、契約書の当事者欄の書き方そのものが後で重要な証拠になる

間違えやすい点 AI による整理

  • 「限定責任信託なのだから、受託者個人には何も請求できない」と考えるのは誤りである。信託財産責任負担債務が信託財産の範囲に限定されるのはその通りだが(217条)、224条の責任はそれとは別に法律が受託者に課す個人責任である。どの扉が閉じられていて、どの扉がまだ開いているかを区別することが出発点になる
  • 1項の要件が悪意・重過失であることを知っている人でも、2項で立証責任が逆転することの重みは見落としがちである。虚偽の記載が一つでも見つかれば、受託者は「注意を怠らなかった」ことを自分で証明しない限り責任を免れない。実務では、この証明に必要な記録が残っていないケースが大半である
  • 「受託者は信託財産のために働いているのだから、取引先の損害は信託の問題だ」というのは受託者側から見た景色である。法律は、受託者が限定責任信託であることを利用して損失を外部に押し付けていないかという点を見ている。取引先にとってこの条文は、受託者個人を直接の相手方として交渉の場に引き出すための根拠になる
比較の観点この条文ほかの条文
規定の役割信託法224条:限定責任信託の受託者の第三者への個人賠償責任信託法217条:信託債務の履行責任を信託財産の範囲に限定
信託法21条:信託財産責任負担債務の範囲(受託者の不法行為債務を含む)
受託者個人財産への請求悪意・重過失または虚偽記載等があれば可能原則として不可(信託財産のみが引当て)
不法行為債務は限定責任の対象外となる経路あり(217条1項)
立証責任1項は請求者、2項は受託者が無過失を証明限定責任の主張は登記・明示が前提
不法行為の一般原則(請求者が立証)

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
公司法第23條第2項

台湾の信託法には限定責任信託制度がないため、事業運営者の第三者責任という同種事項として会社負責人の連帯賠償責任が対照となる

韓国
신탁법 제118조

韓国は2011年の信託法全部改正で有限責任信託を導入し、日本と同様に受託者の第三者責任を定めている

中国
信托法 第37条

中国では受託者が管理職責に違反して第三者に負った債務は固有財産で負担するとされ、信託財産と固有財産の区分で責任を整理する

アメリカ
Uniform Trust Code § 1010

米国統一信託法典は受託者の契約上の個人責任を原則限定しつつ、受託者自身に過失がある不法行為等では個人責任を認める

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 限定責任信託が保有する賃貸ビルの改修工事を請け負い、1,200万円の工事代金が未払いになった。調べると、受託者は発注した時点で信託財産がほぼ空であることを知っていた。信託財産からは回収できないが、224条1項の「悪意」を根拠に、受託者個人の財産へ請求する道が開ける
  • 公告された貸借対照表で純資産が十分あると確認したうえで融資したのに、実際は債務超過だったとしたら、どうなるか。224条2項1号により、受託者の側が「注意を怠らなかった」ことを証明できなければ、受託者は賠償責任を負う。あなたが受託者の過失を一から立証する必要はない
  • あなたは事業信託の受託者を引き受け、決算書の作成は外部の担当者に任せていた。その担当者が負債を一部計上しなかった。あなた自身に虚偽の認識がなかったとしても、確認の手順を記録に残していなければ、2項ただし書の免責を証明するのは非常に難しくなる
  • 受託者は2人で、虚偽登記の手続をしたのはそのうち1人だけだった。それでも3項により、責任を負う受託者同士は連帯債務者になる。債権者は資力のある方に全額を請求できる
  • 信託の終了と清算が来週に迫っている。受託者が個人の不動産を売りに出したという情報が入った。賠償請求権を守るには、数日以内に仮差押え(判決が出る前に相手の財産を一時的に凍結する手続)を申し立てられるかどうかが勝負になる

取るべき行動

被害を受けた側:1. 登記事項証明書で相手が限定責任信託かどうかと、受託者の氏名を確認する。2. 公告された貸借対照表、登記、取引中のメールなどを保全し、受託者が信託財産の状態を知っていたことや虚偽記載を示す材料を集める。3. 受託者個人宛てに224条を根拠とする内容証明郵便を送る。4. 受託者が財産を移転するおそれがある場合は、仮差押えを弁護士と至急検討する。5. 受託者が複数いる場合は、資力のある者を選んで連帯責任を追及する

訴えられた側:1. 自分の行為が1項の悪意・重過失にあたるのか、2項の虚偽記載型にあたるのかを切り分ける。2項に該当する場合は、注意を怠らなかったことを自分で証明しなければならない。2. 決算の確認手順、専門家への照会、承認の記録をただちに整理する。3. 損害との因果関係や損害額を争えないかを精査する。4. 共同受託者がいる場合は、連帯責任を前提として内部の負担割合と求償(立て替えた分を他の受託者に請求すること)について早めに合意しておく

時効(請求できる期限):本条に固有の時効期間はない。一般の消滅時効(民法166条:権利を行使できることを知った時から5年、または行使できる時から10年)が適用されるとの理解が有力だが、実務上、解釈が分かれている。不法行為として構成する場合は、損害と加害者を知った時から3年(民法724条)なので、短い方を基準に動くのが安全である(最新の改正状況をご確認ください)

学説

会社法429条類比説:本条は役員等の第三者責任を定める会社法429条とほぼ同じ構造をとるため、取締役責任で蓄積された解釈を参照できるとする見解がある。ただし信託の性質の違いから、どこまで持ち込めるかは解釈が分かれる

改正沿革 AI による整理

  • 平成18年(2006年)信託法全部改正 限定責任信託制度の創設に伴って新設された。施行は平成19年(2007年)9月30日。その後の改正の有無は人による検証が必要

改正の年表

  1. 1.平成18年(2006年) 新設:信託法全部改正(平成18年法律第108号)により限定責任信託制度とともに新設。平成19年(2007年)9月30日施行

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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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