前条に規定する者が拘禁場若しくは拘束のための器具を損壊し、暴行若しくは脅迫をし、又は二人以上通謀して、逃走したときは、三月以上五年以下の拘禁刑に処する。
要点刑法98条の加重逃走罪は、逃走者が器具の損壊・暴行脅迫・二人以上の通謀のいずれかを伴って逃走した場合に成立し、三月以上五年以下の拘禁刑に処される。
Q · ただ逃げるのと、扉を壊して逃げるのとで刑は変わるの?
器具損壊・暴行・通謀のどれかがあれば五年以下に跳ね上がる
刑法98条の加重逃走罪により、逃走者が拘禁場や手錠などの器具を損壊した、職員に暴行・脅迫を加えた、又は二人以上で通謀して逃げた場合、刑は三月以上五年以下の拘禁刑になります。単純逃走(刑法97条)の一年以下と比べて大きく重くなります。罰せられているのは「逃げたこと」自体ではなく、「逃げ方が施設の安全や他人の身体を脅かした」点です。さらに102条で未遂も処罰されるため、扉を壊そうとした段階でも加重逃走の未遂が成立しうる点に注意が必要です。
捕まった人間が逃げ出す。それだけなら刑法97条の単純逃走で、1年以下の拘禁刑にとどまる。法は、自由を奪われた者が逃げたくなる本能を、完全には責めきれないと考えている。だが98条はそこに一本の線を引く。拘禁場や手錠などの器具を壊した、職員に暴行や脅迫を加えた、あるいは二人以上で示し合わせて逃げた。この三つのうち一つでも踏めば、刑は一気に5年以下まで跳ね上がる。あなたが知っておくべきは、ここで罰せられているのが「逃げたこと」そのものではなく、「逃げ方が施設の安全や他人の身体を脅かした」点だという構造だ。さらに102条で未遂も処罰される。逃げ切れず取り押さえられても、扉を壊そうとした時点で加重逃走の未遂が成立しうる。前条が対象とするのは有罪確定者だけではない。裁判を待つ勾留中の人、つまり無罪推定が働くはずの人も含まれる。
刑法98条は加重逃走罪を規定する条文であり、逃走の罪(97条)の主体が、拘禁場若しくは拘束のための器具の損壊、暴行若しくは脅迫、又は二人以上の通謀という三つの加重事由のいずれかを伴って逃走した場合に成立する。法定刑は三月以上五年以下の拘禁刑であり、単純逃走罪の加重類型として位置づけられる。
逃走の際に拘禁場や器具を損壊し、暴行・脅迫をし、又は二人以上で通謀して逃げた場合に成立する罪です。単純逃走より重い三月以上五年以下の拘禁刑です(刑法98条)。
三月以上五年以下の拘禁刑です。単純逃走罪の一年以下(刑法97条)と比べて上限が五倍に跳ね上がります。加重事由が一つでもあれば適用されます。
加重逃走(五年以下の拘禁刑)の公訴時効は五年です(刑事訴訟法250条2項5号)。起算点は逃走が既遂に達した時とされます。
成立します。前条の対象には有罪確定者だけでなく、裁判を待つ勾留中の人も含まれます。無罪推定が働く立場でも逃げれば逃走罪です。
重くなりえます。手錠の取り外しが「拘束のための器具の損壊」と評価されれば、単純逃走ではなく加重逃走になります。
処罰されます。刑法102条が逃走の罪の未遂を罰しており、塀を越えようとして取り押さえられた段階でも加重逃走の未遂が成立しうります。
職員に暴行・脅迫を加えて逃げた場合、加重逃走に加え公務執行妨害罪(刑法95条)が併せて成立しうります。一つの逃走が複数の罪に膨らみます。
事前の意思連絡を指します。偶然同じタイミングで逃げただけでは通謀になりません。事前に示し合わせた事実が必要です。
なります。逃走は未遂も処罰されます(刑法102条)。扉を壊そうとした、塀を越えようとした段階で取り押さえられても、加重逃走の未遂が成立しうる。業界裏話ヒント:実務では「どこから既遂か」(看守の実力的支配を脱した時点)が激しく争われる。支配を脱する前なら未遂、脱した後なら既遂で、この一線が量刑を左右するため、弁護人は逃走の到達地点を細かく詰める
逃走そのものではなく、逃走援助罪になります(刑法100条)。器具を提供すれば加重類型。あなたが警察官など看守する立場なら、さらに重い101条です。業界裏話ヒント:差し入れや面会での何気ない協力が援助と評価されることがある。「逃げたい」と言われて頷いただけでは問いにくいが、地図や工具を渡せば実行行為。境界は「具体的な手助けをしたか」にある
刑が五倍違います。単純逃走は1年以下(刑法97条)、加重逃走は3月以上5年以下(98条)。器具損壊・暴行脅迫・二人以上の通謀のどれかがあるかで分かれる。業界裏話ヒント:「損壊」は施設や器具の物理的破壊を要し、こじ開けず開いていた扉から出ただけなら単純逃走に落ちる余地がある。弁護では損壊の有無と程度が最大の争点になる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 成立要件 | 刑法98条:逃走 + 器具損壊/暴行脅迫/二人以上通謀のいずれか | — |
| 法定刑 | 三月以上五年以下の拘禁刑 | — |
| 弁護の主戦場 | 加重事由(損壊・暴行脅迫・通謀)の有無を崩し97条へ落とす | — |
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