公務員がその職権を濫用して、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害したときは、二年以下の拘禁刑に処する。
要点刑法193条は、公務員が職権を濫用して人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害したとき、二年以下の拘禁刑に処すと定める公務員職権濫用罪の規定である。
Q · 役所の担当者に法的根拠のない要求をされ続けたら、それは犯罪になるの?
職権の濫用で義務なきことを強いれば刑法193条の犯罪
刑法193条の公務員職権濫用罪は、公務員がその職権を濫用して、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害したときに成立し、二年以下の拘禁刑に処されます。鍵は「職権の濫用」で、本来権限のない私的な嫌がらせは本罪にあたりません。さらにこの罪は、検察官が不起訴にしても告訴人が裁判所に審判を求める付審判請求(刑事訴訟法262条)という例外ルートが用意されている点で特殊です。
市役所や税務署の窓口で、担当者が法的根拠も示さずに「この書類も出せ」「先にあの手続を済ませてからだ」と、本来あなたが負っていない義務を次々と押し付けてくる。あるいは、正当に申請したはずの許可を、特定の人物への嫌がらせ目的で握り潰される。これらは単なる「役所の不親切」ではなく、刑法193条の公務員職権濫用罪という犯罪になりうる。条文はこう定める。公務員がその職権を濫用して、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害したとき、二年以下の拘禁刑に処する。鍵は「職権を濫用して」の部分だ。まったく権限のない私的いじめではなく、本来その公務員が持っている権限を、ねじ曲げて使ったときに成立する。そしてこの犯罪には、他のどんな犯罪にもない特別な救済ルートが用意されている。検察官が不起訴にしても、あなたが裁判所に直接「裁判にかけてくれ」と請求できる道だ。それを知っているかどうかで、泣き寝入りするか戦えるかが分かれる。
刑法193条は公務員職権濫用罪を定める規定であり、公務員がその職権を濫用し、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害する行為を処罰の対象とする。権限の不存在ではなく、保有する権限の濫用を要件とする点に本罪の特質がある。
公務員がその職権を濫用して、人に義務のないことを行わせ、又は権利の行使を妨害する罪です。刑法193条が根拠で、二年以下の拘禁刑に処されます。
主体が公務員であること、本来有する職権を濫用したこと、その結果として義務なきことを強制し又は権利行使を妨害したこと、の三点が中核的な構成要件です。
二年以下の拘禁刑にあたる罪なので、公訴時効は3年です(刑事訴訟法250条2項)。起算点は犯罪行為が終わった時で、継続的妨害は行為終了時からです。
検察官が不起訴にしても、告訴・告発した本人が裁判所に審判を求められる準起訴手続です。刑法193条から196条の罪に限って認められる例外ルートです。
警察官など特別な職務を持つ公務員の場合、より重い特別公務員職権濫用罪(刑法194条)や暴行陵虐罪(195条)が問題になることがあります。
法令にない書類提出の強要、正当な申請の握り潰し、生活保護申請の門前払いなど、職権を背景に義務なきことを強いる行為が典型例です。
刑の上限は軽く見えますが、公務員が有罪になれば失職し退職金にも影響します。さらに同じ事実は国家賠償請求の強力な証拠になります。
親告罪ではなく、告訴がなくても起訴は可能です。ただし実務上は告訴・告発を端緒に動くことが多く、証拠の確保が立件の鍵になります。
単なる不親切や態度の悪さだけでは犯罪になりません。193条が成立するには、担当者が職権を濫用して、あなたに義務のないことを強いるか、権利の行使を妨害したという実害が要ります。法令にない書類提出を強要された、正当な申請を握り潰された、といった具体的な不利益が鍵です。業界裏話ヒント:検察は職権濫用罪の立件に極めて慎重で、証拠が弱いと門前払いされやすい。だからこそ、要求された瞬間の録音と、いつ誰が何を言ったかの記録が、案件が立つかどうかを最初から決めてしまう
確かに不起訴になる確率は高いですが、193条から196条の犯罪に限っては、不起訴で終わりではありません。告訴・告発した本人が裁判所に直接「審判に付してくれ」と求める付審判請求(刑事訴訟法262条)という特別ルートがあります。業界裏話ヒント:この準起訴手続は日本の刑事手続でほとんど知られておらず、対象が公務員の職権濫用系の罪だけに限定されている。一般の弁護士でも扱った経験がない人が多いので、相談時に「付審判請求も視野に」と切り出せること自体が、相手の構えを変える
両方できます。刑事は刑法193条による公務員個人の処罰、賠償は国家賠償法1条による国や自治体への請求で、別の軌道です。職権濫用で刑事の有罪が出れば、それは賠償請求でも極めて有力な証拠になります。業界裏話ヒント:国家賠償は加害公務員個人ではなく国や自治体を被告にするのが原則。相手に資力がないから諦める、という心配がいらない。刑事告訴で事実を固め、その記録を民事に流用するのが実務上の定石
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 主体 | 刑法193条:一般の公務員 | — |
| 行為態様 | 職権濫用による義務なきことの強制・権利行使の妨害 | — |
| 法定刑 | 二年以下の拘禁刑 | — |
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