信託法 第256条(会計監査人の費用等及び報酬)
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第百二十七条第一項から第五項までの規定は、会計監査人の費用及び支出の日以後におけるその利息、損害の賠償並びに報酬について準用する。
この条文の基本情報
会計監査人の費用等及び報酬とは何ですか?
定義会計監査人の費用等及び報酬とは、信託法第256条に定められた規定で、「第百二十七条第一項から第五項までの規定は、会計監査人の費用及び支出の日以後におけるその利息、損害の賠償並びに報酬について準用する。」と規定しています。
出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)
- 信託法第256条(会計監査人の費用等及び報酬)は、日本の信託法に含まれる条文です。
- 信託法第256条の条文原文は「第百二十七条第一項から第五項までの規定は、会計監査人の費用及び支出の日以後におけるその利息、損害の賠償並びに報酬について準用する。」で始まります。
- 信託法第256条は第十章 受益証券発行限定責任信託の特例に置かれています。
- 信託法の公布日は平成18年12月15日です。
- 信託法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
- 信託法第256条の前の条は信託法第255条です。
- 信託法第256条の次の条は信託法第257条です。
- 信託法第256条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。
この条文を引用する
下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。
- 正式書式
信託法(平成十八年法律第百八号)第256条 - 官報・e-Gov
e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/418AC0000000108 - 本サイト収録
信託法(平成十八年法律第百八号)第256条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/418AC0000000108/256
わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です
要点信託法256条は、会計監査人が受託者に監査費用と利息、無過失損害の賠償、報酬を請求できると定める。報酬は信託行為の定め等がある場合に限られる。
Q · 信託の会計監査人の監査報酬や立替費用は、誰にどうやって請求するの?
受託者に請求するが、支払原資は原則として信託財産に限られる
信託法256条は信託管理人に関する127条1項から5項を会計監査人に準用します。会計監査人は受託者に対し、事務処理に必要と認められる費用と支出日以後の利息、自己に過失なく受けた損害の賠償を請求できます。報酬は商法512条の適用がある場合のほか、信託行為に報酬の定めがある場合に限って請求でき、額は定めがあればそれにより、なければ相当額となります。受益証券発行限定責任信託では、受託者は原則として信託財産に属する財産のみで履行責任を負います。
解説
監査する側が「財布を握られている」構造は、監査の独立性をじわじわと削る。信託法256条は、受益証券発行限定責任信託(受益権を証券にして流通させ、しかも受託者の責任を信託財産の範囲に限定した特殊な信託)の会計監査人について、信託管理人の費用・報酬ルール(127条1項から5項)をそのまま借りてくる。中身は次の三点である。第一に、監査に必要な費用と、立て替えた日以後の利息を受託者に請求できる。第二に、自分に過失なく受けた損害の賠償を受託者に請求できる。第三に、報酬は信託行為(信託の設計図にあたる契約や遺言)に定めがあるときなどに限って請求でき、額は定めがあればそれにより、なければ相当額とされる。ここで見落とされやすい点がある。限定責任信託では、受託者は原則として信託財産だけで支払えばよい(217条)。つまり、信託財産が痩せ細った局面では、監査報酬の引当てもいっしょに細る。監査の契約を結ぶ前に、この構造を設計図の段階で織り込めるかどうかで、回収リスクはまるで違ってくる
法的な位置づけ
信託法256条は、受益証券発行限定責任信託に置かれる会計監査人の費用・損害・報酬について、信託管理人に関する同法127条1項から5項を準用する規定である。会計監査人は受託者に対し、事務処理に必要な費用と利息、過失なく受けた損害の賠償、所定の場合の報酬を請求でき、その債務は信託財産に属する財産のみで履行される。
手順
- 1.信託行為の報酬条項を確認する 監査契約の締結前に信託行為(信託契約・遺言等)を取り寄せ、会計監査人が報酬を受ける旨の定めと、報酬額または算定方法の定めがあるかを照合する。定めがなければ起案段階で追加を求める
- 2.信託財産の支払余力を把握する 報酬・費用の引当ては原則として信託財産に限られるため、直近の貸借対照表や資産評価から支払原資の見通しを確認し、必要に応じて前払い・分割払いを交渉する
- 3.費用立替えの都度、受託者に書面通知する 追加手続や外部専門家の起用で費用を立て替えたら、支出日・金額・監査上の必要性を記載した書面を当日中に受託者へ送付する。利息の起算点と必要性の証拠を同時に確保できる
- 4.報酬・費用・損害を請求し協議する 報酬・費用・利息・無過失損害を区分して受託者に請求する。争いがあれば信託行為の定めや作業時間記録を示して協議し、解決しない場合は弁護士と回収方針を検討する
よくある質問 AI による整理
Q1信託法256条とは何ですか?
受益証券発行限定責任信託の会計監査人の費用・損害賠償・報酬について、信託管理人の規定(127条1項から5項)を準用する条文です。
Q2信託の会計監査人の報酬は誰が払う?
請求の相手は受託者です。ただし受益証券発行限定責任信託では、受託者は原則として信託財産に属する財産のみで支払う責任を負います。
Q3信託の監査費用の利息はいつから発生する?
準用される127条1項により、費用を支出した日以後の利息を請求できます。支出日の記録がそのまま起算点の証拠になります。
Q4信託行為に報酬の定めがないと報酬は請求できない?
準用される127条3項では、商法512条の適用がある場合か信託行為に定めがある場合に限られます。定めがないと請求根拠が争点になりえます。
Q5会計監査人の報酬額はどう決まる?
信託行為に報酬額または算定方法の定めがあればそれにより、定めがなければ相当の額とされます(127条5項の準用)。
Q6信託の会計監査人は損害賠償を請求できる?
監査事務を処理するため自己に過失なく受けた損害であれば、受託者に賠償を請求できます。監査人側に過失があれば請求根拠を欠きます。
Q7受益証券発行限定責任信託に会計監査人は必要?
信託行為で任意に置くことができ、最終の貸借対照表の負債額が200億円以上なら設置が義務付けられます(信託法248条)。
Q8信託の監査報酬は受託者の固有財産から回収できる?
受益証券発行限定責任信託では、受託者は原則として信託財産に属する財産のみで履行責任を負うため、固有財産からの回収は原則できません。
この条文についての質問 AI による整理
Q1監査報酬って、受託者の信託銀行が自分のお金で払うんじゃないんですか?
請求の相手は受託者だが、受益証券発行限定責任信託では受託者は原則として信託財産に属する財産のみで履行責任を負う(信託法217条)。256条が準用する127条の請求権も、その枠内で扱われる。実務のポイント:信託財産の規模が十分な平時には問題にならないが、資産価値が急落した局面では監査報酬も他の債権と同じく回収リスクにさらされる。報酬の前払いや分割払いを交渉する監査人がいるのはこのためである
Q2信託行為に報酬のことが何も書いてなかったら、ただ働きになるんですか?
127条3項の準用により、報酬を請求できるのは商法512条の適用がある場合のほか、信託行為に報酬を受ける旨の定めがある場合に限られる。定めがないと請求の根拠が争点になりうる(実務上、解釈が分かれうる場面である)。実務のポイント:監査契約書に報酬を書いても、信託行為側の定めとの関係が詰められていないことがある。起案段階で信託行為に報酬条項を入れさせるのが最も確実である
Q3監査の途中で受託者のせいで損をしたら、その分も請求できますか?
127条2項の準用により、事務を処理するため自己に過失なく受けた損害については、受託者に賠償を請求できる。ポイントは「自己に過失なく」である。実務のポイント:請求の場面では受託者側が監査人の手続上のミスを探してくる。追加手続を行った理由と、受託者の資料提出遅延などの経緯を、その時点ごとにメールや議事録で残しておくことが最大の防御になる
間違えやすい点 AI による整理
- 監査契約書に報酬額を書けば支払は確保できる、と考えるのは半分しか正しくない。限定責任信託では受託者の固有財産は原則として引当てにならない(217条)。契約書上の金額が正しくても、信託財産が尽きれば回収の手段は細る。報酬の根拠よりも引当財産の厚みの方が深刻な問題である
- 「会計監査人の報酬は会社法と同じ仕組み」という前提で考えると誤る。株式会社の会計監査人は会社法の機関設計の中で報酬が決まるが、信託の会計監査人は信託法独自の回路、つまり信託管理人の規定の準用で処理される。会社法の知識をそのまま当てはめる問いの立て方自体がずれている
- 監査人から見れば、費用の立替えは当然あとで精算されるものだ。だが法律から見れば、精算されるのは「事務を処理するのに必要と認められる」費用に限られる。必要性を示す記録がなければ、請求は相手の裁量に近い交渉に変わる。この落差が、監査の最終局面での揉め事を生む
| 比較の観点 | この条文 | ほかの条文 |
|---|---|---|
| 対象者 | 信託法256条:受益証券発行限定責任信託の会計監査人 | 信託法127条:信託管理人 信託法217条:受益証券発行限定責任信託の受託者 |
| 規定の性質 | 127条1項から5項の準用(費用・利息・損害・報酬) | 費用・利息・損害・報酬の請求権の本則 信託財産のみによる履行責任の原則 |
| 裁判所による報酬決定 | 準用は1項から5項までで、裁判所による報酬決定の規定は含まれない | 裁判所が選任した信託管理人について報酬決定の規定あり 報酬決定とは無関係 |
他国ではどう定めているか 1 か国
台湾では信託監察人の報酬について、裁判所が職務の繁簡と信託財産の状況を考慮して信託財産から相当の報酬を支給できるとし、信託行為に定めがあればそれに従う。会計監査人を準用で処理する日本型の規定はない
AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です
想定される場面と対応 AI による整理
こんなときに使う
- 監査法人のパートナーとして、負債が200億円を超える受益証券発行限定責任信託の監査を打診された。監査契約書には報酬額が書いてあるが、信託行為そのものに報酬の定めがあるかは誰も確認していない。報酬請求の根拠がどこにあるのか、契約締結前に信託行為の条項を取り寄せて照合することになる
- 受託者である信託会社の財務担当者の立場で考える。会計監査人から、追加の監査手続にかかった外部専門家の費用と、その立替日からの利息を請求された。「見積りに入っていない」と突っぱねたいが、事務処理に必要と認められる費用であれば、256条が準用する127条1項に基づき支払義務を負う
- 信託財産の価値が急落し、決算期まであと30日。会計監査人は監査報酬の未払いを抱えたまま、限定付適正意見を出すかどうか迷っている。報酬の回収先が信託財産に限られる以上、支払原資の見通しを受託者に書面で確認しておかないと、監査も回収も両方行き詰まる
- 監査の現場で受託者側の資料不備に振り回され、監査人が自腹で追加の人員を手配した。この損失を受託者に請求できるのか? 自己に過失がなかったと言えれば、損害賠償請求の道がある
取るべき行動
被害を受けた側:会計監査人として報酬や費用が支払われない場合:1. 信託行為に報酬の定めがあるかを確認し、なければ「相当の額」の根拠として作業時間と業界水準を整理する2. 費用は支出日・金額・必要性を記録した書面で受託者に請求し、利息の起算点を確定させる3. 限定責任信託では引当ては原則として信託財産に限られるため、信託財産の状況を早期に把握し、他の債権者との関係も含め専門家と回収方針を検討する
訴えられた側:受託者として監査人から請求を受けた場合:1. 請求された費用が監査事務の処理に必要と認められるかを個別に精査し、不要な支出には根拠を示して争う2. 損害賠償請求に対しては、監査人自身の過失の有無を検討する(過失なく受けた損害でなければ準用条文の請求根拠を欠く) 3. 報酬額に争いがあれば信託行為の定めを確認し、定めがなければ相当額の算定根拠を示して協議する。監査意見に影響しかねない時期の紛争化は避ける
時効(請求できる期限):特定の時効はないが、一般消滅時効(民法166条、債権者が権利を行使できることを知った時から5年、権利を行使できる時から10年)が適用される。費用の利息は支出の日以後について発生する
改正沿革 AI による整理
- 平成18年(2006年)信託法全部改正 旧信託法(大正11年法)に代わる新信託法の制定により、受益証券発行限定責任信託の特例とともに新設された
改正の年表
- 1.平成18年(2006年) 新設:信託法(平成18年法律第108号)の制定により、受益証券発行限定責任信託の特例の一部として新設。旧信託法(大正11年法)には対応規定がない
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