要点刑法 100 条は、拘禁された者を逃走させる目的で器具提供等をした者を三年以下の拘禁刑に処し、暴行・脅迫を用いた場合は三月以上五年以下に加重する。
Q · 勾留中の友人を助けようと差し入れに工具を入れたら、犯罪になりますか?
なります。逃走援助罪で三年以下の拘禁刑、親族特例もありません
刑法 100 条の逃走援助罪により、法令により拘禁された者を逃走させる目的で器具を提供し、その他逃走を容易にすべき行為をすれば、三年以下の拘禁刑に処されます。暴行・脅迫を用いれば三月以上五年以下に加重されます(2 項)。相手が実際に逃げられなくても未遂として処罰されうる(刑法 102 条)点が深刻です。さらに犯人蔵匿罪と違い親族のための刑免除特例(刑法 105 条)が及ばないため、家族を助けようとした善意もそのまま前科になります。
勾留中の友人に差し入れをする。その鞄の二重底に、こっそり脱出用の工具を忍ばせた。その瞬間、あなたは刑法100条の逃走援助罪に足を踏み入れている。多くの人が誤解しているのは、この罪が守っているのは「脱獄を防ぐこと」ではなく「国家が人を拘禁し続ける作用」そのものだという点だ。だから対象は刑務所の受刑者に限らない。逮捕されて勾留中の被疑者、起訴されて拘置中の被告人、観護措置中の少年まで、すべて「法令により拘禁された者」に含まれる。さらに残酷なのは、実際にその人が逃げられなくても、器具を提供した時点で未遂として処罰されうる(刑法102条)こと。そして「親族だから許される」という常識も、ここでは通用しない。犯人蔵匿罪(刑法103条)には親族の刑免除特例(刑法105条)があるが、逃走援助罪にはそれがない。家族を助けようとした善意が、そのまま前科になる。
刑法 100 条は逃走援助罪を定める規定であり、法令により拘禁された者を逃走させる目的で、器具の提供その他逃走を容易にすべき行為をした者を処罰する。1 項は平穏な手段による援助を、2 項は暴行・脅迫を用いた加重類型を規律し、保護法益は国家の拘禁作用である。
法令により拘禁された者を逃走させる目的で、器具提供その他逃走を容易にすべき行為をする犯罪です。刑法 100 条が根拠で、三年以下の拘禁刑に処されます。
1 項(三年以下の拘禁刑)は公訴時効 3 年、暴行・脅迫を用いた 2 項(三月以上五年以下)は 5 年です(刑事訴訟法 250 条)。起算点は犯罪行為が終わった時です。
相手が拘禁中なら逃走援助罪(刑法 100 条)、逃げ切った後にかくまうと犯人蔵匿罪(刑法 103 条)です。蔵匿罪には親族特例がありますが逃走援助にはありません。
受刑者だけでなく、逮捕直後の被疑者、勾留中の被告人、観護措置で少年鑑別所にいる少年まで含まれます。有罪確定前でも対象になります。
なりえます。入管収容も法令に基づく拘禁であるため、収容者を逃がす行為は逃走援助罪に問われる可能性があります。人道的支援のつもりでも刑事責任に直結します。
いいえ。看守など職務上拘禁に関わる者が逃走させた場合は、より重い刑法 101 条(看守者等による逃走援助)が適用されます。
なりえます。見張りの位置や逃走経路を伝える行為も「逃走を容易にすべき行為」に当たり、器具提供と同様に逃走援助罪の射程に入ります。
あります。逃走の手助けではなく、保釈・勾留取消し・準抗告など弁護人を通じた正規の身柄解放手段を尽くすべきです。同じ『外に出す』でも一方は犯罪、一方は権利行使です。
逃げられなくても処罰されうる。逃走援助罪には未遂処罰規定があり(刑法102条)、器具を提供し逃走を容易にする行為をした時点で犯罪は成立に向かう。結果が出なかったことは量刑では考慮されても、無罪を保証しない。業界裏話ヒント:弁護士がまず確認するのは「その道具が客観的に逃走を容易にするものだったか」と「逃走目的をどう立証されるか」。目的は検察が証明する必要があり、工具の準備や経路の下見といった外形的事情が乏しいほど、目的の立証は崩しやすくなる
なる。しかも軽くならない。犯人蔵匿罪(刑法103条)なら親族のための刑免除特例(刑法105条)があるが、逃走援助罪(刑法100条)にはこの特例が及ばない。拘禁中の家族を逃がす行為は、他人を逃がすのと同じ重さで処罰される。業界裏話ヒント:『身内だから情状で済む』という思い込みが、家族を二次的な被疑者にする最大の落とし穴。やるべきは逃走の手助けではなく、保釈・勾留取消しといった合法的な身柄解放を弁護人に動かしてもらうこと。ゴールは同じ『外に出す』でも、一方は犯罪、一方は権利行使だ
刑が一段重くなる。器具の提供など平穏な手段は1項で三年以下の拘禁刑だが、暴行または脅迫を用いると2項が適用され、三月以上五年以下の拘禁刑になる(刑法100条2項)。下限が生まれる点が決定的に違う。業界裏話ヒント:暴行・脅迫の有無は、本人が思う以上に刑の重さを左右する分岐点。さらに看守など職務上拘禁に関わる者が逃走させた場合は別途より重い逃走援助の類型(刑法101条)がある。誰が、どんな手段で関与したかで、適用条文も刑も枝分かれする
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 行為の主体・態様 | 刑法 100 条:外部の第三者が器具提供等で逃走を容易にする | — |
| 対象となる時点 | 相手がまだ拘禁中(逃走前・逃走中) | — |
| 親族特例の有無 | 親族特例なし(家族でも刑は免除されない) | — |
| 刑の重さ | 1 項 三年以下/2 項(暴行・脅迫)三月以上五年以下の拘禁刑 | — |
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