要点刑法 96 条の 6 は、偽計・威力による競売入札妨害(1 項)と、公正な価格を害する目的での談合(2 項)を処罰する。法定刑は 3 年以下の拘禁刑または 250 万円以下の罰金で、併科もできる。
Q · 同業者と『今回はお宅に譲るよ』と話し合うだけで、本当に犯罪になるの?
なります。落札しなくても合意した時点で談合罪が成立しえます
刑法 96 条の 6 第 2 項は、公正な価格を害しまたは不正な利益を得る目的で「談合した」こと自体を罰します。実際に落札したか、価格がどうなったかは成立要件ではありません。さらに同じ行為に独占禁止法の不当な取引制限(3 条・罰則 89 条で 5 年以下)が並行適用され、課徴金・指名停止・損害賠償が重なります。最初に公正取引委員会へ申告すれば課徴金減免(リーニエンシー)の余地があります。
建設会社を営むあなたのもとに、同業者から電話が入る。「次の市役所の工事、今回はうちに回してくれ。次はお宅に譲るから」。受話器を置いた瞬間、あなたは刑法96条の6第2項の世界に足を踏み入れている。これが談合だ。本条は二つの罪を抱える。第1項は偽計(うそやだましの仕掛け)や威力(人を畏怖させる勢力)で公の競売・入札の公正を害する行為、第2項は公正な価格を害し、または不正な利益を得る目的で談合する行為。罰は3年以下の拘禁刑か250万円以下の罰金、両方を併科することもできる。あなたが本当に怖いのはここからだ。談合は刑法だけで終わらない。独占禁止法の不当な取引制限(3条、罰則89条で5年以下)が同時に動き、公正取引委員会の課徴金、公共工事の指名停止、損害賠償と、罰金一回では済まない多層の制裁が会社を待ち受けている。
刑法 96 条の 6 は、公の競売または入札の公正を保護する犯罪類型を定める規定である。第 1 項は偽計・威力による競売入札妨害罪、第 2 項は公正な価格を害しまたは不正な利益を得る目的での談合罪を規定し、いずれも 3 年以下の拘禁刑または 250 万円以下の罰金を法定刑とする。独占禁止法の不当な取引制限と機能を分担し、公共調達の競争秩序を刑事面から担保する。
公正な価格を害しまたは不正な利益を得る目的で、入札参加者が事前に受注者や価格を取り決める行為です。刑法 96 条の 6 第 2 項で 3 年以下の拘禁刑または 250 万円以下の罰金とされます。
1 項の競売入札妨害罪は偽計・威力という手段で公正を害する罪、2 項の談合罪は目的をもって業者間で合意する罪です。手段型か合意型かで成立の入口が分かれます。
独占禁止法上、違反を公正取引委員会へ自主申告した事業者の課徴金を減免する制度です。最初の申告者は課徴金免除や刑事告発回避の可能性があります。
発注側の公務員が談合に関与する行為を排除・処罰する法律です。職員が入札情報を漏らすなどの行為に刑事罰を定め、刑法 96 条の 6 と並んで機能します。
刑事の公訴時効は 3 年です(刑訴 250 条 2 項 6 号)。継続的な談合は最後の調整行為から起算されます。独占禁止法の課徴金時効は別系統で最長 7 年です。
ライバルの入札書類を盗む・虚偽情報で辞退させる(偽計)、脅して降ろさせる(威力)などです。手段により 1 項の各類型に該当します。
まず独占禁止法・刑事に強い弁護士へ相談します。供述は後戻りできず、自社が最初に申告できる立場ならリーニエンシーを最優先で検討します。
事業者が共同して価格や受注を制限し競争を実質的に制限する行為で、独占禁止法 3 条が禁止します。談合はその典型で罰則 89 条は 5 年以下です。
なります。刑法96条の6第2項は、公正な価格を害したり不正な利益を得たりする目的で「談合した」こと自体を罰します。実際に落札したか、価格がどうなったかは成立要件ではありません。業界裏話ヒント:起訴の分かれ目は「合意」があったか。単なる情報交換や世間話との線引きは微妙で、検察はメールやチャットの文言、過去の落札パターンを総合して合意を立証します。だから普段の何気ない「次はお宅ね」の一言が、最も危ない
その前提が最も危険です。課徴金減免制度(リーニエンシー)があり、共犯者の一社が公正取引委員会に駆け込めば芋づる式に全容が解明されます。最初の申告者は課徴金免除や刑事告発回避の可能性があり、抜け駆けの動機が制度に組み込まれています。業界裏話ヒント:談合は「全員で口をつぐめば安全」という前提で成り立ちますが、リーニエンシーはその信頼を内側から崩す装置。一社でも疑心暗鬼になれば誰かが必ず先に走る。「仲間がいるから安心」が、最も脆い
刑法の罰金は氷山の一角です。同じ談合行為に独占禁止法が並行適用され、課徴金は対象商品・役務の売上高に連動して数千万円から数億円、さらに公共工事の指名停止で数年間受注ができなくなります。業界裏話ヒント:実務で会社を本当に潰すのは刑事罰ではなく「指名停止」と「課徴金」。発注者は談合企業を一定期間入札から排除し、その間の売上喪失と信用失墜が刑事罰金の何十倍にもなる。「罰金で済む」という発想が、最大の判断ミスを生む
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 保護法益・対象 | 96 条の 6:公の競売・入札の公正(公共調達の競争秩序) | — |
| 行為態様 | 1 項=偽計・威力/2 項=目的をもった談合(合意) | — |
| 法定刑 | 3 年以下の拘禁刑または 250 万円以下の罰金(併科可) | — |
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