人に刑事又は懲戒の処分を受けさせる目的で、虚偽の告訴、告発その他の申告をした者は、三月以上十年以下の拘禁刑に処する。
要点刑法 172 条の虚偽告訴罪は、人に刑事または懲戒の処分を受けさせる目的で虚偽の申告をした者を、三月以上十年以下の拘禁刑に処する。虚偽とは客観的に真実に反することをいう。
Q · 嘘の被害届や告発で相手を陥れたら、どんな罪になるの?
嘘と知って相手を陥れる目的の告訴・告発は最大十年の犯罪
刑法 172 条の虚偽告訴罪により、人に刑事または懲戒の処分を受けさせる目的で虚偽の告訴・告発その他の申告をした者は、三月以上十年以下の拘禁刑に処されます。ここでいう虚偽とは客観的に真実に反することをいい(客観説・通説)、真実と信じる相当な理由があれば故意を欠きます。なお勢いで虚偽の申告をしてしまった場合でも、裁判確定前または懲戒処分前に自白すれば、刑法 173 条で刑が減軽・免除されます。
痴漢をでっち上げられた、別れた配偶者に「暴力を振るわれた」と嘘の被害届を出された、職場の同僚に身に覚えのない横領で告発された。これらに共通するのは、告訴・告発する側が必ずしも安全地帯にいるわけではないという事実だ。刑法172条は、人に刑事処分または懲戒処分を受けさせる目的で、虚偽の告訴・告発その他の申告をした者を、三月以上十年以下の拘禁刑に処すると定める。注目すべきは上限の重さだ。名誉毀損が三年以下なのに対し、虚偽告訴は十年以下。なぜか。この罪が守っているのはあなた個人の名誉だけではなく、国家の捜査・裁判・懲戒という審判作用そのものだからだ。さらに「虚偽」とは客観的に真実に反することを指す(通説、客観説)。あなたが本気で「やられた」と信じて通報し、それが結果的に事実なら罪にならない。だが嘘と知りながら相手を陥れる目的で申告した瞬間、立場は告発者から被告人へ反転する。
虚偽告訴罪は、人に刑事または懲戒の処分を受けさせる目的で、虚偽の告訴・告発その他の申告をする行為を処罰する罪である。ここでいう虚偽とは客観的に真実に反することを指し(客観説・通説)、申告者が真実と信じる相当な理由をもって通報した場合は故意を欠く。法定刑は三月以上十年以下の拘禁刑である。
人に刑事または懲戒の処分を受けさせる目的で、嘘の告訴・告発その他の申告をする罪です(刑法 172 条)。法定刑は三月以上十年以下の拘禁刑と重く、保護法益は個人の名誉と国家の審判作用の両方です。
公訴時効は 7 年です。法定刑の長期が 10 年であるため、刑事訴訟法 250 条 2 項 4 号により 7 年となります。起算点は虚偽の申告という犯罪行為が終わった時です。
成立には申告が客観的に虚偽であることと、申告者が嘘と認識していた故意の立証が必要だからです。真実と信じる相当な理由があれば故意が否定され、実務では故意の立証が難所になります。
虚偽告訴罪(172 条)は捜査機関などへの虚偽の申告を罰し、偽証罪(169 条)は法律により宣誓した証人の虚偽陳述を罰します。前者は誰でも主体になり、後者は宣誓した証人に限られます。
相手の不起訴や無罪は、虚偽告訴罪の成否を直接決めません。判断軸は申告が客観的に虚偽か、申告者が嘘と知っていたかであり、相手の処分結果とは別の軸です。
虚偽告訴罪は親告罪ではありません。被害者の告訴がなくても検察官が起訴できます。ただ実務では被害者側が虚偽の証拠を示して捜査を促すことが多いです。
民法 709 条の不法行為に基づき、損害賠償・慰謝料を請求できます。刑事の逆告訴とは別軌道で、同時並行で進められます。金額は事案により幅があります。
なります。匿名でも嘘と知って相手に処分を受けさせる目的で申告すれば成立し、発信元は通信記録などから特定され得ます。匿名性は免責の理由になりません。
でっち上げた相手が「嘘と知りながら、あなたに刑事処分を受けさせる目的で」申告したと立証できれば、刑法172条の虚偽告訴罪(最大十年)に問えます。並行して民法709条で慰謝料請求も可能です。業界裏話ヒント:虚偽告訴罪は親告罪ではないので、あなたの告訴がなくても検察が動けます。ただ実務では故意の立証が難しく立件率は低い。だからこそ、相手の供述の矛盾やアリバイ証拠を初動で固めるかどうかが、逆転できるかの分水嶺になる
単に取り下げるだけでは足りませんが、刑法173条により、申告した事件の裁判が確定する前、または懲戒処分が行われる前に自白すれば、刑が減軽または免除されます。業界裏話ヒント:この減免規定を知らずに「ばれなければいい」と黙っている人が多い。だが捜査が進めば嘘はほぼ露見する。自白のタイミングが早いほど救済の幅は大きく、確定後では一切適用されない。早く動いた者だけが救われる設計になっている
大きく違います。SNS への書き込みは主に名誉毀損罪(刑法230条、三年以下)ですが、捜査機関や懲戒権者に虚偽の申告をすれば虚偽告訴罪(刑法172条、十年以下)になり、刑が跳ね上がります。業界裏話ヒント:多くの人は「正式に通報した方が責任を果たした」と思うが、法的には逆に重い罪を背負う行為。申告先が『相手を処分できる権限を持つ機関』かどうかが、名誉毀損と虚偽告訴を分ける決定的なラインになる
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 保護法益・条文 | 虚偽告訴罪(172 条):国家の審判作用 + 個人の処分されない利益 | — |
| 行為態様 | 捜査機関・懲戒権者への虚偽の告訴・告発・申告 | — |
| 主体 | 誰でも(一般人) | — |
| 法定刑 | 三月以上十年以下の拘禁刑 | — |
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