信託法 第252条(会計監査人の権限等)
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- 会計監査人は、第二百二十二条第四項の書類又は電磁的記録を監査する。この場合において、会計監査人は、法務省令で定めるところにより、会計監査報告を作成しなければならない。
- 2.会計監査人は、いつでも、次に掲げるものの閲覧及び謄写をし、又は受託者に対し、会計に関する報告を求めることができる。
- 一会計帳簿又はこれに関する資料が書面をもって作成されているときは、当該書面
- 二会計帳簿又はこれに関する資料が電磁的記録をもって作成されているときは、当該電磁的記録に記録された事項を法務省令で定める方法により表示したもの
- 3.会計監査人は、その職務を行うに当たっては、次のいずれかに該当する者を使用してはならない。
- 一第二百四十九条第三項第一号又は第二号に掲げる者
- 二受託者又はその利害関係人
- 三受託者又はその利害関係人から公認会計士又は監査法人の業務以外の業務により継続的な報酬を受けている者
- 4.会計監査人設置信託における第二百二十二条第四項、第五項及び第八項の規定の適用については、同条第四項中「作成しなければ」とあるのは「作成し、第二百五十二条第一項の会計監査を受けなければ」と、同条第五項中「その内容」とあるのは「その内容及び会計監査報告」と、同条第八項中「作成した場合には」とあるのは「作成し、第二百五十二条第一項の会計監査を受けた場合には」と、「当該書面)」とあるのは「当該書面)及び当該会計監査報告」とする。
この条文の基本情報
会計監査人の権限等とは何ですか?
定義会計監査人の権限等とは、信託法第252条に定められた規定で、「会計監査人は、第二百二十二条第四項の書類又は電磁的記録を監査する。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 信託法第252条(会計監査人の権限等)は、日本の信託法に含まれる条文です。
- 信託法第252条の条文原文は「会計監査人は、第二百二十二条第四項の書類又は電磁的記録を監査する。」で始まります。
- 信託法第252条は第十章 受益証券発行限定責任信託の特例に置かれています。
- 信託法の公布日は平成18年12月15日です。
- 信託法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 信託法第252条の前の条は信託法第251条です。
- 信託法第252条の次の条は信託法第253条です。
- 信託法第252条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
信託法(平成十八年法律第百八号)第252条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/418AC0000000108 - 本サイト収録
信託法(平成十八年法律第百八号)第252条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/418AC0000000108/252
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点信託法252条は、会計監査人が受益証券発行限定責任信託の計算書類を監査し、いつでも帳簿を閲覧・謄写できると定める。受託者の利害関係人は補助者に使えない。
Q · 信託の受託者は、会計監査人に帳簿を見せるのを後回しにできるの?
できない。監査人はいつでも帳簿を閲覧・謄写できる
信託法252条2項により、会計監査人は「いつでも」会計帳簿やこれに関する資料を閲覧・謄写し、受託者に会計に関する報告を求めることができます。受託者の都合に合わせる必要はありません。また同条4項により、会計監査人設置信託では計算書類は会計監査を受けて初めて作成義務を果たしたことになり、受益者への通知にも会計監査報告が添えられます。
解説
信託財産の帳簿を作るのは受託者である。その帳簿を外からこじ開けられる人は、受託者本人を除けばほとんどいない。例外の一人が会計監査人だ。受益証券発行限定責任信託(受益権を証券化し、しかも受託者の責任を信託財産の範囲に限った特殊な信託)で会計監査人が置かれると、本条によって三つの仕掛けが動き出す。第一に、監査人は貸借対照表などの計算書類を監査し、法務省令に従って会計監査報告を書かなければならない。第二に、監査人は「いつでも」会計帳簿と資料を閲覧・謄写でき、受託者に報告を求められる。事前のアポも、受託者の同意も要らない。第三に、監査人は受託者や利害関係人を補助者として使えない。身内に手伝わせれば監査は形だけになるからだ。さらに第4項で、計算書類は監査を受けるまで「完成」したことにならない。受益者に届く通知にも監査報告が添えられる。受益者であるあなたが見るべきなのは数字そのものではなく、監査報告が付いているかどうかである。
法的な位置づけ
信託法252条は、会計監査人設置信託における会計監査人の職務と権限を定める規定である。会計監査人は第222条4項の計算書類を監査して会計監査報告を作成し、会計帳簿等の閲覧・謄写権と受託者への報告請求権を随時行使できる。他方で、受託者やその利害関係人等を職務の補助者として使用することは禁止され、計算書類の作成は会計監査の完了を要件とする。
よくある質問 AI による整理
Q1信託の会計監査人とは何ですか?
受益証券発行限定責任信託に置かれる外部の監査役で、公認会計士または監査法人が就任します。計算書類を監査し会計監査報告を作成します(信託法248条・249条・252条)。
Q2会計監査人設置信託とは?
信託行為の定めにより、または負債200億円以上で義務として会計監査人を置いた受益証券発行限定責任信託のことです。計算書類は監査を経て初めて完成します。
Q3信託の会計監査報告 どこで確認できる?
会計監査人設置信託では、受託者から受益者への計算書類の通知に会計監査報告が添えられます(信託法252条4項による222条5項の読替え)。
Q4会計監査人は受託者に何を請求できる?
会計帳簿・関連資料の閲覧と謄写、および会計に関する報告を請求できます。電磁的記録の場合は法務省令の方法で表示したものが対象です。
Q5信託の監査に補助者を使える?
使えますが制限があります。受託者やその利害関係人、受託者側から監査以外の業務で継続的報酬を受ける者などは補助者にできません(252条3項)。
Q6監査前の計算書類で受益者に通知していい?
会計監査人設置信託ではできません。252条4項により、会計監査を受けるまで222条4項の作成義務は果たされず、通知にも会計監査報告の添付が必要です。
Q7信託 会計監査人 義務 いつから?
受益証券発行限定責任信託で、最終の貸借対照表の負債の部の合計額が200億円以上になると設置が義務になります(信託法248条)。
Q8会計監査報告の内容は誰が決める?
信託法252条1項は「法務省令で定めるところにより」作成すると定めており、記載事項は信託計算規則等の法務省令で具体化されています。
この条文についての質問 AI による整理
Q1受託者が「今は忙しいから帳簿は来月」と言ってきたら、監査人は待つしかないんですか?
待つ義務はない。信託法252条2項は、会計監査人が「いつでも」会計帳簿や資料を閲覧・謄写し、受託者に会計の報告を求められると定めている。実務のポイント:遅延をその場で黙認すると、監査が不十分だった責任を後から監査人自身が問われかねない。請求と回答の日付を記録しておけば、監査報告で「十分な証拠を入手できなかった」と書く根拠になる
Q2会計監査人って、うちの信託に必ず置かないといけないんですか?
受益証券発行限定責任信託は、信託行為で定めれば会計監査人を置ける。最終の貸借対照表で負債の部の合計額が200億円以上になると、設置が義務になる(信託法248条)。実務のポイント:受益証券発行と限定責任を組み合わせた信託は、実務上の利用例がそれほど多くない。そのため設計段階で会計監査人の要否を見落としやすい。負債規模が基準に近づいた時点で確認するのが安全だ
間違えやすい点 AI による整理
- 受託者が計算書類を作れば決算は終わる、と考えがちだが、会計監査人設置信託では本条4項によって第222条が読み替えられ、監査を受けるまで作成義務を果たしたことにならない。監査は追加の手間ではなく、完成の要件そのものである
- 監査人の独立性は「監査人本人が受託者と無関係か」で判断されるもの、という理解は半分しか正しくない。本条3項は、監査人が手足として使う補助者にまで独立性を求めている。本人が潔白でも、補助者に受託者の関係者が混じれば監査は汚染される
- 受託者側から見れば、帳簿の閲覧は「監査人への協力」であり、都合のよい時期に応じればよいサービスに映る。法律から見れば、閲覧・謄写と報告請求は監査人の権限であり、「いつでも」行使できる。このずれを放置した受託者は、監査報告で指摘を受ける立場に立たされる
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 規律の対象 | 信託法252条:会計監査人の監査義務・閲覧謄写権・補助者制限 | 信託法248条:会計監査人の設置(任意設置と負債200億円以上での義務設置) 信託法222条:限定責任信託の受託者による計算書類の作成・通知・保存 |
| 義務を負う主体 | 会計監査人(監査報告の作成)、受託者(閲覧・報告請求への対応) | 受益証券発行限定責任信託(設置の判断) 受託者 |
| 受益者への影響 | 届く計算書類に会計監査報告が添付される | 監査人が置かれるかどうかが決まる 計算書類の内容が通知される |
他国ではどう定めているか 4 か国
台湾では受託人の帳簿作成義務と委託人・受益人の閲覧請求権が中心で、日本のような会計監査人を信託法上に置く仕組みは一般的でない
受託者に記録の保存と定期報告を課すが、外部監査人の閲覧権を信託法自体で定める構造ではない
ドイツには信託法典がなく、外部監査人の資料閲覧・説明請求権は商法典の決算監査規定が担う
フランスでは commissaire aux comptes が会社の帳簿をいつでも調査できる権限を持ち、本条の閲覧権と同じ発想に立つ
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 受益証券を保有している投資家のもとに、受託者から年次の計算書類が届いた。添付書類の一覧を見ても会計監査報告が見当たらない。会計監査人設置信託であれば、監査を経ていない書類は第222条の手続を満たしておらず、その時点で問い合わせるべき異常サインである
- 会計監査人として選任された監査法人の担当者が、決算期の直前に受託者から「帳簿は締めの後に見せる」と言われた。受託者側は善意のつもりでも、本条2項の閲覧権は「いつでも」行使できる。先延ばしを受け入れれば、監査人自身が任務懈怠を問われる側に回る
- もし監査法人が人手不足を理由に、受託者の経理担当者へ証憑の突合を手伝ってもらっていたら、どうなるか。第3項2号が禁じる「受託者の利害関係人の使用」に当たり、監査の独立性そのものが崩れる
- 決算日から計算書類の確定まで、残された日数はわずかしかない。監査が終わらなければ受益者への通知も出せない。監査日程は書類作成と同時に組まないと間に合わない
取るべき行動
被害を受けた側:1. 受益者として届いた書類に会計監査報告が添付されているか確認する(第222条5項の読み替え)2. 添付がない、または監査意見が限定付きの場合は、受託者に書面で理由を問い合わせる3. 回答があいまいなら、受益者集会や信託行為の定める手続で会計監査人への質問の場を求める4. 損害が生じた疑いがあれば、受託者責任と会計監査人の責任の両面から弁護士に相談する
訴えられた側:受託者の立場なら:1. 監査人からの閲覧・報告請求には即日対応できる資料体制を整える2. 計算書類の作成日程に監査期間を最初から組み込む。監査人の立場なら:1. 補助者全員について、受託者との資本関係・継続的報酬関係を確認し記録を残す2. 資料提出の遅延や拒否は日付入りで記録し、監査報告に反映させる
時効(請求できる期限):本条自体に特定の時効はないが、一般消滅時効(民法166条、債権5年または10年)が適用される。会計監査は第222条の計算書類作成手続に組み込まれており、実務上は信託行為で定める計算期間ごとの決算スケジュールが事実上の期限となる(最新の改正状況をご確認ください)
学説
一般的理解:本条は会社法の会計監査人の権限規定(396条)と同様の構造を持ち、閲覧・謄写権と報告請求権は受託者の同意や時期の制約を受けない監査人固有の権限と解されている。
改正沿革 AI による整理
改正の年表
- 1.平成18年(2006年) 新設:信託法の全部改正(平成18年法律第108号)により、受益証券発行信託・限定責任信託の制度とともに会計監査人に関する規定として新設された。
- 信託法 第222条限定責任信託の計算書類作成、本条4項で読替
- 信託法 第248条会計監査人の設置と負債200億円以上での義務
- 信託法 第249条会計監査人の資格と欠格事由、3項で引用
- 信託法 第254条会計監査人の任務懈怠責任(現行効力を要確認)
- 公認会計士法 第24条公認会計士の著しい利害関係による業務制限
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