要点刑法 167 条は、行使の目的で他人の印章を偽造する行為と、他人の本物の印章を不正に使用する行為を、三年以下の拘禁刑で罰する私印偽造罪を定める。
Q · 家族や同僚の本物のハンコを勝手に押すのは犯罪になりますか?
本人の同意がなければ、本物のハンコでも犯罪になりえます
刑法 167 条 2 項は、他人の真正な印章を「不正に使用」する行為を、偽造と同じ三年以下の拘禁刑で罰します。偽のハンコを彫らなくても、本人の意思に反して実印・認印・電子印を無断で押せば本条に該当しうるのが盲点です。家族や職場の善意の代行でも、明確な同意やその記録がなければ後で同意の有無が争われ、相続争いでは他の相続人による刑事告訴に発展することもあります。
親が入院し、その代わりに役所や銀行の書類へ親の実印を押す。家族なら当然と思うその行為が、刑法167条の射程に入る。本条が罰するのは二つ。一つは行使の目的で他人の印章や署名(電磁的記録の印章を含む)を偽造すること、もう一つが見落とされがちで、他人の本物の印章を不正に使用することだ。つまり偽のハンコを彫らなくても、本人の許可なく本物のハンコを押した時点で犯罪になりうる。法定刑は三年以下の拘禁刑(2025年6月施行で懲役・禁錮は拘禁刑に統合)。「家族だから」「どうせ本人も同意するはず」という思い込みが、あなたを被告人席に座らせる。逆に、あなたの印鑑を勝手に使われた側なら、この条文があなたの反撃の足場になる。
刑法 167 条は私印偽造・不正使用罪を定める規定であり、行使の目的による他人の印章・署名・電磁的記録印章の偽造(1 項)と、他人の真正な印章等の不正使用および偽造印章等の使用(2 項)を構成要件とする。印章には実印のほか認印やシャチハタも含まれ、保護法益は印章・署名に対する公共の信用である。
他人の印章・署名を行使の目的で偽造したり、他人の本物の印章を不正に使用したりする犯罪です(刑法 167 条)。法定刑は三年以下の拘禁刑で、偽造だけでなく無断使用も処罰されます。
まず原本と印影を確保し、同意がなかった証拠(メール・LINE)を集めます。実印でなくても刑法 167 条の対象なので、警察へ被害届や告訴ができます。159 条の私文書偽造もあわせて主張すると捜査が進みやすくなります。
公訴時効は 3 年です(刑訴 250 条 2 項、長期 5 年未満の拘禁刑)。起算点は偽造または不正使用の行為が終了した時点。非親告罪のため、被害者の告訴がなくても捜査・起訴ができます。
刑法 167 条は『電磁的記録印章等』を明文で含むため、他人の電子印・デジタル印鑑を無断で使う行為も射程に入りえます。紙のハンコだけが対象という時代は終わっています。
三年以下の拘禁刑です(2025 年 6 月施行で懲役・禁錮は拘禁刑に統合)。偽造(1 項)も不正使用(2 項)も同じ刑で、罰金刑の選択肢はありません。
私印偽造(167 条)は印章・署名そのものの偽造・不正使用を罰し、私文書偽造(159 条)は印章を使って文書全体を偽造する行為を罰します。実務では両者が重なることが多く、159 条の方が法定刑が重いです。
本人の明確な同意や委任があれば『不正に』使用したことにならず、本条には該当しません。問題は同意の範囲を超えた押印で、委任状や記録があれば立場が大きく変わります。
同僚や上司の認印・電子印を引き出しや共有フォルダから取り出し、無断で書類に押せば、本物の印章の不正使用として三年以下の拘禁刑の対象になりえます。決裁が間に合わない等の事情は理由になりません。
本人の明確な同意があれば犯罪になりません。問題は「不正に」使用した場合、つまり本人の意思に反するか許可の範囲を超えた場合です(刑法167条2項)。入院中の親に口頭で頼まれた程度では、後から同意の有無が争われます。業界裏話ヒント:家族間でも、後で他の相続人が「勝手に押した」と刑事告訴するケースは相続争いで頻発する。重要書類に家族の印を押すなら委任状か、せめて同意のLINE記録を残しておくと、これが同意の証拠になり立場が一変する
当たります。刑法167条の印章は実印に限らず、認印やシャチハタ、署名も含みます。判例上、印影が本人を表示するものであれば保護の対象です。業界裏話ヒント:実印でないから軽い、という思い込みは危険。罪の成否は印章の種類ではなく「他人の意思を偽って表示したか」で決まる。認印一つでも、行使の目的があれば三年以下の拘禁刑の射程に入る
印章偽造・不正使用罪は非親告罪なので、告訴がなくても捜査・起訴は可能です(刑法167条)。ただし実務では、被害届だけだと「民事の問題」として動きが鈍いこともあります。業界裏話ヒント:警察を動かすには、不正使用された書類の原本、本人の同意がなかった証拠、その書類で財産が動いた等の実害をセットで示す。159条の私文書偽造もあわせて主張すると、刑が重くなり捜査機関の本気度が上がる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 保護対象 | 167 条:他人(私人)の印章・署名・電磁的記録印章 | — |
| 禁じられる行為 | 印章等の偽造、および真正な印章等の不正使用 | — |
| 法定刑 | 三年以下の拘禁刑 | — |
| 未遂処罰 | 168 条により 1 項の偽造は未遂も処罰 | — |
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