信託法 第238条(管轄登記所及び登記簿)
クイックジャンプ
- 限定責任信託の登記に関する事務は、限定責任信託の事務処理地を管轄する法務局若しくは地方法務局若しくはこれらの支局又はこれらの出張所が管轄登記所としてつかさどる。
- 2.登記所に、限定責任信託登記簿を備える。
この条文の基本情報
管轄登記所及び登記簿とは何ですか?
定義管轄登記所及び登記簿とは、信託法第238条に定められた規定で、「限定責任信託の登記に関する事務は、限定責任信託の事務処理地を管轄する法務局若しくは地方法務局若しくはこれらの支局又はこれらの出張所が管轄登記所としてつかさどる。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 信託法第238条(管轄登記所及び登記簿)は、日本の信託法に含まれる条文です。
- 信託法第238条の条文原文は「限定責任信託の登記に関する事務は、限定責任信託の事務処理地を管轄する法務局若しくは地方法務局若しくはこれらの支局又はこれらの出張所が管轄登記所としてつかさどる。」で始まります。
- 信託法第238条は第三節 限定責任信託の登記に置かれています。
- 信託法の公布日は平成18年12月15日です。
- 信託法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 信託法第238条の前の条は信託法第237条です。
- 信託法第238条の次の条は信託法第239条です。
- 信託法第238条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
信託法(平成十八年法律第百八号)第238条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/418AC0000000108 - 本サイト収録
信託法(平成十八年法律第百八号)第238条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/418AC0000000108/238
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点信託法238条は、限定責任信託の登記を事務処理地を管轄する法務局等が扱うと定め、登記所に専用の限定責任信託登記簿を備えさせる。管轄は受託者の本店所在地では決まらない。
Q · 限定責任信託の登記は、どこの法務局が扱っているの?
事務処理地を管轄する法務局の限定責任信託登記簿です
信託法238条1項により、限定責任信託の登記事務は、その信託の事務処理地を管轄する法務局・地方法務局またはその支局・出張所が管轄登記所として扱います。同条2項により、登記所には限定責任信託専用の「限定責任信託登記簿」が備えられています。受託者会社の本店所在地を管轄する登記所や商業登記簿とは別系統のため、責任限定の有無を確かめるには、事務処理地の管轄登記所でこの登記簿を確認する必要があります。
解説
限定責任信託の記録がどこにあるかは、受託者の住所や本店では決まらない。決めるのは「事務処理地」、つまり受託者が実際に信託の事務を処理している場所である。その場所を管轄する法務局(または地方法務局、その支局、出張所)が管轄登記所になり、限定責任信託だけを載せる専用の「限定責任信託登記簿」を備えている。この仕組みを知っているかどうかで動き方が変わる。限定責任信託と取引すると、相手が払えなくなったとき、あなたが取り立てられるのは原則として信託財産だけで、受託者個人の財産には届かない。そうした信託かどうかを確かめるには、この専用の登記簿を見るしかない。受託者が大企業でも、会社の商業登記簿をいくら読んでも、信託の責任限定の有無は分からない。調べる場所を間違えると、肝心の確認が一つ抜けたままになる。
法的な位置づけ
信託法第238条は限定責任信託の登記の管轄を定める規定であり、限定責任信託の事務処理地を管轄する法務局もしくは地方法務局またはこれらの支局・出張所を管轄登記所とし、登記所に限定責任信託登記簿を備える旨を規定する。受託者の商業登記簿や不動産登記記録とは別系統の公示制度である。
よくある質問 AI による整理
Q1限定責任信託とは何ですか?
受託者が信託財産の範囲でのみ信託の債務を履行する責任を負う信託です。信託行為で定め、登記をすることで限定責任信託としての効力が生じます(信託法216条)。
Q2限定責任信託の事務処理地とは何ですか?
受託者が実際に信託事務を処理する場所で、登記事項の一つです(信託法232条)。この場所を管轄する法務局等が管轄登記所になります(238条)。
Q3限定責任信託の登記事項証明書は誰でも取れますか?
限定責任信託の登記には商業登記法の規定が準用されます(信託法247条)。請求の可否や手数料・交付方法は、管轄登記所の最新の運用を確認してください。
Q4限定責任信託の登記をしないとどうなりますか?
登記をしなければ限定責任信託としての効力が生じません(信託法216条)。責任を信託財産に限る前提が成り立たず、通常の信託として扱われます。
Q5限定責任信託の債権者は受託者個人の財産に請求できますか?
信託財産責任負担債務について、原則として受託者の固有財産には強制執行等ができません(信託法217条)。引当ては基本的に信託財産のみです。
Q6限定責任信託の名称にルールはありますか?
名称中に「限定責任信託」という文字を用いることが求められます(信託法218条)。取引書類の名称は登記簿を調べるきっかけになります。
Q7限定責任信託の事務処理地を移転したら登記はどうなりますか?
事務処理地を他の登記所の管轄区域内に移すと、移転の登記が必要になり、管轄登記所も変わります(信託法234条)。期限は最新の条文で確認してください。
Q8管轄外の法務局に限定責任信託の登記を申請したらどうなりますか?
商業登記法が準用されるため、管轄違いの申請は受理されない扱いとなります(信託法247条)。効力発生が遅れるため、事前に管轄を確認すべきです。
この条文についての質問 AI による整理
Q1限定責任信託の登記って、どこの法務局に行けば見られるんですか?
信託の事務処理地を管轄する法務局(または地方法務局、その支局、出張所)が管轄登記所で、そこに限定責任信託登記簿が備えられている(信託法238条)。事務処理地は登記事項になっている(232条)。実務のポイント:受託者会社の本店所在地と事務処理地は一致するとは限らない。本店の管轄に問い合わせて「ない」と言われても、信託がないとは限らない。証明書の取り方は商業登記の準用規定(247条)によるので、交付方法は最新の運用をご確認ください
Q2受託者の会社の登記簿を取れば、信託のことも全部載ってるんじゃないの?
載っていない。会社の登記は商業登記簿、限定責任信託は本条2項の限定責任信託登記簿で、帳簿そのものが別である。限定責任信託としての効力は、信託行為の定めと232条の登記によって生じる(216条)。実務のポイント:デューデリジェンス(取引前の調査)の確認リストに受託者の謄本だけを入れて、信託の登記簿を落とす例は珍しくない。責任財産の範囲を確かめる書類は、受託者の謄本とは別にもう一通必要になる
間違えやすい点 AI による整理
- 「信託の登記」と聞いて、不動産を信託したときに登記記録に載る信託の登記(不動産登記法97条)を思い浮かべる人が多い。だがそれは個々の不動産について、受託者が信託として持っていることを公示する仕組みである。限定責任信託の登記は、信託そのものの責任が限定されていることを公示する別の登記簿で、管轄の決め方も中身も違う。片方を見て、もう片方まで見たと思い込むのが典型的な取りこぼしである
- 管轄登記所なんて事務手続の話で、どこでも同じだと軽く見られがちだ。だが限定責任信託は、登記をしなければ限定責任信託として効力を生じない(216条)。登記の受付窓口を定める本条は、責任限定という効力の入口そのものを支える土台である。窓口を間違えた申請は受理されず、その分だけ効力の発生が遅れる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の役割 | 信託法238条:限定責任信託の登記をどの登記所がどの帳簿で扱うか(管轄と登記簿) | 信託法232条:限定責任信託の定めの登記と、何を登記するか(登記事項) 不動産登記法97条:個々の不動産が信託財産であることの登記事項 |
| 公示の対象 | 限定責任信託という信託そのもの | 信託の名称・事務処理地・受託者など限定責任信託の内容 信託された個別の不動産 |
| 管轄・記録先 | 事務処理地を管轄する法務局等の限定責任信託登記簿 | 本条で定まる管轄登記所の限定責任信託登記簿 不動産所在地を管轄する登記所の不動産登記記録 |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾は財産権ごとの信託登記を第三者対抗要件とする仕組みで、受託者の責任を信託財産に限定する専用の信託登記簿は設けていない
中国は登記が必要な財産の信託について信託登記を求めるが、限定責任信託に相当する制度と専用登記簿はない
フランスの fiducie は契約の登録と国の fiducie 登録簿による把握を定めるが、管轄の基準は日本の事務処理地方式とは異なる
米デラウェア州の制定法信託は certificate of trust を州務長官に届け出ることで成立し、州単位の公的記録で存在を確認する点が比較対象になる
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 取引先の資料に「○○信託(限定責任信託)受託者 株式会社△△」とある。受託者会社の履歴事項全部証明書を取り寄せて安心しかけたが、待ってほしい。責任が信託財産に限られるかどうかは、その会社の登記簿ではなく、事務処理地の登記所にある限定責任信託登記簿に載っている
- 受託者として限定責任信託を組成したばかりの担当者が、事務処理地を大阪から東京に移すことになった。登記の手続を後回しにしたら、取引の相手方にはどう見えるのか? 登記簿上の事務処理地と実態がずれたまま契約を重ねると、責任限定を主張したい場面で記載の不一致を突かれる材料になりうる。移転の登記の期限(234条、最新の条文をご確認ください)から逆算して、今週中に司法書士へ依頼したい
改正沿革 AI による整理
- 平成18年(2006年)信託法制定 旧信託法(大正11年法律第62号)に代わる新しい信託法の制定に伴い、限定責任信託の制度とともに定められた。その後の改正の有無と内容は人の手で確認する必要がある
改正の年表
- 1.平成18年(2006年) 新設:旧信託法(大正11年法律第62号)に代わる信託法(平成18年法律第108号)の制定に伴い、限定責任信託制度とともに新設。その後の改正の有無は最新の条文で確認が必要
- 信託法 第216条限定責任信託の効力発生に登記が必要
- 信託法 第232条限定責任信託の定めの登記と登記事項
- 信託法 第234条事務処理地変更に伴う登記
- 信託法 第247条商業登記法の規定の準用
- 商業登記法 第1条の3商業登記の管轄登記所、本条と並ぶ構造
- 不動産登記法 第97条不動産の信託の登記、別系統の公示
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