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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)e-Gov法令検索出典公布 収録時点 令和8年7月4日読了 6 分6 分6 分

信託法 第79条(信託財産の合有)

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受託者が二人以上ある信託においては、信託財産は、その合有とする。

この条文の基本情報

信託財産の合有とは何ですか?

定義信託財産の合有とは、信託法第79条に定められた規定で、「受託者が二人以上ある信託においては、信託財産は、その合有とする。」と規定しています。

出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)

  1. 信託法第79条(信託財産の合有)は、日本の信託法に含まれる条文です。
  2. 信託法第79条の条文原文は「受託者が二人以上ある信託においては、信託財産は、その合有とする。」で始まります。
  3. 信託法第79条は第六節 受託者が二人以上ある信託の特例に置かれています。
  4. 信託法の公布日は平成18年12月15日です。
  5. 信託法について、LawPlayer が e-Gov法令検索から取得した令和8年7月4日時点では廃止情報はありません。
  6. 信託法第79条の前の条は信託法第78条です。
  7. 信託法第79条の次の条は信託法第80条です。
  8. 信託法第79条には、要件・効果とよくある質問をまとめた解説が本ページにあります。

この条文を引用する

下の三行はそのまま引用に使えます(法令番号・条番号・出典・取得日を含みます)。

  • 正式書式信託法(平成十八年法律第百八号)第79条
  • 官報・e-Gove-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/418AC0000000108
  • 本サイト収録信託法(平成十八年法律第百八号)第79条(LawPlayer 収録、取得日 令和8年7月4日)https://lawplayer.com/jp/article/418AC0000000108/79

わかりやすく解説 AI による整理。効力は条文原文が基準です

要点信託法79条は、受託者が二人以上ある信託の信託財産を受託者の合有とする規定。共有と異なり持分がなく、各受託者は持分の処分も分割請求もできない。

Q · 受託者を兄弟二人にしたら、信託した実家は半分ずつの共有になるの?

ならない。持分のない「合有」になる

信託法79条により、受託者が二人以上ある信託の信託財産は受託者の合有となります。民法上の共有と違って各受託者に持分はなく、自分の取り分を売ることも分割を求めることもできません。受託者個人の債権者も持分を差し押さえることはできず、信託財産への強制執行は原則として禁じられています(23条)。その一方で、信託事務は原則として受託者の過半数で決し(80条)、信託事務の処理で負った債務は連帯債務となります(83条)。

解説

家族信託で「長男と次男の二人に実家を任せる」と決めた瞬間、その実家は兄弟の共有財産になる、と多くの人は考える。法律上はそうならない。信託法79条により、受託者が二人以上いる信託の財産は「合有」になる。合有とは、全員で一体として持つ形態である。共有と違って一人ひとりの持分(自分の取り分として切り出せる割合)がない。次男が「俺の半分を売る」ことも、「分けてくれ」と分割を請求することもできない。次男が借金を抱えても、債権者は次男の取り分として実家を差し押さえられない。一方、全員で一体として持つ以上、意思決定は原則として受託者の過半数で行い(80条)、信託事務で負った債務は連帯債務になる(83条)。共同受託者を置くことは、安全装置にもなるし、手足を縛る鎖にもなる。設計する前に、どちらに働くかを読み切っておく必要がある。

法的な位置づけ

信託法79条は、共同受託者における信託財産の帰属形態を定める規定であり、受託者が二人以上ある信託において信託財産を受託者全員の合有とする旨を規定する。合有は民法上の共有と異なり各受託者の持分を観念せず、持分の処分や分割請求は認められない。共同受託者の意思決定(80条)や連帯債務(83条)に関する規律の前提となる。

よくある質問 AI による整理

Q1信託財産の合有とは?

受託者が二人以上いる信託で、信託財産を全員が一体として持つ形態です。信託法79条が根拠で、各受託者に持分はありません。

Q2共同受託者の不動産登記に持分は書かれる?

書かれません。合有には持分がないため、登記簿には受託者全員の氏名が並ぶだけで持分の記載はありません。記載漏れではなく79条の帰結です。

Q3共同受託者の個人の借金で信託財産は差し押さえられる?

原則としてできません。合有には差し押さえる持分がなく、信託財産への強制執行も信託法23条で原則禁止されています。

Q4共同受託者は信託財産の分割を請求できる?

できません。分割請求は持分を前提とする制度であり、持分のない合有では認められません。民法の共有物分割(256条)とは扱いが異なります。

Q5共同受託者の一人が辞任したら信託財産はどうなる?

一部の受託者の任務が終了すると、信託財産は残りの受託者に帰属します(信託法86条4項)。持分の払戻しや清算は生じません。

Q6家族信託で受託者を二人にできる?

できます。受託者が二人以上なら信託財産は合有となり、意思決定は原則過半数、信託事務の債務は連帯になる点を前提に設計します。

Q7共同受託者が離婚したら信託財産は財産分与の対象?

原則として対象になりません。信託財産は受託者の固有財産から切り離されており、合有には切り出せる持分もないためです。

Q8受託者が一人の信託にも79条は適用される?

適用されません。79条は受託者が二人以上ある場合の規定です。受託者が一人なら、その受託者が信託財産の単独の名義人となります。

この条文についての質問 AI による整理

Q1兄と二人で受託者になったんですが、兄が勝手に売ったらどうなるんですか?

受託者が二人以上の場合、信託事務の処理は原則として受託者の過半数で決する(信託法80条1項)。二人体制なら事実上全員一致が必要である。権限外の処分は、相手方の認識次第で取り消しうる場合がある(27条)。実務のポイント:トラブル予防の鍵は、契約書に「誰が何を単独で決められるか」を書いておくこと。雛形のまま署名すると、この条項が抜けていることが多い

Q2共同受託者の一人が亡くなったら、その人の家族が財産を相続しますか?

しない。合有財産には持分がなく、受託者の一部の任務が終了すれば信託財産は残った受託者に帰属する(信託法79条、86条4項)。実務のポイント:法律上は自動的に帰属しても、不動産の登記名義は手続をしなければ変わらない。放置すると売却や融資のときに慌てることになるため、死亡後は早めに登記変更を行うのが実務の鉄則である

Q3受託者を二人にするのと一人にするの、結局どっちがいいんですか?

一人なら意思決定は速いが、急病や死亡のリスクを一人で背負う。二人なら相互チェックが働くが、合有ゆえに意思決定が膠着しやすく、債務は連帯になる(信託法80条、83条)。実務のポイント:実務では受託者を一人にし、第二順位の後継受託者を契約で指定しておく設計がよく使われる。共同受託の膠着リスクを避けつつ、継続性を確保できるからである

間違えやすい点 AI による整理

  • 共同受託者は信託財産を「半分ずつ持っている」と思われがちだが、合有には持分の概念そのものがない。兄弟で受託者になっても、各自の取り分は存在しない。持分の登記もされない
  • 「二人で見張れば安全」という感覚は半分正しい。ただし、二人体制では過半数が全員一致と同じ意味になる(80条1項)。一人が反対し続ければ、売却も大規模修繕も止まる。相互チェックの裏側に、意思決定の膠着という代償があることは見落とされている
  • 「受託者は財産の名義人になるだけ」と考えている人にとって、合有は名義の話に見える。法律から見れば、合有は責任の話でもある。信託事務の処理で負った債務は全受託者の連帯債務になる(83条1項)。名義を引き受けた瞬間に、他の受託者の判断に起因する債務まで背負いうる立場になる
比較の観点この条文ほかの条文
持分の有無信託法79条(合有):持分なし民法249条(共有):各共有者に持分あり
民法676条(組合財産):持分はあるが処分は組合・第三者に対抗できない
分割請求不可原則いつでも可(民法256条)
清算前は不可(民法676条3項)
個人債権者による差押え持分がなく、信託財産への強制執行も原則禁止(信託法23条)共有持分の差押えが可能
組合員の債権者は組合財産に権利行使できない(民法677条)
一人が抜けた場合残りの受託者に帰属(信託法86条4項)持分は相続・譲渡の対象
脱退組合員は持分の払戻しを受ける(民法681条)

他国ではどう定めているか 4 か国

台湾
中華民国信託法第28条

受託者が数人ある場合、信託財産はその公同共有とされる。日本の合有と同じく、持分のない一体的帰属を前提に、信託事務は原則として全受託者で共同して処理する

韓国
대한민국 신탁법 제50조

受託者が複数ある場合、信託財産は受託者らの합유(合有)とする。日本法と同系の設計である

中国
中華人民共和国信託法 第31条

二人以上の受託者を共同受託人とし、信託事務の共同処理を原則とする。財産の帰属形態を合有と明記する日本法とは規定の仕方が異なる

アメリカ
Uniform Trust Code § 703

共同受託者は原則として多数決で行動する(cotrustees who are unable to reach a unanimous decision may act by majority decision)。コモンロー上の共同受託者の権原は joint tenancy として扱われてきた

AI による対応参考であり、公式の対照ではありません。各国の原文が基準です

想定される場面と対応 AI による整理

こんなときに使う

  • 親の認知症対策で、姉と弟の二人を共同受託者にした家族信託。弟が事業に失敗し、債権者が「弟名義の不動産の半分を差し押さえる」と言ってきた。合有には弟の持分がないうえ、信託財産への強制執行は原則として禁じられている(23条)。登記簿を見せれば、債権者の主張は根元から崩れる
  • 共同受託者になった兄が、あなたに相談なく賃貸アパートの売却話を進めている。二人しかいない受託者なら、過半数は全員一致を意味する。兄一人の判断で決められる話ではない。買主との契約日まであと五日。今すぐ兄と、必要なら受益者にも書面で異議を伝えることになる
  • もし共同受託者の一人が急死したら、その人の相続人が信託財産の一部を相続するのか? しない。合有財産は相続財産にならず、残った受託者に帰属する(86条4項)。遺産分割協議の席で、この不動産を分ける話は出てこない
  • あなたは共同受託者の一人として、修繕工事を業者に発注した。工事代金が払えなくなったとき、業者はあなた個人にも全額を請求してくる。「私は半分の責任しかない」は通らない。受託者全員の連帯債務である(83条1項)

取るべき行動

被害を受けた側:1. 共同受託者の一人が独断で処分を進めているなら、信託契約書で決定方法の定め(80条の修正条項)の有無を確認する2. 定めがなければ過半数ルールが適用されるので、反対の意思を書面で伝え、受益者にも通知する3. 受託者の個人債権者が信託財産を差し押さえてきたら、信託登記を根拠に23条違反として異議を述べる(第三者異議の訴え等) 4. 損失が出た場合は受託者の損失てん補責任(40条)を検討する

訴えられた側:1. 他の受託者から独断を責められたら、その行為が保存行為(80条2項で各受託者が単独で可能)にあたるか、職務分掌の範囲内かを契約書で確認する2. 過半数の決定を経ていない処分であれば、相手方への説明と追認の取付けを急ぐ3. 信託事務の債務を連帯で請求されたら、支払後に他の受託者への求償を検討する4. 今後のために、決定事項を議事録やメールで残す運用に切り替える

時効(請求できる期限):本条自体に特定の時効はない。受託者に対する損失てん補請求権などには信託法43条の特則(受益者が受益者としての指定を受けたことを知るまで時効が進行しない等)があり、それ以外は一般消滅時効(民法166条、債権は知った時から5年または権利を行使できる時から10年)が適用される

学説

通説:本条の合有は、受託者が信託財産について持分を有しない形態と理解される。民法上の組合財産よりも団体的拘束が強く、持分処分・分割請求・持分の差押えはいずれも生じないと説明される。

改正沿革 AI による整理

  • 平成18年(2006年)信託法全部改正 旧信託法24条1項の合有規定の趣旨を引き継ぎ、共同受託者の章に独立した条文として配置した。意思決定(80条)や連帯責任(83条、85条)の規定と体系的に整理された

改正の年表

  1. 1.大正11年(1922年) 新設:旧信託法24条1項で、受託者が数人ある場合の信託財産をその合有とする規定を設けた
  2. 2.平成18年(2006年) 改正:信託法全部改正。旧法24条1項の趣旨を引き継いで79条に独立させ、意思決定(80条)、連帯責任(83条・85条)、任務終了時の帰属(86条)とともに共同受託者の規定群として体系化した

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出典:e-Gov法令検索(デジタル庁)。AI による解説は理解の補助であり、法的効力は条文原文が基準です。

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