法律により宣誓した鑑定人、通訳人又は翻訳人が虚偽の鑑定、通訳又は翻訳をしたときは、前二条の例による。
要点刑法 171 条は、宣誓した鑑定人・通訳人・翻訳人が虚偽の鑑定・通訳・翻訳をしたとき、偽証罪と同じく 3 月以上 10 年以下の拘禁刑に処すると定める。
Q · 裁判の鑑定人や法廷通訳が嘘をついたら、罪になるの?
宣誓した専門家が故意に虚偽を述べれば処罰されます
刑法 171 条により、法律で宣誓した鑑定人・通訳人・翻訳人が虚偽の鑑定・通訳・翻訳をすると、偽証罪(169 条)と同じく 3 月以上 10 年以下の拘禁刑に処されます。ポイントは二つ。第一に「宣誓」が成立要件で、私的な意見書や宣誓のない陳述は対象外です。第二に「虚偽」とは客観的な誤りではなく、本人が自分の確信に反する内容を述べた場合を指します(主観説)。誠実な判断ミスは罪になりません。
外国人の友人が刑事裁判にかけられ、日本語の分からない本人の代わりに法廷通訳が証言を訳す。その通訳が一語のニュアンスを変えただけで、無罪が有罪に転ぶことがある。刑法171条は、法律により宣誓した鑑定人、通訳人、翻訳人が虚偽の鑑定・通訳・翻訳をしたとき、偽証罪(169条)と同じ刑、つまり3月以上10年以下の拘禁刑に処すると定める(2025年6月1日施行の改正で懲役・禁錮が拘禁刑に統合)。ポイントは二つ。第一に「宣誓」していることが前提で、宣誓なしの専門家の意見は本条の対象外。第二に「虚偽」とは客観的な誤りではなく、その専門家が自分の本当の確信に反することを述べた場合を指す(主観説、判例の主流)。つまり誠実な判断ミスは罪にならないが、依頼者に有利になるよう意図的に結論を捻じ曲げれば、専門家生命だけでなく身柄まで失う。精神鑑定、DNA鑑定、不動産鑑定、医療過誤の鑑定、法廷通訳、これらすべてがこの一条の射程にある。
刑法 171 条は虚偽鑑定等罪を定める規定であり、法律により宣誓した鑑定人・通訳人・翻訳人が、自己の確信に反する虚偽の鑑定・通訳・翻訳を行った場合に、偽証罪(169 条)の例により処罰する。客観的な誤りではなく内心との不一致を処罰対象とする点に特徴がある。
法律により宣誓した鑑定人・通訳人・翻訳人が、自分の確信に反する虚偽の鑑定・通訳・翻訳をした場合に成立する罪です。刑法 171 条が根拠で、偽証罪と同じ刑が科されます。
偽証罪(169 条)の例により、3 月以上 10 年以下の拘禁刑です。2025 年 6 月施行の改正で懲役・禁錮が拘禁刑に統合されました。罰金刑はありません。
公訴時効は 7 年です(刑事訴訟法 250 条 2 項)。起算点は虚偽の鑑定書を提出した時、または虚偽の通訳・翻訳を終えた時です。
裁判所が選任した鑑定人は、原則として鑑定をする前に宣誓します(刑訴 166 条・民訴 216 条)。この宣誓が虚偽鑑定罪の成立前提になります。
対象外です。171 条は「法律により宣誓した」鑑定人に限られるため、当事者が私的に取得した宣誓なしの鑑定書はこの罪に問えません。
その鑑定が使われた裁判が確定する前に自白すれば、170 条の準用により刑が減免されうる可能性があります。確定後では手遅れになりやすいです。
裁判所が事件ごとに選任します。公的な資格制度はなく、語学力と中立性が求められます。宣誓した通訳人が虚偽の通訳をすれば 171 条の対象です。
専門的判断には幅があり、鑑定人が「自分の確信に反して述べた」という故意の立証が難しいためです。現実には係属中の裁判で対抗鑑定を出す方が有効です。
結論が客観的に誤っているだけでは足りません。判例の主流(主観説)では、鑑定人が自分の本当の判断に反する内容を述べたこと、つまり故意が必要です(刑法171条)。誠実な判断ミスや見解の相違は罪になりません。業界裏話ヒント:実務で虚偽鑑定罪の立件は極めて稀です。専門的判断には幅があり「確信に反した」ことの立証が難しいから。だから現実的な戦い方は刑事告訴より、係属中の裁判で対抗鑑定をぶつけて証拠価値を崩すことです
裁判官に対し、通訳の正確性について異議を述べ、別の通訳人や訳の確認を求めることができます。通訳人が宣誓していれば刑法171条の虚偽通訳の問題になりますが、その場での最優先は記録に残すことです。業界裏話ヒント:通訳の誤りは後から「言った言わない」になりやすい。疑問を感じた箇所はその場で具体的に指摘して調書に残させ、録音・公判調書の有無を確認する。黙って後で争うと、証拠がなく覆せません
問えません。刑法171条は「法律により宣誓した」鑑定人等が対象で、宣誓が成立要件です。私的に依頼した意見書や宣誓なしの陳述は本条の射程外です(内容次第で詐欺等の問題は別途あり得る)。業界裏話ヒント:裁判所選任の鑑定人には宣誓義務がありますが(刑事訴訟法166条、民事訴訟法216条)、当事者が私的に取った鑑定書には宣誓がない。相手の鑑定書を見たら、まず裁判所選任で宣誓済みかを見分けることが争い方の出発点です
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 主体 | 宣誓した鑑定人・通訳人・翻訳人(171 条) | — |
| 行為 | 虚偽の鑑定・通訳・翻訳 | — |
| 法定刑 | 3 月以上 10 年以下の拘禁刑(169 条の例による) | — |
| 自白による減免 | 170 条準用あり(裁判確定前の自白で減免) | — |
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