法令により拘禁された者が逃走したときは、三年以下の拘禁刑に処する。
要点刑法 97 条は、法令により拘禁された者が逃走したときに 3 年以下の拘禁刑を科す単純逃走罪を定める。2023 年改正で逮捕・留置段階の者も対象となった。
Q · 捕まったあと逃げたら、それだけで別の罪になるの?
なります。逃走罪が上乗せされ反省の心証も崩れます
刑法 97 条の単純逃走罪により、法令により拘禁された者が逃走すると、本案の事件とは別に 3 年以下の拘禁刑が科されます。2023 年改正で逮捕・留置の段階の者も対象に含まれました。暴行・脅迫・損壊・通謀が一つでも加われば 98 条の加重逃走罪に跳ね上がります。逃走の事実は本案で「反省していない」という不利な心証を与え、保釈や執行猶予の可能性をほぼ消す点が実務上最も重い影響です。
拘置所や刑務所から逃げる、映画の脱獄劇のような話だと思っているなら、この条文の射程はもっと広い。刑法97条は「法令により拘禁された者が逃走したときは、三年以下の拘禁刑に処する」と定める。ここで決定的なのが2023年(令和5年)の改正だ。それ以前は処罰対象が「裁判の執行により拘禁された既決又は未決の者」に限られ、警察署で逮捕され留置されただけの段階で逃げても、この罪では問えなかった。大阪・富田林署からの逃走事件のような事案が引き金となり、主体は「法令により拘禁された者」へと広げられ、法定刑も1年以下から3年以下へと一気に引き上げられた。あなたが押さえるべきは、これが「ただ逃げただけ」の単純逃走罪だという点。看守を殴る、鍵や扉を壊す、仲間と共謀する、こうした行為が一つでも加われば98条の加重逃走罪に跳ね上がり、刑の重さは別次元になる。
刑法 97 条の単純逃走罪は、法令により拘禁された者が、暴行・脅迫・拘禁場や器具の損壊・通謀などを伴わずに拘禁状態から離脱する行為を処罰する規定である。2023 年改正により処罰の主体が「法令により拘禁された者」へ拡大され、逮捕後の留置段階も射程に含まれ、法定刑は 3 年以下の拘禁刑とされた。
暴行・脅迫・損壊などを伴わずに拘禁状態から逃げる行為を処罰する罪です。刑法 97 条が根拠で、法定刑は 3 年以下の拘禁刑です。
2023 年改正で「法令により拘禁された者」が対象となり、逮捕・留置の段階で逃げても逃走罪に問われうるようになりました。改正前は対象外でした。
単純逃走罪は 3 年以下の拘禁刑です。2023 年改正で 1 年以下から 3 倍に引き上げられました。暴行や損壊を伴うと 98 条の加重逃走罪でさらに重くなります。
改正後は刑法 97 条の単純逃走罪に問われうります。途中で扉を壊したり職員に暴行すると 98 条の加重逃走罪に格上げされ、刑が大幅に重くなります。
公訴時効は 3 年です(刑事訴訟法 250 条 2 項、長期 5 年未満の拘禁刑の罪)。ただし起算点は逃走を継続犯とみるか否かで解釈が分かれています。
塀の外にいても法令上は拘禁が続いており、戻らなければ逃走と評価されうります。「外を歩けている=自由」という直感が落とし穴です。
主体が「裁判の執行により拘禁された者」から「法令により拘禁された者」へ拡大し、逮捕段階も対象化。法定刑も 1 年以下から 3 年以下へ引き上げられました。
逃走罪自体は消えませんが、捕まる前の自首は量刑で強く有利に働きます。暴れて逃げたのではないという心証も整い、加重逃走罪との線引きでも有利です。
はい。逃走罪(刑法97条、3年以下の拘禁刑)が本案の事件とは別の罪として加わります。それぞれ別個に評価され、刑が併合して重くなりうる構造です。業界裏話ヒント:金額として上乗せされる以上に痛いのが心証への影響です。逃げた事実は本案事件で「反省していない」と受け取られ、保釈はほぼ通らなくなり、執行猶予の見込みも一気にしぼむ。逃走の本当のコストは、逃走罪そのものより本案への波及にある
刑法97条の単純逃走罪には当たりません。保釈された人は身柄の拘禁を解かれており「拘禁された者」ではないからです。ただし2023年(令和5年)改正で、保釈中や勾留執行停止中の逃亡を罰する規定が刑事訴訟法に新設されました(刑事訴訟法95条の2ほか、現行効力を要確認)。業界裏話ヒント:この穴はカルロス・ゴーン氏の出国事件が立法のきっかけです。かつては保釈中に逃げても刑事罰の条文がなく、改正で初めて正面から処罰できるようになった。古い解説書を読んで「保釈中なら罪に問われない」と理解していると、現行法を見誤ります
単純逃走罪(刑法97条)は暴行・脅迫・損壊などを伴わない「ただ逃げただけ」の類型で3年以下の拘禁刑。これに対し加重逃走罪(刑法98条)は、拘禁場や器具を損壊したり、暴行・脅迫を加えたり、二人以上が通謀して逃げた場合で、刑が格段に重くなります。業界裏話ヒント:どちらに当たるかは、逃げる過程の一つひとつの動作で決まる。鍵を壊した、扉を蹴破った、看守を押しのけた、その有無が刑の重さを別次元に分ける。弁護では「単純逃走の範囲にとどまる」ことの立証が最初の勝負どころになる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 行為主体・態様 | 拘禁された本人が暴行・脅迫・損壊を伴わず逃走(単純逃走) | — |
| 法定刑 | 3 年以下の拘禁刑(刑法 97 条) | — |
| 成否の分かれ目 | 逃走過程に暴行・損壊・通謀が一切ないこと | — |
| 根拠条文 | 刑法 97 条 | — |
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