前二条の罪を犯し、よって人を死傷させた者は、傷害の罪と比較して、重い刑により処断する。
要点刑法 196 条は、特別公務員が職権濫用や暴行陵虐(194・195 条)を犯して人を死傷させたとき、傷害の罪と比較して重い刑で処断すると定める結果的加重犯である。
Q · 警察官や刑務官に拘束中、暴行されてケガをしたら、普通の傷害罪で処理されるの?
通常の傷害罪より重く処断され、付審判請求の道もあります
刑法 196 条により、特別公務員(警察官・検察官・刑務官等)が職権濫用や暴行陵虐(194・195 条)を犯し、よって人を死傷させたときは、傷害の罪と比較して重い刑により処断されます。同じケガでも、加害者が職権を持つ公務員かどうかで刑の重さそのものが変わります。さらに検察が不起訴にしても、付審判請求(刑訴 262 条)で裁判所に直接審理を求められ、国家賠償法 1 条による民事賠償も別軌道で請求できます。
留置場で、取調室で、入管の収容施設で。国家から身柄を拘束された人が、その内側で暴行を受け、傷つき、ときに命を落とす。前二条(194条の不法な逮捕監禁、195条の職務上の暴行陵虐)を犯した警察官・検察官・刑務官が、その結果として人を死傷させたとき、刑法196条が発動する。「傷害の罪と比較して、重い刑により処断する」。つまり普通の傷害罪・傷害致死罪と並べて、重いほうの刑が選ばれる。あなたが知っておくべきは、これが国家暴力に正面から刑事責任を負わせる条文だという点だ。職権を持つ側が、その職権を凶器に変えた瞬間、ただの傷害事件ではなくなる。そしてもう一つ、この罪には一般犯罪にはない特別な告発ルートがある。検察官が身内をかばって不起訴にしても、被害者は裁判所に直接審理を求められる。その入口がこの条文の裏側に隠れている。
刑法 196 条は特別公務員職権濫用等致死傷罪を定める規定であり、194 条(特別公務員職権濫用罪)または 195 条(特別公務員暴行陵虐罪)を犯し、その結果として人を死傷させた場合に、傷害の罪と比較して重い刑により処断する旨を規定する。職権を有する公務員の犯罪に通常の傷害罪を超える加重を課す結果的加重犯である。
裁判・検察・警察職務者や監守者が、職務上、被疑者や被拘束者に暴行や陵虐の行為をする罪です(刑法 195 条)。死傷が生じれば 196 条で重く処断されます。
不起訴処分の告知を受けた日から 7 日以内に、不起訴にした検察官へ請求書を提出する必要があります(刑訴 262 条 2 項)。この 7 日を過ぎると権利が消えます。
194 条は職権を濫用して不法に逮捕・監禁する罪、195 条は職務上の暴行や陵虐の行為をする罪です。いずれかで人を死傷させると 196 条が発動します。
職務上の暴行で被疑者等を傷つければ特別公務員暴行陵虐罪(195 条)、死傷が生じれば 196 条で通常の傷害罪より重く処断されます。
原則は警察・検察が捜査しますが、身内をかばう懸念から、遺族は付審判請求(刑訴 262 条)で裁判所に直接審理を求められます。
できます。刑事の 196 条と、国家賠償法 1 条に基づく民事賠償は別軌道です。刑事が不起訴でも、民事で事実を認めさせる道が残ります。
令和 4 年改正で懲役・禁錮が拘禁刑に統合され、令和 7 年 6 月施行。196 条が比較対象とする傷害罪等の刑種が拘禁刑になり、処断刑に反映されます。
致傷は傷害罪基準でおおむね 10 年、致死は傷害致死罪基準で 20 年です(刑訴 250 条)。起算点は犯罪行為が終わった時点です。
普通の暴行罪・傷害罪より重く処断されます。取調官のような職権を持つ公務員が職務上の暴行で人を傷つければ特別公務員暴行陵虐罪(195条)、死傷が生じれば196条で傷害の罪と比較して重い刑になります。業界裏話ヒント:こうした事件は検察が身内をかばって不起訴にしがち。だが193条から196条の罪には付審判請求(準起訴手続、刑訴262条)という特別ルートがあり、検察の判断を裁判所にひっくり返させられる。普通の暴行罪では使えないこの切り札が、公務員相手のときだけ使える
諦める必要はありません。公務員職権濫用系の罪(刑法193条から196条)に限り、付審判請求(準起訴手続)という制度があります。不起訴処分の告知を受けた日から7日以内に、不起訴にした検察官へ請求書を出せば、裁判所が審理すべきか判断し、相当と認めれば事件は公判に付されます(刑訴262条、266条)。業界裏話ヒント:この7日は極めて短く、知らずに過ぎる人がほとんど。不起訴通知が来た瞬間に弁護士へ走るスピードが、再起できるかを決める。(最新の改正状況をご確認ください)
その反論を崩すのが証拠です。釈放直後の診断書、留置場の記録、取調べの録音録画(可視化対象事件なら必須)、面会者の証言を集めます。刑事の196条と並行して、国家賠償法1条に基づく民事の損害賠償も請求できます。業界裏話ヒント:刑事は立証のハードルが高く不起訴になっても、国家賠償の民事訴訟では国側に説明責任が課され、勝てるケースがある。刑事と民事は別軌道で、刑事がダメでも民事で事実を認めさせる道が残る
| dimension | thisArticle | alternatives |
|---|---|---|
| 成立要件 | 196 条:194・195 の罪を犯し、よって人を死傷させた | — |
| 行為主体 | 裁判・検察・警察職務者や監守者等の特別公務員 | — |
| 結果要件 | 死亡または傷害の結果が必要(結果的加重犯) | — |
| 刑の重さ | 傷害の罪と比較して重い刑により処断 | — |
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