信託法 第240条(限定責任信託の定めの登記の添付書面)
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- 限定責任信託の定めの登記の申請書には、次に掲げる書面を添付しなければならない。
- 一限定責任信託の信託行為を証する書面
- 二受託者が法人であるときは、当該法人の登記事項証明書。ただし、当該登記所の管轄区域内に当該法人の本店又は主たる事務所がある場合を除く。
- 三会計監査人設置信託においては、次に掲げる書面
- 一就任を承諾したことを証する書面
- 二会計監査人が法人であるときは、当該法人の登記事項証明書。ただし、当該登記所の管轄区域内に当該法人の主たる事務所がある場合を除く。
- 三会計監査人が法人でないときは、第二百四十九条第一項に規定する者であることを証する書面
この条文の基本情報
限定責任信託の定めの登記の添付書面とは何ですか?
定義限定責任信託の定めの登記の添付書面とは、信託法第240条に定められた規定で、「限定責任信託の定めの登記の申請書には、次に掲げる書面を添付しなければならない。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 信託法第240条(限定責任信託の定めの登記の添付書面)は、日本の信託法に含まれる条文です。
- 信託法第240条の条文原文は「限定責任信託の定めの登記の申請書には、次に掲げる書面を添付しなければならない。」で始まります。
- 信託法第240条は第三節 限定責任信託の登記に置かれています。
- 信託法の公布日は平成18年12月15日です。
- 信託法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 信託法第240条の前の条は信託法第239条です。
- 信託法第240条の次の条は信託法第241条です。
- 信託法第240条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
信託法(平成十八年法律第百八号)第240条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/418AC0000000108 - 本サイト収録
信託法(平成十八年法律第百八号)第240条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/418AC0000000108/240
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点信託法240条は、限定責任信託の定めの登記申請書に、信託行為を証する書面、法人受託者の登記事項証明書、会計監査人関係書面の添付を義務付ける規定である。
Q · 限定責任信託の登記には、どんな書類を付ければいいの?
信託行為の証明書面、法人の登記事項証明書、会計監査人書面です
信託法240条により、限定責任信託の定めの登記申請書には、①信託行為を証する書面、②受託者が法人ならその登記事項証明書(申請先登記所の管轄内に本店・主たる事務所があれば不要)、③会計監査人設置信託であれば会計監査人に関する書面を添付します。限定責任信託は登記をして初めて効力を生じる(同法216条)ため、書類の不備はそのまま無限責任期間の延長につながります。
解説
受託者の責任を信託財産の範囲までに抑える「限定責任信託」は、契約書に書いただけでは効力が生じない。信託法216条により、登記をした時点で初めて効力が生じる。その登記申請書に何を付けるかを定めたのが本条である。必要な書類は三種類ある。一つ目は信託行為(信託を設定する契約や遺言など)を証する書面。二つ目は、受託者が法人であればその登記事項証明書(会社の登記簿の写し)。ただし、その法人の本店が同じ登記所の管轄内にある場合は不要になる。三つ目は、会計監査人を置く信託であれば、会計監査人に関する書面である。書類が一つ欠けるだけで申請は受け付けられず、その間、受託者は無限責任のまま取引を続けることになる。「限定責任」という看板は、書類が揃って登記された日から有効になるのであって、契約に署名した日からではない。このずれを知っているかどうかで、受託者として負うリスクの大きさが変わる。
法的な位置づけ
信託法240条は、限定責任信託の定めの登記申請に必要な添付書面を定める規定である。信託行為を証する書面、受託者が法人である場合の当該法人の登記事項証明書、会計監査人設置信託における会計監査人関係書面を掲げ、登記内容の真実性を書面により担保する機能を持つ。
手順・フロー
AI による整理。効力は条文原文が基準です
手順
- 1.申請先登記所を確定する 受託者の事務処理地などを基準に、限定責任信託の定めの登記を申請する登記所を先に確定する。管轄が決まらないと、法人受託者の登記事項証明書が必要かどうか判定できない
- 2.信託行為を証する書面を準備する 限定責任信託の定めを含む信託契約書または遺言書などを用意する。定めの文言が明確に記載されているかを確認する
- 3.法人受託者の登記事項証明書を取得する 受託者が法人で、本店等が申請先登記所の管轄外にある場合は、登記事項証明書を取得する。発行後一定期間内のものを求められるのが通例なので取得時期に注意する
- 4.会計監査人関係書面を揃える 会計監査人設置信託であれば、会計監査人の就任承諾を証する書面など本条3号所定の書面を手配する。監査法人からの書類は時間がかかるため最初に依頼する
- 5.登記申請と補正対応 添付書面を揃えて登記を申請する。補正を求められたら即日対応できる体制を整え、登記完了日を確認してから大口取引を開始する
よくある質問 AI による整理
Q1限定責任信託とは何ですか?
受託者が信託事務で負う債務について、信託財産の範囲でのみ責任を負う信託です。信託行為に定めを置き、登記をすることで効力が生じます(信託法216条)。
Q2限定責任信託の登記 必要書類は?
信託行為を証する書面、受託者が法人ならその登記事項証明書、会計監査人設置信託なら会計監査人関係の書面です(信託法240条)。
Q3信託行為を証する書面とは何を指しますか?
信託契約書や遺言書など、限定責任信託の定めを含む信託の設定行為を確認できる書面を指します。定めの存在を登記所に示すために使われます。
Q4受託者が個人の場合、登記事項証明書は必要?
不要です。本条2号は受託者が法人である場合に限って登記事項証明書の添付を求めています。信託行為を証する書面は個人受託者でも必要です。
Q5登記事項証明書の添付を省略できるのはどんな場合?
申請先登記所の管轄区域内に法人受託者の本店または主たる事務所がある場合です(本条2号ただし書)。最新の登記実務の扱いも併せて確認が必要です。
Q6会計監査人設置信託ではどんな書面が必要?
会計監査人に関する書面の添付が必要です。就任承諾を証する書面などが典型で、具体的な書面は本条3号の各号で確認します。
Q7限定責任信託 登記前の取引はどうなる?
限定責任信託は登記の時から効力を生じるため、登記前の取引には責任限定が及ばない可能性があります。受託者は固有財産でも責任を負い得ます。
Q8限定責任信託かどうか取引相手が確認する方法は?
登記事項証明書を取得し、限定責任信託の定めが登記されているかを確認します。名称だけで判断せず、登記の有無と登記日を見ることが重要です。
この条文についての質問 AI による整理
Q1信託契約を結んだのに、なんでまだ責任が限定されないんですか?
信託法216条1項は、信託行為に定めを置くことに加えて、232条の登記をすることを効力発生の要件にしているからである。本条の添付書面が揃って登記が完了するまで、受託者は通常の信託と同じく固有財産でも責任を負う。実務のポイント:実務では、登記完了を確認してから大口の契約を結ぶよう工程表を組むのが定石である。契約締結と登記申請を同じ日に行うために、書類の事前点検を司法書士に先に頼んでおく受託者は多い
Q2受託者がうちの会社なんですが、登記事項証明書って毎回付けないといけないんですか?
本条2号のただし書により、申請先の登記所の管轄区域内に本店または主たる事務所があれば、添付は不要である。管轄外であれば必要になる。実務のポイント:登記所の管轄は受託者の事務処理地を基準に決まる(信託法238条、現行効力を要確認)ため、本店所在地と信託事務の処理地が違うと管轄外になることがある。どの登記所に申請するかを先に確定させないと、要る書類と要らない書類の判定を間違える
間違えやすい点 AI による整理
- 「信託契約に限定責任信託と書けば、その日から責任は限定される」と思われがちだが、216条は登記を効力発生の要件にしている。そして本条の添付書面が揃わない限り、その登記は通らない。契約日と効力発生日の間にできる空白期間の存在は、実務で見落とされやすい
- 登記事項証明書の添付は「法人受託者には必ず必要」と覚えている人がいるが、本条にはただし書がある。同じ登記所の管轄区域内に本店がある法人なら添付は不要になる。不要な書類を取り寄せて日数を無駄にするのも、手続を遅らせる一つの形である(なお、近年の登記実務では会社法人等番号の記載による添付省略の扱いも広がっているため、最新の改正状況をご確認ください)
- 取引相手の立場では「登記の書類なんて受託者側の内部事務だ」と見えるが、法律から見れば話が違う。登記されているかどうかは、あなたの債権が信託財産からしか回収できないのか、それとも受託者の固有財産にも及ぶのかを分ける境界線である。他人の事務に見える手続が、あなたの回収可能性を直接決めている
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規定の役割 | 信託法240条:登記申請時の添付書面を定める | 信託法216条:登記を限定責任信託の効力発生要件とする 信託法232条:限定責任信託の定めの登記事項(現行条番号要確認) |
| 誰が意識すべきか | 登記を申請する受託者・担当司法書士 | 受託者と取引相手の双方 登記簿を確認する取引相手 |
| 欠けた場合の結果 | 申請が受理されず登記ができない | 登記がなければ責任限定の効力が生じない 登記事項が不正確なら公示機能が損なわれる |
他国ではどう定めているか 3 か国
台湾には限定責任信託制度がなく、登記は信託の対抗要件として機能するにとどまる
韓国は2011年の信託法全部改正で유한책임신탁を導入し、登記を要する点で日本と類似する
州務長官への certificate of trust の届出により、受益者・受託者の責任を限定する制定法上の信託が成立する
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 不動産ファンドの組成担当として限定責任信託を立ち上げた。信託契約は4月1日に締結済みだが、法人受託者の登記事項証明書の取り寄せが遅れ、登記は4月20日にずれ込んだ。その間に結んだ工事請負契約の債務は、限定責任の保護を受けられるのか。答えは216条の効力発生時期にかかっている
- 会計監査人を置くと信託行為に書いたのに、監査法人の就任承諾書が届かない。決算日は来月に迫っている。書類が揃わなければ登記は受け付けられず、スキーム全体のスケジュールが崩れる
- 限定責任信託の受託者と取引する前に、相手が本当に限定責任なのかを確かめたいとしたら、何を見ればいい? 答えは登記簿である。登記されていなければ、「限定責任信託」という名称を名乗っていても法的な裏付けはない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 限定責任信託の受託者と取引する前に、登記事項証明書を取得し、限定責任信託の定めが登記されているか確認する2. 取引日が登記日より前であれば、その債務については限定責任の効力が及ばない可能性を前提に、受託者の固有財産も責任財産として請求を検討する(216条) 3. 信託財産だけで回収が難しい場合は、受託者に悪意または重大な過失がないかを調べ、第三者に対する責任(224条)の追及を検討する(現行の条番号を要確認) 4. 争う前に、登記申請日と取引日の先後を証拠で固めておく
訴えられた側:1. 登記申請前に添付書面の一覧を作る:信託行為を証する書面、法人受託者の登記事項証明書(同じ管轄内なら不要)、会計監査人設置信託なら会計監査人関係の書面2. 書類の取得に時間がかかるものを先に手配し、信託契約の締結日と登記申請日の間隔を詰める3. 登記が完了するまでの取引は無限責任になる前提で、重要な契約の締結を待つか、契約書に個別の責任限定条項を入れる4. 補正を求められたら即日対応できる体制を組んでおく
時効(請求できる期限):本条自体に申請期限の定めはない。ただし限定責任信託の効力は登記の時から生じる(信託法216条1項)ため、申請が遅れた日数だけ受託者が無限責任を負う期間が延びる。登記事項に変更があった場合の変更登記には法定期間が設けられている(最新の改正状況をご確認ください)。登記事項証明書は発行後3か月以内のものを求められるのが登記実務の通例である
改正沿革 AI による整理
- 平成18年(2006年)信託法全部改正 現行信託法の制定で限定責任信託制度が創設されたことに伴い置かれた条文とみられる。その後、登記事項証明書の添付省略に関する登記法制の見直しの影響を受けたかどうかは要確認
改正の年表
- 1.平成18年(2006年) 新設:信託法全部改正(平成18年法律第108号)により限定責任信託制度が創設され、その登記手続の一環として本条が置かれた
- 信託法 第216条登記を限定責任信託の効力要件とする
- 信託法 第232条限定責任信託の定めの登記事項(現行効力を要確認)
- 信託法 第238条登記の管轄登記所(現行効力を要確認)
- 信託法 第248条会計監査人設置信託の根拠(現行効力を要確認)
- 商業登記法 第19条申請書添付書面の一般原則(現行効力を要確認)
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