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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年7月4日読了 7 分7 分7 分

信託法 第39条(他の受益者の氏名等の開示の請求)

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  1. 受益者が二人以上ある信託においては、受益者は、受託者に対し、次に掲げる事項を相当な方法により開示することを請求することができる。この場合においては、当該請求の理由を明らかにしてしなければならない。
  2. 一他の受益者の氏名又は名称及び住所
  3. 二他の受益者が有する受益権の内容
  4. 2.前項の請求があったときは、受託者は、次のいずれかに該当すると認められる場合を除き、これを拒むことができない。
  5. 一当該請求を行う者(以下この項において「請求者」という。)がその権利の確保又は行使に関する調査以外の目的で請求を行ったとき。
  6. 二請求者が不適当な時に請求を行ったとき。
  7. 三請求者が信託事務の処理を妨げ、又は受益者の共同の利益を害する目的で請求を行ったとき。
  8. 四請求者が前項の規定による開示によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報するため請求を行ったとき。
  9. 五請求者が、過去二年以内において、前項の規定による開示によって知り得た事実を利益を得て第三者に通報したことがあるものであるとき。
  10. 3.前二項の規定にかかわらず、信託行為に別段の定めがあるときは、その定めるところによる。

この条文の基本情報

他の受益者の氏名等の開示の請求とは何ですか?

定義他の受益者の氏名等の開示の請求とは、信託法第39条に定められた規定で、「受益者が二人以上ある信託においては、受益者は、受託者に対し、次に掲げる事項を相当な方法により開示することを請求することができる。」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 信託法第39条(他の受益者の氏名等の開示の請求)は、日本の信託法に含まれる条文です。
  2. 信託法第39条の条文原文は「受益者が二人以上ある信託においては、受益者は、受託者に対し、次に掲げる事項を相当な方法により開示することを請求することができる。」で始まります。
  3. 信託法第39条は第二節 受託者の義務等に置かれています。
  4. 信託法の公布日は平成18年12月15日です。
  5. 信託法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
  6. 信託法第39条の前の条は信託法第38条です。
  7. 信託法第39条の次の条は信託法第40条です。
  8. 信託法第39条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式信託法(平成十八年法律第百八号)第39条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/418AC0000000108
  • 本サイト収録信託法(平成十八年法律第百八号)第39条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/418AC0000000108/39

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点信託法39条により、受益者が複数いる信託の受益者は、理由を示して受託者に他の受益者の氏名・住所と受益権の内容の開示を請求できる。拒否は五つの法定事由に限られる。

Q · 家族信託で、ほかに誰が受益者なのかを受託者に教えてもらうことはできる?

理由を示せば請求でき、拒否は五つの事由に限られる

信託法39条1項により、受益者が二人以上いる信託では、受益者は理由を明らかにして、受託者に他の受益者の氏名又は名称・住所と受益権の内容の開示を請求できます。受託者が拒めるのは、調査目的以外の請求、不適当な時期の請求、事務妨害・共同利益侵害の目的、情報を利益を得て第三者に通報する目的、過去二年以内の通報歴の五つに当たる場合だけです(2項)。ただし、信託契約や遺言に別段の定めがあればそちらが優先します(3項)。

解説

家族信託や不動産の小口化商品では、一つの信託に何人もの受益者(信託から利益を受け取る人)がつながっていることがある。ところが受益者同士は、ほかに誰がいて、それぞれがどんな取り分を持っているのかを知らないことが珍しくない。信託法39条は、受益者が二人以上いる信託について定めている。受益者は受託者(財産を預かって管理する人)に対し、他の受益者の氏名・住所と、その受益権の内容を開示するよう請求できる。請求するときは理由を示す必要がある。一方、受託者が断れるのは五つの場合に当たると認められるときだけだ。権利の確保や行使とは関係のない目的、不適当な時期の請求、事務を妨げたり受益者の共同の利益を害したりする目的、得た情報を第三者に売る目的、過去二年以内に実際に売った前歴、の五つである。開示が重要なのは、受益者が複数いる信託では意思決定が原則として全員一致(105条)だからだ。誰が仲間なのか分からなければ、あなたは協議の席を用意することすらできない。ただし、信託行為(信託契約や遺言)に別段の定めがあれば、そちらが優先される(3項)。最初に確認すべきは契約書の該当条項である。

法的な位置づけ

信託法39条は、受益者が複数存在する信託における受益者間の情報開示請求権を定める規定である。受益者は請求理由を明示して、受託者に他の受益者の氏名又は名称・住所及び受益権の内容の開示を求めることができ、受託者は法定の五つの拒否事由に該当する場合を除きこれを拒むことができない。信託行為による別段の定めが優先する。

手順

  1. 1.信託契約書・遺言の別段の定めを確認 信託行為(信託契約書や遺言)の写しを入手し、受益者間の情報開示を制限・排除する条項がないかを条項番号ごとに確認する。別段の定めがあれば39条3項によりそちらが優先する
  2. 2.権利行使と結びつく請求理由を整理 受託者の権限違反の調査、全員一致が必要な意思決定(105条)に向けた協議、受託者解任(58条)の検討など、自分の権利の確保・行使と直結する具体的な理由を文章化する
  3. 3.開示請求書を内容証明郵便で送付 他の受益者の氏名又は名称・住所、受益権の内容の開示を求める旨と理由を記載し、拒否する場合は39条2項のどの事由に当たるかを書面で回答するよう求めて送付する
  4. 4.回答を記録し次の手段を判断 受託者の回答または不回答を保存する。拒否理由が五つの事由に当たらない場合は、帳簿閲覧請求(38条)との併用や、弁護士を通じた法的手段を検討する

よくある質問 AI による整理

Q1信託法39条とは何ですか?

受益者が二人以上いる信託で、受益者が受託者に他の受益者の氏名・住所と受益権の内容の開示を請求できると定めた規定です。

Q2受託者が開示を拒否できるのはどんな場合?

調査目的以外の請求、不適当な時期、事務妨害や共同利益を害する目的、情報売却目的、過去二年以内の売却歴の五つに当たる場合だけです(39条2項)。

Q3受益者の開示請求は口頭でもできる?

条文上、書面に限るとはされていません。ただし理由を明らかにする必要があり、後の紛争に備えて内容証明郵便など記録が残る方法が無難です。

Q4信託契約で受益者情報の開示を禁止できる?

できます。39条3項は信託行為の別段の定めを優先させており、帳簿閲覧請求(38条1項)のように92条で制限禁止とされた権利ではありません。

Q5開示された受益者情報を他人に売るとどうなる?

それが過去二年以内の通報歴となり、その間、受託者は以後の開示請求を拒否できます(39条2項5号)。別途、損害賠償の問題が生じる余地もあります。

Q6受益者が一人だけの信託でも開示請求できる?

できません。39条は受益者が二人以上ある信託に限った規定です。受益者が一人なら、帳簿閲覧(38条)などで受託者の事務を確認します。

Q7受益権の内容の開示とは何がわかる?

他の受益者が信託からどのような利益を受ける権利を持つかです。給付の種類や割合など、受益権の中身を知る手がかりになります。

Q8受託者が開示請求を無視したらどうする?

書面で拒否事由の明示を求め、なお応じなければ弁護士に相談し、開示を求める訴えなどの法的手段を検討します。帳簿閲覧請求の併用も有効です。

この条文についての質問 AI による整理

Q1兄が受託者なんですが、ほかに誰が受益者なのか教えてくれません。法的に言わせることはできますか?

原則として言わせることができる。39条1項に基づいて、他の受益者の氏名・住所と受益権の内容の開示を請求できる。受託者が拒めるのは、2項の五つの事由に当たる場合に限られる。ただし、信託行為に別段の定めがあればそちらに従う(3項)。実務のポイント:家族信託のひな形には、本条の開示を制限する条項が紛れ込んでいることがある。請求書を書く前に、契約書の全条項を確認する方が早い

Q2請求の理由って、何て書けば断られにくいですか?

法律が求めているのは、「権利の確保又は行使に関する調査」という目的との結びつきである(39条2項1号)。たとえば「受益者全員の一致が必要な意思決定(105条)に向けて協議するため」のように、具体的な権利名まで書く。実務のポイント:理由が「念のため」程度だと、相手に「調査以外の目的だ」という拒否の口実を与えてしまう。理由が具体的であるほど、相手が拒否できる余地は狭まる

Q3受託者から「個人情報なので出せません」と言われたら、諦めるしかないですか?

諦める必要はない。個人情報保護法は、法令に基づく場合の第三者提供には本人の同意を求めていない(個人情報の保護に関する法律27条1項1号)。39条の請求に応じた開示はこれに当たると考えられる。拒否事由は39条2項の五つに限られる。実務のポイント:五つの事由のどれに当たるのかを、回答書に書くよう求める。根拠のない拒否は、この一手で撤回されやすい

間違えやすい点 AI による整理

  • 受託者が名簿を見せるかどうかは受託者の裁量だ、と考えて頼み込む姿勢になる人が多い。しかし、その問いの立て方がそもそも違う。法律の構造は「原則として開示、拒否は列挙された事由に当たる場合だけ」である。お願いをするのではなく、理由を添えて請求をする。この姿勢の差が、そのまま交渉力の差になる
  • 開示で得た情報を他人に教えてはいけない、という程度の認識はあっても、その代償の重さはあまり知られていない。情報を利益を得て第三者に通報すると、それ自体が過去二年以内の前歴となる。その間は、受託者が以後の開示請求を正面から拒否できる(39条2項5号)。一度の小遣い稼ぎが、二年間、仲間を探す手段を失わせる
  • あなたから見れば、他の受益者の住所はプライバシーの問題に見える。しかし法律から見ると、それは全員一致の意思決定(105条)を成り立たせるための基盤である。この視点の違いに気付かず「個人情報だから仕方ない」と引き下がった受益者は、受託者の解任や信託の変更を議題にすることすらできない
  • 「法律が保障した権利だから、契約で奪うことはできない」と思い込むのは危険である。帳簿の閲覧請求(38条1項)は信託行為でも制限できない権利として92条に列挙されているが、本条は列挙されておらず、3項で信託行為による別段の定めが認められている。同じ情報請求でも、守られ方の強さがまったく違う
比較の観点この条文ほかの条文
請求の対象信託法39条:他の受益者の氏名・住所と受益権の内容信託法38条:信託財産に係る帳簿等の閲覧・謄写
会社法125条:株主名簿の閲覧・謄写
請求の要件受益者が二人以上ある信託+請求理由の明示受益者による請求+請求理由の明示
株主・債権者による請求+請求理由の明示
拒否できる場合2項の五つの事由(目的外・不適当な時期・妨害・情報売却目的・二年内の売却歴)2項に類似の拒否事由が列挙
3項に類似の拒絶事由が列挙
契約・定款での制限信託行為の別段の定めが優先(3項)1項の請求権は92条で信託行為による制限が禁止
法定の権利であり、定款で一般的に排除する規定はない

他国ではどう定めているか 3 か国

台湾
信託法第32条

台湾では委託人・受益人が信託事務の書類の閲覧・謄写や説明を請求できるが、他の受益者の氏名・住所の開示を正面から定めた規定は見当たらない

中国
信托法 第20条・第49条

受益人は委託人と同様に信託財産の管理運用状況を知り、説明を求める権利を持つ。受益人間の名簿開示に特化した規定ではない

アメリカ
Uniform Trust Code § 813

受託者に受益者への情報提供・報告義務を課す。日本法のように受益者間の名簿開示請求と拒否事由を列挙する構造とは異なる

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 父が亡くなり、家族信託の第二受益者になった。受託者の長兄に「ほかに誰が受益者なのか」と聞くと、「お前には関係ない」と返された。本当に断れるのだろうか。父の再婚相手や、存在を知らなかった子が受益者に入っている可能性もある。理由を書いた書面で39条の請求をすれば、信託契約に別段の定めがない限り、長兄が拒めるのは2項の五つの事由に当たる場合だけである
  • あなたは、母から託された賃貸アパートを管理する受託者の長女だ。ある日、妹から内容証明郵便が届き、他の受益者の住所と受益権の内容を開示するよう求められた。「面倒だから」「家族の揉め事に巻き込まれたくないから」は拒否理由にならない。断るのであれば、列挙された事由のどれに当たるのかを説明できる記録が必要になる
  • 小口化不動産の受益者名簿を開示請求で手に入れ、営業リストとして業者に売った。そうなると、それから二年間、同じ請求をしても受託者は拒否できる。
  • 信託契約で売却権限が与えられていないはずの賃貸マンションを、受託者が売ってしまったと知った。権限違反行為の取消権(27条)は、取消しの原因を知った時から三か月で時効により消える。受益者一人でも行使はできるが、他の受益者と証拠を持ち寄るには、まず名簿が必要だ。残りはおよそ二か月半。開示請求は今週中に出さなければならない

取るべき行動

被害を受けた側:1. 信託契約書や遺言を取り寄せ、開示を制限する別段の定めがないか確認する(39条3項)。2. 請求は書面で行い、受託者の権限違反の調査や、全員一致が必要な意思決定(105条)に向けた協議など、権利行使と結びつく具体的な理由を書く。3. 内容証明郵便で送り、受託者が拒否する場合は、2項のどの事由に当たるのかを書面で回答するよう求める。4. 応じてもらえない場合は、帳簿閲覧請求(38条)との併用や弁護士への相談を検討する

訴えられた側:1. 受託者として請求を受けたら、まず信託行為に別段の定めがあるか確認する。2. 定めがなければ原則として開示する。拒否する場合は、2項の五つの事由のどれに当たるのかを、事実と証拠で説明できるようにしておく。3. 開示は「相当な方法」で行う。住所と受益権の内容を書面で示すのが無難である。4. 応じた記録や拒否の根拠を保存しておく。受託者の善管注意義務(プロとして当然払うべき注意)や公平義務(33条)をめぐる争いへの備えになる

時効(請求できる期限):本条の開示請求そのものに特定の時効はなく、受益者である間は請求できると考えるのが自然である(一般消滅時効の民法166条をこの種の地位に基づく請求に適用するかは、確立した見解が乏しい)。実務上の時間的制約は周辺にある。権限違反行為の取消権は、取消しの原因を知った時から3か月、行為の時から1年で消滅する(信託法27条4項)。また、開示で得た情報を売った前歴は、2年間、拒否事由として残る(39条2項5号)

改正沿革 AI による整理

  • 平成18年(2006年)信託法制定 旧信託法(大正11年法律第62号)を全面的に改めた現行信託法の制定時に設けられた規定である。施行は平成19年(2007年)9月30日。その後の改正の有無は人的な検証が必要

改正の年表

  1. 1.平成18年(2006年) 新設:旧信託法(大正11年法律第62号)を全面的に改めた現行信託法(平成18年法律第108号)の制定により新設。施行は平成19年(2007年)9月30日。その後の改正の有無は要検証

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信託法の全文を見る所属する編章節を開く:第二節 受託者の義務等

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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